今回はSBC.ブログコラムの音声での配信として、8月に再配信したブログコラム記事を再配信します。
記事の音声化には、VoiceVox を使用しています (Voice Engine:VoiceVox Nemo)。
- NPO活動は“誰かのため”じゃない。“自分のため”でいい。 | まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY. https://sbc.yokohama/column/20250815_npo-volunteer-for-yourself
サマリー
NPO活動は他者だけでなく、自分自身のためにも行えることが強調されています。特に、関わり方が柔軟であるため、日常生活に役立つ経験を得る可能性が示されています。
NPO活動の目的の再定義
NPO活動は誰かのため、じゃない、自分のため、でいい。
ボランティアってすごく立派な人がやるものでしょう。
時間に余裕がある人じゃないと無理だよ。
私なんかにできることなんてあるのかな。
NPOやボランティアの活動と聞いて、そのように考える方もいらっしゃるかと思います。
ただそのような思いを持っていらっしゃる方もNPOや支援団体の現場にはたくさんいらっしゃいます。
最初から社会を変えようだとか、何か大きなことをしようと思って飛び込んだ人ばかりではありません。
SBCast..147でご紹介したNPO法人アスイクの代表大橋雄介さんはこう言いました。
ボランティアって人のためにやるっていうイメージがあるかもしれませんけど、自分のためにやるもんだというふうに思うので、
自分が楽しめるかとか、そういうふうに思ってもいいんだと思うんですよね。
誰かのためという崇高な理想だけでなく、もっと身近で自然な自分のためという感情で始めてもいい。
大橋さんはそんなメッセージを発信しているように思います。
NPO法人アスイクでは年間約500名ものボランティアが宮城県を中心に学習支援や子どもの居場所づくりに関わっています。
ただその関わり方は人によって本当に様々。
こうしなければならないなんて決まりはありません。最初は見学だけをして後から関わり方を決めた人もいます。
既存の団体がやっていることで、自分に関心のあることがちょっとでもあれば、
関わってみる、自分がやりたいことだけをやってみる、その先に思わぬやりがいや喜び、そして自己成長があるのかもしれません。
きっかけは誰かを助けたいなどではなくていい。
新しいことをしてみたかったとか、日常にちょっとした刺激が欲しかったとか、
自分が学生時代に誰かに支えられたからとか、最初の一歩は自分のためでいい。
柔軟な関わり方の重要性
むしろその方が無理なく長く自然と続けられるものになるのではないでしょうか。
活動に関わると見える世界が変わる
NPO法人アスイクのような団体に関わることで見えてくるものもあります。
活動に関わることによって、普段見ている世界が少しずつ変わってくる。
そんな感覚を覚えることも少なくないでしょう。
そのような感覚の変化が、ご自身の生活や仕事に役に立つということもあるかもしれません。
支援の現場に立つというとすごく重たい話のように感じるかもしれませんが、
実際はそんなことはありません。
子どもとゲームをしたり、一緒に宿題を考えたり、ふとした会話から信頼関係が生まれる。
そんな一つ一つの行動が大人のあなた方にとっても心を動かす体験になり得ます。
自分の話を聞いてくれる人がいる、自分のことを覚えてくれる人がいる、
ということは子どもたちだけでなく関わる大人の人たちにとっても心を動かす体験になります。
ということは子どもたちだけでなく関わる大人の側にとっても大きな支えになると私高見は思います。
「できるときだけでいい」が活動の前提
本当に来れるときだけでも良いんですよ。
NPO団体のボランティアとして登録をしても、毎回必ず来なければいけないというわけではありません。
自分のペースで自分のできる範囲で参加する、そんなことが前提になっているからこそ、
多くの人が関わり続けられる仕組みになっているのではないでしょうか。
この柔軟さこそNPO団体に関わるということの特徴であると思います。
そうやって空いている時間にちょっとずつ関わることによって、
いつの間にか思ったより気軽にできたテストか、気づけば毎週行くようになっていたという人もいるでしょう。
無理のない関わりこそが結果として支援の継続性にもつながっていくのではないでしょうか。
活動地域以外でもできること
でもアスイクは宮城の団体だから、SIDE BEACH CITY.は横浜の団体だから、私たちには関係ないかな、そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、この記事を読んで何らかの関心を持った時点で、支援に関わる方法はあるのだと思います。
関心さえあれば、どのような形でも支援に関わることはできます。
支援活動は関心の種がまかれることによって広がっていくものだと思います。
どれも立派な関わりの一つの形です。
インターネットが普及し、NPO団体を含む様々な団体がインターネットで情報発信をするようになった今、「物理的に現場に行くことだけが支援ではない」のです。
誰かを支えることは、自分が満たされることにもつながる。
NPO法人アスイクの活動をお伺いしていて、印象的だった言葉があります。
あまり高尚な目的だとかスキルだとかそんなことがなくても全然よくて、何となく自分の居場所が欲しいとか、家にいてもつまらないとか何でもいいと思うんです。
そういったところから始まってもいいものだと思うんですと、大橋さんは言います。
NPOの活動に関わる理由は人それぞれで構いません。
誰かを支えるためよりも自分がちょっと満たされたいとか誰かと関わってみたいとか、そんな気持ちから始めるのが自然なスタートなのかもしれません。
そうして関わる中で誰かに「ありがとう」と言われたり、子どもたちの成長に気づいたり、自分が誰かにとっての安心できる存在になっていることを感じたり、
誰かを支えていたつもりがいつの間にか自分の方が満たされていた、そんな経験をするタイミングもあるでしょう。
自分のためでいい、むしろ自分のためだからこそ続けられるのではないでしょうか。
最初の一歩は「軽く」でいい。
NPO団体との関わりに正解というものはありません。
こうしなきゃいけないだとか、ちゃんと続けなければいけないと思うほど関わるための決意は重いものになってしまうでしょう。
まず話だけでも聞いてみようとか、体験してみてから考えようでいい。
もしあなたの心にちょっと気になるなとか、少し手伝ってみたいなという気持ちが芽生え始めたら、それはNPO団体への関わりを始める最初の一歩になり得るものではないでしょうか。
社会を良くするための活動は立派な人だけがやるのではありません。
今の自分の活動の延長線上でできることをできるときにできるだけ。
誰かのためじゃなくていい、自分のために始めてみる。
そんな関わりが結果として誰かを助けることにつながる。
その循環こそが持続可能な社会貢献の形なのだと思います。
07:00
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