今回は、毎日新聞の取材をきっかけに感じた「夏のビジネスファッションの限界」についてお話しします。
スーツやジャケットが“当たり前”とされる職場環境で、なぜ男性は快適さよりも我慢を選ぶのか?
その背景には、相談をためらい、不快さに鈍感になるという、世代的・文化的な刷り込みがあるのではないか――
公認心理師としての視点と、パーソナルスタイリストとしての実体験を交えながら、
日本のビジネスウェアに必要な「寛容さ」や、「快適さを大切にする心」について掘り下げます。
こんな方におすすめ
・オフィスの服装規定にモヤモヤしている方
・「スーツ=礼儀」と信じて疑わなかった方
・自分にも、他人にも、もっと優しくなりたい方
◆noteのメンバーシップ「服装心理lab.」ではおしゃれの"超"基本と服装心理学が学べるコンテンツを配信中!
https://note.com/risahisano/membership/join
◆運営サイト・SNSなど
https://lit.link/risahisano
📩ご質問募集中!
https://marshmallow-qa.com/risahisano?utm_medium=url_text&;;;utm_source=promotion
サマリー
このエピソードでは、日本における夏のビジネスファッションや男性の忍耐の文化について探ります。特に、オフィスカジュアルの導入とその心理的要因に焦点を当て、男性が快適さよりも印象を重視する傾向について語ります。また、日本のビジネスファッションにおける夏のスーツ着用文化とそれに伴う忍耐の心理を探求します。男性だけでなく女性にも見られるこの傾向が、快適さを重視する新しいスタイルの形成にどう影響を与えるかを考察します。
取材とビジネスファッションの現状
はい、今日はですね、毎日新聞さんに、あのうちのサロンに来ていただきまして、取材を受けておりまして、先ほど終わったところです。
テーマはですね、真夏のビジネスファッションになるのかなというところなんですけれども、
そのね、取材を受けている話をしていく中で、なかなか日本のビジネスファッション、だんだんカジュアル化していますけど、
なかなかカジュアルになりきらないというか、まだまだきちんとした格好で行かなきゃいけないというところが多いじゃないですか。
特に夏、日本ってとっても暑いじゃないですか。だからもうちょっと軽装化してもいいんじゃないかな、薄着になってもいいんじゃないかなって思うんですけど、
さすがにスーツを着なきゃいけない会社はだいぶ減ってきましたけれども、なかなか今一歩カジュアル化が進んでいかないなというか、ゆっくりだなという感じがしてるんですね、この気候に比べると。
そんなことをつらつら取材を受けながらお話ししている中で、その原因って多分、男性の我慢にあるんじゃないかなって、我慢する習性みたいなところにあるんじゃないかなってちょっと思ったので、
毎日新聞さんの記事はこれが本題では多分ないと思うので、ちょっとこちらの方は結構心理も絡んでくる話なので、このポッドキャストでお話ししようかなと思いまして、
今日はそんなお話をしていこうかと思っております。次の自分に着替えるラジオ、本日でリニューアル後2回目、通算で918回目の配信でございます。
さあここで初めてこのタイトル変更後の向上を、初めて読ませていただきたいと思います。
この番組では、服を着替えるように自分を丸ごとアップデート。ファッションと心理学の力であなたの次の一歩を軽やかに後押しします。
お相手はパーソナルスタイリストで、婚姻心理師の久野梨沙です。本日もよろしくお願いいたします。どうでしょうか、向上。
まだ覚えられてないんで、だいぶ見ながらしゃべりましたけれども、こんな冒頭の提携文で今後お届けしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
さあそのオフィスカジュアル、クールビズって言われたものですよね。特に夏のオフィスカジュアルってことなんですけど、
なんかもうちょっと涼しくなってもいいんじゃないかって思うんですよね。なんかなんだかんだ言って、
なんか半袖ポルシャツは着てるけど、結局出かけるとき上ジャケット着たりとかしてるじゃないですか。
女性もさすがにノースリブはみたいな会社多いですし、でもこの厚さ考えると、もうちょっとこう薄着になってもいいんじゃないかなっていう気はするんですけど、
今年もそのオフィスカジュアル導入のサポートのお仕事もすごく多くて、今も複数社並行してやらせていただいてるんですけど、
いろんな会社のオフィスカジュアルのガイドライン作っていても、やっぱりノースリブまでOKですよとか、
それこそ男性のハーフパンツもOKですよみたいなところまで踏み込む会社ってほとんどないんですよね。
