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2024-04-03 52:54

生きた細胞を食料や医薬品に?今ホットな再生医療分野について語る!【再生医療 前編】#133 #科学系ポッドキャストの日

「再生医療」と聞いて何を思い浮かべますか?今回は再生医療の企業で主任研究員を務めるゲストをお迎えし、再生医療とは?再生医療と地球環境の繋がり、細胞を製品化する難しさなどについて語っていただきました。

この回は全2回の前編です。


★ゲスト

コーラさん (https://twitter.com/regeneandcola?t=ZS5hcO7Ez-lN0NaEKsRTyg&s=09)

#科学系ポッドキャストの日

テーマ 「地球」で様々なポッドキャストがトークしています。Xでハッシュタグをチェック!


★トピック

再生医療分野に飛び込んだ理由 / ポッドキャストとの出会い / 再生医療分野と地球環境 / 培養肉の研究 / 〇万円のハンバーガー / 再生医療等製品とは? / 細胞を製品にする難しさ / CAR-Tの進化


★おたより

Google form: https://forms.gle/zan5CEEuiMLUdAvi9

メール: ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠scientalkclub@gmail.com⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

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【サイエンマニアについて】

あらゆる分野のゲストを招き、サイエンスの話題を中心にディープでマニアな話を届けるポッドキャスト。

研究に夢中な大学院生や趣味を突き詰めている方まで、好きな事を好きなだけ語りたい人が集まる番組です。

第3回 Japan Podcast Awards 2021 推薦作品

【プロフィール】

研究者レン from サイエントーク

化学と生命科学が専門のおしゃべり好き研究者。サイエンスをエンタメっぽく発信するために様々な形で活動中。ポッドキャスト「サイエントーク」ではOLエマと共に番組を制作中。

Twitter: ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/REN_SciEnTALK⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

HP: https://scien-talk.com/

【BGM】

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠DOVA-SYNDROME⁠

サマリー

コーラさんは、再生医療の企業で研究員をされており、自己紹介やキャリアについて話しています。再生医療分野の話題はiPS細胞や培養肉などが中心であり、地球のサステナブルな面にも貢献しています。2030年頃には、供給が需要を上回る肉やタンパク質の需要解決策としてバイオニクが注目されています。バイオニクの原料は牛の細胞であり、幹細胞を使って無限に増殖させることが可能です。また、バイオニクは環境への影響や食中毒リスクの低減などのメリットもあります。現在は、バイオプリンターによる細胞の組織作りやカーティーによる免疫細胞治療など、再生医療の製造には生きた細胞の取り扱いや品質コントロールの難しさがあります。最近では、細胞を使った製品の開発が進んでおり、心臓シートなどの治療法が既に承認されています。IPS細胞を使った治療法や遺伝子治療の将来についても話し合われ、細胞の品質的な変動や実現の難しさなど、課題も取り上げられました。ポッドキャスト番組「サイエンマニア」では、あらゆる分野のゲストがディープでマニアックな話を届けており、SNSなどでも番組に関する情報を発信しています。リスナーの感想や出演希望も受け付けているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

