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2025-09-29 15:09

54. 生物界最強の毒パリトキシンの細胞破壊メカニズム

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自然界最強の毒素の一つパリトキシンの作用機構を解明    ―― パリトキシンはどのようにしてナトリウム・カリウムポンプを 陽イオンチャネルに変えるか ――

https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/250917/

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サマリー

今回のエピソードでは、東京大学の研究グループがパリトキシンの細胞破壊メカニズムを紹介しています。パリトキシンはテトロドトキシンより数倍強い毒性を持ち、その作用によって細胞内のイオン濃度を崩し、生命に関わる影響を及ぼすことが解説されています。パリトキシンは細胞のポンプに作用し、中毒症状を引き起こす恐ろしい毒素であり、そのメカニズムが明らかにされています。これにより、解毒剤の開発や予防策が分子レベルで検討される可能性があります。

パリトキシンの概要
今回は、生物界最強の毒が細胞をどう破壊するのか、というメカニズムについての研究がありましたので、そちらを紹介したいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。 ホストは、サイエントークのレンです。
ということで、今日のテーマは毒物のお話ですね。
紹介するのが、東京大学の研究グループ、
豊島千佳子先生とカナイリュウタ先生らの発表になっていて、
パリトキシンという毒物の作用機構を、
初めて明らかにしたという研究成果になっています。
パリトキシンという名前は、あんまり聞き慣れないかもしれないですね。有名な毒だと、やっぱりフグの
テトロドトキシンとか、あとはセイサンカリとかですかね。
その辺が、毒物としてはすごく有名かなと思うんですけど、パリトキシンって、
それらよりも全然強くて、
フグ毒のテトロドトキシンの60から70倍の毒性、
あとはセイサンカリの数万倍の毒性と報告されているぐらい、
性別界では、もうトップクラスで強い毒物です。
これも、
ハコフグとかソウシハギ、
アオブダイみたいな魚介類を介して、これ食中毒の原因にもなるような毒素ですね。パリトキシンの
食中毒とか、多分ニュースとかになったこともあるんじゃないかなと思っていて、日本だと
1953年から2024年にかけて、
少なくとも48件の中毒事例が報告されているし、死亡者も出ているということですね。
2023年12月も、最近だと中毒の報告があったりとか、
非常に危ないものです。何が危ないっていうと、加熱しても毒性が失われないし、
今のところ下毒剤もないという毒なんですよね。
あとは、合成化学的にも結構これ知られた分子でして、
細胞のポンプとチャネルの役割
パリトキシンってものすごい大きくて複雑な化学物質になっていて、
大きいっていうのは分子として大きいですね。
ものすごい巨大な分子で、これをどうやって作るのかみたいなので、よく出てくる
毒素なので、合成系の人も多分パリトキシンは結構知ってるんじゃないかなと僕は思います。
じゃあこのすごい危ないパリトキシン、
体内でどうやって毒として効いてるんですかっていうのが今回の研究ですね。
まずこの毒性を説明するにあたって、ちょっとポンプとチャンネルっていうものを
説明しないといけないです。
これも多分高校の生物だと出てくるかもしれないなと思っていて、
要はこれ細胞の表面のお話ですね。
細胞って電気信号を出したりとか、そういう情報交換を細胞の中と外でするっていうときに、
何をしてるかっていうとナトリウムのイオンとかカリウムのイオンを出したり入れたりするっていうことが
鍵になってるんですよね。
じゃあそのイオンが行き来するっていうのはどうやって行われているかというと、
何もしなかった場合って
細胞の例えば外がものすごい
イオンの濃度が高いとして、で細胞の外側がイオンの濃度が薄いとしたら
物質って濃い方から薄い方に
流れていくと。で全体として
同じぐらいの濃度になるように働くっていうシステムがありますよね。これ多分浸透圧とか、昔
学校とかでも習うんじゃないかなと思いますね。
基本的には濃い方から薄い方に物は流れていくっていう
原理があって
ただそれだけだと
あの濃度が薄いところから細胞の中の濃い方に物を運ぶっていうのが
できなくなっちゃうんですよね。なんでどんどんどんどんなんかこう細胞の中をなんかイオンを
保ちたいんだけどどんどん外に流れ出ちゃうみたいなことが発生するので
わざわざエネルギーを使って
このイオンを薄いところから濃い方に輸送するっていうのが必要になります。
だから濃度の差に逆らって無理やり運ぶってことですね。
これがポンプっていうものです。
