1. サイエントーク
  2. ヒトの免疫システムをくぐり抜..

mRNAワクチンについて、難しい言葉をほぼ使わない説明にチャレンジしました。

後編は免疫システム、mRNAワクチンはなぜ使われてこなかったのか、カリコ―カタリンさんの研究について話しました。


※本放送では新型コロナウイルスワクチンの有効性や安全性に関する内容はしていません。

論文をベースとして、科学的に「どんなものなのか?」「どんな工夫があるのか?」についてフォーカスして話しています。


  • 参考文献

Modifications in an Emergency: The Role of N1-Methylpseudouridine in COVID-19 Vaccines

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscentsci.1c00197

  • 細胞壁
  • ペプチドグリカン
  • TLR: Toll-like receptor (Toll様受容体)
  • TLR7はRNA、正確には1本鎖RNAを認識する受容体 その他にもTLR8や2本鎖RNAを認識するTLR3、RIG-Iなども重要ですが今回は簡単に説明ということで対象を絞っていますのでご容赦ください。
  • ウリジン
  • カリコ―・カタリン:アメリカが合衆国在住のハンガリー人 生化学者

mRNAを治療薬として使う研究の第一人者。mRNAの抗ウイルス応答ががんワクチンの腫瘍予防に有効であることを発見し、新型コロナウイルスのワクチン開発につながった。

https://podcasts.apple.com/tw/podcast/vaccine-wars-this-is-not-a-drill-1/id1335814741?i=1000517725162&l=en


