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2023-05-01 58:27

いつの間にか化学者に? 全合成の魅力と留学の道【有機化学とキャリア 前編】#113

有機化学を学んでいたら米国で就職していた?企業化学者の方に有機合成化学の魅力や進学・留学・就職などのキャリアについて語っていただきました。

【ゲスト】

miso さん (Twitter: https://twitter.com/misoram03621311 )

【トピック】

・化学に目覚めたきっかけ

・研究室の選び方 ・化学がパズルだと気づく時

・アメリカ留学のきっかけ ・英語の勉強について ・考えずに行動することも大事 ・全合成の魅力


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ポッドキャストと化学者との交流の始まり
サイエンマニア
こんにちは、レンです。サイエンマニアは、あらゆる分野のゲストを招き、リープでマニアの話を届けるポッドキャストです。
今回のゲストは、アメリカの製薬企業で働かれているMISOさんです。よろしくお願いします。
お願いします。
MISOさんは、ツイッターがきっかけで、たまたまリプライをくれて、化学の話とか化学系の話できる人いないかなとか、僕が探してたときに、ちょっと返事をいただいたっていう感じでしたよね。
そうですね。普段から私もポッドキャスト聞くのがすごい好きで、レンさんとエマさんのポッドキャストとかもたまに聞いてて、
たぶんそれきっかけでレンさんをフォローしてて、それでレンさんがポッドキャストを他に一緒にできる人がいるといいなみたいな感じのツイッターをしてたのを見て、
思い切ってリプライしてみたっていう。
なるほど、ありがたいですね。あれはポッドキャストに化学系の中にもジャンルがいくつかあって、サイエントークとかは自然化学ジャンルみたいな感じなんですね、一応。
化学とか、あとそのとき物理化学とか地球化学とかのジャンルってあんまり日本語でやってる人って少ない。
誰かがやったらいいのになーとか思ってツイートしたんだと思うんですね、確か。
いや、確かにでもそんなにないですよね。あるのかもしれないけど、そこまでなんかサジェストに出てこないとかなんですかね。
そうですね、やられてるのはあるのはあると思うんですけど、やっぱり層が厚いわけじゃないんで。
そうですね、あんまり化学的なものはあんまりないかもしれない。
やっぱり英語だといっぱいありますよね、きっとポッドキャスト。
日本語で化学系のポッドキャストを作ってみたい
そうですね、英語、でも私も普段聞くポッドキャストをそんなに化学系に絞ったものを聞いているわけでもなくて、結構なんか。
どんなの聞いてるんですか。
ニュース系のものをよく聞いてますね。
ニューヨークタイムズがやってるデイリーっていうポッドキャストとか。
やってますね。
エコノミストがやってるインテリジェンスだったっけっていうポッドキャストとか。
デイリーはニューヨークタイムズなんで、他のニュースにフォーカスしたやつで、
エコノミストのザ・インテリジェンスっていうやつは結構世界のニュースとかが入ってる感じのポッドキャストなんで、
通勤はそれを聞いてたりしてますね。
やっぱり車通勤ですか。
そうですね、家から会社まで、私は20分くらいで着くんで、ちょうど聞けるみたいな。
よく言いますよね、アメリカとか車社会の方がポッドキャスト聞かれるみたいな。
確かに、なんかもう車の音量で。
あるあるらしいですけど。
いい感じに聞こえます。
なんか、サイエンスとか研究者系でたまに他にも聞くのが、県営の中って結構有名じゃないですか。
大好きですよ、僕、県営の中。
結構似てますよね、なんかレンさんと山さんの。
そうなんですよ、男女でやってるし、向こうは夫婦、途中から向こうも夫婦になったはずなんで。
そうですよね。
なんか2人で興味のある研究を話し合ってるみたいな、それ聞いてて楽しいです。
県営の中は2人それぞれ結構専門性がすごいというか、エンジニアと研究者で、しかも神経科学の結構がっつり研究のこと話してるなっていう回もあるんで、すごいなと思って聞いてるんですけど。
もっとなんかガチな研究系だったら、なんかリサーチアットとかって聞いたことありますか。
リサーチアットは、もうその2つのポッドキャストは僕がポッドキャスト始めるときのきっかけになってるぐらいの番組ですね。
結構長いですよね、なんかリサーチアットもすごいいっぱいエピソードがあって、なんか結構みんなアメリカにいる研究者っぽいんで。
そうですね、リサーチアットは今1人アメリカで1人カナダかな、1人日本。
僕もそれリサーチアットをたまたま見つけて、ポッドキャストにちょっとはまって、気づいたらやってるみたいな状態なんで。
いいですね。
なんか研究者と結構相性いいというか、もっと研究者のポッドキャスト増えたら面白いなとか思いますけどね。
アメリカの大学院から製薬企業でのキャリアパスについて
今回はちょっとポッドキャストで話してみたいっていうお返事をいただいたので、ちょっとみそさんに、もともと日本で大学入られて、大学院からアメリカですかね。
そうですね、なんか日本で大学4年までいて、卒業してそのまま大学院で、PHDコースみたいな感じでアメリカに来た感じですね。
で、そのままアメリカに就職されてるっていうことで、結構研究者でそういうキャリアパスというか通る人もいるかなと思うし、これからそういう道歩もうかなって考えてる人もいると思うんですよね。
なので、今日はキャリア系のことについて、どんな感じでアメリカから大学院行って就職したのかとか、そういう話とか聞けたらいいかなと思ってます。よろしくお願いします。
お願いします。
じゃあ、もともと、ジャンルは僕と結構近い遊戯科学とかをやられてるっていうことなんですけど、もともとなんか興味持ったきっかけとかありますか?