コーラさんのキャリア
スピーカー 1
こんにちは、レンです。サイエンマニアはあらゆる分野のゲストを招き、リープでマニアの話を届けるポッドキャストです。今回のゲストは、再生医療の企業で研究員をされているコーラさんです。よろしくお願いします。
スピーカー 2
よろしくお願いします。コーラと申します。
スピーカー 1
はい、じゃあ最初に自己紹介の方お願いします。
スピーカー 2
はい、僕、大学入学してからは有機化学を専攻していて、レンさんと同じような感じで。
スピーカー 1
一緒ですね。
スピーカー 2
はい、ケミカルバイオロジーっていう分野になるのかなって。有機合成してそれを細胞にかけてどういう反応が出るのかみたいな、そういう感じで結構レンさんの話聞いてて、似てるなって思ってて。
スピーカー 1
そうですね、知り合いの知り合いぐらいかもしれない。
スピーカー 2
そうかもしれないですよね。
ただ幼い頃から薬をやりたいなと、製薬関連の仕事をしたいなと思ってて、有機化学ずっと専攻してたんですけど、生命科学に関しては全く勉強したことがなくて、生物に関して勉強したいなと思いまして、大学院から研究室を変えて。
スピーカー 1
修士課程からですか。
スピーカー 2
そうです。修士課程から変えまして、そこでは免疫学の方を専攻しまして、研究してました。ただ、科学とそういう生物の研究ってちょっと違うなってところがあって。
ちょっとですか。
やってることはもちろん全然違うんですけど、科学はやっぱ何かを新しいものを作って、それがどうなのかを見るっていう感覚があって、ただ生物は逆にもう起こってる現象が何なのかを、ちょっと研究のやり方というか。
で、自分の性格的には何か物を作ったりすることが面白いなっていうのは昔からあって。はいはい。
で、大学院から暗がえしたにも関わらず、もしかしたら自分は研究が向いてないんじゃないかと思いまして、その時に。
良し器用に就職して、薬をやりたかったから製薬業界に行こうと。ただ製薬業界でも研究職じゃなくて、その時は、その時は研究職じゃなくて、製造の方に。
スピーカー 1
ものづくりの方ですね、本当に。
スピーカー 2
はい、そうですね。っていうところで、一番最初は製造の部署に就職したんですね。
スピーカー 1
それは有機化学系ですか?
スピーカー 2
いや、その時に再生医療の分野。
スピーカー 1
そこで再生医療?
スピーカー 2
はい、そうです。そこで再生医療関連をやってる。
免疫の知識もちょっと必要な分野があったので、そこで自分の知識も活かせて、で、ものづくりってところで興味も持って働けるんじゃないかなって思って、再生医療関連の製造部門にっていうところで就職したんですよね。
スピーカー 1
なるほど、なんか結構変わってますよね。僕の中であんま今、再生医療と免疫がどれぐらい繋がってるのかとか。
ちょっとこの後で詳しく聞こうかなと思うんですけど、だいぶ有機化学からもう離れたところにあるかなと思ってて、再生医療とかって。
スピーカー 2
いや、かなり離れてます。
ですよね。
ちょこちょこ内容としては変わっていってて。
その都度、新しい学びを。で、またちょっとしたら転職をして研究職に戻るんですけれども。
っていうのも、製造をしていると、再生医療の製造をしていると、なんだろう、研究部門が作ってきてくれたプロトコルを製造部門の人がその通りに作るみたいな。
スピーカー 1
そうですよね。あんまりそんなに変えちゃいけないですよね。もう作るものは決まってて、それを効率的にどう作るかっていうのが多分製造の方ですかね。
スピーカー 2
そうですね。基本的なところは変えずに、どうやったら人がもっと効率よく動けるかとか、どうやったら材料を管理しやすくなるかとか。
なんていうか、サイエンス、リサーチとかデベロップメントっていうよりは、製造関連における人だったり物だったり場所だったりを管理するマネジメントみたいな要素がすごい業務の中としては大半を占めてるような気がしていて。
スピーカー 1
はいはいはい。確かに品質のチェックとか、そういうのってちょっと研究っぽくはないですよね。
スピーカー 2
そうなんですよね。そうなってくると、またもうちょっとサイエンスをやりたいなって思ってきちゃって。
スピーカー 1
それで転職しようみたいな。
スピーカー 2
それで2,3年働いたし、製造の現場をわかったから、製造の現場により近い研究職はどこだろうってなると、プロセス開発部門。どうやって工業的な生産方法をしていくかっていうところを研究する部署。
スピーカー 1
なるほど。それが今の会社ですか。
スピーカー 2
そうですね。今の会社でプロセス開発部門の主任研究員として働いてるって感じですね。
スピーカー 1
主任研究員として。だいぶ面白いキャリアだなと思って。僕の周りにも有機化学出身の人いますけど、あんまり再生医療に行ってる人はなかなかいないんじゃないかなって気がしてて、作るものも全然違いますし。
だからこそ何かわかることとか、結局使ってるものが有機化学っぽい知識も使える部分もあるかもしれないですけど、そういう話をちょっと、そもそも再生医療分野はどんなんなんですかっていうのを聞きたいですし。
スピーカー 2
そうですよね。
スピーカー 1
もうなんかだいぶ本編っぽい感じにもう話が入ってますけど。
スピーカー 2
そうですね。僕自身の自己紹介とかバックグラウンドとしてはこういう感じですね。
スピーカー 1
ありがとうございます。なんで今回出てくれたのかっていうと、僕の方にメールしてくれまして、そういう形で再生医療関連の企業で今研究員として働かれていて、今取り組んでるサイエンスについて話してみたいみたいな話をメールで書いてくれたんで、もうぜひみたいな感じで今日話してるんですけど。
ちなみにこれポッドキャストどうやって聞くようになってくれたんですか。
スピーカー 2
ポッドキャストを聞くきっかけとしては、子供がいまして、結構まだゼロ歳児なんですけど、夜中とかにこう泣いて起きてくるわけですね。
で、そこでミルクをあげるときに、なんかめちゃくちゃ暇なんですよね。
赤ちゃんぼーっとほぼ寝ぼけながらミルクを飲んでるし、かといって両手がふさがってるんですよ。赤ちゃんを支えてもう片方の手はミルクを持ってて。
スピーカー 1
そうですね。はい。
スピーカー 2
で、かといって音楽を聞くわけにもいかないんで、イヤホンをして何かを聞くっていうときに、ポッドキャストすごいあってたんですよね。
スピーカー 1
すごい、そこが入り口になることがあるんですね。
持て余すときにね。
スピーカー 2
で、それで最初はビジネス系というか聞いてたんですけれども、自分自身サイエンスやってきた人間で、科学についてもカテゴリーがあるなって聞いてたら、サイエントーク、サイエンマニアを見つけて、それで聞くようになりましたね。
スピーカー 1
まさかその子育てから。
スピーカー 2
そうですね、子育て。家事とか育児とか、そういう何かをしながら聞くっていう、ながらでやるっていう分にはポッドキャストすごい良かったです。