SciEnTALK【サイエントーク】は科学系男子レンと国際系女子エマが科学や英語、国際系の話題などについて語るラジオ番組です。

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00:02
サイエントークは、科学系や国際系の話題など、私たちが気になっていることについて語るラジオ番組です。
今回は、新型コロナワクチン後編ということで、
前回のエピソードでは、ワクチンがそもそもどんなものなのか、
RNAとかDNAがどういうものなのか、
あとは、なぜ開発が早かったのだろうという話をしました。
今回は引き続き、前回と同じ参考文献から、
なぜこの技術は今まで使われていなかったのか、という質問をしてくれたところです。
どんな工夫があったのかというところを、
全部はちょっと難しいので、ポイントを絞って説明してみようかなと思います。
今回も、良い悪いの話ではなくて、
純粋にこういうものがあるんだよというところの紹介で、
簡単に説明しようというところで、
専門的な登場人物というか、
2人ぐらいしか難しい言葉が出てこないように一応なっていると思います。
今まで、なぜ使われていなかったのかという話に行く前に、
ちょっと前置きとして、
人間がどんな脅威にさらされているのかが結構重要になっていて、
ワクチンとか以前に、
そもそも生きているだけで、
いろんなものにさらされているわけだよね。
人間というのは。
細菌とかウイルスとか、
寄生虫とかもそうだけど。
そういうものがいるのに、
なぜいちいち体の中でワーッと増えちゃったりしないで、
僕らが生きれているかというところ。
それをちゃんと、
自分のものじゃないというふうに判断するレーダーみたいな。
レーダーというかセンサーかな。
センサーみたいなものが体には備わっていて、
例えば細菌だったら、
人の細胞って、
細胞膜で覆われているけど、
細菌とかでいるやつは、
細胞壁、壁。
細胞壁とかがあるから、
その細胞壁を認識するものだと。
細胞壁を認識するものとか。
そうなんだ。
細菌って細胞壁なんだ。
いろんなタイプがあるんだけど、
植物が細胞壁っていうイメージだった。
そうだね。植物も細胞壁持ってる。
持ってる。持ってる。
でも最近でも、
そういう細胞壁とか、
ペプチドグリカンっていう膜、
人が持ってない膜を持ってるっていう違いがあって、
03:04
その膜を認識するセンサーが、
それぞれの細胞が持ってるっていう状態になってるんだよね。
あとは外から基本的に、
DNAとかRNAの話を前回したんだけど、
要は重要な情報なわけじゃない。
生き物がそれを参考にタンパク質を作るっていうところで、
重要なDNAとかRNAっていうものも、
外の世界にはいたりするんだけど、
それを例えば細胞の中にホイホイ入ってきちゃうと、
どれが自分の情報かわからなくなっちゃう。
だったら細胞の中大パニック状態になっちゃう。
これは作ったはいいけど、
自分の細胞に必要ないもんだみたいなのばっかりやっちゃうと、
もう細胞の中がめちゃくちゃになっちゃうから。
そういうのをちゃんと防ぐような仕組みが備わってる。
そのセンサー、門番みたいなものがいるんだけど、
その代表的なやつがトールライクレセプターっていうもの。
これが1個目の登場人物なんだけど、
トールライクレセプターでTLRってよく略されるんだけど、
これすごいTDLと間違える人がよくいる。
TDLって東京ディズニーランドなんだけど。
東京ディズニーランドじゃなくて、TDLじゃなくてTLRね。
気をつけます。
このTLRっていうものがいろんな種類があるんだけど、
今回出てくるこのTLRっていうのは数字がついてて、
数字がついてていろんなものを認識する。
1、2、3、4、5みたいな。
この7番っていうのが今回の登場人物。
この7番っていうのは何してるのかっていうと、
そのRNAを認識するっていう役割を持ってるセンサーなわけ。
番号ごとに何を認識するか違うんだ。
そうそうそうそう。
さっき言ったペプチドグリカンみたいな細菌のものを認識するものだったり、
よくその細菌の周りにお砂糖がいっぱいついてる膜持ってるやつとかもいるんだけど、
そういうのを認識するものだったり、いろんなタイプがいる。
ここでTLR以外にもいろいろあるだろうっていう緊急ガチ勢の人も聞いてるかもしれないから、
あれなんだけど。
今回はそのうちの一つの話。
基本的には細胞の膜の上にあって、
要は外側のものをチェックしてるわけだよね。
06:03
RNAっていうのはさっき言ったように重要な情報でもあるんだけど、
要はDNAから写し取った情報がRNAなわけで、
ずっとそれが残っちゃうとそればっかりできちゃうようになっちゃうから、
ある程度は分解されるような仕組みっていうのはなってるから、
結構分解はされやすいっていうものなんだけど、
そのRNAが仮にふっと細胞の中に入ってこようとしたときに、
これが異物だっていうところで、
さっき言ったTLRのナナっていうやつが働いて、
そのRNAを分解したりとか、
細胞が防御体制に入るみたいなことが起きるわけ。
これを認識させてる重要なところっていうのが、
RNAっていうのはAUGCの4つの文字、円形の文字で構成されてるのが、
AUGC、GCUとかのがワーってなってるのが基本的にRNAなんだけど、
このUっていうのがすごい重要なわけ。
Uっていうのはウリジンっていうものなんだけど、
これが2個目の登場人物。
これはUがあるとRNAがあるっていうので、
さっき言ったTLRっていうのがこれ敵じゃんみたいな感じで、
分解したりするんだけど、
これをそう考えると、
コロナのワクチンの話で、