これ言ったらもともともないような気がするんですけど、私本当に高校の時とかすごい科学が一番嫌いな分野で、気づいたらゴリゴリの科学者になってたみたいな。
気づいたら。でも全然違いますよね、高校の科学。
そうですよね。
今思うと。
高校の時はどっちかっていうと生物物理の方が好きで、本当に科学になったっていうか、最終的に分野を絞ったのが大学4年生の時だったんで、その研究をもう決めなくちゃいけなくなった時。
じゃあ割とそこまではフラットな感じ。
本当にそんな感じで、全然どの分野に行きたいのかはっきりしないまま大学3年の冬に研究室を決めなくちゃいけなくなって、本当に一番面白そうだった研究室が有機合成の研究室だったっていう、本当にその時の決断が今になるみたいな。
確かに結構そこで決まる人多い気がしますけどね。
元からずっとやりたいって突き進んでる人の方が少ないような気がしますけど。
でもなんか自分が結構フラフラ何がしたいのかよく分からないような人だったっていうか、今でもなんかこの仕事をずっと続けていきたいのかなっていう疑問が常にあるっていう。
化学の道への導かれ方
逆に昔から、小学校とかそういう時からすごい大好きな分野があって、ずっと将来の夢が定まってるような人が逆に揺れやましいです。
なんかいいなってたまに思います。
そうですね、僕は割と早く科学とかなんかもの作るみたいなやりたいなみたいな感じでいきましたけど、でも正直それを思った時って科学何も分かってないし、なんか漠然としてた状態でいろいろ決めてたなっていう感じですけど、
研究室排除の時に有機化学面白いかもって思ったのはなんか何か刺さったんですか、自分の中で。
そうですね、これ言ったらもう完全に大学バレるんですけど。
だったら言わなくても大丈夫ですけど。
それでもいいんですけど、私たち学部、なんか入る時学部決めなくてよくて、その入る時は一応理系で入ったんですけど、
大学2年の後半に学部を選択しなきゃいけなくなった時には、それこそ本当に物理生物科学どれがいいのかやっぱ決めきれなくて、それで薬学部を選んだんですね。
その理由もなんか生物物理科学全部入ってる感じの学部だから。
確かにそれは合ってるのはありますよね。
1年間学部の授業を受けて、その中で多分一番有機化学の授業が面白かったな気がします。
そうですよ、その時に初めて有機化学面白いなって思うようになって。
それは良い先生に巡り会いましたね。
良い先生なのかな、なんか。
どうなんですかね。結構大学入って科学好きに、なんか軌道とか出てくるじゃないですか、結構最初。
軌道わけわかんねーよみたいな人結構僕の周りいっぱいいて。
いや、私も軌道わけわかんない派だったんですけど。
結構最終的に選んだ研究室の教授さんの授業、結構その有機化学のメカニズム、アロープッシングあるじゃないですか矢印なんか。
矢印の移動を書いて、こういう動きでなんか反応が起きて最終的な結果がこれになるみたいな。
そういうのをメインにした感じの授業で、一応高校でもそういうなんか反応機構とかなんとなく習ったのかな。
矢印書いたかな。
矢印までは書かなかったですよ。なんか高校の科学って、なんかAプラスB矢印Cみたいな感じ。
科学反応式って感じですよね。
熱量がどうだみたいな。
そうそうそう、とりあえずだからなんかそれを覚えなきゃいけないみたいな。
意味もわかんないし、なんかHとかCとかOとかNとかなんか数字がいっぱい入ってて、何なんだみたいな。
意味もわからず覚えさせられた記憶があって、それがすごく嫌だったんですけど、
でもなんかその3年の時のなんかそういう反応の授業で初めてなんか理解できたんですよね。
こういう風にして反応が進んで、最終的な果物になるのかっていうのは初めて理解できて、多分それがすごく嬉しかったのかな。
でもそれは結構共感するとこありますね。
確かに高校とか昔のって、わざわざ原子の周りに点々で電子書いて、
有名な人名反応と人名反応の共通性
で、三重結合とかもなんか電子6個ぐらいピピピって書いて、がんばって書くみたいな感じじゃないですか。
でもそういうとこで、いやこれ面白いってあんまならないけど、
実際炭素と炭素こうやってくっつきますみたいな矢印書いてやるのってパズルに近いというか。
そうそうそう、なんかその時に。
なんかそういうのありますよね。
ありますよね、なんかパズルをなんかソーヴしてる、ソーヴインドパズルっていうかなんか日本語が出てこない。
パズル解く。
そうそうそうそう。
パズル解く感覚と一緒というか。
パズルをなんかゲームしてる感じがようやくわかるようになって、そこから楽しいと思うようになってきたのかなって思いますね。
RPGっぽい感じがしてて、僕は、ロールプレイングゲーム。
自分がどれだけパズルの組み立て方を知ってるかで、いっぱい知ってる方が難しいもの作れるみたいな感じじゃないですか、ゆきかわくって。
そうですね、うんうん、確かに。
その繋ぎ方とか。
うんうん、その反応、なんかネームリアクションとかなんかそういうのをいっぱい覚えさせられて、結局大学4年生の時にすっごいそういうのを覚えさせられて、それでまた一時期代になったんですけど。
でもなんか、それを覚えた先にすごい、もっと楽しい世界が広がっているみたいな。
ああ、いや、そうっすよね。
そう、ネームリアクションって、一時、反応に名前つけないと会話できないですもんね、ゆきかわく。
そうなんですよね、そう。
なんか、そこを理解して一歩先に進むと、すごいなんか会話がスムーズに進んでいくし、
パズルを組み立てて何かを作り上げていくって、しかもなんか綺麗に作っていくのを目的にするじゃないですか。
だから、そこになんかちょっと芸術的な要素も入ってきてみたいな。
芸術性みたいなのとすぐ言われますよね。
なんかお絵かきですもんね、だって。
そう、お絵かきみたいな感じだし、自分で武器を身につけた上で、じゃあこれ作りたいけどどうやって、逆合成解析って言いますけど、
