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2022-01-04 37:42

太陽フレアをどう予測するか?X線による宇宙の研究【恒星フレア①】#48

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シーズン14は佐々木亮の宇宙ばなしコラボで「恒星フレアの世界」ニュースでもたまに聞く「フレア」とは一体何なのか?今ホットな最新の宇宙の研究について語っていただきました。


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412. 【サイエンマニア】化学と宇宙はサイコーの組み合わせ!?

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▶そもそも恒星フレアとは?

▶X線による宇宙の研究

▶大規模な太陽フレア: カナダのケベック州のニュース

▶フレアと黒点の関係

▶太陽フレアをどうやって予測するのか?


更新予定→1/6(木)、1/10 (月) 

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00:07
こんにちは、レンです。 シーズン14は、光勢フレアの世界です。
ニュースでもたまに耳にする、太陽フレアとは一体何なのか、 今ホットな最新の宇宙の研究について、ディープに語っていただきました。
それでは本編どうぞ。
今回のゲストは、1日10分宇宙時間をテーマにしたポッドキャスト番組、 佐々木亮の宇宙話から佐々木亮さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
亮さんとは、サイエントークの方でコラボもしたことがあったり、 ちょこちょこ最近お話しすることが多いですね。
そうですね。
なので、僕このサイエンマニア始まって以来、 一番リラックスして喋れるような気がちょっとしてる。
結構、あんまり喋ったことない方とお話しすることが多いんで。
僕もいきなりゲストとか呼ぶときありますけど、やっぱ緊張しますよね。
めっちゃ緊張するんですけど、今日はちょっと安心感ありますね。
ポッドキャストやってる人同士は安心感結構強めですね。
そうですね。しかもやっぱ何回か話してると、 あと聞いてると親近感湧いてくるんで。
めっちゃわかります。
なんで、簡単に自己紹介と番組の紹介などよろしくお願いします。
ご紹介いただきました。
1日10分宇宙時間っていうのをテーマに、 毎日宇宙の配信をしてるポッドキャストチャンネルをやってます。
佐々木亮と申します。
いつもは最新の天文学のニュースだったりとか、 宇宙ビジネスだったりとか、
そういったところの話題を取り上げて、 1日少しずつでも宇宙に触れていただければなと思って配信活動をしているという感じです。
僕、今日は呼んでいただいて話しする内容は、 僕自身が研究でやっていた光勢フレア、
太陽とかみたいに自分で光る星の表面で起こる爆発現象っていうのをずっとメインでやっていて、
それで白紙論文も書いてっていうような感じなので、 今日はそこらへんのちょっと面白いお話できればなと思ってます。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
おそらく、亮さんの宇宙話の方では、 リアルに光勢フレアの研究をしていた時から配信されてますもんね。
そうですね。今年の3月に白紙号を取ったんで、 それの白紙論文でもがいている途中もずっとポッドキャスト毎日配信してましたね。
03:09
そこで途切れなかったの、マジですごいなと思ってるんですけど。
いやー、今まだちょっとトラウマ残ってて聞けないですね、自分で。
そうなんですね。いろいろ思い出しちゃうみたいな。
もう思い出したくないです、あの時代は。
気になった方は昔の宇宙話ぜひ聞いてみてほしいんですけど、 光勢フレアのこと宇宙話で話している回あるかなと思って、
ちょっと遡ってみたら本当に15回目とかそのぐらい最初の時のやつが出てきたんで、ちょっと聞いてみたんですけど、
その時まだ2日に1回配信って言ってましたね。
あー本当ですか。
本当に初期の時のやつを聞かせてもらいましたけど。
たぶん最初のそれこそ15とか20とかもうちょっとペース緩かったような気はするんですけど、