スピーカー 1
すごいありがたいですね。でもそういう何かしらのきっかけでポッドキャスト聞いてくれるようになるっていうのはあると思うんですけど、喋ろうって思ったのって、喋ってみたいなって思ったのって何でなんですか?
スピーカー 2
一個は結構自分はやりたがりみたいな、なんか取り組みたいみたいなところがあって、自分も喋ってみたいなってまず思ったのが一つと、単純に。
スピーカー 1
で、あと自分が過去に有機化学だったり免疫学だったりを専攻してきたおかげで、サイエンマニアに過去に登場された人の話、有機も免疫も結構何人かいらっしゃったと思うんですけど、
スピーカー 2
はい、ありましたね。
結構バックグラウンドとしては知ってるおかげか、話されてる内容も結構わかっていて、もしかしたら自分も話せるなとまず思って、
で、かといって過去の話になると有機とか免疫っていうのも話し尽くされてるからってなると、今自分がやってる再生医療のところだったらまだ誰も話してないし、
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
で、それだったら今ならいけると思って。
今しかないみたいな。
誰かが再生医療の形でゲスト出演させてくださいって言う前に、もう今だって思って。
スピーカー 1
確かになぁ、イソースもね、そんなラインナップでありそうだけど。
スピーカー 2
聞いてる人にもいるんじゃないかなと。
再生医療の事例
スピーカー 1
いや、なんか僕的には全然被ってもいい気してて。
ジャンル被ったとしても、今僕もまだやり始めて2年半過ぎたぐらいですけど、
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
ちょっとあんまりにも細かい分野をタイトルにしちゃうと、ちょっと本当にわかんなくなっちゃうなと思って、
割と有機化学とか免疫みたいなデカめのタイトルをつけてるっていうので、絶対被ると思うんですよね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
でも同じタイトルでも中身どうせ全然違うことやってるし、もう一回出てくれてもいいかなっていうので思ってて。
だからこれ聞いてる人は本当にコーラさんみたいに連絡してくださいって言いたいですけど。
いや、だからありがとうございます、それで。
あ、いえいえ、本当。
スピーカー 2
送ってくれて。
これこそ喋る機会もらってありがたい感じです。
スピーカー 1
いえいえ、すごい嬉しいです。
あと、今日再生医療の話をちょっと聞くんですけど、
今回サブテーマみたいなのをつけていて、
はい。
4月にEarth Dayっていう日がありまして、
地球の環境保護の支援とかそういった話をしましょうみたいな、
そういうポッドキャストの企画をちょっとやっていて、
再生医療と地球環境とかあんまり関連ないかなって思ってたんですけど、
そういう分野も一応ちょっとあるっていう話を伺っているんで、
スピーカー 2
はい、そうですね。
スピーカー 1
ちょっと触れるぐらいかもしれないですけど、
Earth Dayにちなんだエピソードとしてもちょっと今回の話聞いていただけると嬉しいですね。
スピーカー 2
はい、さっきの話に戻るんですけど、
自分、再生医療の分野に社会人になってから入ることになったってところで、
分かってないので、この分野自体を。
そういう意味で勉強も込めて、再生医療学会の学会に参加して、
いろんなテーマを聞きに行ったんですよね。
そこで、やっぱ再生医療っていう言葉に一番イメージ持ちやすいのは、
iPS細胞だったり、
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
そうですよね。iPSだったり、あと肝細胞とか。
スピーカー 1
一般の人をイメージするのはやっぱり人工的に臓器を作りますとか、
スピーカー 2
そうですよね。
スピーカー 1
そういうのですよね、再生医療って聞いて思い浮かぶのは。
スピーカー 2
やっぱ再生医療学会でもそれがほぼ大半のテーマを占めてて、
もともとあった細胞を時間を巻き戻したように、
未分化の細胞に持っていく研究だったり、
逆にそういう未分化の細胞だったものを、
発生学的な知識で、
いろんな各種臓器だったり組織細胞に分化させていくような、
そういう研究が一番メインというか、
8割9割を占めてて、トークテーマとしては。
スピーカー 1
そんなイメージはありますね、僕も思ってますね。
スピーカー 2
ただ一個、初めて聞いた、
これ再生医療みたいなところのテーマがあって、
それが培養肉。
スピーカー 1
培養肉?
はい。
スピーカー 2
耳にされたことはありますか?
スピーカー 1
結構僕ニュースで見たことあると思ってて、
最近、それこそ牛肉豚肉の代わりになるものを作ってみようとか、
その培養肉ですよね。
スピーカー 2
そうですそうです。
スピーカー 1
それ再生医療分野なんですか?
スピーカー 2
これも再生医療学会のテーマの一つとしては、
取り上げられてるっぽくて。
取り上げられてるっぽくてというか、取り上げられてて。
そうなんだ。
レンさんから地球環境の話をいただいた時に、
再生医療と地球環境
スピーカー 2
これだと思って。
どういった面が、
地球のサステナブルなところに貢献していくかってところですけど、
今、人口がどんどん増え続けている現状。
日本は減ってますけれども、まだまだ世界で見れば、
どんどん増えている状況で、
調べたところによると、
2050年とかにはもう100億人近い人まで増えるらしいですよね。
スピーカー 1
聞いたことありますね。
スピーカー 2
2030年ぐらいになると、
肉とかそういうタンパク質類の需要が、
供給を上回るっていう予測が立てられているらしくて。
2030年。
2030年頃からもう。
スピーカー 1
もうすぐじゃないですか。
スピーカー 2
もうほんとすぐですよね。
あと5、6年っていう。
ほんとかよって思うぐらい近い将来の話で。
そういったところの、
打開策の一つとしてバイオニクっていうものが、
最近結構研究としてもホットになっている領域になってますね。
スピーカー 1
あのバイオニクって原料は何なんですか?
スピーカー 2
原料、一番最初の原料となるのは、
スピーカー 1
その牛だったりの細胞ですね。
細胞を取ってきて、それを人口的に増やして。
スピーカー 2
そうですそうです。
これも牛さんから細胞を取ってくるっていうのも、
幹細胞を取ってくるんですよね。
で、幹細胞は無限に増殖ができ、
条件が整えば無限に増殖ができるんで、
無限に増殖させて、
そこから次は幹細胞から筋肉系の細胞、
お肉なんで筋肉の細胞なので、
それに分化させていくと。
そういったところが多分発生的な要素から、
再生医療っていうところに結びついていくのかなと思ってて。
スピーカー 1
でもなんか筋肉作ればいいのかっていう気もちょっとしますけどね。