これの原料は何だってどんどんどんどん考えていって、さあ作ってみるぞみたいなゲーム感覚でできるのが面白いとこかなっていう。
そうですよね。
なんか人名、有名な人名反応ってなんだろう、日本だったら、ノーベル賞をやっぱ取っている反応が有名ですかね。
鈴木カップリングは聞いたことあるとかいう人とかいると思うんですよね。
そうですね。
それも僕留学したときに、鈴木、鈴木、周りの人が言ってて、鈴木ってみんな呼んでるのすごい違和感あるなと思って。
反応のパズルを組み立てるような楽しさ
ほぼみんな絶対に使う反応っていう感じで、日本人の名前が入っている人名反応多いですよね。
多いですね。
結構英会話の中に日本人の名前が出てくるみたいな。
いや、そうなんだ。
なんか園頭カップリングとか、すごいそれも人気というか、ついさっきなんか旦那との会話にも出てきました。
園頭カップリング出てきたんですか。
一応相方も科学者で。
なるほど、めっちゃ通じるんですね。
唯一の共通点がそこみたいな、その他はすべて違うんで。
そうなんだ。今研究はされてないんですか、旦那さん。
2人とも企業の研究者です。なんか違う企業なんですけど。
そっか、それで家の中で反応の話するの面白いな。
化学者の会話と反応機構の勉強
そうですね、大抵今日のお仕事どうだったみたいな、こんなことしたよ、あんなことしたよみたいな、結局反応の話になりますよね。
私なんかあんまり家で仕事の話したくないんですけど、まあ仕方ない。
しちゃうみたいな。
僕の友達が博士課程に行ってるときに、家でどうしても有機化学の話をしたくなっちゃうっていう人がいたんですよ。
だから彼女にいろんな反応の名前だけ教えて会話を通じるように勉強してもらったっていう人いました。
すごい、それ彼女様もバリバリの科学者になれるじゃないですか。
そう、すごいですよね。それすごいねってね。
なんかいろいろ勉強するのが好きだったらしくて、普通に途中から相談するようになったみたいな。
すごい、ちゃんと相談もできるレベルになるっていうのはすごい。
すごいですよね。反応機構の本とか問題集を解いていたらしいですけど。
その人いるんだと思って。
すごい。
すごいですよね。
でもこれも聞いたことない人だったら、その頭カップリング、その頭が日本でも結構珍しい名前なんで、違和感あるかもしれないですけど。
確かに、じゃあねぎしカップリングとか。
そうですね、ねぎしカップリングとか。
人名反応の本とか、すごい研究室入ったときにこれ読めみたいなの渡されましたね。
バイブルですよね。
バイブルですよね、ありますよね。
じゃあそれはもう研究室入って、考えるのもそうですけど、たぶん実験するのも結構楽しいって思いません?最初。
有機化学の研究での楽しみ
どうでした?
私結構なんか手を動かす、単純作業ではあるんですけど、なんか手を動かして何か作るっていうのは、たぶんもともと好きだったんで、それも楽しかったのかな。
なんかすごいやっぱり、一番最初に、もちろん研究室に配属になって、一番最初にやるのって、先輩について、で、先輩に言われた通りに手を動かしてみるみたいな感じだと思うんですけど、
それで何個か反応やったりとかして、で、なんか生成とかもして、なんとなく慣れてきてから、
なんか一番先輩に、じゃあとりあえずこの化合物を自分で考えて作ってみてみたいな感じの、
ありますね、そのタイミング。
なんかめっちゃパニクった記憶あります。
どうしようみたいな。
そうとりあえず、それはすごいパニクった記憶がすごくあって、また先輩に泣きつくって。
でもそれ最初に自分で考えて作ってみようみたいな、崖の上からライオンの子供を落とすみたいな感じになりますよね。
そう、でもなんか、それを何回かやっていくうちに、やっぱり慣れてきて、最近だって、サイファインダーとかリアキシスとかあればもう最強じゃないですか。
いや、そうっすよね、こういうのを作りたいみたいな。
入力したらいっぱい論文出してくれますもんね。
そう、だからなんか最初はとりあえずそういうツールの使い方に慣れるっていうのがなんか最初の訓練かなっていう感じですよね。
うん、確かに。最初構造式書くのもちょっと大変みたいな感じありますよね。
でもなんか何らかんないってその10年ぐらい経ったのかな、その一番最初に有機化学の研究室に早速になってから多分10年ちょっとぐらい経ったんですけど、
今結局一番何をしてる時にワクワクするかって言ったら、なんかそういう作りたいものを自分で考えて、反応、逆合成して、
こうやったら簡単に作れるじゃん、簡単にいくときといかないときなんですけど、こうやったら意外とうまくいけるかなっていうルートが思いついて、
じゃあいざ仕込むかっていうときがなんか一番ワクワクするなと思いますね。
うん、確かに確かに。で、うまくいかないこともあるっていうのはありますよね。
まあ、いかないこと大半なんですけど。
そう、だいたいなんかこれ論文通りにやったら絶対にいけるぞみたいな感じのやつも、なんかいかん、うまくいかんなみたいなときとかありますよね。
うん。
それをまた突破したときが結構気持ちいいっていう。
アメリカ留学のきっかけと留学生活
うんうんうん、そうですね。
なんかスポーツみたいな感じ。
確かに、なんか体育会系ですよね。
体育会系ですよね、結構。
うん、多分なんかラボのカルチャーとかも結構体育会系な感じだと思いました。
じゃあそれで結構いい書き面白いなみたいになって、それ留学行ったのは自分で決めたんですか?
そうですね、なんか多分一番のきっかけになったのが、大学3年生の冬にたまたまなんか廊下で見つけたポスターがなんかあって、
それは何のポスターかって言ったら、大学、あ、米国大学院留学説明会みたいなのを宣伝したポスターがあって、
そう、それをたまたま見て、で、行ってみようかなみたいな感じで参加したのが一番直接のきっかけだった気がします。
じゃあ研究室入る前ですか?
