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第3回 レンの”すごい”科学者紹介

ウッドワードさんの生涯とノーベル賞、天才とよばれる所以、癖の強い講演会について語りました。


今日の主役

ロバート・バーンズ・ウッドワード

20世紀最大の有機化学者

コレステロール

キニーネ

ビタミンB12

立体選択性

ウッドワードホフマン則

番組内では合成上重要な「環化反応」のイメージをお伝えしていますが、厳密にはペリ環状反応に関する法則です。

ペリ環状反応は「環状の遷移状態」を経て複数の結合が同時に形成、切断される反応です。

ペリ環状反応には環化しない反応(いわゆるシグマトロピー転位やエン反応など)も含まれていますが、今回はざっくりと化学における「環」のイメージを伝えるという目的なので、研究ガチ勢の皆さんご容赦ください!

そのうちこの辺りのゴリゴリ反応話もできたらいいなと思っています。

アルカロイド

アルバート・エッシェンモーザー

ウッドワードの講演会

R.B. Woodward Total Synthesis of Vitamin B12 Lecture - Part 1

https://www.youtube.com/watch?v=YvEB05xdAy4&t=2522s


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00:01
こんにちは、サイエントークです。
サイエントークは、科学マニアの研究者レンと国際交流に興味があるエマが自由に語るラジオ番組です。
こんにちは、サイエントークのレンです。
今日はレンのひとりがたりということで、すごい科学者紹介をやっていきたいと思います。
ひとりがたりもちょっとずつ慣れてきたなという感じはしているんですけど、
大変ありがたいことに、このひとりがたりの回にも感想をいただいているので、ちょっとだけ紹介しようと思います。
ツイッターに見ていただきました、まあやさん。第12回の弁善館のお話です。
ケクレの夢の話は知っていましたが、あの形になるまで結構かかっているので、勉強になりました。
ということで、まあやさんありがとうございます。
そうですね、ケクレの夢の話は結構有名な話だと思うんですけど、ケクレさん自身の話って意外と知らなかったり、今の弁善に至るまでっていうところはあんまり本とか教科書とかでも言われないところなので、興味を持っていただけてすごい嬉しいです。
続いてAKさん。昔の科学者の話を聞く機会がそんなにないので、これからも楽しみにしています。ということで、こちらもソロ企画にお付き合いいただきありがとうございます。
最後にソゾロさんからいただきました。第15回のダーウィンの回について。
若い頃は自分にとってのスーパースターはアインシュタインだったけど、いろいろ読んだり聞いたりするにつけ、今ではダーウィンすげーになってきました。そしてダーウィンオンラインすげーというコメントをいただきました。ありがとうございます。
そうですね、ダーウィンオンラインは非常に昔のダーウィンの直筆の手紙とかをネットで見れるっていう面白いサイトなので、ぜひぜひ見てみてください。
というわけで、感想やコメントなどはツイッターのハッシュタグ再演トーク、もしくは番組や私レンのツイッターの方にリプライをいただけると大変嬉しいです。
今日は化け学のお話で、なかなかポッドキャストで化け学のお話してる人は少ないんじゃないかなって思ってるんですけど、そんな数少ない化け学を専門としているっていう方がやっているポッドキャスト番組、非常に有名なんですけど、そちらのCMをまずは流したいと思います。どうぞ。
40歳を超えてもまだ兄弟である二人が大阪南より発信中。みんなの疑問や悩みに打ち勝つ方法をうどんと科学とお風呂の力で考える。それが青春アルデヒドン。科学者アニワギ博士と弟ブッチョカシワギが日ごとマウンティングしてくる憎いあいつを黙らせるためのマメ知識を毎週配信。青春アルデヒドン、聞いてほしい。
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はい、お聞きいただいたのは青春アルデヒドンのCMでした。もう非常に長い10年以上やってるような大大大先輩の番組ですね。そちらの方でも私たちサイエントークのCMを流していただきました。ありがとうございました。
では今日の本題に入ろうと思うんですが、本日紹介する科学者はロバート・バーンズ・ウッドワードです。
これポッドキャスト聞いてる人で知ってる人あんまりいないんじゃないかなって自分は思っていて、今まで結構有名どころの人を紹介してきたと思うんですけど、ここにきてちょっとだけコアなところをついてみようと思って、このウッドワードさんについて紹介したいと思います。
ウッドワードさんはまずどんな人なのかというとアメリカの有機化学者です。で、肩書きとしては20世紀最大の有機化学者っていう風に言われるぐらい、まあこれはおそらく有機化学やってる人はみんな知ってる人ですね。もう大天才。超かっこいいです。
じゃあちょっとウッドワードさんについて、まずはどんなことをした人なのかっていうのをちょっと紹介していきたいと思います。
ウッドワードさんの専門的には有機合成化学っていうところで、当時有機化学っていうのはこれとこれ混ぜたらこれができるみたいな経験則というか具体的に詳しいところを予測するっていうのがすごい難しかったんですけど、
