1. サイエンマニア
  2. 惑星大気の研究で生命のかけら..

ポットキャスト番組「コペテンナイト」「ごはんのおとも」から春名まことさんをゲストに迎え、惑星大気について語っていただきました。


【ゲスト】春名まこと さん

惑星科学を専攻する大学生

▶コペテンナイト→ https://anchor.fm/1t47na66ceg

宇宙のお話をしているポットキャスト

▶ごはんのおとも→ https://anchor.fm/ucbptcpp86o

春名まことさんの日常を語るポッドキャスト


▶惑星大気のお話

▶「生命の材料」を探す研究

▶シアン化水素:メタンニトリルとも呼ばれる猛毒の物質。気体のシアン化水素は青酸ガスで猛毒。

▶シアン化アセチレン:気体は刺激性かつ強い催涙性で、皮膚に触れただけ危険。

▶ホルムアルデヒド:37% 以上の水溶液はホルマリンと呼ばれる。メチル基の原料にもなる。

▶宇宙線:宇宙空間を高エネルギーで飛び交っている極めて小さな粒子

https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/257/

▶グリシン、アラニン、セリン:アミノ酸の名称、タンパク質を構成している。

▶光化学反応:物質が光を吸収し,その光のエネルギーによって起こる化学反応。物質が光を吸収すると、その振動に対応して励起状態となり分解、合成、異性化などが行われる。

▶観測の難しさ

▶火星感覚?