これ2日に1回配信にすると、最悪4日間に2日配信すればいいとか謎の言い訳を作り始めて、
配信をサボり始めるっていうのをなんとなく気づき始めたんで、
もう毎日にしてやろうっていうところで途中から毎日に変わってますね。
ドMですね。
完全にドMだなーっていう。
確かに。僕自分のチャンネルであんまり太陽フレアの話してないですね。
いや思いました。意外と少ないなーと思って。
まあでも実際それで博士を取ったっていうところだと思うんで、
ずっとそれについて考え抜いて研究してきたっていうことだと思うんですけど。
そうですね。一時期本当やっぱ世界で一番詳しい自信はありましたよね。
なのでちょっとその辺のお話を今日は深掘りしていけたらなと思っています。
はい。ここのチャンネル理系職全開でいって大丈夫っていうのを聞いてるんで。
そうですね。もうゴリゴリマニアックな話までしていただいて。
はい。わかりました。
いつもあんまり数字とか出さないんですけど、ちょっとそういう話もしたいです。
はい。
よろしくお願いします。
はい。お願いします。
じゃあ僕が一番最初に聞きたいのは、
構成フレアっていうやつの定義みたいなやつからいきますか。
なるほど。はい。
そうしたら定義で言うと、
本当に突発的に明るくなるような爆発現象全般をフレアって呼んでいるんですね。
で、よく一番やっぱ分かりやすいのは、
私たちから一番近い太陽の表面で起こる太陽フレアっていうのがよく例で挙げれるんですけど、
なんでそればっかり例に挙がるかっていうと、
06:02
他の星って夜空見上げていただいたらわかるかなと思うんですけど、点でしか見えないんですよ。
一番近くても何光年も先とかで表面を分解して写真を撮ることができないので、
細かい姿を捉えようとするとどうしても太陽の話から始まってしまうっていうところあって、
で、フレアって何ですかって言われると本当にただ表面のある一箇所でボンと起こる爆発現象をフレアと呼んでます。
で、基本的には太陽の表面で起こる爆発と同じメカニズムで他の星でも爆発がたくさん起きてるっていうふうに考えられているので、
大きくまるっとまとめて光星フレアっていうふうに呼んだりします。
基本的にはだから光星って自分から光り輝いている星限定みたいな。
はい、そういうことになりますね。
あれですかね、星の爆発的なやつはそういうのはフレアとは呼ばないっていう感じですかね。
そうですね、例えば爆発現象いろいろあるんですけど宇宙空間でも。
なんか一番代表的なのは超新星爆発っていうスーパーノヴァっていうワードだったら何となく聞いたことはあるかなと思うんですけど、
それは太陽みたいな自分で光ってる光星が進化していって最終的にたどり着いた先で自分自身を破壊するぐらいの勢いで爆発するとか、
自分の最後の大花火みたいな感じで爆発するのが超新星爆発っていうものだったりするんですけど、
光星フレアとかは全然自分の姿形に影響を与えないで表面でただボコって起こるような爆発っていうようなイメージですね。
ある意味そのボンボン起きてるので安定してるっちゃ安定してるみたいな状態なんですかね。
そうですね。
そうか。
そういうところをいろいろ研究してる研究者って実は世界中にそんなにいなくて。
そうなんですか。
そうなんですよ。結構マイナーな分野で。
特に僕が研究していたのは天文学って、ちょっと話横にずれるんですけど、天文学ってそもそも波長ごとに分野が分かれてたりするんですね。
波長。赤外線とかそういう波長ですか。
そういうことです。天文学のイメージっていわゆる望遠鏡を覗いて星を見るみたいなのが一般的なイメージかなって思うんですけど、
それ以外にも赤から紫までの目で見える光、虹色があって赤外線で宇宙を見てる人もいれば電波で宇宙を見てる人もいて、
逆に紫側でいくと紫外線だったりX線だったりっていうような、その中波長ごとにまず研究分野みたいなのが分かれてて。
09:08
だいぶじゃあ細かいですね。
そうなんですよね。
その中でさらに、例えば電波を使って銀河を見るとか、X線を使って星を見る、光線を見るっていうような研究があったりとかで、
さらに細分化していってるみたいな感じなんですね。
僕がやっていたのは、レントゲンとかで使うX線を使って光線フレアを見るっていう、かなり細いところまでいった先でずっと研究してたっていうところがあって。
X線限定みたいな。
そうなんですよね。