多分聞いたことがあるのが、やっぱり味とか、
本物と今ちょっとどれくらい近いのかわかんないですけど、
多分いろいろ脂肪とかいろんな成分が本物の方に入ってるけど、
どこまでバイオでできるのかみたいな、
多分その研究中って感じですよね、世の中的に。
スピーカー 2
そうですね。
バイオニック、他にも人の今後の食糧危機を解決するってだけじゃなくて、
いろんな他にもメリットあって、
例えば温暖化に対してもすごいメリットがあるって言われてて、
牛さんを育てる過程で、
糞尿が出てくるじゃないですか。
家畜から。
そこからすごいメタンガスが出てるらしくて、
これが温暖化の原因の一つとしてもあって、
数字で言うとこの温室効果ガス、
畜産業から排出されてる温室効果ガスっていうのは、
地球全体の人由来の温室効果ガス全体の約15%を占めてるらしくて、
スピーカー 1
15%多いですね。
スピーカー 2
結構な量ですよね。
バイオニックのメリット
スピーカー 2
結構多いよ。
そういったところも畜産っていう、牛を育てるっていう工程を全てカットできますから、バイオニクだったら。
スピーカー 1
確かに。
スピーカー 2
そういうところが置き換えられたりだとか、
牛を育てるっていうその過程自体も、
すごい時間だったり、牛に与える餌だったり水だったりって考えると、
それも非効率的じゃないかと。
スピーカー 1
土地もめっちゃ必要ですしね。
スピーカー 2
そうですよね、土地もすごい使っていて、
300gの牛肉を得るためには5000リットルの水が必要と。
スピーカー 1
そう聞くとすごいな、スーパーの1パック分で。
スピーカー 2
あそこの300gになるまでは5000リットル。
これ日本とかこういう先進国の水が綺麗な国だったら、
簡単な話ですけれども、
5000リットルもすごい量ですけど、
そういうこれから成長してくるような発展途上国だったり後進国っていうのは、
水がそういうタスク用意できるわけじゃないから、
これ自体もすごい難しい。
スピーカー 1
そうですよね、場所によってはもう、
牛というかまず自分たちが飲む水とかそういう話がまずありますもんね。
そもそもそれで5000リットルは確かに大変だな。
スピーカー 2
そういう感じで、地球の環境保護っていう転用でも結構いろいろメリットがあると。
あと食中毒もゼロになるって言われてますね、バイオニクだったら。
スピーカー 1
そっか、牛にも感染しちゃう何かとか。
スピーカー 2
そうです。
スピーカー 1
あったりとかしますよね。
スピーカー 2
工場で綺麗なウイルスとか細菌がいない無菌的な環境で培養されてくるんで、
もうそこから人に何かが移るってことはないので、
もう食中毒のリスクが完全にゼロになると。
スピーカー 1
確かにそれは大きいメリットかもしれないな。
バイオニックの課題と技術
スピーカー 2
あと最近言われてるのは動物愛護の観点もすごい。
ありますよね。
殺さなくていいんでも。
そういったところから地球環境以外の話にもなりましたけど、
いろんなメリットがあるっていう感じですね、バイオニク。
スピーカー 1
多分一番問題そうなのは、今世界中いろんなところでいっぱい牛飼われてて、
バイオニクでどこまで置き換えられるのかみたいな話ですよね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
それこそいっぱい作んなきゃいけないだろうし。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
なんでいろいろまだまだ解決する課題は何個かあるんですけれども、
調べた感じいくつかいろいろ解決できた課題っていうのをちょっと紹介できればなと思ってて、
さっき幹細胞を取ってきて無限に増殖させるって言ったんですけど、
細胞を培養するって、レンさん細胞を培養って実験とかで経験されたことあります?
スピーカー 1
大学生の時にほんとにちょびっとだけありますね。
スピーカー 2
多分10センチディッシュとか言って円形の丸いお皿に。
スピーカー 1
はいはい、なんて言うんだろうな。シャーレって言ったら伝わるんですかね。
スピーカー 2
そうですね、シャーレかそうですね。
スピーカー 1
多分昔のそれこそ中学校高校の理科室とかにもあるとこあるんじゃないかなって思いますけどああいう。
スピーカー 2
そうですね。直径10センチのディッシュに高さ半分ぐらいまで液を入れて、そこに細胞をバーっと入れると。
細胞がそのディッシュの底にペタペタ張り付いたり、もしくは浮いたりして、その液体中の栄養だったりを吸ってどんどん分裂して増えていくと。
2次元的な細胞培養と言われてて、これを立体的に持っていけばもっと空間的な余裕ができて、もっと増える、細胞が増えるスペースができるだろうってところで、
最近では3次元培養っていう。
スピーカー 1
実際の体とか3次元ですもんね。
スピーカー 2
そうですよね。
さっき2次元で言った話は円の形をしたお皿。
それを3次元培養だと円柱みたいな感じをイメージしてもらえばよくて、
円柱。
そこの真ん中にプロペラがあってパーって回転してると。
スピーカー 1
常に混ざってる状態で。
スピーカー 2
混ぜつつ培養させていくと。
そうすることで空間的にすごい大量に、一度に大量に培養することができるようになるんで、
細胞を爆発的に増やすっていうところの課題としては、こういった課題を解決する取り組みとしてはそういったものがされている。
スピーカー 1
それ昔は技術的に2次元じゃないと結構増えるのが難しかったとか、そういったことですかね。
スピーカー 2
増える2次元だとやっぱり同じ量を作ろうとすると、3次元の話と同じ量を作ろうとするとすごい手間なんですよね。
倍値って、ごめんなさい倍値って言葉いきなり出てきたかもですけど、
細胞を培養するための液体ですよね、倍値。
で、それって結構な頻度で交換、リフレッシュしてあげないといけなくて、
細胞がある程度育ってきたら、そこの液体中にはもう栄養がなくなっていって、逆に細胞から出てきた老廃物が。
なので、古い倍値を捨てて、新しい倍値を入れてリフレッシュしてあげるっていう作業が必要なんですよね。
スピーカー 1
これあれですよね、魚の水槽とかでずっと同じ水槽で飼ってたら汚れちゃって魚死んじゃうから、たまには水槽の水入れ替えようよみたいなそういう話ですよね。
スピーカー 2
そうですそうです。まさにそうで。
で、それを10センチのサイズのお皿を何枚も用意して作業するのと、
スピーカー 1
大きいタンクみたいなので1回でガーッと交換しちゃうのかというと、もう作業の面ですごい全然違っていて、
スピーカー 2
そういったところで細胞を増やしていくってところは取り組みとして行われているみたいですね。
スピーカー 1
じゃあそういう技術が出てきたから、言ったらさっきのバイオニクみたいなものに使う細胞も結構体積あたりでいっぱい作れるようにはなってきてるっていう感じですかね。
