白雪姫の冒険
さて、かわいそうなお姫様は、大きな森の中で、たった一人ぼっちになってしまって、
こわくってたまらず、いろいろな木の葉っぱを見ても、どうしてよいのかわからないくらいでした。
お姫様は、とにかく駆け出して、とがった石の上を飛び越えたり、茨の中を突き抜けたりして、森の奥の方へと進んでいきました。
ところが、けだものはそばを駆けすぎますけれど、少しもお姫様を傷つけようとはしませんでした。
白雪姫は足の続く限り走り続けて、とうとう夕方になる頃に、一軒の小さな家を見つけましたので、疲れを休めようと思ってその中に入りました。
そのうちの中にあるものは、なんでもみんな小さいものばかりでしたが、なんともいいようがないくらい立派で清らかでした。
その部屋の真ん中には、一つの白い切れをかけたテーブルがあって、その上には七つの小さなお皿があって、またその一つ一つには、さじにナイフにフォークがつけてあって、なおそのほかに七つの小さなお酒漬が置いてありました。
そしてまた壁際のところには、七つの小さな寝床が少し間を置いて、じゅんじゅんに並んで、その上にはみんな雪のように白い朝の四季風が敷いてありました。
白雪姫は大変お腹が空いて、おまけに喉も渇いていましたから、一つ一つのお皿から少しずつ野菜のスープとパンを食べ、それから一つ一つのお酒漬から一滴ずつぶどう酒を飲みました。
それは一つところのをみんな食べてしまうのは悪いと思ったからでした。
それが済んでしまうと、今度は大変疲れていましたから、寝ようと思って一つの寝床に入ってみました。けれどもどれもこれもちょうどうまく体に合いませんでした。
長すぎたり短すぎたりしましたが、一番おしまいに七番目の寝床がやっと体に合いました。
それでその寝床に入って、神様にお祈りをして、そのままぐっすり眠ってしまいました。