このウッドワードさんはめちゃめちゃ合成のセンス、アイディアがもうピカピカに光り輝いていて、ものすごい複雑な難しい化合物でも作っちゃうっていうのがこのウッドワードさんの一言で言うとすごいところです。
要するにウッドワードさんの専門としては天然物って言われる天然にあるものを合成する研究、作ったものとしてはコレステロールだったりキニーネ、ビタミンB12とかちょっと聞いたことあるようなものもあるんじゃないかなと思うんですけど、そういうものの合成をして1965年にノーベル科学賞も受賞された方です。
受賞テーマが天然物の有機合成における芸術性という名前で受賞していて、これはもう誰も真似できないぐらい独創的な方法を持って合成を達成してきた。
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その合成法っていうのが芸術に値するっていうのがこのノーベル賞受賞の理由で、この科学を芸術って言わせるまで押し上げてるっていうのはめちゃくちゃかっこいい。
あと行跡としては有機化学の反応について立体選択性を予測する法則ということでウッドワード北満足っていう法則を発見しています。
これはウッドワードさんだけじゃなくて北満さんっていう人もかかっているんですけど、科学の反応でいうところの立体選択性っていうものは何かというと、
例えば紙の上に便前感とかを書いたときって2Dだと思うんですよね。その2Dで実際の便前感は存在しているわけじゃもちろんなくて、実際には3D立体的な形として存在していて便前にも表と裏があるわけです。
通常だと表裏ひっくり返しても便前だと何も変わらないような形だったりするんですけど便前にいろんなものがついてきて、非対称になってくると便前の表と裏を区別したりということが必要になっています。
それがまず科学における立体のベーシックなところです。このウッドワード・北満足っていうのは直差状の構造を端と端をぐるっと結んで輪っか、環にするっていう反応って科学においては非常に重要で、
天然物とかもこのような環になっている化合物は数多く存在していて、この環状の構造、輪っかの構造をどうやって作るかっていうのはいろんな方法が研究されています。そういう環下反応っていうんですけど、こういう環下反応の規則性だったりっていうのを言っているのがこのウッドワード・北満足になっています。
このウッドワード・北満足っていうのは立体の選択性、さっき言った便前の表から反応するのか裏から反応するのかみたいな3Dな考え方をウッドワードさんはこの合成化学の経験に基づいて実際に法則として導いたというところになっています。
このウッドワードさんの人生についてちょっとフォーカスを当ててみていきたいと思うんですが、このウッドワードさんの生まれは1917年マサチューセッツ州ボストンで始まります。
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このマサチューセッツのボストンで生まれたウッドワードさんは幼い頃から化学の方に非常に関心が強くて、中学校に通ったりしている間個人的に化学の勉強をしていたみたいなんですよね。
このすごいのが6歳の頃に化学に興味を持って11歳ぐらいには専門の研究者が読んでいるような論文だったりそういった学術雑誌っていうのを取り寄せて読みまくっていたっていう、11歳です。
めちゃくちゃ早い。天才は若い時から天才なんですよね。
19歳で学士号を取ってその次の年に博士号を取っているんですよね。
真っ白です。研究の道を。
爆走しているわけですよ。
19歳で。
めちゃめちゃ早く博士号を取ったんですけど、そこからMITだったんですけど、そこからイリノエ大学に博士研究院として在籍した後に1937年ハーバード大学の特別研究院として研究した後にハーバード大学の教授として研究を続けたということですね。
1944年27歳の時にキニーネっていうものの合成を達成したというところで、これがものすごいインパクトを持って世間にその名を轟かせるわけです。
このキニーネっていうのは木の樹皮に含まれているアルカロイドって言われる化合物の種類なんですけども、
使われているものとしてはマラリアの特効薬でキニーネっていうものは使われています。
ウッドワードさんはこの後も非常に構造が複雑な天然物の合成っていうのを次々と達成していっているんですけども、
合成で一番重要なことっていうのはまず計画なんですよね。
パズルを組み立てるようにでっかい構造があるうちのここから作り始めようとか、このパーツとこのパーツに分けて後から合体させればいいとか、
そういう考え方が非常に重要で、このウッドワードさんの合成経路っていうのは他の人が思いつかないような非常にエレガントな合成の計画を立てる人だっていう風に言われていて、
実際も自分に見てみると当時これを発想できるのはすごいなっていうのは本当に感じるところで、
パズルをちまちま組み上げていけば完成するんですよね。
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ただこのちまちま組み上げていると時間もかかるしお金もかかるし手間もかかるしっていうところがあってすごい大変なんですけど、
ウッドワードさんはなるべくスマートに短い合成の経路っていうのでスパッと難しいものを作ってしまう。