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BGM

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00:02
こんにちは、レンです。前回の昆虫のお話はいかがだったでしょうか?
個人的には、進化にまつわる話や、それをコントロールしようとするお話が非常に面白く勉強になりました。
今回のシーズンは、惑星大気の世界です。
宇宙の空気の話や、生物に関する分子を探す研究、もし生物がいたらどうするかなど、雑談も交えながら楽しくお話ししました。
それでは本編どうぞ。
本日のゲストは、ポッドキャスト番組ごはんのお供コペテンナイトから、はるなまことさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ちょっとすごい緊張されてるんですけども。
はい、緊張してます。
もしかしたら初めての方もいらっしゃると思うので、ちょっと僕の方から紹介させていただくと、
ごはんのお供という番組とコペテンナイトという2つの番組をやられている方です。
ごはんのお供の方なんですけども、これが惑星科学を専攻する大学生、はるなまことが日常ありのままに語り、その成長を記録するポッドキャストということで、
すごい本当に成長を記録しているというか、ありのまま語っているなという印象が僕の中でありますね。
何だろうな、時には結構ぶっちゃけてるなみたいな時もあるかなって思うんですけど。
そうなんです。もうセキララというかアケピロゲというか。
そうですね。
はい。
そこが結構魅力なんじゃないかなって思いますね。
で、そちらが割とプライベートというか日常生活のお話なんですけども、もう一つの番組のコペテンナイトという番組の方は、
こちら宇宙のお話を大学生2人がしているという番組になってまして、これはみずほさんという相方の文系の方ですね。
はい。
と一緒にやられています。これはわかりやすい。
うれしいです。
すごい聞きやすいなと思って、いつも勉強になるなと思って聞かせていただいてます。
でですね、今日はちょっとこのサイエンマニアという番組なんですけど、結構マニアックな研究の話とか科学の話をちょっとしてみたいなという番組になってまして、
どっちかというとこのコペテンナイトで話しているような宇宙の話をどんどん誠さんが研究しているというか、そういう領域を深掘りしていきたいという感じで今日はやっていきたいと思います。
はい。よろしくお願いします。
全然気軽に言ってもらって大丈夫なんで。
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僕自身全然惑星の大気の話とかになると思うんですけど、本当にわかんないんで。
コペテンナイトで聞いた記憶はちょっと一旦消して、ちょっといろいろ教えてほしいなって思います。
はい。
じゃあちょっと早速。
僕自身、惑星大気を大学で研究しているというか、また大学4年生なので研究し始めたばっかりという感じなんですけど、
いわゆる火星とか金星とかっていう太陽系内の惑星の中には大気を持っているものがあって、
その大気も地球みたいに窒素と酸素と二酸化炭素とみたいな構成じゃなくて、
火星とか金星だったら二酸化炭素がもう95%以上含まれていたり、
食らせないですよね。
はい。どうやって呼吸するんだろうっていう。
あと木星とか土星だったら水素、ヘリウムが主体の大気を持っていたりとかっていうのがあって、
その中でですね、今日は生命関連分子の研究の話をちょっとかじっていこうと思います。
暑いですね。
みんな気になるんじゃないですか。
宇宙でやっぱり宇宙人気になるみたいな、そういう話よくありますし。
ですよね。
イメージ、その大気みたいなところと生命みたいなところが、ちょっとどうつながってくるのかなっていうのもちょっと楽しみです。
じゃあ、どうしよう。
もうどういう感じでもいいですけど、適宜ツッコミを入れていこうと思うので。
惑星大気の中で、生命関連分子っていうと、そんなに宇宙人がいるのかとか、文明を持った生命体はいるのかみたいなところまでは、もちろん研究はできてなくて、
本当に生命体、もうなんていうんでしょう、原子生命みたいなものがいるのかどうかを調べたいっていうのが目標で。
微生物みたいな。
そうです。
微生物を見つけたいんだけど、その微生物すらも見つかってないから、その前の段階みたいな感じで、
例えば、タンパク質を作る物質を探したりとか、核酸塩基のDNAを作る物質の材料になるものを探したりとかっていう、そういう段階なんですよね、まだ。
なるほど。
それが、例えば、シアン化水素とか、シアノアセチレンとか、ホルムアルデヒドとかっていう物質がそれにあたるんですけど、
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例えば、火星の大気にどれぐらいあるのか、どこにどれぐらい集まってるのかっていうのを探査機で調べたりするアプローチがあったりとか、
生命関連分子がどのように生成されるのかっていうのを実験室の中で研究したりするものもあって。
それもう、火星の大気を地球で再現しようみたいなことですよね。
そうですね。
蘇生皮とかはもうわかってるので、それに似たような大気を模して実験したりとか、
あとは地球の大昔の大気がどうなっていたかっていう研究もされてるんですけど、