RNAをワクチンとして使おうって思ったときに、
細胞の中にちゃんと入って、
タンパク質まで出てくれないと使い物にならないわけ。
だけど、今話してるRNAに対する防御のシステムっていうのがあると、
U持っててRNAだから、
入ってこようとしたときに、
こいつ自分のものじゃねえなっていうので、
すごい分解したり、
免疫のシステムとして異物として扱われちゃうわけ。
これがあるから、
すごい今まで難しかったわけ。
この開発っていうのが、
そこの細胞の中にちゃんと忍び込ませるというか、
そこがすごい、
タンパク質のワクチンだったら、
タンパク質自体を使えばいいから、
それはもう異物だ異物だで、
細胞たちがワーって、
それに対する抗体とかを作ればいいわけだけど、
なるほどそういうことか。
そうそうそう。
RNAは一回タンパク質にならなきゃいけないから、
やっぱり細胞に一回侵入しなきゃいけないっていうハードルがある。
何もしなかったら、
もうタンパク質になる前に分解されちゃう。
そうそうそうそう。
それが結構ハードルが高かったっていうのが、
09:00
なかなか今まで開発が進んでこなかったっていう理由の一つかな。
で、
今使われてるやつは、
そこをどうやって侵入させてるのかっていうのが、
いろいろやられてる方法はあるんだけど、
今回使われてるのが、
このU、さっき言った、
抗生成分のUを改造するっていうことをやってるんだよね。
で、
これを一番最初にやり始めてるのが、
カリコー・カタリンさんっていう、
ハンガリー人の女性の研究者がいて、
この人が結構活躍してるんだよね。
で、このカリコーさんは、
ここのAUGCっていう、
ここのAUGCってワーって続いてるものを、
いろいろちょっと改造したりして、
そこの異物として認識されにくいようなものに、
なんとかできないかっていうところをずっと研究していた人で、
で、
見つけたのは、このUウリジンっていうやつを、
シュードウリジンって言われる、
シュードっていうのは偽のとか偽物みたいな意味なんだけど、
本当に微妙な違いなんだよね。
ちょっと一部ひっくり返したみたいなぐらいの違いなものを、
これだとちょっと免疫抑えて細胞の中に侵入しやすい、
しても、
ワーって免疫が出ないぞっていうのを見つけて特許とかも出してるんだけど、
このシュードウリジンってもともと自分たちの細胞の中にもちょっといるんだよね。
メッセンジャーRNAじゃなくてトランスファRNAってちょっと別なタイプのRNAに入ってるものなんだけど、
これを使ってあげるとそこをクリアできそうだっていうのを見つけて、
これがすごいことなんだけど、
今のワクチンに使われてるやつがこのシュードウリジンっていうやつにメチルが入ってる、
N1メチルシュードウリジンっていうものが実際に実用化されたものになってるっていう経緯になってる。
このメチルっていうやつが結構肝にもなっているところなんだけど、
これは何がすごいかっていうと、
さっき言ったTLRの7番って言ってたセンサー、
この門番がウリジンUだとすごい認識して敵だってなるんだけど、
シュードウリジンもそんな感じになるんだけど、
メチルシュードウリジンになるとさらにそこの認識に引っかかりにくいと。
センサーになかなか引っかからないで、
スッと静かに侵入するっていうところで、
なんで?
12:01
要はさっき言ったセンサーっていうのはポケットみたいなイメージでタンパク質でできてる。
ポケットみたいなところにこのウリジンっていうのがはまっちゃうと、
そこからシグナルが出て、要は警戒状態になるんだけど、
そのセンサーに微妙に形が変わることではまらなくなる。
はまりにくくなるっていうところで飼いくぐるっていうのを実際に見つけていて、
これ本当に構造解析みたいなやつでちゃんとポケットみたいなところで
こことここがぶつかるからはまりにくくなるみたいなところまで分かってるからすごいなって感じなんだけど。
それは今回のコロナの前からメチルをつけたらポケットはまらなくなるっていうのはもう分かってた?
それは実際に分かってて、今モデルナっていう会社とかはそれを使って全然違う病気とか、
違うウイルスのワクチンとかは今回のコロナの前から実際にやってて、
発売とか承認はされてるやつはまだないと思うんだけど、
やってたやつをコロナに流用してやってるって感じ。
やってたからこそ早かったんじゃないかなって思うけど。
あんまり今までモデルナ以外でmRNAワクチンをやろうとしてるところってなかったの?
いや、何社かあって、このカリコーさんっていう人も、この人普通に大学の先生だけど、
ファイザーと一緒にビヨンテクっていう会社がそこと関わってるかな、カリコーさん。
他にも何社かやってる会社はあるから、
他にも新型コロナのワクチンでも今もmRNAで臨床試験やってるやつも確かあったはずだから、
独占してるわけじゃないかな。
あとすごいのはそこを飼育って細胞の中に入って、
要はタンパク質まで行かないといけないって話をしてると思うんだけど、
ちゃんとそこまで行くんだよね。
これは普通のウリジンじゃんみたいな感じで、
細胞はハイハイハイって言って、それを元にせっせとタンパク質を作るっていうところまで行くのが結構すごい。
すごいね。
そこまできっちり騙し切ってるっていうか、
入ってくる時は敵じゃないよって言って、
入った後もちゃんと味方として働いてくれるみたいなのは、
すごいよくうまくできてるなっていうシステムだよね。
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いらないところだけ捨ててというか、本来の機能を残してみたいな。