なんかオーバーラップ、ギリギリオーバーラップ、なんか所属が決まったぐらいの時だったかな。
あーそうなんだ、なるほど。
じゃあ割と先に留学あったっていう感じなんですね。
そうですね。
結構研究スタートしてから、例えばなんかどっかのあそこで研究してる教授のとこ行きたいとか、あとは教授が紹介してくれたとかよく聞くかなって思うんですけど。
いやいや、私全然優等生タイプじゃないんで。
優等生タイプかわかんないですけど、でも結構留学、大学側の留学制度みたいな。
いや、別にそのセミナーはなんか大学が主催してたような感じのものでも全くなくて、
多分、
あーそうなんですね。
なんかあの実際にアメリカの大学院に留学していた先輩たちが、なんだろう、そういう感じのグループを作ってて、
その米国大学院留学会みたいな、なんか名前忘れたんですけど、
なんかそういう、なんか現役留学生の人たちが作ってるグループがあって、でその人たちは主催してる感じの、学生団体というかサークル的な感じのセミナーだったんですけど、
はいはい。
そう、なんか冬って結構冬休みでなんか日本に戻ってきて、実家に帰省するみたいな感じの人多いじゃないですか。
アメリカの大学院でも一応そういう年末の休みがあるんで、それに合わせて日本に帰国してくれた人たちがいて、
大学院留学の準備
でその人たちがなんか実際にそのセミナーに来てくれて、でなんか学生団とか、あと相談とかいろいろと載ってくれる感じのセミナーだったんですけど、
直接聞けるのはいいですね、すごい。
そうそう、なんかそれまでなんとなくその大学院留学っていうオプションがあるっていうのはなんとなく聞いて知ってたっていう感覚だったんですけど、
でそれに参加して初めてなんか現実味が出てきたというか、なんか意外とこんな簡単に行こうと思えばいけるんだみたいな。
結構ハードル確かに勝手に高いって思っちゃいますよね、最初。
そうそう、なんかそのセミナー参加して、でなんか出願するのに必要な書類とかテストとかいろいろ説明してくれてたんですけど、
なんかそれを見てると、まあ案外なんか簡単に集められるなって思って、でその時になんかまあやってみても面白いかなって思って、
なんか現実味が増したっていう感じですね。
なるほど、じゃあそこで、でも大学院からの留学って割と普通の語学試験みたいな感じだけですか?面接とかもあるかもしれないですけど。
いやなんかその大学院からの面接っていうのは私全然なくて、本当にもうなんか一般的な英語の試験、TOEFLとかよく聞くと思うんですけど、GREとか、
とりあえずこれだけは何回か受けて、でその点数を提出、書類の一部として提出して、
であとは推薦書を集めなきゃいけなかったんですけど、でもなんか推薦書集めるのも結構適当で、
私何通か自分で書きましたよ、自分で書いて、先生にサインをお願いするっていう。
めちゃくちゃ適当で、なんかこの生徒はトップ5%の。
でもなんか申請書系の推薦の、確かにこういうのを書いてほしいみたいな、むしろ教授から出してって言われたりすることありますね、割と。
で自分のこと書かなきゃみたいな。
でもなんか結構そういうのをよくサインしてくれたりとか書いてくれたりしてくれる人って案外いるものって、
授業を受けてた先生に話しに行ったりとか、自分の研究室の先生に書いてもらったりとか、
あと私ラッキーだったのは、私が4年生の時に所属してた研究室の先生が結構名の知れた人で、
多分化学やってる人はみんな名前を知ってる感じの先生で、やっぱりその名前がすごい聞いたと思います。
確かにそういうのありますよね。
そう、でもそれはなんか別に、それを習ってその研究室に行ったとか全くなくて、たまたま運が良かった。
大学院側は最初から研究室に入るみたいな留学ですか?
それとも大学院に授業を受けるみたいな感じですか?
1年目は授業がメインだったかな。
でも大学院1年目は授業はまだいっぱいあるんですけど、でも研究室にもそろそろ所属し始めるみたいな感じで、
大学によると思うんですけど、私が行ってたところは最初なんか3つ研究室ローテーションできるがあって、
なんか多分1ヶ月ごとぐらいにローテーションしていく感じなのかな。
で、それで自分に合った研究室を決めるみたいな。
あとなんか先生とのネゴシエーションとかもあるんですけど、なんか研究室によってファンディングがあるかどうかっていう差もある。
大学院生って雇われてる意味じゃないですか?
そうですね、日本とちょっと違いますよね。
そうですね、確かにそこは大きな違いかもしれないんですけど、
アメリカの大学院のシステムとしては、各研究室のボスがファンディングをいろいろと集めてきて、研究資金を集めてきて、
で、その研究資金からその学生を雇ってくれるみたいな感じのシステムになってて、
だから大学院1年目から普通に給料がもらえるんですけど、
で、そうだからそのラボの研究資金の多さによって学生が雇えるかっていう差も出てくるんで、
まあラボによってはなんかこの人はちょっと学生雇えませんみたいなところもあるし、
そうですね。
まあそういうところを先生となんかネゴシエーションとか話し合いしながら、
なんか気に入ってくれたら雇ってもらえるみたいな感じですかね。
でもそれ完全にセレクションみたいな感じなんですか?
うん、そうです。
なんていうか行きたいって言ってもやっぱ行けないことも割とある?
たまにそういうこと、まあなんかあんまりそういうのは聞かないんです。
そこまでなんか激しい競争は聞かないんですけど、
まあでもそこら辺はなんか先生もなんか欲しい学生がいたらリクルートするっていう感じですね、
なんかこんなにいい研究できるよみたいな。
まあ確かに研究してる側からしたらいい人欲しいですもんね、やっぱ。
そっか。
そうですね、まあそんな感じで大学3年の冬にそういう感じのセミナーに参加して、
これ行こうと思えば行けるかもしれないってなんか勝手に思って。
それでアプライ何個かして、でたまたま1個なんか運良く受かったところがあって、でそれでって感じですね。
それが大学4年生の時に研究室入って、それやりながらちょこちょこ受けてみたいな感じってことですよね。
そうですね、なんか準備するものってさっきちょっと言ったんですけど、
大学院留学の選択肢と入学時期
TOEFLとかGREテストは何回も受けれるんですよあれって。
いやそうっすよね、でいいやつ出すみたいな。
で、まあやっぱそれなりの点数がないと大学院の側にも受けられちゃうんで、
まあそれなりの点数を取れるように何回か受け直したりはしましたね。
まあ確かにそれ最初、それ基準満たさなかったらどこも行けないってなっちゃうから、結構勉強しないといけないですよね。
でも最終的に私のTOEFLの点数多分基準ギリギリ足りないぐらいの点数だったんですよ。
まあそれでもなんかまあ出しちゃえみたいな感じで出して、いやでもなんかたまたますごいラッキーに受かったっていう。
いや良かったですね、それで。
割とじゃあすぐ卒業してすぐ行けたっていう感じなんですね。
そうですね。
最初留学でいろいろ大変でした?