スピーカー 2
で、そうやって増やした細胞なんですけれども、3次元にバイオさせてくると、言ったら何て言うんですかね。
細胞がどんどんくっついて細胞同士がバッティングしたりすると、そこでくっついたりして、どんどん1個くっついて2個くっついてダダーッと大きくなっていくんですよね。
要集していくというか。
で、そうやって1つの細胞がどんどん増えていくことによって、筋肉の繊維を作ろうとしていくんですよね。
それもう勝手にそういう形になるんですか。
それはそうやって分化させるための、何て言うんですかね。
条件とかがある。
あるタンパク質だったり、いろいろ加えたりすることによって、半細胞からどんどん筋肉の細胞へと分化させていくにあたっていくんですけれども。
で、こうなってくると、普通のお肉って繊維があるじゃないですか。筋繊維というか。
スピーカー 1
ありますね。
スピーカー 2
けど、ああやってバーッてかき混ぜている状態だと、その一方向に伸びるんじゃなくて、ランダムに伸びていっちゃうんで。
スピーカー 1
ああ、そっか。ぐるぐる混ざってるわけですもんね。
スピーカー 2
はい。ってなると、ミンチ状のお肉しかできないって言われていて。
スピーカー 1
ひき肉はできるんだ。
スピーカー 2
そうですね。結構前から、ひき肉は実際作られてた、実現してたみたいで。
スピーカー 1
へー、そうなんだ。確かに作りやすそう。
スピーカー 2
はい。調べたら2013年とかにはもう、ひき肉でハンバーガーを作ってみたみたいな。
そうなんだ。
はい。2013年ロンドンで試食会が開かれて、ハンバーガーを、バイオニクで作ったハンバーガーを。ただこれは研究費込みで、ハンバーガー1個あたり3,500万。
スピーカー 1
3,500万。
スピーカー 2
当時はやっぱり細胞を増やす技術もそこまでなかったんですかね。そういう感じで。
スピーカー 1
確かに。それでハンバーガーのサイズの作るってなったら確かにすごい量ですよね。細胞にしたら。
スピーカー 2
すごい量、はい。細胞が必要なんで。
スピーカー 1
ああ、そういうことか。
スピーカー 2
で、結構昔の時からミンチのお肉っていうのはできてたんですけど、そうじゃないと、やっぱり肉肉しさって筋繊維みたいなのが、筋が一方向に並んでる。それがバーっと並んでる。
それが大事だってところで、またそれもいろいろ取り組みがされていて、面白いのがバイオプリンターっていう技術。
スピーカー 1
バイオプリンター。
聞いたことあります?
3Dプリンターみたいなことですか?
スピーカー 2
そうですそうですそうです。まさにそれで。
細胞をインクとして使う。
スピーカー 1
細胞をインクとして使う、へえ。2回前ぐらいに3Dプリンターの話してて。
スピーカー 2
ありましたね。
スピーカー 1
そこでもなんか、それは違うな。それはもう細胞が分子の3Dプリンターだみたいな話をしてたんですけど。
細胞を使って繊維を作っちゃおうっていうプリンターがあるんですね。
スピーカー 2
そうです。
へえ。
スピーカー 1
すごいですね。
スピーカー 2
どうやってやるかっていうと、けんざんみたいなのを用意して。
スピーカー 1
けんざん。ああ、鼻とか刺す。
スピーカー 2
そうですそうです。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
そこに1個1個細胞の行集回を1個1個置いていくんですよね。
バイオプリンターによる組織作り
スピーカー 2
近い細胞同士は繋がり合うので、横の隣のけんざんに刺された細胞の塊とその隣の細胞の塊っていうのはくっついて、
スピーカー 1
そこがまたやると、自分たちでどの方向に伸ばしたいかとかできるんですよね。
そっか、けんざんの模様に沿って細胞が繋がるみたいなことですか。
そうですそうです。
へえ、そんなんできるんだ。
スピーカー 2
バイオプリンターっていう技術で、これ筋肉だけじゃなくて、ちょっと隣の針には脂肪を。
ってすると、たとえば顕微鏡で筋肉の断面図見たら、ここには筋肉、ここには脂肪、ここには血管があるって。
その通りにバイオプリンターでやっていくみたいな形で。
スピーカー 1
すごいな。すごいけどオーダーメイド感ちょっとすごいですね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
いっぱいは作れなさそう。
スピーカー 2
だけど一回レシピ作っちゃえば、プリンター自体はもう全部機械がやってくれるんで。
スピーカー 1
すごいなそれ、もうそんなんできるんだ。
結構これバイオプリンターで医療の方にも、まだ多分実用化されてないけど、たとえば血管を作るとかはそういう技術はもうできていて。
細胞を並べて血管の形作っちゃうってことですよね。
スピーカー 2
完全に血管みたいなチューブみたいな。
スピーカー 1
そんなんできるんだ。
スピーカー 2
日本の企業だったと思うんですけど、そういう感じで本当に最先端の技術を駆使されて、実際の僕たちが食べてるお肉っていうのを作ろうっていう取り組みが今バイオ肉っていう分野でやられてますね。
スピーカー 1
なんか思ったよりだいぶ進んでるというか、なんかできそうな感じしますね、そこまでコントロールできるなら。
スピーカー 2
解決したいところは解決が進んでいて、近い将来食料危機としてっていう話でしたけど、もしかしたら間に合うのかもしれないんじゃないかって期待させてくれるような状況ですよね。
スピーカー 1
そっか、そのプリンターで印刷された肉が並ぶ日が来るかもしれないってことですよね、ちゃんと肉作れたら。
美味しいのか気になる。
スピーカー 2
味はどうなのか、味がどこなのかちょっとわかんないんですけど。
一番大事なのが味なんじゃない、きっと。
スピーカー 1
それで味も再現できたら本当にすごいですけどね。
スピーカー 2
そうですね。
けど味、最悪なんだろう、化学調味料をちょっと入れておいてみたいなのができないのかな。
最初の挽肉のハンバーガーも、それハンバーガーのタレとかの味でなんとかなりそうだなみたいな感じしますけどね、正直。
ちょっと食感だけは再現できるけど味は他のところでカバーみたいな。
スピーカー 1
焼肉とかできたらすごいですよね、それで。ゴール焼肉じゃないですか。
スピーカー 2
ゴール、はい。
スピーカー 1
焼肉難しいだろうな、やっぱ。面白いですね、再生医療とそこは繋がってるんだ、完全に。
スピーカー 2
そうですね、僕もびっくりしました、学会に行って。
このバイオプリンターっていう話題もあって。
スピーカー 1
それも医療系のもので。
それも作って、言ったらそれって患者さんの細胞から取ってきたやつで作るみたいな話ですか?
スピーカー 2
そうですね、それもあるし、iPS細胞を使ってみたいな話もありますし。
スピーカー 1
最初に免疫と再生医療で繋がるって言って、一番思い浮かぶのって、臓器移植した時に元の人と臓器を入れる人はいろいろ型が違うみたいな感じで、