その、例えば、二酸化炭素とか一酸化炭素、窒素とか水とかでできていたと考えられてて、
その中で、どんなふうに生命の材料となる物質ができたのかっていう実験で、
雷を、雷というか放電させるんですよね。電子線を流したりとか、宇宙線を流したりとかして、
どんなふうに発生したのかっていうのを研究したりするものもあるんです。
宇宙線って言いました?今。
宇宙線、はい。宇宙線ですね。
宇宙線って出せるんですか?そんな。
加速機とか使う大がかりな実験になるんですけど、
めちゃくちゃでかい施設みたいな。
そうですね。
ありますよね。
電磁場でめちゃめちゃに加速させて、で、ぶつけるみたいな感じですね。
それで、なんか反応起きるかなみたいな。
そうですそうです。
すごい。
で、まあ、そうやって前から実験されてきてて、
で、その実験によると、グリシンとかアラニンとかセリンとかっていう、私もよくわからないんですけど、
タンパク質の材料となるアミノ酸が効率よく生成されてるってことがわかってて。
なるほど。これはもう僕は聞きなじみがあるんで、安心感がすごいです。
本当ですか?
単語たちの。
さっぱりもよくわからない。
アミノ酸たちですね。
はい、アミノ酸たちが生成されてて、
まあ、なんかその、地球の昔の大気がどのようだったかっていうのも、
2つぐらい説があって、
二酸化炭素とか一酸化炭素が主体の大気だったのか、
あとはメタンとかアンモニアが主体だったのかっていうので、また違ってくるんですけど。
それは、いまいちまだわかってないっていう感じなんですね。
どちらかというと、二酸化炭素とかが主体の大気だったって考えられてるんですけど、
昔実験されたのでは、そのメタンとかアンモニアとかっていう大気の中で、
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アミノ酸が生成されるような実験もされてて。
聞いたことあるのは、そういう昔の大気の中でめちゃくちゃ雷とか降って、
まあ、なんかそのエネルギーでちょっと生命っぽいやつが生まれるみたいな。
なんかそういうイメージはありますね。
そうですよね。太陽自体が、昔はもう少し活動が活発だったというか、
若い太陽はもっとエネルギーが高かったので、
そこから飛んでくる粒子とかも、たぶんすごい高いエネルギーを持ってたんじゃないかなと思うので。
今ちょっとずつ弱まってるっていう感じですか、太陽は。
そうですね。昔は今の何倍だったかな。
今よりもだいぶエネルギー高い状態でした。
そうなんですよ。
なんとなく、さっき言ったグリシンとか、その辺の分子って、
特にグリシンって一番シンプルなアミノ酸なんですよね。
そうなんですね。
ちょっとどういう感じで反応してそれになってるのかまではわかんないですけど、
ちゃんとさっき言ったような、たぶんシアノアセチレンとかシアン化水素みたいなNが、
たぶんそこから来てるんだろうなみたいな。
とか、OはホルムアリレヒドのOだろうなみたいなのは、
なんとなく科学をやってる感じからすると、
もともとはそういうところだったんだってちょっと今思いましたね。
聞いてたら、結構これ科学勉強しないとやばそうだなって普通に思いましたけど、
やばいです。
これ単語覚えるの結構きついですよね、きっと。
そうなんですよね。
惑星大気の、私が所属してる緊急室の中でも、世界的にも行われてることなんですけど、
光化学モデルって言って、大気中の中の微量成分に太陽光が当たったときに、
どんな反応をするかっていうのを計算するような研究もされてるんですけど、
そこでも、ものすごい複雑な高分子化合物ができることを計算したりするので、
それ結構すごい計算そうだな。
科学反応の予測とか、結構計算したりみたいなのはあるんですよね、化学サイドで。
なんかすごいシンプルな、これとこれ反応させたらこういう感じに反応するみたいな計算は、
わりとよくやられてて、多分それの最強版みたいな感じですよね。
でっかい分子まで予測するみたいな。
そうなんですよね。
正直、光化学モデルとかの論文読んでても、
この反応はどこからどうなってこれができるって考えられてるんだろうっていうのが全くわかんないぐらい、
ものすごい数の反応と複雑な反応があって、もうちんぷんかんぷんなんです、私は。
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それってあれですか?矢印書いて、ここから電子がこう行って、みたいな図がひたすら書いてる感じですか?
そういった図があるのもあれば、ほんと科学式がずらーっと並んで、科学反応式って言うんですか?
そうですね。
ずらーっと並んでるものがあったり。
それって文字ですか?全部。
文字です。
文字なんだ、それは僕もつらいですね。
なんか普通の有機化学とかって、あんま文字も書くんですけど、よく便前感みたいなのあるじゃないですか。
はい、イメージあります。
ああいうなんか、イラストっぽい感じなんですよね。
よく扱うやつが。だから文字ばっかり、うわーっていうのは多分、誰でもしんどそうだなって感じしますけど。
正直、もうよくわからないんですけど、一応それをモデル内に組み込んで、計算させて、この分子がたくさんできそうだとか、この分子がこれぐらいできるなら、
風の効果で、これがどれぐらい、ここの、これとかこことかばっかりで申し訳ないんですけど、