例えばナトリウムとカリウムっていうイオンを
濃度を
行き来させたい時に細胞の外にナトリウムイオンを出すとか細胞の中にカリウムイオンを取り込むみたいな
そういった役目を持っているのがポンプになっています。
これまさに本当にポンプですね。言ったままの。
じゃあこのポンプどういう形をしているのかっていうと
ゲートとして
入り口が外側と内側に2箇所あるんですけど
同時に絶対開かないゲートになっています。
要は細胞の外側がパカッて開いているときは内側のゲートは閉まっている。
で外側からイオンが入ってきますね。その溝みたいになってて入ってて
入ったなってなると外側のゲートが閉じて
同時に内側のゲートが開いて
中にイオンを取り込むみたいなざっくり言うとそういう仕組みになっています。
でなぜかというとこのゲートが
内側も外側もパカッて開いた状態になると自由にイオンが出たり入ったりできちゃうんで
濃度勾配が濃い方から薄い方にしか行かないみたいなことが起きちゃうということですね。
でこのポンプっていうのに加えてチャネルっていうものがあります。
これは本当に単純で穴ですね。
だからイオンは濃い方から薄い方へ自然に流れていく。
っていう穴になっています。
でこのチャネルも
閉じたり開いたりっていうのは基本的にあるんですけどゲートとしては一つだけ
もう開くか閉じるかっていうのがあれば良くって
だからこれも一応開くか閉じるかでイオンの濃度を調整するという役割があります。
なのでポンプっていうものとチャネルっていうものがあって
でポンプは
単純に穴が開いたり開いたりだけじゃなくてゲートが内側と外側に分かれていて
物を輸送する。
研究成果の詳細
で結論パリトキシってこのポンプをおかしくしちゃうっていうのは知られてたんですよね。
ただどうやっておかしくしてるのかっていうのは分からないと。
でじゃあこれを今回の研究チームはどうやったかというと
クラヨ電子顕微鏡っていうものすごい
最新の技術が入った顕微鏡ですね。直接見に行こうっていうところ。
でパリトキシンとさっき言った今回は
ナトリウムカリウムポンプっていうポンプの一種ですけどそれを混ぜてみて
じゃあパリトキシンどうやって結合してるのかっていうのを原子レベルで特定したってことですね。
でこれどうなってるかっていうとすごくよくできててでパリトキシンはまず細胞の
外側からまずポンプに結合します。
この時にポンプに
もうパリトキシンがスッとくっつくんですけど
したら細胞の外側のゲートってオープンになった状態にまずなるんですよね。
でそのまあ深くぶっ刺さるみたいな構造になってます実際。これちょっと音で伝えるの難しいんですけど。
まあその段階だとただ外側のゲートが閉まらないように固定されるっていうだけ
なんですけどだから要は
そこから物の輸送がまずできなくなるっていうことがあります。
そこに対してATPのエネルギーならATPとかナトリウムインを加えてみるとどうなるかっていうと
本来は
細胞の内側のゲートが開くときは外側のゲートは閉じなきゃいけないっていう
構造の変換が必要になるんですけど
パリトキシンが挟まってるんで外部のゲートが
閉めることができない。だけど内側のゲートを開けるっていう
この構造の変化は起きちゃうっていうすごい変なことが起きるんですよね。
異常自体が。でそうなると本来ポンプとして機能していた場所が
チャネルになっちゃって穴になっちゃって
だから本来
濃度が濃い方から薄い方にやりたいのに、あ違う、薄い方から濃い方にやりたいのに
普通の濃度勾配、濃い方から薄い方に流れ出ちゃうとか
そういった本当にはポンプがやりたいことと逆のことが起きちゃう
っていうことになります。で
それを
もうパリトキシンはガッとポンプに挟まって強制的にオープンにしちゃうみたいなことで
細胞の中のイオンの濃度がおかしくなっちゃって
でこれをイオンの濃度がおかしくなっちゃうと
例えばナトリウムイオンがどんどんどんどん細胞の中に無駄に入ってきちゃう見えますとか起きると
それ電気信号として起きかかって
興奮状態をどんどん伝えちゃうってことになるんですよね。ってなると
例えば心臓がもう収縮が異常になっちゃうとか
あの実際これはすごい激しい筋肉痛に襲われたりとかするらしいんですけど
そういう細胞の中の神経の電気信号とかがおかしくなっちゃっても中毒症状を引き起こして
最悪の場合死んじゃうっていうことになってます。なので
まあであとこのパリトキシン自体は熱をかけてもなかなかぶっ壊れないっていうので
熱通してもダメだよねっていう毒素になってるってことですね。で
パリトキシンのメカニズム
まあ今回わかったことはこれぐらいなんですけどまあなんか似たような結構巨大な毒素で
ポンプとかチャンネルとかおかしくしちゃうみたいな毒性があるものは結構メジャーかなと思ってるんですけど
まあパリトキシンはこういう構造変化がありましたよっていう
論文でした。でまあこれすごい面白いなと思って
すごく中毒症状
こうマクロなあの
動物個体全体まで影響を与えちゃうってものがよくよく見ると細胞の表面の