引っ越しとかも大変ですよね?
引っ越しとかはあんまり、私なんかスイッチケース2個ぐらいに荷物をまとめて向かった感じだったんですけど、
私なんか大学院5年間ずっと寮に住んでて、
アメリカでの留学生活
ああ寮だったんですね。
その大学院の中のいくつか住める寮があったんで、そのうちの一つに早めにアプライして、
それがたまたま運よく通ったんで、なんかハウジング、家探しの問題はなかったですね。
なんかそこはラッキーだった気がします。
いやなんか結構見つからなかったら大変って言いますよね、アメリカの大学周りで。
そうですよね、しかも。
場所によりますけど。
なんか住環境とかよくわからないときに部屋を探すのって大変ですよね。
そういう意味でなんか寮の選択肢があるときは、1年目とかだけでもそこになんか住んじゃうのが楽かもしれないですね。
だしなんかコミュニケーションも取れたりしそうだし。
結局なんかでも本当に寮にしたのは大正解だったっていうか、
その寮もインターナショナルの人を優先して住ましてくれる感じの寮だったんで、
世界各国から集まってきた大学院生の人たちとすごい交流するいい機会になったというか。
なんかルームメイトとかいるタイプのやつですか?
私が住んでたのは一人部屋なんですけど、
でもキッチンとかトイレとかシャワーとかそういうのはシェアするっていう。
シェアハウス的な感じのタイプか。
そうですね。
まあでも楽しいですね、きっと。
そうそう、なんかちょうどいいバランスだったというか、
プライベート、なんか一人になりたいときってあるじゃないですか、そういうときは。
ありますよね。
でもなんかたまに寂しくなったら外に出るとなんか人がわちゃわちゃいるみたいな。
だからちょうどいいバランスだったかなって思って。
で、あとなんかもう一つラッキーだったのが、
私さっきちらって言ったんですけど、
なんかあのTOEFLの点数がギリギリ足りなかったおかげで、
夏休み、なんか8月に早めに呼ばれて、
1ヶ月英語の授業を受けさせられたんですよ。
そういうシステムがあるんですか。
で、その英語の授業も、
私みたいにTOEFLの点数が微妙に足りなかった人たちが集められた感じの授業。
インターナショナルの学生さんたち用の英語の授業で、
そこですごい仲良くなったというか、
そのときに、なんか同じような環境で、
世界各国からアメリカに集まってきて、
初めて1年目で、みんな友達探しててみたいなクラスだったんで、
そこでいっぱい友達ができて、
そのときの友達結局、今でも仲の良い人たちはいるし、
いいですね、それ。
大学のシステムっていうか、
普通にここの語学学校に1回行ってから来てくださいみたいな、
なんか聞いたことあって、
それまた別なのかな。
でもしゃべれるかどうかみたいな、
日本で英語の勉強するとちょっと違いますよね、きっと。
違いますね、なんか、
私、日本では英語は得意だと思ってたんですけど、
でも聞いたら、なんか全然通じないわって思って。
やっぱリアルは違うみたいな。
そうですね、やっぱなんか本場の発音とかイントネーションとか全然違うなって思って。
なんかスターバックス行ったときに、
全然聞き取れなかったのが衝撃でしたね、僕最初行ったとき。
全然ないってかわかんねえな。
今日結構勉強してきたんだけどなと思って。
話すの早いですよね。
早い、早いですよね。
なんかあの、結構音を省略するじゃないですか、
なんかすべてで、
日本語のすべてのアルファベットを発音しないというか。
だから、慣れないとすごいなんか飛ばしちゃうような単語がいっぱいある。
それ結構1ヶ月ぐらいって変わりました、その最初の。
いや、1ヶ月ぐらいで全然変わらないですよ。
なんか結構慣れるの時間かかるのかなって思いますけど、最初。
なんか体感として、ようやくなんか電話先で、
なんなく会話ができるようになったなって思ったのは、3、4年後みたいな。
結構かかりますよね。
最初それで大学院行って、そこからでも研究室入ったら、
研究室は研究室でめっちゃ専門用語いっぱいあるし。
でもなんか、その意味で有機化学ってすごいラッキーだったなって思ったのは、
さっき最初の方話したんですけど、お絵かきじゃないですか、有機化学って。
構造式が言葉みたいな。
そうそう、それでなんか会話が通じちゃうみたいな。
有機化学研究室での経験
やっぱりこれあるあるなんだ。
全然その日常会話とかに入っていけないとか、
クラスメイトとあんま楽しくおしゃべりできなくても、
なんか研究室の会話はなんなく通じるっていう。
確かに論文とかを結構読んでたら、
使う単語とかは決まってくるから、
そういうので意外と日常会話より研究の話題のほうがしゃべれるみたいなのが起きがちかもしれないですね。
そうですね。そういう意味で研究の話題ですか、どうかなって。
構造式は言語だっていうのを本当みたいな、結構言われることあるんで、
ちょっと証明された感じがしますね。
何人かこれ有機化学で海外行って、構造式で会話が通じたっていう人、何人かは知ってたんですけど、
いよいよみんなそうだなっていう感じがしてきますね。
そうですね。
そこでまた日本に行ったときと全然違う研究とか、あくまで有機化学だったのかもしれないですけど、
そこも研究室はまた選んだんですか、自分で改めて。
ローテーションして、それは有機化学のところ。
結局、有機化学の全合性とか反応開発をしてる感じの研究室に所属することになったんですけど、
これまた言うと、あまりにも幸運が続きすぎてるような感じになるんですけど。
