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2023-12-20 05:16

つね子さんと兎/野口雨情

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作品名:つね子さんと兎
著者:野口雨情

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00:04
つね子さんとうさぎ 野口雨情
ある日、つね子さんがいつものようにお庭へ出て、
うさぎこい うさぎこい
赤いぞんぞう買ってやろう
うさぎこい うさぎこい
赤いかんざし買ってやろう
うさぎこい うさぎこい
ぴょーんこぴょんこ はねてこい
とうさぎこいの歌を歌って遊んでおりますと、
こんにちは、こんにちはと言って、
一匹の小兎が来ました。
まあ、おまえは小兎ね。
と、つね子さんが言いますと、
そうです、私は小兎ですよ。
あなたのお歌が聞こえたので参りました。
と、小兎は懐かしそうに言いました。
あら、私の歌が聞こえたの。
おまえのお家はどこなの。
と、聞きますと、
私のお家ですか。
ほら、お月さまの中にお餅をついているでしょう。
あれは私のおじさんなんですよ。
私のお家もやっぱりお月さまの中なんですが、
うさぎこいの歌が聞こえたのでどうかして行きたいと、
やっとのことでここまでまいりました。
お月さまの中まで歌が聞こえたの。
そりゃあもう、手に取るようによく聞こえますよ。
私のお友達は皆まねて歌っておりますもの。
そうなの。
と、つね子さんは大変感心をしまして、
赤い花をのぞんぞと、
赤い花かんざしとを買ってやりました。
子うさぎは赤い花をのぞんぞをはいて、
赤い花かんざしをさして、
うれしそうに、
うまれてはじめて赤いぞんぞをはいた。
03:00
うまれてはじめて赤いかんざしさした。
お月さまの国へも帰らずに、
ここのお庭のうさぎになろう。
と、歌いました。
つね子さんも、
お月さんの国へも帰らずに、
ここのお庭のうさぎにおなり、
ぞんぞきれたら、
入れたらまた買ってあげよ 赤いかんざしまた買ってあげよ
とお庭中歌って歩きました
小うさぎもつねこさんの後ろについて
お庭中歌って歩きました
そのうちに日が暮れて
夕べのお月さまが東の空から上がってきました
私のお友達がこっちを見ながら
大きな声で歌っているからご覧なさい
と小うさぎがつねこさんに言いました
つねこさんが耳をすまして聞きますと
つねこさんありがとう
赤いぞんぞありがとう
つねこさんありがとう
赤いかんざしありがとう
お月さんの国へ遊びにおいで
とお月さまの中で大勢の小うさぎが歌っている歌が
本当にかすかに聞こえました
05:16

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