インフルエンザの感染メカニズム
今回は、インフルエンザは細胞のコミュニケーションのシステムを乗っ取っているんじゃないか、という話について紹介したいと思います。
サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。 ホストはサイエントークのレンです。
ということで、皆さんインフルエンザかかったことありますかね? 今は全然シーズンではないんですけど、秋とか冬とかにかけてインフルエンザシーズンになっていくと思うんですけども、
ウイルスの感染って最初って体の本当に一部の細胞から始まりますよね。 例えば、咳とか飛沫感染ですね。
が肺の方に行って、肺のとある細胞にウイルスが入ってしまって、そこからどんどん広がっていくっていう、拡大していくというメカニズムあると思うんですけど、
これがどうやって広がっていくのか、みたいなことがまだまだ今研究中だという話ですね。
今回、どう広がっていくかっていう研究で面白いのがあったんで、北海道大学、大阪大学、九州大学の研究グループの研究をちょっと紹介したいと思います。
まずウイルスに感染した細胞っていうのは、実は周囲のまだ感染してない細胞にメッセージ物質を送ってるっていうのがわかってるんですよね。
これADP、アデノシニリン酸とかいうものなんですけど、そういった化学物質が普段は細胞の中でエネルギーのやり取りに関わっている物質なんですけど、
これが周りの細胞に危険信号みたいな感じで発信されているということです。
なので、そのADPってやつを周りの細胞はそのADPの需要帯っていう、要はアンテナみたいなものですね。
そのアンテナで受け取ると、その細胞の中でカルシウムイオンの濃度が上がるっていう現象があります。
このカルシウムイオンの濃度っていうのを調べてみると、とある1個の細胞が感染したら、その細胞の周りから波紋みたいにどんどんどんどんカルシウムイオンの濃度が上がる細胞というのが広がっていくっていうのがわかっています。
で、これカルシウム波伝播と名付けられているそうなんですけど、本当になんて言うんですかね、伝言ゲームみたいな感じですよね。
で、このインフルエンザウイルスがこの細胞に感染したときに、実はこのカルシウムの濃度上昇の伝播っていう仕組みをまんまと乗っ取ってるっていうことが今回わかりましたということですね。
だからなんですかね、泥棒入ったぞってなって、本当は近所の人に連絡網とかで危ないよみたいな電話をしていくんですけど、実はその電話によってどんどんアキスに入りやすくなっちゃうみたいな、そういう感じの現象なのかなと思っています。
で、今回どう明らかにしたかっていうと、使ったものはめちゃくちゃ解像度がいい顕微鏡、超高視野高解像顕微鏡っていう、アマテラスっていうやつを使っています。
これは一度に数十万から百万個ぐらいの細胞を同時に観測できるすごい高性能な顕微鏡で、細胞の集団でのカルシウムイオンの動きを捉えることができるっていうものですね。
で、やっぱりウイルス感染した細胞を起点にして周りの細胞にどんどん広がっていくというのが観察できて、
ここにADP受容体、さっきの危険信号ですね、のアンテナをブロックするものを加えたらどうなるんだろうっていう実験をしています。
そうすると、このカルシウムの電波の波っていうのがなくなり、しかもウイルスの感染も効果的に抑えられたっていうことが分かりました。
しかもこれ細胞レベルだけじゃなくてマウスを使った実験でも同じような結果が確認されていて、
なのでおそらくこのカルシウム濃度が周りに伝わって上がっていくっていうものが実際の生態内でもウイルスの感染拡大に極めて重要な役割を果たしているんじゃないかっていうことがこの研究から分かりました。
新しい治療法の可能性
なんかすごい面白いですよね。実際に細胞同士のコミュニケーションがウイルスの電波にかかっていると。
これの何がいいかっていうと、ウイルスそのものを狙ったお薬とかそういったものはいろいろあるんですけど、
この細胞同士のコミュニケーションみたいなものをターゲットにした治療法っていうのは今のところ全然ないということなので、
もしかするとこういった切り口から新しい治療法できるんじゃないかなとかそういうこともこれから考えられるみたいですね。
実際こうやってめちゃくちゃミクロなウイルスの広がりみたいなのを観測できるのはめっちゃ面白いなと思いましたし、
ウイルスってやっぱすごいなぁと思いましたね。そういう体のシステムをうまく使ってというか、
より拡大しやすくなるような方向におそらく最適化されてきたのかなという感じなので、この研究もすごい面白いなと思いました。
今回は以上です。最後にちょっと雑談なんですけど、これ配信いつになってるかわかんないですけど、
実は初めてLINEスタンプを発売しております。これ僕、制作にはもう全然関わってない。ちょっとぐらいアイディア出しには関わってるんですけど、
サイエントークの今までのサムネとかでエマさんがいろいろキャラクターを書いて、それをスタンプにしようっていう話をもう2年以上多分前からずっとしてたんですけど、
ようやく形になりまして、すでに結構LINEのオープンチャットでも使っている方々がたくさんいて嬉しいなと思ってます。
これ別にこれを発売するからLINEオープンチャット始めたわけじゃ全然なくて、LINEオープンチャットなんか盛り上がりそうだね、そうやLINEスタンプどうなったっけっていう雑談から、
じゃあやるかってなってようやく実現したっていうものです。本当にありがたいですね。全然そんなめっちゃ儲かるわけではないんであれですけど、よかったら僕も普段使ってるんでこのスタンプ。
使いやすいですしね、LINEのスタンプって。よかったらチェックしてみてほしいなと思います。オープンチャットの方も入ってくれる方本当にありがとうございますという感じです。
この番組サイエンスポットなんですけど、実はVoicyでの配信も始まりました。
ポッドキャストだけじゃなくてVoicyアプリ上でもサイエンスポットを聞ける形になってますんで、多分細かい話というかこう何て言うんですかね、短い時間の配信がいっぱい出るタイプの方がVoicyに相性いいんじゃないかなとは思ってますけど、
そちらでもお聞きできるということなんで、ぜひよろしくお願いします。
はい、ということでこの番組サイエンスポットは平日毎日朝に日本語と英語で配信をしております。
ポッドキャスト聞いて皆さんも感想などありましたら、ハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらえると嬉しいです。それではまた。