1. 青空文庫朗読する人
  2. ごん狐『ニ』/新美南吉
2025-06-23 04:10

ごん狐『ニ』/新美南吉

spotify apple_podcasts youtube
作品名:ごん狐『二』
著者:新美南吉(にいみ なんきち)

図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card628.html

青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html

ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile

BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html

7・15・23・31日更新予定

#青空文庫 #朗読 #podcast

サマリー

ごん狐は村の葬式を目撃し、その背後にある悲しい出来事について考えます。

ごん狐の目撃
ニ、十日ほどたって、ごんがやすけというお百姓の家の裏を通りかかりますと、
そこの一軸の木の陰で、やすけの家内がおはぐろをつけていました。
鍛冶屋の新米の家の裏を通ると、新米の家内が髪をすいていました。
ごんは、「ふんふん、村に何かあるんだな?」 と思いました。
何だろう、秋祭りかな。 祭りなら太鼓や笛の音がしそうなものだ。
それに第一、お宮に上りが立つはずだが。 こんなことを考えながらやってきますと、
いつの間にか、表に赤い井戸のある標柱の家の前へ来ました。
その小さな壊れかけた家の中には、大勢の人が集まっていました。
よそいきの着物を着て、腰に手ぬぐいを下げたりした女たちが、表のかまどで火を焚いています。
大きな鍋の中では何かぐずぐず煮えていました。
ああ、葬式だ。 とごんは思いました。
標柱のうちの誰が死んだんだろう。 お昼が過ぎると、ごんは村の墓地へ行って、
六地蔵さんの影に隠れていました。 いいお天気で、遠く向こうにはお城の屋根瓦が光っています。
墓地には彼岸花が赤いキレのように咲き続いていました。
と、村の方からカーン、カーンと鐘が鳴ってきました。
葬式の出る合図です。 やがて白い着物を着た僧烈の者たちがやってくるのが、ちらちら見え始めました。
話し声も近くなりました。 僧烈は墓地へ入ってきました。
人々が通った後には彼岸花が踏み折られていました。 ごんは伸び上がってみました。
標柱が白い紙霜をつけて、祝いを捧げています。
いつもは赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、 今日はなんだかしおれていました。
ははん、死んだのは標柱のおっ母だ。 ごんはそう思いながら頭を引っ込めました。
その晩、ごんは穴の中で考えました。 標柱のおっ母は床についていて、うなぎが食べたいと言ったに違いない。
それで標柱が張り切り網を持ち出したんだ。 ところが、わしがいたずらをしてうなぎを取ってきてしまった。
だから標柱はおっ母にうなぎを食べさせることができなかった。 そのままおっ母は死んじゃったに違いない。
ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいと思いながら死んだんだろう。 じゃあ、あんないたずらをしなければよかった。
04:10

コメント

スクロール