このポンプに分子が挟まって起きちゃうっていうこれすごい恐ろしいことであるんですけど
そういうものがキーになって
もう生物が死んじゃうところまで行っちゃうっていうことですね。だからすごくこれは
ある意味恐ろしいんですけどなんかメカニズムとしては
なんかなるほどなというかうまいことやっぱできてるんだなっていうのが
感想としてありますね
はいでちょっとビジュアルがないので音で伝えれるのはこれぐらいが
限界かなと思ってますけどイメージできますかね
実際にあのどうやって分子挟まってるのかとかはあのプレスリリースの方に
あの一応ちょっと難しいんですけど見たら書いてあるので
あの見ていただけるとわかるかなと思います
でこのポンプとかチャンネルをおかしくしちゃうっていうのは結構神経毒とかの基本
中の基本かなと思ってて
でまあこういう構造が明らかになったりすると
まあ解毒剤じゃあどうやって作ろうかとか
あのそれを防ぐためにどうするのかっていう対策が分子のレベルで
もしかしたら取れるかもしれないとか
まああとはそのポンプ自体の構造の変化みたいな仕組みも
あのまあクラヨウ電子顕微鏡って結構もう流行りでバンバンバンバン使われているものなんですけどまあそういった
あの実際に見る技術っていう方の発展にも使われるんじゃないかなというふうに思います
はいまあ今回はそんなところで生物最強の生物界最強の毒
パリトキシンはどうやって細胞をおかしくしているのかということですね
ということで今回紹介したのは生物界最強の毒素はどうやって細胞をおかしくしちゃうのかというお話でした
旅行の雑談
はいでちょっと最後雑談なんですけどこれを配信する予定になってるのは
9月29日なんですけどすいませんあの先週はちょっと配信が1回しか多分できてない
しかも金曜日しかできてないんじゃないかなと思います
えっとちょっと旅行に行っておりましてあの全然更新の設定ができませんでした時間がなくて
でえっとちょっと旅行に行った話を少しだけするとまあ今回はえっとスペインのバルセロナと
ポルトガルのリスボンに行ってきましたで
まあすごく面白かったというかちょっとトラブルもあったんですけど
最初まずバルセロナに行ってその後リスボンに移動する予定がバルセロナ空港で
夜10時9時10時ぐらいの飛行機とったんですけど急にキャンセルになって
振替便も出ませんみたいな
あのLCC特有のやつなんですけどなんかあのバッドウェザーって出てたんで
そんなバッドウェザーじゃなかったんですけど飛行機は飛ばなくて
泣く泣くバルセロナもう一泊とかしてましたで
あのすごく良かったのがまあガウディ建築とかいろいろ見たんですけどあのサグラダファミリアなり
カサミラなりカサバトルなり一通りあとピカソ美術館とかいろいろ行ったんですけど
なんかすごい意外で良かったのが
もう一泊伸ばしていったコスモ会社っていう科学館がめちゃくちゃ良くって
でこれXの方でも
すごい良かったよみたいなやつをポストしたりしたんですけどこれちょっとノートにちゃんと書きたいなと思ってて
あの
一応ヨーロッパで最大級の科学館みたいですね
ちょっと長くなっちゃいそうなんでそんなに詳しく科学館の内容までは言わないんですけどちょっと今度また
ノートとかに書きたいなとは思ってますで
あとリスボンもリスボン水族館行ったりとかあと街歩きとかもいろいろやったんですけど
それもすごく面白かったですね
っていうのをやってたらあの気づいたら先週終わっちゃいました
すいませんってことでまあなるべく限られた時間なんでちょっといろいろ
ヨーロッパにいるうちにできる体験とかをいろいろしたいなっていうことで
やっててまあこれまた再演トークでも話すと思うんですけど
なんかやっぱり知らない土地行くのはいいなって改めて思いましたね
あの街の雰囲気ヨーロッパだったら結構街並みとか似てるかなと思ったんですけどバルセロナとか全然
やっぱり建築も全然違うしリスボンとかやっぱり
地中海沿いの雰囲気って結構あるなーって思いましたね
で人もやっぱ親切な人もたくさんいるしあのリスボンとかあのバス
空港行くやつこれじゃないよみたいな全然知らない人が教えてくれたりとかいろいろあったんで
すごいそこは面白かったですねでなんかもう9月もあっという間にもう終わっちゃってもう
10月かっていう感じなんですけど
月末はまたちょっと僕がバタバタしていてどこまでいろいろ更新できるかわからないですけど
まああの無理しない程度にこの番組も更新していきたいなというふうに思ってます
あとはちょっと次回の配信の時にはちょっとお知らせみたいなものはあるかもしれないです
というわけで今回は以上ですサイエンスポットは日本語と英語で配信をしております
ポッドキャスト聞いて皆さんも感想などありましたらハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらえると嬉しいです
それではまた
15:09

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