じゃあ各波長で一応その光線フレアを観測すること自体は可能ってことですか。
そうですね。それで一番適してるというか、光線フレアを見つけるのに適してるのが目で見る、その可視光って呼ばれる光と、
X線の2つが一番メジャーどころというか。
で、よく見られる。あと紫外線ですね。
で、これ何でかっていうと、太陽フレアとか光線フレアとかが起きたときに、もともとの表面って大体こう、
私たちが見てる太陽の表面で数千度とかじゃないですか、太陽の表面って。
で、それよりもちょっと外側のコロナって呼ばれる部分、星の。そこが大体数千万度とかなんですね。
そっちの方が断然高い。
そうなんですよ。で、光の波長の違いで何が変わるかって、結局見る対象の温度が変わるんですよ。
温度に対応してるんですか。
そうなんですよ。身近で一番わかるのは、スーパーの入り口とかに最近ある赤外線モニターみたいなのって、
あれ、人間の体温に一番適した波長だから赤外線使うんですよね。
ああ、そっかそっか。サーモグラフィーってそういうことか。
そういうことです。で、紫色に近くなったり紫外線、レントゲンのX線とかってなると、
なんとなく危険度が増すイメージで、それと同じ感じで温度もどんどん上がっていくんですよ。
なるほどなるほど。
適している適室温度が。で、星の表面っていうのは何百万度とか何千万度になってて、
フレアが発生するとそれがさらに一桁上がるみたいな。
一千万度とか一億度とかっていう温度になって爆発を起こすんで、
X線で見るっていうのが一番適しているっていうところでは、
マイナー分野ではあるものの、理にかなってる波長の分野ではあるっていうところでずっとやってました。
12:01
だから波長がめちゃくちゃ短いのか。なるほどなるほど。
っていうところでやってたんですよね。
で、X線で星の研究をしてる、構成の研究してるっていうのも、
日本とヨーロッパとアメリカとっていう、天文学とかって結構ここら辺が引っ張ってたりするんですけど、
あとはロシアとか。各国にちっちゃいチームが一個ずつあるかなないかなぐらいの、
まあそのぐらい結構マニアックな。
そんなもんなんですね。
そうですね。
なんか結構鼻型分野だと勝手に思ってました。
いや全くですね。X線天文だとブラックホールとかがやっぱり一番鼻型ですね。
ブラックホールを観察するのもX線。
そうなんですよ。
ブラックホールって光も出れないぐらい強い重力を持ってるっていうのが一般的に知られてる現象で、
ってことは基本的には見えないはずじゃないですか。
光出てこないから。
でもそこに星が吸い込まれていく。近くは星が通ると結局太陽みたいな星ってガスとかそういうのでできてるんで、
だんだん剥ぎ取られてブラックホールに吸い込まれていく姿っていうのがたまにあったりするんですね。
で、それが吸い込まれていくタイミングでブラックホールの近くに行けば行くほど吸い込まれるスピードが高速に近くなっていくと、
そこで摩擦で熱ができたりとか、あとはそもそも光と同じぐらいの速度で物質が動くからそこに対応した光とかが出てきて、
っていうのでX線とかでブラックホールを見つけられるっていうような、そういう背景があったりするんで、結構ブラックホール研究してる人多いですね。
話取れちゃうかもしれないですけど、ブラックホールにそうやって星がぐるぐる吸い込まれていくときってやっぱ引き伸ばされるんですかめっちゃ。
よく言うじゃないですか、スパゲッティ現象みたいな。
スパゲッティ現象ありますね。
結局はもうプラズマみたいな感じで一個一個の粒で引っ張られていくんで、引き伸びるみたいなところは多分あんまなくて、
一つ一つの粒が粒子が単純に吸い込まれていくだけっていうような描写だと思います。
なるほど、あんま面白くないですね、それだけだと。
めっちゃ伸びてるイメージだったんで。
あれって結局人が吸い込まれるときにブラックホールに近づけば近づくほど、足から入っていったら足にかかる重力と頭にかかる重力の差がすごいから引き伸ばされるみたいな。
つまりちょっとした位置の違いがないと多分スパゲッティ現象って起きないんで、小っちゃい粒で考えちゃうと全然面白くない。
15:03
そっかそっか、一瞬でしょうね、それ見れるの。
そうなんですよね。
そんなマイナーな分野で研究してたんですよね、恒星フレアを。
なるほど、じゃあそのX線使ってフレアを見るっていうやつで、具体的にどういうことを研究してたんですか?