免疫反応、異物として認識しちゃうから結構難しいですよとか、そういう話かなと思ってて。
そこにももしかしたら使えるかもしれないですよね。
自分が生み出している細胞でそれを分化させてプリンターで印刷して自分の体に戻すみたいな話ですよね。
スピーカー 2
そうですね。
もしできたら。
自分の細胞だったらもう免疫拒絶っていうのは絶対起こらないので。
スピーカー 1
別にプリンターじゃなくてもいいんですけど。
スピーカー 2
そうですね、自分の細胞を使うってところであれば免疫的な問題点はないので。
といった感じで、バイオ肉という分野の紹介でした。
スピーカー 1
全然再生医療だと思ってなかった。
スピーカー 2
まずそういうバイオ肉って、その時は僕テレビでもあんまり聞いたこと、その時は僕は知らなくて。
バイオ肉ってなんやって。
スピーカー 1
なんか生きてるうちに食べてはみたいですね。
スピーカー 2
そうですよね。
スピーカー 1
大豆ミートとか豆腐ミートみたいな最近よく聞きますけど。
スピーカー 2
ちょっとバイオ肉食べたいなっていう気持ちが強くなってきた。
近い将来もしかしたらスーパーに並ぶ日が来るのかもしれない。
スピーカー 1
であれですよね、甲羅さんはバイオ肉の研究をしてるわけではない。
スピーカー 2
ではない。
ではない。
ではない、はい。
スピーカー 1
まあでも再生医療系のどういうジャンルなんですか。
スピーカー 2
そうですね、再生医療って言っても、再生医療っていう言葉自体もすごい今広く使われていて。
再生医療ってどんなイメージ持たれますかって言われるとやっぱ皆さんiPS細胞とか肝細胞っておっしゃられることがほとんどかなと思うんですよね。
僕も改めてネットとかYouTubeとかで再生医療って検索をかけたらいろんな使われ方をしてるのを目にするんですよね。
例えば美容関係だったり。
スピーカー 1
美容か、確かに若返りみたいな。
スピーカー 2
肌の再生みたいな。
とか、あとどこそこクリニックみたいなところで再生医療やってますみたいな。
ほうほうほう。
書いてて。
で、まあこの再生医療って言葉自体はすごい広く使われてるんですけど、
あの製薬業界におく私としてはどういった再生医療やってるかっていうと、
患者を治すための再生医療でもちろん、
で、それは製造販売許可をもらって、
保険適用されるための治療法として製品を届けるってところにビジネスとしてやってるってところで、
まあそういうさっき言ったような美容の話とか保険適用外のところ。
ちょっとそっちの方は僕、保険適用外の再生医療についてはちょっと分からないんですけど、
保険適用を目指した再生医療。
で、これって再生医療等製品って言われるんですね。
スピーカー 1
医療等製品?
スピーカー 2
はい。再生医療、漢字で言うと再生医療などの製品。
スピーカー 1
ああ、等ってなどですか。
スピーカー 2
はい。再生医療等製品。
うんうん。
で、この再生医療等製品っていう括りの中に免疫が絡むところがあって、
カーティーによる免疫細胞治療
スピーカー 2
もしかしたら聞いたことあるかもしれないですが、カーティーってご存知ですか?
スピーカー 1
カーティーの話は一応サイエンマニアでも1回出てきてますね。1回か2回か出てきてるな。
スピーカー 2
そうですね。カーティーってどういう製品かってお話しすると、
ガンを治すための治療方法の1つで、
ガン細胞をやっつけるために、いろいろ普段は免疫細胞が働いてるんですけれども、
免疫細胞よりもガンの方が有意に強くなっちゃってるっていう状況に対して、
もっと自分の免疫力を高めてやっつけようっていう治療法ですよね。
で、患者からT細胞を取ってきて、
スピーカー 1
免疫の細胞ですね。
スピーカー 2
はい。ごめんなさい。免疫細胞、T細胞を取ってきて、
で、そのT細胞に遺伝子治療を加えて、遺伝子を操作させて、免疫力を強化させた、
これがカーティーって言われる細胞で、そのカーティーを患者に戻してあげる。
強化されたカーティー細胞がガン細胞を攻撃してやっつけちゃうっていう、
そういった治療方法で、これも再生医療等製品っていう大きな枠組みの中の、
細胞治療と呼ばれるカテゴリーの中の一つの製品になるんですよね。
スピーカー 1
じゃあ細胞を使ってる治療は結構再生医療等製品の中に入ってくるってことですか。
スピーカー 2
そうですね。そう思ってもらってもいいと思います。
スピーカー 1
治療法として普通のお薬とは結構違いますよね。トリッキーというか。
一回取ってきて、患者さんにお薬を入れるんじゃなくて、取ってきた細胞に治療というか、
薬品を入れてそれを戻すっていう。
スピーカー 2
そうですね。今までの医薬品って有機合成で作られるような低分子の医薬品、
高分子の医薬品というところでなると抗体薬っていうところですけど、
再生医療等製品っていうのはどういったものかっていうと、
生きた細胞だったり、生きたそういう細胞を使って作り上げた組織だったり、
さっき言ったような血管のようなチューブだったり、
生きたものが製品として患者に治療法として提案されるっていうのが再生医療等製品の特徴ですね。
スピーカー 1
その有機化学的なところで言うと、作ってるものって本当に一個の分子とかじゃないですか。
それに比べたらとてつもなくでかすぎて、
もちろん一から作ることもできないし、
いろいろ多分生き物の力を使って作るみたいなことですよね。
抗体もでかいなって思いますけど、タンパク質で。
スピーカー 2
抗体もでかいですよね。
スピーカー 1
それとは比べ物にならないぐらいでかいじゃないですか、細胞って。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
だから使うの難しそうだなって単純に思いますけどね。
スピーカー 2
そうなんですよ。それが難しくて、今回ちょっとそういう難しさっていうところを紹介できればなと思ってて。
生きた細胞の取り扱いと品質コントロール
スピーカー 1
実際どう難しいのかって言われるとあんまり言語化できない気がしてて。
それこそさっきの増えるのも難しいとかもあるかもしれないですけど。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
どういうところなんですかね、難しさ。
スピーカー 2
そうですね。何が難しいかってやっぱり最終的な製品は生きてる細胞なんですよ。
これが今までの他の製造業とは全く違うもので。
スピーカー 1
確かにな。生き物、当然それが死んじゃったりしたらもう製品にならないわけですもんね。
スピーカー 2
そうですね。なので、生産業なんでマニファクチャリングじゃないですか。
けどそういう再生医療の製造する施設って、マニファクチャリングな工場っていう名前じゃなくて、プロセッシングセンターって言うんですよね。
セルプロセッシングセンター、CPCって言われてて、細胞加工施設って言われるんですよね。
スピーカー 1
