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  2. 白雪姫⑤/グリム兄弟
2025-06-07 09:24

白雪姫⑤/グリム兄弟

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作品名:白雪姫
著者:グリム兄弟
訳:菊池寛

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BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
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7・15・23・31日更新予定

#青空文庫 #朗読 #podcast

サマリー

白雪姫は小人たちに守られながら、王子と出会い、復活します。その後、王子と白雪姫の結婚式が行われ、ママ母の女王も招かれます。

白雪姫の復活
小人たちは白雪姫の体を一つの缶の上に乗せました。
そして七人の者が残らずそのまわりに座って、三日三晩泣き暮らしました。
それから姫をうずめようと思いましたが、
何しろ姫はまだ生きていたそのままで、
生き生きと顔色も赤く、かわいらしく、きれいなものですから。
小人たちは、「まあ見ろよ、これをあの真っ黒い土の中に埋めることなんかできるものか。」
そう言って、外から中が見られるガラスの缶を作り、
その中に姫の体を寝かせ、
その上に金文字で白雪姫という名を書き、
王様のお姫様であるということも書き添えておきました。
それからみんなで缶を山の上に運び上げ、
七人のうちの一人がいつでもそのそばにいて盤をすることになりました。
すると鳥や獣までがそこにやってきて、
白雪姫のことを泣き悲しむのでした。
一番はじめに来たのはフクロウで、その次がカラス、
一番おしまいにハトが来ました。
さて白雪姫は長い長い間缶の中に横になっていましたが、
その体は少しも変わらず、まるで眠っているようにしか見えませんでした。
お姫様はまだ雪のように白く、血のように赤く、
黒炭のように黒い髪の毛をしていました。
するとそのうちある日のこと、
一人の王子が森の中に迷い込んで、
七人の小人のうちに来て一晩泊まりました。
王子はふと山の上に来て、ガラスの缶に目を止めました。
近寄って覗きますと、
実に美しい美しい少女の体が入っています。
しばらく我を忘れて見とれていました王子は、
缶の上に金文字で書いてある言葉を読み、
すぐ小人たちに、
この缶を私に譲ってくれませんか。
その代わり私は何でもお前さんたちの欲しいと思うものをやるから、
と言われました。
けれども小人たちは、
たとえ私たちは世界中のお金をみんないただいても、
こればかりは差し上げられません、
とお答えしました。
そうだ、これに代わるお礼なんぞあるもんじゃない。
だが私は白雪姫を見ないではもう生きていられない。
お礼なぞしないから、ただください。
私の生きている間は白雪姫を敬い、きっと粗末にはしないから。
王子は折り入ってお頼みになりました。
王子がこんなにまでおっしゃるので、
気立ての良い小人たちは、
王子の心持ちを気の毒に思って、
その缶を差し上げることにしました。
王子はそれを家来たちに命じて、
肩に担いで運ばせました。
ところが間もなく、
家来の一人が一本の木につまずきました。
で、缶が揺れた表紙に、
白雪姫が噛み切った毒のリンゴの一切れが、
喉から飛び出したものです。
すると間もなく、
お姫様は目をぱっちり見開いて、
缶の蓋を持ち上げて、
起き上がってきました。
そして元気づいて、
おや、まあ、私はどこにいるんでしょう、
と言いました。
それを聞いた王子の喜びは、
たとえようもありませんでした。
私のそばにいるんですよ、
と言って、今まであったことをお話になって、
その後から、
私はあなたが世界中の何者よりもかわいいのです。
さあ、私のお父さんのお城へ一緒に行きましょう。
そしてあなたは私のお嫁さんになってください、
と言われました。
そこで白雪姫も承知して、
王子と一緒にお城に行きました。
女王の復讐
そして二人の御婚礼は、
できるだけ立派に、
盛んに祝われることになりました。
けれども、このお祝いの式には、
白雪姫のママ母である女王様も招かれることになりました。
女王様は若い花嫁が白雪姫だとは知りませんでした。
女王様は美しい着物を着てしまったときに、
鏡の前に行って尋ねました。
鏡や鏡、壁にかかっている鏡よ、
国中で誰が一番美しいか言っておくれ。
鏡は答えて言いました。
女王様、ここではあなたが一番美しい。
けれども、若い女王様は千倍も美しい。
これを聞いた悪い女王様は腹を立てまいことか、
呪いの言葉を次々に浴びせかけました。
そして気になって気になって、
どうしてよいかわからないくらいでした。
女王様は初めのうちは、
もう御婚礼の式には行くのをやめようかと思いましたけれども、
それでも自分で出かけて行って、
その若い女王様を見ないでは、
とても安心できませんでした。
女王様は招かれた御殿に入りました。
そしてふと見れば、
若い女王になる人とは白雪姫ではありませんか。
女王は恐ろしさで、
そこに立ちすくんだまま動くことができなくなりました。
けれどもその時は、
もう人々が前から石炭の火の上に、
鉄で作った上靴をのせておきましたのが、
真っ赤に焼けてきましたので、
それを火箸で部屋の中に持ってきて、
悪い女王様の前に置きました。
そして無理やり女王様に、
その真っ赤に焼けた靴を履かせて、
倒れて死ぬまで踊らせました。
ご視聴ありがとうございました。
09:24

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