作品名:ごん狐『一』
著者:新美南吉(にいみ なんきち)
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card628.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
著者:新美南吉(にいみ なんきち)
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card628.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
サマリー
ごん狐は小さな狐で、村でいたずらを繰り返し、氷獣と出会う物語です。彼のいたずらが引き起こす騒動や自然の描写が魅力的に表現されています。
ごん狐のいたずら
ごん狐 新美南吉
一、これは私が小さい時に村のモヘイというおじいさんから聞いたお話です。
昔は私たちの村の近くの中山というところに小さなお城があって、
中山様というお殿様がおられたそうです。 その中山から少し離れた山の中に
ごん狐という狐がいました。 ごんは一人ぼっちの小狐で、
死だのいっぱい茂った森の中に穴を掘って住んでいました。 そして、
夜でも昼でもあたりの村へ出てきていたずらばかりしました。 畑へ入って芋を掘り散らしたり、
菜種柄の干してあるのへ火をつけたり、 百姓屋の裏手に吊るしてあるトンガラシをむしり取って行ったり、
いろんなことをしました。 ある秋のことでした。
2、3日雨が降り続いたその間、ごんは外へも出られなくて、穴の中にしゃがんでいました。
雨が上がるとごんはほっとして穴から這い出ました。 空はカラッと晴れていて、
モズの声がキンキン響いていました。 ごんは村の小川の包みまで出てきました。
あたりの鈴木の穂にはまだ雨の雫が光っていました。 川はいつもは水が少ないのですが、
3日もの雨で水がどっと増していました。 ただの時は水に浸かることのない川べりのすすきや萩の株が黄色く濁った水に横倒しになって
氷獣との遭遇
揉まれています。 ごんは川下の方へとぬかるみ道を歩いていきました。
ふと見ると川の中に人がいて何かやっています。 ごんは見つからないようにそーっと草の深いところへ歩き寄って、そこからじっと覗いてみました。
氷獣だなぁ、とごんは思いました。 氷獣はぼろぼろの黒い着物をまくし上げて腰のところまで水に浸りながら
魚をとるハリキリという網をゆすぶっていました。 鉢巻きをした顔の横っちょに丸い萩の葉が一枚、大きなほくろみたいにへばりついていました。
しばらくすると氷獣はハリキリ網の一番後ろの ふくろのようになったところを水の中から持ち上げました。
その中には芝の根や草の葉や腐った木切れなどがごちゃごちゃ入っていましたが、
でもところどころ白いものがキラキラ光っています。 それは太いウナギの腹や大きなキスの腹でした。
氷獣はビクの中へそのウナギやキスをゴミと一緒にぶち込みました。 そしてまたふくろの口をしばって水の中へ入れました。
氷獣はそれからビクを持って川から上がり ビクを土手に置いといて何を探しにか川上の方へ駆けていきました。
氷獣がいなくなるとゴンはピョイッと草の中から飛び出してビクのそばへ駆けつけました。 ちょいといたずらがしたくなったのです。
ゴンはビクの中の魚をつかみ出しては 張り切り網のかかっているところより下手の川の中をめがけてポンポン投げ込みました。
どの魚もトボンと音を立てながら濁った水の中へ潜り込みました。 一番しまいに太いウナギをつかみにかかりましたが、
何しろぬるぬると滑り抜けるので手ではつかめません。 ゴンはじれったくなって頭をビクの中に突っ込んでウナギの頭を口にくわえました。
ウナギはキュッと言ってゴンの首へ巻きつきました。 その途端に氷獣が向こうから
うわぁ、ヌストギツネめ! と怒鳴り立てました。
ゴンはびっくりして飛び上がりました。 ウナギをふり捨てて逃げようとしましたが、ウナギはゴンの首に巻きついたまま離れません。
ゴンはそのまま横っ飛びに飛び出して一生懸命に逃げていきました。 コラ穴の近くの
藩の木の下で振り返ってみましたが、氷獣は追っかけては来ませんでした。 ゴンはほっとしてウナギの頭を噛み砕き、やっと外して穴の外の草の葉の上に乗せておきました。
07:09
コメント
スクロール