そうか。製造っていうよりか確かに加工なのか。
スピーカー 2
そうですね。加工。
加工って言ってももうちょっと神くだりって言うと僕的には育てるってところに近いんじゃないかなって思ってて。
スピーカー 1
そうっすよね。取ってきてまず増やさないといけないですもんね。
スピーカー 2
増やして、患者の病気に対して課題を解決させてあげられるような細胞に育ててあげなきゃいけないと。
そういうところが他の製造業、これまでの医薬品ともそうですけど全く違うものだなと。
スピーカー 1
単純に物だったら別に温度とかそういうのも大事かもしれないですけど、生き物だったらそれこそ温度をどう管理するかとかだけでもすごい大変そうですし、
当然栄養を与えないといけないしっていう大変さはありそうですよね。
スピーカー 2
そうですね。
実際どういう難しさっていうところをもう少し深掘りして研究の話へとどんどんつなげていこうと思うんですけれども、
一番最初の出発点となる細胞自体も生きてるんですよね。
なのでその細胞自体も品質が一定じゃないというか。
スピーカー 1
確かにもう同じ細胞の人いないですもんね。
スピーカー 2
そうですよね。
患者AさんとBさんとでは全然違う細胞を持っているんで、それからもらった細胞をまた医薬品の製造業者としては一定の品質を持って患者に届けたい。
けれども出発となる原材料の細胞自体がそもそもばらついていると。
そういったところからすごいコントロールが難しいんですよね。
スピーカー 1
しかも一人一人に合わせたオリジナルの作製法とかやってたらもうお金かかりすぎて。
細胞を使った製品の開発と心臓シートの治療法
スピーカー 2
そうお金かかりすぎちゃうんでさすがにそれはできないんで、製造方法自体はどの患者でも絶対同じ製造方法。
ただそれに患者の細胞がついてこれるかどうかみたいなところになってるんですよね。
スピーカー 1
ちなみにそれって患者の細胞ってどこから取ってくるんですか最初の。
スピーカー 2
カーティーの話だったら血液ですね。
スピーカー 1
血液をもらって。
スピーカー 2
血液だったら結構楽ですけど、他の製品、例えばハートシートって製品があるんですけれども。
スピーカー 1
ハートシート、心臓ですか。
スピーカー 2
これも面白い製品で、心臓を拍動するじゃないですかバクンバクンって。
これが何らかの理由で弱まっちゃうこの音符のような動きを弱くて押し込む力が弱いって言ったらいいんですかね。
血液を全身になかなか送ることができなくなっちゃうっていう心臓の病気があるんですけれども。
それをカバーするための治療法として心臓に細胞で作ったシート。
サロンパスみたいなああいう感じのシートですよね。
細胞で作ってあげて手術でちょっと胸キー開いてそこにシートを張ってあげると。
スピーカー 1
本当に心臓に直張りするんですか。
スピーカー 2
直張りします。
で直張りしてあげるとそのシートは心臓の補助する機能を持った細胞たちでできていて。
心臓強く動けみたいなシグナルを出していて。
それで心臓をも強くバクバクと拍動させて患者を治すっていう。
ハートシートっていう製品がもう既に承認もされていて。
いやすごいですよね。
スピーカー 1
シートが心臓に融合するってことですよね。
そうです。
へーそんなんできるんだ。
IPS細胞を使った治療法とその課題
スピーカー 2
すごいですよね。
これは血液じゃなくて確か足の筋肉が取ってくるだったかな確か。
そこから1回未分化状態、IPSみたいな感じで戻してあげて。
リセットして。
はいリセットしてそこから筋肉の細胞へと分化させていって。
でシート状に仕上げて。
スピーカー 1
すごいなでもそんなんできる。
それはもう患者さん、いろんな患者さんに使えるっていう方法がもう確立されてるっていうことですよね。
スピーカー 2
いろんな患者っていうと今紹介したのはAさんの細胞を取ってきてAさんに心臓に貼り付けられるBさんはBさんの細胞で育ててっていう。
ただこれを一人の患者から取ってきていろんな患者へと投与できたらそれ結構効率的というか。
そうですね確かに。
それを実現しようとしてるのがIPS細胞だったりしますね。
スピーカー 1
それはやっぱまだ難しいんですか。
スピーカー 2
ちょっとあの結構知見は進んでるんですけどまだ承認まで行ってないんじゃないかな。
スピーカー 1
ああそうなんだ。
スピーカー 2
ハートシートだけどもう少しじゃないかとか言われてますけどね。
IPSを使った。
スピーカー 1
言ったらその免疫の問題とかもクリアしてるってことですもんね。
他の人の細胞からでもいいってこと。
スピーカー 2
そうですねこれ面白いのが京都大学IPS細胞のメッカですけれども山中先生がおられるんで。
京都大学の方でIPS細胞をいろいろ遺伝子編集したりとかして免疫反応が起こさないIPS細胞とかも作られてるんですよね。
スピーカー 1
すごいな。
スピーカー 2
それを元にしてハートシートを作るとか。
そういった取り組みっていうのはされてますね。
このIPSだったら結構さっき言ったような研究製造を難しくしているポイントの一つとして取り上げた最初の出発材料として品質的な変動がっていうところも考慮しなくていいんで。
IPS細胞って無限に増殖させられることができるって言われてるんで。
スピーカー 1
もうある程度その増やし方とかそういうのはもうできてるっていう感じ。
スピーカー 2
そうですね。
なのでそういうIPSっていうのはやっぱりそういうメリットもあって品質的な変動も抑えられるし、いろんな患者にも投与できるし、使えるしっていう。
スピーカー 1
それ聞くとさっきのガンのカーT細胞に使いたくなりますよね。
スピーカー 2
そうですね。それもすごい今ホットでIPS細胞からT細胞へと分化させていって、その時に遺伝子も編集してあげて免疫力すごい強化させて。
スピーカー 1
そうですね。すごいやっぱ難しいなって思ったのは患者さんから取ってくるっていうのがあるだけでストックできないじゃないですか。
いっぱい作って保管しとくっていうのができないから。そこすごい問題だなって思って。
スピーカー 2
そうなんですよね。なので前までカーTとか、前までって言ったらおかしいですね。今やられてるカーTとかって一人の患者から取ってきてまたその患者に返すっていう治療法でしたけど。
ものすごいお金がかかっちゃってて。
スピーカー 1
ですよね。輸送して。
スピーカー 2
そうですね。世の中に出た時この治療費として確か5000万円って値がついたんじゃないかな確か。
スピーカー 1
5000万円か。
スピーカー 2
けどもう本当に確実に治るって言われてて、その時は。
スピーカー 1
本当のお金持ち向けの医療ですね。
スピーカー 2
そうですね。保険適用になってるとはいえすごい医療費が高くて。
スピーカー 1
保険適用でもっていう感じがすごいから。
スピーカー 2
そうですよね。日本で3割負担だとしても1500万は払わなきゃいけない。
スピーカー 1