僕は太陽には実は最終的にはたどり着くんですけどあんま注目してなくて、他の星をもう宇宙全体で起こっている恒星フレアも全部を研究対象にして、
統計的にまとめるっていうことをしていて、そっから最終的にどういうことを言いたいかっていうと、
どういう星でどれぐらい大きい爆発まで、どういう大きいフレアまで起きるのかっていうのの制限を統計的に与えてあげたいっていうような研究をしてたんですね。
じゃあ爆発のめっちゃ数を集めるというか。
そうですね、限界値を探るっていうような研究をしていて、
この研究、何の意味があるんだっていうのを結構研究してると言われるじゃないですか。
そうですね。宇宙の研究にそれ言うのコクかなっていう気もしますけど。
そういうので、やっぱ研究費の申請書とかにいろいろ書かなきゃいけないんで、無理やりいろいろ理由は考えるんですけど、
そうですね、お金もらえないですもんね、それ書かないと。
そうなんですよね、研究者のせちがらい部分というかがあって、それでやっぱ一番キャッチーなのが最終的に太陽フレアのお話をするんですけど、
太陽フレアがどこまで大きい爆発が結局太陽で起こるのかっていうところに最終的にフィードバックを与えてあげられると、人類への貢献が大きいですっていう話をするんですね、よく。
なんか予測みたいな。
そうですそうです。で、これなんで太陽の爆発の規模を制限することが重要なのかっていうと、これ最近宇宙天気っていう言葉もちらほら出てきてるんですけど、
宇宙からの災害っていうところで太陽フレアが注目されてて、
太陽フレアが発生すると、爆発の勢いで太陽の表面の物質とかが飛ばされて、それが地球に撃突するとか、あとは強い放射線を飛ばしてくるっていうような現象を併発するんですね、フレアっていうのは。
物って?
普通に表面にあるプラズマとかそういうのを爆発の勢いで吹き飛ばしてくるみたいなイメージです、パチンコみたいな感じで。
あーなんか、でも電磁波的なものが届くっていうことですか?
で、例えば電磁波に注目すると、今って宇宙空間に宇宙飛行士の方もたくさんいるし、たくさんとか10人弱とかいますし、あとは人工衛星もたくさん飛んでるじゃないですか。
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そうですね。
ってなってくると、その放射線の影響で宇宙飛行士の場合だと一気に被爆しちゃうだったりとか、あとは電気を帯びた過電粒子も飛んでくるんですけど、過電粒子のせいで人工衛星の電子回路が破壊されちゃうとか。
あーめっちゃ危ないですねそれ。
そうですね。
はいはい。
っていう危険性があるんで、太陽フレアって結構気にしなきゃいけないんですよ、私たちこう生活の中で。
なるほど、なんかニュースでもう最近ありましたもんね。
ありましたありました。
太陽フレア発生みたいな。
10月末に。
ありましたよね。
ありました。あれが過去見つかったことある太陽フレアの最大規模の10分の1とかの大きさであれだけニュースになるっていう感じなんですよ。
あーめちゃめちゃ停電起きちゃうとかそういうのが発生しちゃうってことですもんね。
おっしゃる通りです。今宇宙空間での被害の話だけしたんですけど、さっき言ってたみたいに地上で停電を起こすっていうのも実際に影響として出たことがあって、
1970年とかにそれこそこの間10月に起きた太陽フレアの10倍ぐらいの大きさの太陽フレアが発生してその影響でカナダのケベック州っていう一つの州が全部停電になるっていうような影響もあった。
これは電気を帯びた過電粒子飛んできて、地球の表面にある地場、地球の磁力線とかそういうのの影響によってその電気を帯びたやつって磁石に引っ張られるじゃないですか。
それでそこに捕まって上空で磁気嵐みたいなのを発生させるんですね。つまりいきなり地球の磁場を一部的に増幅させてしまうとか、一気に揺らがせるみたいなことが起きて、それに反応して地上の電線に異常な電流が流れて発電所が破壊されてしまうみたいな。
そういうことか。じゃあ直で降り注いでるってわけじゃないですかね。
そうですね。
上空でそういうのに影響を与えて間接的に地上まで影響が出る。
そういうことになります。
それってそのカナダの一部で起きたっていうのはなんかそこが行きやすかったんですか。なんか磁場的に。
そうですね。磁場が地上とつながってる部分とかが関係してたりとか、あとは単純に太陽フレアの放射線だったり過電粒子が飛んでくるタイミングと時点と交点のタイミングでとか、そういったところのバランスでいろんなところで被害は出得る現象なんですね。
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結構運が悪かったっていうことですね。なんかちょうどいい位置に来ちゃったからそういう停電が起きちゃったっていうことか。
そうなんですよ。