これ非常に抽象的な例になって申し訳ないんですけど、
要は他の人が一生懸命時間をかけてやるものをウッドワードさんが計画すると、これこことここをくっつければ作れるよみたいな感じで、
ものすごい綺麗な計画を立てて、それが実際にうまくいってしまう。
このウッドワードさんの天才的な能力になっています。
中でもビタミンB12の全合成っていうのが有機合成化学の金字塔とされていて、
今の時代でもこの合成法がいろいろ進歩しているんですけど、いまだにこのウッドワードさん以外に作れた人がいません。
これがものすごくて、今の時代でも作れない分子を1973年に作ってしまってるっていうのは本当にすごいですよね。
これはエッシェンモーザーという方と協力してやってるんですけども、
これにかけた関わった学生の数が100人ぐらいがこの分子の合成について長年研究を続けていた。
具体的には1960年代の前半から始めて1973年にやっとできた。
10年ぐらいこの一つの分子を合成するということに費やしています。
これがほぼ100段階の反応からなっているっていうのがこれもすごくて、
これ1段階の反応っていうのはフラスコに原料とか試薬とかを混ぜて、
しばらく待って反応が終わったら次それをきれいに生成してくるっていう作業をやるんですけど、
これを100回繰り返す。しかも1反応いくごとにちょっとずつやっぱりロスというか、
フラスコからフラスコに移るときに若干取りこぼしがあったりするわけで、
この100段階をたとえ周率が99%だとしてももうめちゃくちゃ少ない周率になってしまうんですよね。
この100段階の反応についてウッドワードさんはものすごい緻密に計画を立てていて、
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こんなに難しい分子を作れるんだったら人間に作れないものはないだろうって誰もが言ってしまうぐらい非常に素晴らしい合成になっています。
ウッドワードさんはこのビタミンB12の合成で最初に言ったウッドワード・ホフマン則っていう理論を新しく見つけて、
実際にはこれはノーベル賞級の発見理論だって言われてるんですけど、
実際にこのウッドワード・ホフマン則を見つけたホフマンさんはこの業績でノーベル賞をいただいてるんですけども、
その時にはウッドワードさんはお亡くなりになってしまっていたので、2つ目のノーベル賞の受賞はならなかったということになっています。
ウッドワードさんはこの生涯にわたって論文としては200本ぐらいを発表していて、
ウッドワードさんの研究のスピードっていうのが全部の実験の詳細を発表するっていう量を上回って、
多くの仕事は彼が死んだ数年まで発表されないぐらいの状態、それぐらい業績としてはたまっていたっていう伝説も残っています。
ウッドワードさんの講演会っていうのが伝説的なぐらい長いらしくて、だいたい3、4時間ぐらい続くと。
その長い講演時間は長すぎるということで、時間の単位で1ウッドワード、2ウッドワードみたいな定義をされて、
ウッドワードさんの講演が今日は数百ミリウッドワードだったよみたいな感じで言われていたみたいですね。
ウッドワードさんはこの講演会の時には到着するとまず教壇の上に2つ白いハンカチを置くわけです。
この一つには綺麗に構造を描くために5色ぐらい新品のチョークを置いて、もう一方には綺麗に葉巻を並べていたらしい。
葉巻を並べて夜まで講演してタバコを吸っていて非常にヘビースモーカーだったらしいんですけど、なかなか癖の強い人ですよね。
YouTubeに当時のウッドワードさんの動画、講演の動画とかも残ってるんで、興味のある方はぜひぜひ見てほしいんですけど、
その動画も2時間ぐらいあって、すごい楽しそうに合成法について語っているので、わけわからなくてもなんかちょっと面白いです。
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あとはウッドワードさん、青色が非常に好きで、スーツとか車とかも全部青色にしていたらしいです。
あとは青いネクタイ、駐車スペースまで青色だったっていう風に書いてますね。
ウッドワードさんはショートスリーパーで毎晩数時間の睡眠で大丈夫っていうのもなかなか天才らしいエピソードですね。
ウッドワードさんは残念ながら非常にハードワーク過ぎたのかわからないですが、1979年に62歳の若さでこの世を去ってしまったということでした。
言われていることとしては、彼があと数年寿命が長かったら今の科学はもっと進歩していたんじゃないかって言われているぐらい新しい分子を生み出す天才だったということでした。
今日は20世紀最大の有機化学者と言われているウッドワードさんについて紹介しました。
改めてこのウッドワードさんの受賞の動画とか合成とかを見たんですけど、やっぱりこのめちゃくちゃ難しい複雑なものをガシガシ作っていくっていうのは改めてかっこいいなって思いましたね。
誰も作れないものを作るっていうことのかっこよさっていうのはいつの時代も変わらないんじゃないかなって思いました。
今日はこの辺でありがとうございました。
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よろしくお願いします。
以上、サイエントークでした。
20:19

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