めちゃくちゃ今ラッキーなことが続いてますね。
結局最終的に所属することになった研究室の先生だし、
たまたま大学4年生のときに会ってるんですよね、その日本の大学で。
その先生が本当にたまたま日本の大学に講演に来てて、
それを私が聞きに行って、ちょうどそのとき、私はもう留学しようって思ってたときだったんで、
研究室に所属するきっかけとマッチング
いいチャンスだと思って話しかけに行ったりとかもしたんですよね。
それが多分すごい印象に残ってくれてて、多分それのおかげで取ってくれて。
それ覚えててくれたんですね。
結局そのまま研究室にも所属することになって、だからそれはすごいラッキーでしたね。
ラッキーっていうか、声かけに行くっていう勇気はすごいいいなって思いますけどね。
たまに思うのは、緊張するじゃないですか、そういうときって。
でも日本人はやっぱり人ってアホになることが大事というか、
その先は見ない前に行動しちゃうことって結構大事だなって思うときが多くて。
一体考えないでもうやってみるみたいな。
そうそうそう、バカだと思わないでもういいやみたいな、とりあえず話に行ってみようみたいな。
大事だと思いますね、でもそれ。私大体優しいですよね、そういう話しかけられた人たちに。
そうですよね、それで変な軽い扱いされたとか怒られたとかだったら、それはそれでまた良い判断基準になるというか、合わなかったんだなみたいな。
確かにそこに行きたいとはならないですもんね。
でも結構いい人だったっていうことで、その人が雇ってくれて。
結構いい人だった、でも大学院に入ってから、後々クラスメイトとかのご実談なんですけど、その先生結構厳しいっていうことで有名だったというか、結構大学院では怖がられてる人だって。
スパルタ系ですか、厳しい感じ。
そうそう、スパルタ系な感じのことで有名だった先生で、さっき大学院の研究室に所属する専攻の話ちょっとしたんですけど、結構あれって生徒と先生のマッチングみたいな感じじゃないですか。
そうっすね、一人ずつ話すし。
で、それで怖い先生って人気ないんですよね。
どの国もそうですね、多分。
だからそれであんまり人気がなかったっていうのもあって、そこまで競争率も低かったっていうのもあるんですけど。
それ入るとき認識してたんですか。
いや全然私は認識してなくて、で、先輩、ラボの先輩とかからも、最初はみんなすごい新しい学生さん欲しいからすごいみんな優しくしてくれたりとか言ってくるじゃないですか。
そうっすよね。
そうそう、先生にプラスあまり英語も理解してなかった私は、その同級生と情報交換をするほどの英語力もなく、それで完全に甘い言葉に連れられて入ったっていう。
面白いぞみたいな感じで宣伝しますよね。
そうなんだ、実際どうでしたそれ、入ってみて。
いやでも実際入って、確かに他の研究室に比べたら結構先生からの時間の束縛とかプレッシャーとかは激しかったというか、あったような気はするんですけど、でもそのおかげですごい成果は出たなっていうのは思います。
確かにその適度なプレッシャーは大事だなと思いますけど、あまりやりすぎじゃなければ。
そうですね。
バランスが難しいですよね、多分先生側からすると。
そうですね、結構途中で辞めちゃうような学生さんたちも出てることだったんで。
ああそうなんだ。
アメリカの大学院って結構5年前提みたいなところあるのかなと思ってたんですけど、どうでした?
いや本当になんか人による感じですよね。
2年で終わる人は終わるみたいな。
なんか日本みたいにみんなで一斉に卒業みたいなことは全くなくて、本当に卒業が人によってバラバラって、ディフェンスっていうのは多分卒業の最後のイベントになるんですけど。
そうですね、まあ卒論発表みたいな。
そうそうそう、卒論発表みたいな。
それが本当に人によってバラバラというか、もう自分が卒業できるってなった時に自分でスケジュールみたいな感じなんですけど。
でも大抵みんな5年ぐらいしたら卒業するかなみたいな感じですよね。
やっぱりそうですよね、なんか就職のタイミングとかもあるかもしれないですけど。
本当にそれもすごい、まさになんかそういうのともバランスを見ながら、なんか大抵みんな4年後半5年ぐらいになると卒業、まあ研究の進捗状況によるしそもそも。
確かに進んでなかったら卒業そもそもできないってなっちゃいますもんね。
そうですね、なんかまあ研究の進捗状況を見つつ、で、まあ4年後半5年生ぐらいになると、なんか次の進路も考えつつ。
研究の進捗状況による卒業のタイミング
で、そのポストク行くならポストク先とか就職するなら就職先が決まりしたい、なんかディフェンスの予定とかも立ててみたいな感じで。
うん、なんか基準みたいなのありました?なんか論文出してないととか場所によると思いますけど。
なんかうちの大学、これも本当に大学とか学部とかにもよるんですけど、学科とか。
うちは全然そういう基準なくて、まあ本当になんかラブの先生の意向次第ですよね。
まあ確かに最終的に決めるの、そうですもんね、教授が決めるから。
でも大抵みんなやっぱりプロジェクトの進行状況というか、まあプロジェクトが終わり次第っていう感じだった気がします。
うーん、そうなんだ。
まあでも研究テーマ何やるかとか、5年あったら途中から自分で考えたりしますよね。
そうですね。
最初はもらうかもしれないけど。
うーん、本当になんかこれも全然人によってやること変わってくる感じなんですけど、私の場合は、
まあ一番最初にもらったテーマは反応開発だったんですよね。