じゃあめちゃくちゃでかいのが発生したらもう太陽がちょっとでも当たってる部分全域が影響出る可能性があるってことですよね。
そうですそうです。なんかその当時で1970年でその被害規模で数百億円規模の被害が出たっていう話があるんですね。
数百億円。
でもそれって1970年って今からもう50年とか前の話なんですよ。
相当まずいですね今の感想に。
そうなんです。今ってその当時とは比べ物にならないぐらいIT化というか電子機器の普及がすごいので、被害総額っていうのは多分桁違いで上がってくるだろうっていうふうには思えると。
今この話につながったのって結局研究のモチベーションというか最終的なゴールどこだっていう話だったと思うんですけど、
それが過去最大規模の太陽フレアが起きてそういう被害が出てしまったとなると、そこよりさらに10倍大きい太陽フレアとかが起きたらもっとやばいわけじゃないですか。
そうですね。
けどその規模のフレアが起きるか起きないかすら今判断がついてない段階なんですよね。
ああなるほど。もしかしたら明日起きるかもしれないし。
そうですそうです。
みたいのが全然わからないってことですね今のところ。
で、太陽で起きるのを待ってたら単純にいきなりそんなのが来たら地球のように被害ってえげつないことになっちゃうんで、
じゃあどういうふうにその太陽の活動っていうのを予測するかみたいな研究の視点を入れてくと、
じゃあもう太陽は一旦諦めて、太陽以外の星全部で爆発の規模を決める何かしらのパラメーターとか、
こういう星はこれぐらいの大きさまでしかフレアを起こさないっていうのが傾向としてわかれば、
最終的に太陽でどれぐらい大きい爆発が起きるかっていうのが予測できる。
ってなって人類に被害が与えるような、
そういった宇宙災害っていうところに一部制限を与えられるっていうのが一つ研究のモチベーションとしてはあったっていう感じですね。
なるほどな。そもそも予測できないと、予測したら逃げるしかないんですかね。
結局さっきの被害の例が、例えば電気が過剰に流れて故障させるっていうのがあったら、
単純に電気が流れる回路を一旦全部止めてしまえばよかったりとか、
っていう対策の方法はいくらでもあったりするんで、
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応急処置的に対応はいくらでもできる。
プラスで、あとは身構えられるかどうかっていうところは、結構やっぱ災害の面では重要かなって思うんで。
ある日突然よりはそうですね。
そっかそっか。でも、それを直接防ぐ方法はないですもんね。
そうですね。なんか電磁バリアーみたいな。
思いましたけど。でもその今のやってる恒星フレア予測みたいなやつから、
じゃあどういう対応するかみたいな方に将来もしかしたら行くかもしれないですよね。
そうですね。あとは今後10年20年っていう規模で、
人類は月に行こうとしてたり火星に行こうとしてたりっていうのがあったときに、
やっぱその太陽の活動性っていうのが太陽系の中で移動していくにはだいぶ重要な指標になるので、
太陽がおとなしいうちに宇宙空間をどんどん探検していこうとか、
今の時期太陽安全だから大丈夫だろうっていうような、
宇宙航行みたいなところの一つ指標にもなったりするのかなって思いますね。
なるほどな。そうですよね。実際宇宙行った方がそれの影響でっかいですもんね。
そうなんですよ。実際にどこまで大きい爆発起きるかみたいなところを、
さっき僕X線で研究してたって言ったと思うんですけど、
カシコとか目で見える光で研究してるチームも京都大学にあって、
そこのチームはもっと太陽フレアに近い研究をしていて、
太陽にものすごい似た星っていうのもやっぱ宇宙上にはたくさんあるんですね。
温度だったりとか年齢だったりとか。
なんか聞いたことはありますね。そういうのから太陽系に似てるところないかみたいなの。
そうですそうです。結構あるみたいな。結構あるんですよね。
なんかそれは聞いたことありますね。
今の時点で地球っぽい星というか、
そういう太陽系以外の惑星を見つけようっていうので、
4千個から5千個とかも見つかっていて、惑星が。
っていう背景があるんで、今ちょうどそういうミッションが盛んに進んでいる時代ではあるんですけど、
京都大学のチームが進めているのは、
本当に太陽に性質の近い星をいっぱいピックアップして観測してあげて、
そのフレアを統計的にまとめてあげるっていうような研究をしているチームがあって、
そこの研究結果で、すでに太陽に似た星で、
太陽フレアの過去の最大規模の10倍以上大きいフレアっていうのが見つかり始めちゃってるっていう現実もあったりします。
やばいですね、それは。
そうなんですよね。それで結構話題になって。
似てるやつで起きてたら、そっかそっか太陽でもいつか起きるって話になりますもんね。