1500万すごい。
スピーカー 2
そういう感じですごい高額だったんですけど、IPSっていう技術が出てきて、より安価な値段で提供しようっていうところが結構いろんな製薬会社さんで行われてますね。
スピーカー 1
結構コットなジャンルなんですね。
スピーカー 2
めちゃくちゃホットですね。このカーティーの話は再生医療学会でも結構ありましたね。
スピーカー 1
確かに応用範囲も広いですね。きっとがんの種類とかによってカーティーの育て方が違うみたいなことあると思うんですけど。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
それができたら一個一個直していけるとかそういう話になりますもんね。
カーティーとインビボカーティーの可能性と難しさ
スピーカー 2
カーティーに触れたんでちょっともう少しカーティー深掘りしちゃっても大丈夫ですか?
大丈夫です。
話そうかなと思ってたんで。
スピーカー 1
ぜひ深掘りしてください。
スピーカー 2
カーティーって結構いろんな世代があるって言われていて。
スピーカー 1
世代。
スピーカー 2
カーティーってT細胞にがんを認識させるものをつけるんですよね。遺伝子操作をして。
スピーカー 1
なんかセンサーみたいなことですよね。
スピーカー 2
センサーみたいなのをT細胞に表面に生えさせてあげる遺伝子操作をしてってところなんですけど。
その生えさせるセンサーっていうのがどんどん1世代目2世代目3世代目4世代目っていう形でどんどん進化をしていっていて。
1世代目はただがん細胞を認識するだけだったんですけど。
2世代目は認識したらその次T細胞自体をもっと強力に活性化させようと。
スピーカー 1
もうスイッチにもなってるっていうことですか。
スピーカー 2
さらに3世代目になるとT細胞を強化させるだけじゃなくてT細胞からいろんな因子を出させて他の免疫細胞も寄ってこさせよう。
4世代目になるともうT細胞のシグナルだけじゃなくて遺伝子発現も強化させるようにしてとか。
スピーカー 1
じゃあどんどん本来のT細胞みたいにしてるってことですかこれ。
スピーカー 2
本来のT細胞よりも強いですね。
スピーカー 1
よりも強いか。
スピーカー 2
進化しちゃってる。
完全にもうデザイン、人がデザインをして。
スピーカー 1
そっかこんな免疫細胞だったらもっと効くようになるのにみたいな。
スピーカー 2
詰め込んで。
詰め込んでいってますねどんどん。
スピーカー 1
患者さんに戻すみたいなことですか。
すげーな。
スピーカー 2
そういう感じで今はカーティーの分野って進んでるんですけどもっと将来的な話をすると。
インビボカーティーって言われるところが結構将来的には実現するって言われてて。
これ何かっていうと、遺伝子治療って聞かれたことあると思うんですけども、遺伝子を人に投与することによってその遺伝子をちょっと書き換えてあげてその機能を直したりっていう話ですけど、
カーティーのところで置き換えて話すと、遺伝子を人に投与するとそのT細胞に働きかけてT細胞を勝手に遺伝子が書き換えられてカーティーになって体の中でなって。
すごいなそれ。
なんでこれがもしも実現すると、一回患者から細胞を取り出してとか、もしくは自分製造所でiPS細胞からT細胞へと分化させてみたいな、そういった過程を全部スキップさせて。
スピーカー 1
イメージとしては今まで一回細胞取ってきて、その実験室でT細胞をデザインするみたいなのをやってたけど、その過程をもう現場でやっちゃおうみたいなことですよね。
スピーカー 2
そうです。もう患者の体の中でやっちゃおうっていう。
スピーカー 1
それできたら確かにすごいですね。でもやっぱり難しいからできてないですよね。
スピーカー 2
多分そうなんですよね。やっぱり人の、それこそやっぱり最初の話に戻りますけど、患者自身の細胞を使っちゃうんで、結構品質的な変動が、この患者には効くけどこの患者には効かなかったりとかもあったりするかもしれないですよね。
スピーカー 1
そもそもでもカーティーを狙ったように体の中で作れないと、なんかもうめちゃくちゃになっちゃいそうだなって思いますけどね。
体のいろんなところでカーティー作れますみたいになっちゃうと、ある意味暴走しちゃうじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。なんでT細胞だけで遺伝子変種が起こるようにとかで、その遺伝子変種もミスが起こらないようにとかっていうのは、もうどういう遺伝子をデザインするかですよね。患者に投与する遺伝子を。
スピーカー 1
それはもうだからさっき言ってたT細胞上に出てくるセンサーを、そのセンサーを発現する遺伝子みたいなやつを体の中のT細胞にも送り込むっていうことであってます?
はい。
あーそっか。だからそのある意味送り込む情報を変えてあげれば、その患者さんにあったものが作れるとか。
スピーカー 2
あー確かにそういうのはありますね。
まあでもT細胞以外に絶対行っちゃいけなさそうだなそれって思いますけど。
そうですね。まあ多分T細胞だけに、行ったとしてもT細胞でしか働かないような形にデザインされてるとは思うんですけどね。
うーん。
ごめんなさいちょっとカーティーの話で盛り上がっちゃったんですけど。
はい。いやいやでも面白い。
他にも、面白いですよね本当。なんか最先端って感じしますよね。
スピーカー 1
最先端って感じしますね。
あーそっか。再生医療って聞くともう本当に言葉だけ見ると臓器レベルで再生させるみたいな感じですけど、今のって多分細胞レベルじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
それも再生医療に全部入ってると。
スピーカー 2
そうですね。まあ再生医療って言っちゃうとそうなるんですけど、まあ製薬業界として取り組んでるのは再生医療等製品というか。
スピーカー 1
あーうん。そこの定義に入ってるって感じなんだ。
スピーカー 2
そうですね。まあそういう形が多いかなと思いますね。
へー。面白いですね。
で、まだちょっと臓器を作るってところまではなかなか難しい状況ですね。
難しい。
なんかIPSでこういう組織を作ることができましたみたいなのが論文で発表されたりっていう段階で、まだ実際の医療現場に応用するってところまではまだまだ追いついてないのかなって思います。
スピーカー 1
まあそれこそ最初の肉の繊維作れましたとかそういうのが今いろいろ出てきてるって感じですかね。
スピーカー 2
これからって感じですよね。
で、他にも製造現場、実際の再生医療の加工施設では難しいところがあって、作ってるのがやっぱり生きてる細胞なんで、一回培養作業を始めたら止めれないんですよね。
スピーカー 1
止めれない。
スピーカー 2
何が難しいかって。
スピーカー 1
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