で、金属を使った反応開発みたいな感じのをやってて、最初の2、3年ぐらい。
で、まあそれで何本か論文出して、後半にちょうど反応開発がなんとなく終わりそうだった、私の終わりそうだった時期に、
なんか新しいボスが新しい全合成を始めるみたいな感じで入ってきて、
まあ私もせっかく有機合成にいるから全合成やっぱりやってみたいなっていう感覚が自分にあったんで、
それで、じゃあ私も一緒にやると思いますみたいな感じでジョインして。
じゃあそれまで割と反応開発系だったって感じですか、その学部も含めて。
学部は私実は全合成だったんですよね。
学部は全合成だったんですね。
学部の時の研究室は全合成メインだったんですけど、
で、大学院に入ったラボも一応全合成はメインな感じのラボだったのかな。
ラボの方向性の変化と反応開発の魅力
なんかラボの方向性って本当5、6年でガラッと変わるっていう感じなんですけど。
確かになんか結構流行りとかもありますからね、研究の。
最近はもうちょっとバイオアクティブな化合物を作る側にちょっとシフトしたんですけど、
私が入った当時は全合成がメインだったラボで、
で、そのラボのサイド、脇でちょこっとやってたような反応開発が面白そうだったんで、
それにちょっとジョインして最初の方は反応開発やってたっていう感じ。
結構あるあるかもしれないですね、これも。
全合成やってたら面白いやつ見つかったみたいな反応として。
やっぱりバイオロジー系に行かないと最近研究費取れないとかそういう考えもありますよね。
もう完全にそうですよね。
ファンディングが取りづらいですよね、ゴリゴリの反応開発だと。
いや、そうか。ただ作るだけじゃダメだみたいな感じの増えてるのかなって気しますけど。
そこで全合成にある種戻ったみたいな感じ。
ちょうどタイミングがあったから新しく始める感じのターゲットに一緒に参加して作り始めて、
で、これも全合成の分野では結構運良い方で2年ぐらいで終わって。
確かに運良い方かもしれない。複雑さによるけど、
本当にかかるやつ全然終わらんみたいな全合成ありますよね、普通に。
なんかセミナーとかで大御所の先生のセミナーの話でなんかイントロダクションで、
そのこの化合物は何人の大学院生と何人のポストクワを込めて作りましたみたいな。
これちょっとこの学生全員何年間かかったんだこれみたいなニーズ書いてある。
何世代やってんだこれみたいな。
そういうことも結構ある分野なんで。
いやそうだな、本当壮大な山登りというかパズルなんですけど、
この人が3年やったやつを引き継いでその続きやるとか全然あるし。
で、なんかこれも後日談で知ったことなんですけど、
実はその化合物、新しく始めた化合物って、
私がそもそもあのラボに入る前に誰かが既にやっててってぼしゃったプロジェクトだったらしくて。
ああそういう復活させたみたいなやつだったんだ。
そうそうそうでそれを先生がやってて。
えーでもそれ言わなかったんすか。
そうですよ。
で、そもそもその化合物って、
それを聞いてたら逆になんかちょっと日寄ってたっていうのもあるかもしれないですよね。
ああ確かにでも完全に一から考えたってことですよね。
だからルートとかも。
そうですね始めた時はもう、
やっぱり、
やっぱり、
やっぱり、
やっぱり、
やっぱり、
やっぱり、
やっぱり、
そうですね始めた時はもう、
そうですね始めた時はもう、
一からやり始めて、
まあで途中で何回かルートも考え直したりとか。
うんうんうん。
潜入感ない方が良かったりもするからな。
うんうんうんうん。
ちょっと引っ張られちゃうとこありますからね。
まあでも文献でなんか、
以前にも作られたことがあるやつだったんで、
ああ、何か先行例があったやつか。
うんうんうん。
すごいなんか気になるな、論文が気になりますけど、
まあそれは置いといて。
後で教えします。
ちょっと後で聞きますこれ。
そもそもそれを今ここでやろうと思っても、
ポッドキャストだと全く伝わらないっていう。
ねえこれ難しいんですよね。
音声、有機化学難しいですよ。
うーん、なんか書かないと、
すごさとか面白さがわからないというか。
うーん、手で書いてわかるのもあるけど、
なんか3Dでも考えなきゃいけないじゃないですか。
うんうんうん、モデル作りますよね。
モデル作って、意外とこれ紙で書いたらめっちゃ遠いけど、
近いところに立体だときてるから反応するぞとか、
そういう系の反応結構好きなんですけど。
うーん。
ポッドキャストでやる難易度が高すぎて、
そういう話は一切できないっていう。
確かに。
いやあでも2年で終わったのはすごいな。
そうですね、それはラッキーだ。
途中やっぱつらい時期もあって、
なんかこれ終わんないじゃん、
入力できないじゃんみたいな。
いやほんとになんか5年生の後半とか、
5年生の初めのときすごいそんな暗い中だったっていう。
結構ギリギリだったんですか?
そうですね。
やっぱり1回詰まったら大変ですよね。
うーん。
詰まったというか、このルートやっぱ無理だってなって、
結構最初の方で違うルートにしなきゃってなったら、
全合成の解析と謎の構造
やり直さないといけないし。
うーん、そう。
なんか化合物の構造って、
大抵NMRとかで見るじゃないですか。
で、NMRとかって言っちゃっていいんですかね?
わかるんですかね?
NMRは細かい説明を置いといて、
化学構造式の分析に使うものぐらいは、
なんか今でも出てきたことちょいちょいあったんですけど。
ありますか?