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そうなんですよ。
それ話題になってその論文は2012年とかにNatureに載ったぐらいの、
それだけインパクトがあった研究ではあったっていうのがありますね。
なるほど、それはもうずっと観測し続けて、何かのパターンを見るっていうことですよね。
そうですね、そういう研究でよく使われるのは、地震とかでも一緒のやつ使われるんですけど、
単純な発生頻度の分布みたいなのを作って、
グラフにすると縦軸にフレアの発生回数、ある期間でどれだけフレアが起きるか。
で横軸にそのフレアのエネルギーみたいなのを取ると、
単純に大きい爆発ほどなかなか起きなくて、小さい爆発ほどたくさん起きるっていう、
地震とかと同じ傾向が見えるんですね。
なので、そういう、そこにさらに時間、それが結局、例えば1年間のうちにこういう分布が見つかったっていうのがわかると、
例えば10年っていうスパンで見たときに、この規模の爆発はこれぐらいの確率で起きるっていうような、
そんな予測を立てられる。だから地震の予報と結構似てる感じですね。
ああ、そっかそっか。なるほど、でもそれはイメージしやすいですね。
でも小さい爆発の中で、こういうのが起きたら次でかいのが来るぞみたいな、
なんかモデルみたいなを作んなきゃいけないですかね。
そういうのもあったりします。そうすると、ちょっとまた別の角度で考えなきゃいけなくて、
結局、大きい爆発、大きい太陽フレアが起きるときの条件って何かっていうと、
太陽の表面に黒い点々がある、黒点って呼ばれる物体があるんですけど。
中学校の時に習いましたね。小学校か中学校の時に黒点やった気がします。
地理の授業とかも出てくるぐらい結構知られてるもので、
ガリレオが見つけたとかそういうレベルの歴史があったりするんですけど、
太陽の表面を見ると単純に前面が綺麗に明るいわけじゃなくて、
ポツンポツンと言ってしまえばホクロみたいに黒い点があるんですね。
これを黒点って呼んでて、この黒点のところで太陽フレアって起きるんですよ。
そうなんですね。黒いところなんですね。
そうなんです。なのであれが単純なことを言うと、
あれが大きければ大きいほど大きい爆発が起きるっていうようなイメージなんですね。
でも確かにそれは観測しやすそうな気がします。
その黒点の情報っていうのを逆に他の星でも獲得していけば、
この黒点の大きさだったらこれぐらいの爆発が起きるっていうまた新しい情報が増えてきてっていうようなことができたりするっていう、
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そういった別のアプローチもあったりします。
なるほど。黒点ができたタイミングでフレアが起きてるっていうことになるんですか?
黒点はフレアを起こす材料みたいなもので、必ずしも黒点があるからフレアが起きるっていうわけではなくて、
黒点があるところでフレアが起きやすいっていうことですね。
じゃあ実際にでっかいのがあったときに確率が上がるぐらい?
そうですね。
これここのチャンネルだから、サイエンマニアだからこその話なんですけど、
黒点がなんでできるかっていう、これ地理では習わないお話があって、
黒点ってあそこ実は太陽の表面を太陽自身の磁力線が突き抜けてるっていう状況なんですよ。
突き抜けてる?
地球を宇宙空間から引きで見たときって単純に北極から南極でS極とN極みたいな磁石になってて、
輪っかで磁力線が周りに広がってるように見えると思うんですけど、
あれが地球上で固定されてる理由って、地球自体が岩石でできてる固体だからなんですね。
けど太陽って基本的にでっかく丸く見えるけどあれってガスでできてるんで、
地球みたいに磁力線あるんですけど、安定して存在ができないっていう特性があって、
じゃあもうめちゃくちゃになってるみたいなことですか。
そうなんです。
で、プラスして太陽って赤道の近くと南極の方とで回転するスピードが違ったりするんですね。
なるほど、速度が違う。
そうです。角運動量が回る半径によって変わるから。
あ、そっかそっか。
角速度が変わるから。
つまり赤道と極の部分とで周回遅れみたいになったりするんですよ、ガスが。
あーなるほど、なんかそれはぶつかり合いそうですね、そこの差で。
その表面のガスにまとわりついた磁力線が太陽がぐるぐる回る中でちょっとずつ周回遅れとかになってきていって、
磁力線がぐにゃぐにゃに曲げられて、そうすると安定していられないから浮き上がったり逆に沈んだりみたいなところで表面ぐちゃぐちゃな磁場ができあがる。
あーそっかそっか、Z軸に行くみたいな。
そうです。
縦に行くわけですね。
なんかそれでこう表面を貫くような方向に磁場が存在しているとそこの部分の太陽の表面の温度が下がって黒い点に見えるっていうようなそんなイメージなんですよね。
じゃあその磁場自体の観測はできるってことですか?
