じゃあなんでこの行動は見られるのかっていうことなんですけども。
まずこの疑問に答えるために、キスとは何かっていう定義からしております。
全くロマンチックさはないです、ここに。
研究におけるキスというのは、まず攻撃的でないこと。
そして思考性のある口と口の接触であることで、あとは唇とかに多少の動きがあって、食物の移動が伴わないものというのがキスの定義らしいです。
なんかマジでロマンチックさはゼロですね。
この定義によるとキスっていうのは人間だけでするんじゃなくて、ほとんどの現存する大型の類人猿、チンパンジーとかゴリラとかオランウータンとかそういうものでも見られるし、狼とか北極熊とかあとはアホオドリみたいないろんな動物でこのキスに今言った定義に当てはまる行動は観察されているらしいです。
実際どう調べたのかというのは結構難しいんですけど、ベイジアン系統学的解析っていうのをやっていて、
要するに進化の系統樹っていうこういう流れで動物が分岐して進化してきましたよっていうのがあって、
それがいつどこで何回進化したかっていうのを統計学的に推定するっていう分析手法なんですよね。
だからいろんな異なる種っていうのを自然淘汰っていうプロセスが行った実験結果として考えて、
そうするとここの動物とここの動物は同じ行動してるから、おそらく進化的にはもともと一緒だったんじゃないかとか、
そういう俯瞰してみるみたいな感じですね。めちゃくちゃざっくり言うと。
そういう解析をしてみると、キス自体は大型類人猿のまず共通祖先で起きてるよね。
そしてその時期が大体約2150万年前から1690万年前頃のどこかで初めて生まれてる可能性が高いっていうのが推定されてます。
今生きてる僕たちとかチンパンジーとかそういう類人猿がみんなキスするので、
その最も近い共通祖先がこの行動をしていたっていうことですね。
当たり前っちゃ当たり前かもしれないですけど。
なので4万年前に絶滅したって言われてるネアンデルタール人っていう、
僕たちとすごく近い親戚みたいな、もう今いない人類ですけども、
ネアンデルタール人もキスをしていた可能性が高いと結論されていると。
このネアンデルタール人の話もちょっと面白くて、過去のDNAの研究ともこの辺は一致していると。
過去の研究っていうのは口の中にいる微生物っていうのが、
今生きてる人とネアンデルタール人の、当時生きてた人っていうのを調べれるっぽくて、
それを共有していたってことが示唆されてるらしいです。
だからすごいストレートな言い方で言うと大気の交換があったんじゃないかっていう推測ですね。
で、それのルートとしてはキスだけじゃなくて、
例えば食べ物を共有して同じものを食べて回してたから、
同じ菌を持ってたんじゃないかとか、
いろんな理由が考えられてたんですけど、
キスっていう経路も有力な可能性があるんじゃないかなということです。
じゃあ最初に言ったキスが何で進化的に淘汰されなかったのかっていうところなんですけど、
これは研究した人たちが仮説を挙げていて、
配偶者を選ぶ際の評価ツールとして機能した可能性があるっていうふうに言われてました。
例えば嗅覚とかですね。
キスは嗅覚信号を通じて相手の健康状態だったりとか、
遺伝的にどうかとか、
そういった相性を評価する手段になったかもしれないと。
なんか生々しいですけどね。
あとは社会的な意味もあると。
口元に近づくっていう行為はある程度信頼をまず必要とするので、
そのためにはコミュニケーションを円滑にするとか緊張緩和するとか、
そういった社会的に近くなるっていう目的にキスっていうものが存在していて、
だからそのまま残ってきたんじゃないかと。
あとはどのようにキスが進化したのかっていう本当の起源のところに関しては、
プレマスチケーションっていうものとの関連性っていうのを言われていて、
これ何かっていうと、
親が食べ物を事前に噛んで柔らかくしてから、
まだちゃんと食べれない子供に口移しで分け与えるっていう行動ですね。
たぶん鳥とか結構そういうのやってそうなイメージは僕は思ってたんですけど、
このプレマスチケーションっていうものが、
口と口の接触とか、
唇の動きっていうのを伴っているので、
この行動が子孫への食物共有っていう機能から、
社会的な絆を深めるためのキスへと転用された、
強い候補であるっていうのも言われているらしいです。
そんな風に考えたことなかったなっていう意味では面白いなと思いましたね。
なので、総合するとこの研究はキスっていう行動の起源と、
あとはそれは今の生きている人間特有の文化的な行動じゃなくって、
類人猿とかも持っているので、
その共通の祖先で約2100万年ぐらいに始まったんじゃないかっていうことが、
一応今のところの予想で言われているということですね。
あとはネアンデルタール人とかも、
おそらくキスをしていただろうという推定があったりとか、
人間の親戚に近いものっていうのは、
結構この行動をみんなしているよっていうことですね。
この研究者たちは今後、
もっと具体的に何でキスするのかっていうのを究極の問いだと。
これを解明するために、いろんなエビデンスをもっと掴んでいきたいですよねみたいな話をしていて、
まだまだ道半ばということみたいですね。
でもこれは僕はBBCのニュースからおもろいなと思って見つけて調べてみたんですけど、
すごい面白いですよね。
確かに意味あるかって言われたら意味ないもんなっていう感じですね。
冷静に社会的にこのキスが必要ですっていうのも、
意味わかんないですよね。
よく考えると。
子供の頃にテレビのドラマとか映画とかでそういうシーンがあるから、
キスはそういうものなんだみたいなのを、
多分自然と言い方悪いけど吸い込まれたのかなっていう気もなんとなくしてて、
そういうのを知らなかった場合でも人間ってそういうことするのかなとか、
なんかちょっといろいろこれ見てて考えちゃいましたけどね。