例えば、極から赤道まで運ばれる、どれぐらい運ばれるはずだとかっていうのが分かったりとか、するんですよね。
結構、じゃあ場所重要なんですか?
場所めちゃめちゃ重要です。太陽が当たる量とかも違うので、
そうなんだ。
地軸の傾きによって、季節もあるし、太陽光がどれぐらい当たるかとか、極域だと白夜とか極夜とかもあったりするので、
それ全部計算できちゃうんですね。
そうなんですよね。
すごい。
コンピューターに投げるだけなんですけど、そういったものを計算させて、
これは、この生命関連分子の生成に、この物理量が効いてるんじゃないかっていう論文がたくさん出てます。
うわぁ、それむずそうだ。
むずかしいです。
めちゃくちゃ難しそうですね、それ。
それをいきなりやらされるわけですね。
いきなり論文読んでも、全くわからないので、
そうなりますよね。
有能な先輩に聞きながら。
めちゃくちゃ大事。
めっちゃ大事ですね。
はい。
その計算するときに、さっき場所が重要っていうのは、
一応実測値として、この星のここには、たとえばすごいシアン化水素のガスがめっちゃいるとか、
そういうデータがもともと取れてるってとこからスタートするんですか?
そうですね。
火星とかだと、特に探査機が降りていって、調べたりもしているので、
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実際にこの場所にこれぐらいの、しかも高さも3次元なので、
東西方向、南北方向だけじゃなくて、遠直方向にも、どこに何があるかっていうのが調べられてて、
あとは探査機で行けないところは、地球とか、あとはその星の周りを回る探査機で、
光でリモートセンシングで、どこに何があるかっていうのを調べたりしてますね。
それ、結構3Dにもわかってるってことですよね。厚みというか。
はい。
それもわかるのはすごいな。
もちろん、装置のバイアスがかかることもあるし、大気がたくさんある星だと、
雲に邪魔されて、下まで見えないとかがあったりして。
それ、実際自分が測定する人とかは、違う惑星の天気予報を結構気にしなきゃいけないみたいな感じですよね。
天気予報。
いや、わかんないです。天気予報っていうのかな。
でも、火星だったら、たとえばダストストームが起こってたら、地表全然見えないみたいなのもあるんですよね。
ダストって、火星表面の砂がブワーって全球的に、地球でいう高砂みたいなのが、
もう、惑星の表面を全部覆ってしまうような大規模な砂嵐が起こったりもするので、
そういうときは、
やばいっすね。
全然、火星の周りを回ってる探査機とかは、全然地表見えないとかなったりするので、
ここは全くデータありませんとか、この分子は地表から何メートルのところまでは見えるけど、
それ以下見えませんとかっていうので、バラバラですね。
はあ、なんかそんな砂嵐が起きちゃったら、何がどこにあるやら、さっぱりわかんなくなっちゃいそうですけど。
そうなんですよ。
あ、そうなんですか。
わかんなくなると思います。
なんか、それでめっちゃ計算とかかき乱されそうだなって思いました。
しかも砂嵐って、大気をあっためるんですよ。
あ、摩擦とかですか。
とか、あと、ダスト自体が赤外線を吸収するっていうか、電波を吸収してしまって、あったまってしまうっていうのがあって、
そうなると、風の方向とか強さとかも変わってしまうし、もうわけわかんないことになりますね。
カオスですね、それ。
もっとすごく光化学とかを専門に研究してる人とか、火星の分子を探査機で追っかけてる人とかだったら、
もう少し詳しくお話できるのかもしれないんですけど、
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ざっくり本当に、惑星大気ってわかってるようでわかってないみたいなところも多かったりしますね。
その観測の難しさ。
観測難しかったら、そもそもシミュレーションも難しいですもんね。
そうですよ。
シミュレーションも、なんかここは合ってるのかなって論文で読んでたものを先生に聞いたら、
教授が言うには、これは火星でこれだけ再現できるのはすごすぎるよみたいな、十分だよみたいな言われたりして、
これぐらいは誤差なんだって思ったりとか。
それわからんわみたいな感じ。
これ許容範囲なんだみたいな思ったりします。
教授レベルの火星感覚があるわけですね。
はい。その謎の火星感覚、すごいですよね。
それでも先輩たちは染まっていくんじゃないですか、やっぱり。
そうですね、先輩。うちの研究室優秀な先輩多いので。
いいですね、いろいろ教えてくれそうな。
はい、いつも勉強させていただいて、めちゃかんだいただいてます。
じゃあ、メインでやってるのは、だから火星っていうところですか。
そうですね、私が今からやろうとしているのは火星ですね。
本当はタイタンっていう土星の衛星の研究がやりたかったんですけど、
タイタンってどんな星かっていう。
サイエンマニアお聞きいただきありがとうございました。
この番組では幅広い専門知識を一つの番組に集め、聞くだけで誰でも楽しく学べる番組を目指しています。
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次回のエピソードもお楽しみに。
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