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できますね。
あーなるほど、じゃあそのうねうねしてる磁場をなんとなく観測すればこの辺ができるかもみたいな、なんかそういう感じってことですね。
そうですそうです。
で、太陽フレアもこの磁場にめちゃめちゃ関係があって、
実は表面でその爆発が起こるっていうのも、
周回遅れになったりいきなり浮き上がったり沈んだりする磁力線が横にまた別の磁力線があると安定する方向に基本的に自然界ってなんか動いていくじゃないですか。
はいそうですね。
で、なので不安定になった磁力線が横にいる別の磁力線見つけたときにこっちの方が安定してるじゃんって言って繋ぎ替わりが起こるんですよ。
あーなるほど。
星の表面。
はいはい。
で、繋ぎ替わりが起こるタイミングでこの磁力線っていうのがちょっとしたゴムみたいな性質を持ってるんで引き伸ばされたり縮んだりするんですよね。
なので繋ぎ替わる瞬間にパチンコみたいに引っ張られたゴムがいきなりパチンと弾かれるみたいなことになって表面で爆発が起きてるように見えるっていうのが太陽フレアの正体なんですよ。
あーそっか。そこの入れ替わりのエネルギーがめちゃくちゃ高いってことですね。
で、単純になんか熱のエネルギーがいきなり上がったんじゃなくて目に見えない磁場のエネルギーっていうのが運動エネルギーに変わってそこの力が熱エネルギーに変わって私たちが観測してるみたいな。
あー、いや、なんとなくわかりました。でもそういうことか。磁場なんですね。元を正すとやっぱり磁場なのか。
そうなんですよ。
やっと理解できました。太陽フレアまず。
磁場の話は僕絶対ポッドキャストでしないんで伝わらないから。
これなんかめっちゃ絵描きたくなりますねきっと。
そうなんですよ。
スライドとかで見たらわかるかもしれないけど。
でもなんとなくわかりますね。なんかいい例えないかなと思って今考えてましたけど思いつかない。
まあそうですね。パチンコが一番僕的にはこういろんな話をしてる中で一番。
確かにね。引っ張られてガンと安定な方に行く。なんかないかないい例え。ちょっと思いつかない。なんか地震とかともまた違うし。
そうですね。地震は溜まりに溜まっていった地面が沈んでいく力がバンとこう。僕はあんまりいい例え浮かばないけど。
なんかいい例えありそうだなって思っただけでちょっと浮かばないですね。
そうなんですよ。そういう感じで起きてるんで。
宇宙を語る上で実は地場っていう情報ってめちゃめちゃ重要なんですけど。
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僕自身も研究始めてからじゃないと宇宙にそんな重要な存在として地場があるのも知らなかったし。
目にも見えないから人に説明しづらいしっていうところでいつも配信しながらジレンマを感じる時があったりします。
確かにな。地球でも地場あるけどコンパス見る時ぐらいじゃないですか。感じます。
そうなんですよ。
日常でそんなことないから考えないですよね。
これ結構太陽とかでも結構面白い話いくつかあって地場関連でも。
地球の歴史を見てる中でも南と北が逆転する現象っていうのが地層に現れてるっていう話があったりして。
サイエンマニアお聞きいただきありがとうございました。
この番組では幅広い専門知識を一つの番組に集め聞くだけで誰でも楽しく学べる番組を目指しています。
そのために皆さんからの質問や意見・感想を募集しています。
概要欄のお便りフォームやツイッターハッシュタグサイエンマニアでコメントいただけると嬉しいです。
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次回のエピソードもお楽しみに。
37:42

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