すごいね。
普通に考えたらこんなにうまいこといくみたいな。
文章で見ると簡単そうだけどね、
外側からポイって入れて作らせるみたいなのはできそうじゃんって思うけど、
そこの防衛をかいくぐるっていうところにすごい工夫があるっていうのが今回かなりすごかったなっていうところ。
かなりめちゃくちゃ頑張って研究したんだろうね。
ポッとでというか、今までないから大丈夫とかももちろんあるし、
それは安全性とかも今もまだやってる途中ではあると思うんだけど、
完全にポッとではなくて、そういう基礎的な積み重ねがあったからこそ、
こうやって実際に使われるところまでいったよっていう事実としてあるっていうのはすごい面白いなっていう。
そうだね、研究者魂というかね。
そうそうそう。
最初に見つけてるカリコさんもね、なんかすごい、なんか最近なんか受賞したりしてたよ。
なんかあの第1話でレンが進めてくれたビジネスウォーズ聞いたんだけど、
英語版もあるらしくて、そこでワクチン開発も7編ぐらいでやってて、
そこでもね、確かカリコさん取り上げられた気がする。
そうだよね、やっぱり結構そこの基盤を、俺もね最初の方だけ聞いて確か出てきてたはず。
そうそうそう。なんか周りの人にMRNAなんてみたいな、
いつかきっと実るはずって言って研究を続けて、
2000年よりも前からやってたんだよね。
何十年もその日の光を浴びないまま、自分の信念を貫いて研究して、
今多くの人の命を救ってるって考えたら、それは賞をあげなきゃねっていう。
ドラマだよな、なんか映画みたいな話だと思うよ、これ。
映画化してほしいね。
すごい地道なあれではあるけど。
それが女性っていうのもちょっと私は嬉しい。
すごいよね。
すごいね。
割合としては少ないからね。
今でこそちょっと増えてきてはいると思うけど、女性研究者は。
昔はもっと少なかったんじゃないかな。
このカリコさんの話聞いて、またやりたいなって思う女性科学者が増えたらいいね。
18:05
増えたらいいと思うし、個人的にはもう女性研究者っていう、
わざわざ女性をつけなくても良くなるような社会だともっといいよなって思うね。
そうだね、確かに。
今はやっぱりもともと少なくて、もっと増やしたいというか、そこはあると思うんだけど。
理系女、理系女とかあえて呼ばれるもんね。
それは賛否両方あるというか、個人的にはそのうちそういうのもなくなるといいなって思うけど。
確かにね、まだまだ先な気がするけどね。
まあね。
カナダに行った時とかめちゃくちゃ、私なんかファキュリティオブサイエンスに行ったんだけど、
女子の比率が高くて驚いたんだよね。
私日本の大学では本当に女子、理系の学部だったから10%もいかない5%とか、
それが当たり前かと思ったら普通になんか半々くらいいて、
やっぱそういうところは日本もちょっと遅れてるのかなって思ったりするけど。
少ないのかな、分かんない。
分野とかもあるかもしれないけど、そもそも大学に行く割合も全然男の方が多いし。
確かに確かに。ごめん、ちょっと話された。
いやまあでも結構重要な話だと思うよ、そこは。
こうやって活躍する人が出てくるとね。
っていうところで、コツコツやって実用化したっていう技術でしたよっていうので。
それがどれくらいすごいものだったりどうかっていうのは今後もっといろいろ出てくる。
だからメッセンジャー RNA の打とうぜっていうわけじゃ全然なくて、
そういう技術もあるんだなっていうので知っておくだけで、
ちょっとニュースの見方ちょっと変わったり、
その変異が出てきましたってなった時に、
じゃあここのまたDNAとかRNAだと設計がすごい早くてまたすぐできるのかなとか、
そういうちょっと一歩踏み込んだ目線でニュースとかも見れるかもしれないから面白いんじゃないかなと思って。
紹介しました。
面白かった。勉強になりました。ありがとう。
まだまだ奥深いところもあると思うんだけど、代表的な一例っていうところで。
もっとこういうことを知りたいとかって、コロナの関連の薬とかもそうだし、
いろいろ疑問を持つ人が今増えてるから。
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話題を呼ぶのは、いろんな人が興味を持つきっかけにはなってるのかなっていうのはね。
もちろん苦しんでる人もいっぱいいるけど、やっぱそこでもし。
プラスの面もあるよね。科学に興味を持ってもらえるって。
興味を持ってさっき言ったような、自分もそういうのできたらいいなって思う人が増えたりするかもしれないし。
れんがポッドキャスト始めたいって思ったきっかけもそうって言ってたよね。
コロナで科学に興味を持ってる人が増えたから、そういう人に向けて発信したいって。
ご紹介言っとけ。
そうだね。コロナなくても思ってたと思うけど。
たまたまこの1年ちょっとぐらいで、そういう状況になったっていうのはあるんだけど。
増えてほしいというよりかは、自分としては単純にこれ面白いなっていうか、ドラマチックというか。
そういうストーリーがいろいろあるから、個人的には面白いから、その面白いのを共有できたらいいなって思ってる。
お願いします。
このラジオの触れ幅結構すごい、すごい触れ幅だけど、いろんな話題という感じでした。
もし聞きたいこととか、こういうこと取り上げてほしいみたいなのがあったら、欲しいよね、コメントとかはね。
お願いしますっていうところで。
お願いします。
じゃあ今回はこんな感じで、ありがとうございました。
ありがとうございました。
23:05

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