なんか構造を見るために、
プロトンNMRを撮って、
ぴょんぴょんっていう感じの飛び出るピークを。
飛び出るピークが。
それを見たらなんとなく、
その水素の周りの電子の状況とかもわかるよみたいな。
そうそうそう。
で、それでなんとなく構造がわかるみたいな感じなんですけど。
で、全合成の難しいところって、
はい。
全合成に限らず、
反応の解析の難しいところって、
思ったものと違うものができたときに、
一体何を作ったのか、
本当にわかんないときってあるじゃないですか。
ありますね。
そう。で、
なんか、
そんな感じの謎の構造が、
謎のまま、
半年経って、
なんかちょっと違う感じのルートで、
また似たようなものを作ってしまって、
で、
全合成のブレイクスルー
いったい私は何を作ったんだって思って、
ずっとなんか謎あったんですけど、
ある日なんか、
ふと、
反応、
なんかさっきちょっとレンさんが言ってたんですけど、
はい。
2Dの図で描くと、
なんか結構遠く離れてて、
全然反応しなさそうなものだけど、
それを3Dで考えると、
実は近くて、
あ、こういう反応が起きてるんじゃないかって、
ふと思って、
で、
で、さっきの、はい。
そうそう。で、それで反応機構を、
とりあえず描いてみて、
出てきた構造をもとに、
NMRをもう一回見返すと、
あ、これだって、
なんか分かったことがあって、
そうそう。で、
すごいなあ、それ、はい。
そうそう。結構それが、
ブレイクスルーだったっていうか、
なんかまあ半年間、
マジ謎に包まれた、
真っ暗闇の、
あったんですけど、
すごい嬉しかったっていうか、
なんか、
なんかやっぱ興奮して、
で、あとホッとして、
みたいな。
いや、それすごい嬉しいですよね、
それ分かったら。
そうそう。
なんか、なんだろうな、
普通にこう、
科学構造式みたいな感じで、
僕らが紙に書いて見るような感じでパッて、
パッて見て分かる感じじゃなくて、
本当にただのピョコピョコっていうピークだけで、
その科学構造式に変換するみたいな作業じゃないですか、
構造を決めるっていうのは。
そのピークで意味わかんないやつできて、
例えばそのピークがなくなったぞ、
とかなったら、
どこ行った、みたいな。
水素どこ行ったこれ、みたいな。
そうそう。
起きがちですよね。
そう、それ結構全合成の共通して難しいポイントだなって思いますね。
それでも、
分かった構造からさらに変換して先進んだってことですか。
そう、なんかその分かった構造が、
実は結構、
作りたかった化合物に近かったっていう。
えー。
そう、なんか、
作りたかったカーボンカーボンボンドが結構、
最後のなんか、
結構大事な感じのコネクションがあったんですけど、
で、そのコネクションをするのに、
結構ずっといろいろと苦労してて、
いろんな方法、
いろんなルートを、
なんか通りながら、
そのコネクションを作ろうっていう感じのことを
ずっとやってて、
で、その分かった構造が、
まあ、
欲しかったその化合物そのものの、
ではなかったんだけれども、
でも、そのボンドが実はできてたみたいな。
構造から先へ
えー、面白いなあ、それ。
大事な構造だって、
で、そっから、
あ、じゃあこういうふうに改善したら、
なんか欲しい化合物に行き着くみたいな感じのことが、
あー。
まあ、はっきり、
みたいな感じで、
最終的に行き着いたみたいな。
それって、
天然物作る過程に似てるとか、
そういう話ではないんですか。
あー。
そういう話ではない?
そうですね、なんかあの、
偶然ですか?
偶然ですね。
えー、すごいな。
結構あの、
本当に、
例えば、生き物の体の中で、
こういう原料があって、
勝手に体の中で変換されて、
作られますみたいな構造式ってあるじゃないですか。
うんうんうん。
だから、全合成の時も、
ちょっとそれに似た感じで、
炭素炭素結構作るみたいなのを入れてあげたら、
みたいなのがありがちだと思うんですけど、
そういうのじゃなくて、偶然なんですね。
そうですね。
まあ、一応なんか、狙ってた感じの反応ではあったんですけど、
うーん。
まあ、
これ説明難しいかもしれない。
その、実際なんか、
書かないと難しいですね。
まあ、でもそれがブレイクスルーで、
いや、半年悩むって相当だなって思いますけど。
謎の構造とヒント
まあ、なんか別にずっと半年ずっと考えたわけじゃなくて、
なんか、心の中の隅にずっとなんか、
謎の構造があったみたいな。
そう。
いや、すごいな。
まあ、でもなんか、
こういう何、ずっと研究について、
悶々と考え続けるって、
まあ、大学ならではの、
そういう感じかなっていう感じですよね。
なんか考えてるの辞めてるつもりでも、
考えてる時はありません。
うんうん。
片隅に常にあるみたいな。
そう。で、なんか全然意味わかんないタイミングで、
シャワー浴びてる時とかに降ってくるみたいな。
うんうんうんうん。
ことは割とありがちな、
誇張じゃなく結構そういうことあるなって思いますけどね。
ひらめき的な。
そうですね。
いや、そう、なんか難しいですよね。
全合性の面白さを、
もっと上手く言語化して伝えれたら、
いいなってめっちゃいつも思うんですけど。
いや、なんか、なんとなく伝わりましたかね、
さっきの会話。
いや、なんとなく伝わったかもしんない。
まあ、僕は結構わかるから伝わってるけど、
知らない人聞いたらどう思うのかわかるんですけど。
え、なんでこの人が興奮してるんだみたいな。
そう。
そう。
いや、全合性って究極のものづくりだと思いますもん、やっぱ。
うんうん。
見えない世界のね、なんか、
ものを作って、
最終的にできたものと、
その天然で撮れたぞってやつのピークがピタッて重なったら、
もう大興奮じゃないですか。
うんうんうん。
そうですね。
なんか、全合性とかやってる世の中の教授たちは、
有機化学の魅力
みんなそれを見たくて研究してるんじゃないかなっていうくらいの。
はい。
いや、でもすごいですよね、なんか、
そういう教授さんたちって、なんか、
うんうんうん。
私はもう5年間PhDやって、
1年ポスト学やってたんですけど、
それでなんか、
いや、もうこのアカデミア生活ずっと続けれる人ってすごいなって思いました。
うんうんうん。
体力がすごいですよね。
うんうんうん。
そもそも。
やっぱ熱意と体力と。
なんか、やっぱ教授たちは突き動かされてる何かがあるなっていうのは、
うんうんうん。
感じますよね。
これで、そっから、
留学と人生設計
最初からもうアメリカで就職したと思ったんですか?
その後って。
いや、私結局、
まあ常に、
最初の時もちょっと言ったんですけど、
全然その自分の人生設計をできてるような人ではなくて、
なんかね、その大学院のさっきの全合成の研究も本当に、
5年の中盤くらいにようやくなんか終わりが見えてきたっていう感じだったんで、
うんうんうん。
なんかその先どうしようかなみたいなことを、
本当になんか短い間に考えなきゃいけなくて、
で、それでまあ、
まあじゃあとりあえずポストク行こうみたいな感じで。
軽いノリ。
ここまでお聞きいただきありがとうございます。
番組の紹介とおわり
サイエンマニアはあらゆる分野のゲストを招き、
サイエンスの話題を中心にディープでマニアの話を届けるポッドキャストです。
番組に関する情報はツイッターを中心に発信しています。
感想はハッシュタグサイエンマニアで。
またポッドキャストのレビューもよろしくお願いします。
次回もまたお楽しみに。
58:27

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