で、これなんでかなって思ったんですけど、新聞社の記者さんとの取材の中で、その記者の方がこんなお話をされたんですよ。
最近、先輩の方にね、その方、年上の多分50代とかアラフィフの方なんだと思うんですけど、
その記者の方は結構すごくオフィスカジュアルが板についたおしゃれな方だったんですけど、
僕も君みたいに軽いジャケットとかポロシャツとか着て仕事したいんだけど、
同世代の周り見ると、なかなかそういう格好してる人も少ないし、急にそういうおしゃれな格好に変わると、
自分の妻にね、奥さんに浮気を疑われそうで、ちょっと怖いからなかなか着替えられないんだよねって話をされてたんですって。
で、そういうのどうお考えになりますか?みたいなことを聞かれて、
なんかそれ聞いて、はぁって、最近もずっと企業のオフィスカジュアル導入に支援してる時間が結構長いので、
なんかそれ聞いてなんかいろんなことがファーンって繋がった感じがして、はぁって思ったんですけど、
なんか男性って、まず一つその話からわかることって、相談しないよねって思ったんですよ、周りの人に。
これは心理カウンセラーとしていろんな人の心理カウンセリングしてる中でも常々実感することだし、
カウンセラー仲間も師匠も、いつもだいぶ前から言ってたことでもあるんですけど、
やっぱり男性って、周りに相談しない人が多いんですよね。
たぶんね、世代もあると思うんです。
これ、私のそれこそ子供の世代とか、そこまで幼くなくても10代とか20代だとだいぶ話変わってくると思うんですよ。
男の子でも、夜は寝入っていいんだよとか、気持ち大事にしようねって教育に変わってきてるから。
だけど、我々の氷河期世代より上って、結構男は黙って歯食いしばってこらえるとか、男は泣くなみたいな教育を受けてきてるので、
だから性差、性別の差っていうよりは、受けた教育とか擦り込みの差だと思うんですよ。
女の子が泣いても別に何にも言われないけど、男の子が泣くと、男のくせに泣くんじゃないみたいな。
泣かずに歯食いしばっているヒーローがかっこいいみたいな、そういう漫画だったり映画だったりがたくさんある中で生きてきてるから、
だから相談するイコール、夜は寝を吐くになっちゃってて、それが良くないことだ、かっこ悪いことだみたいな思い込みをずっと持ったままの男性がとっても多いと思うんですよね。
快適さと印象のバランス
だからさっきの記者さんが教えてくださった話で言うと、奥さんに浮気を疑われそうだから服装を変えられないって、
それ別に服装を変える前に奥さんに相談すれば済まないじゃないですかって言ったんですよね。
最近、今自分の服装ね、スーツからネクタイ取っただけになってるけど、ちょっと動きづらいし暑いし、
今ちょっと自分年下の人たち見てると軽いジャケットとかかっこいいポルシャツとか着てるから、ちょっとああいうの着てみたいんだよね。
なんかちょっと一緒に選んでくれないとかって言えば別に浮気を疑われることにならないわけじゃないですか。
だし、同じくらいの年代の人がそういう格好をしてないからなかなかできないっていうのも、もしかしたら話してみたら、
実は俺も着たかった、俺も着たかった、俺ももう暑いからジャケット脱ぎたいになるはずなんです、絶対に。
そういう話題をしないんでしょうね、たぶん。
で、ちょっと自分より距離が遠くて年下の人にはちょっと言わね話せるみたいな。
だから相談でないけど、そういう話をしたっていうことだと思うんですよ。
で、これ根深いなって思って、相談しないのももちろんあるんですけど、
パーソナルスタイリングで男性から依頼いただいたりとか、企業研修で目指し並みについて男性の社員の方とお話ししたりしていると、
相談しないだけじゃなくて、不快であることを我慢しちゃってる人がとっても多いんですよ、当たり前のように。
女性って男性に比べて自分のご機嫌を取るとか、自分を快適に保つみたいなことが上手だったり、
少なくともそういうことに意識が向いてる人が多くて、例えばすごいしんどい仕事があったときに、
女性って結構今日しんどいプロジェクト乗り越えたからご褒美にコンビニスイーツ買って帰っちゃおうとか、
いいワイン一杯飲んじゃおうとか、もっと上手くいったらあれ買っちゃおうとか、結構自分にご褒美ってするじゃないですか。
男性の私世代以上の人からそういう発言ってあんまり聞かないんですよね。聞かない。
要は自分が不快であるとかっていうことに対して、自分で手当てするっていう習慣が全く身についてないんですよね。
そうなってくると、例えばオフィスファッションも、本来スーツってそんなに快適度合いで言うと働きやすい服装ではないんですよね。
でもそれに対して疑問を持つことすら多分しない人が多いんじゃないかと思うんですよ。
これ聞いてる方もどうですか。こんだけ暑いのにジャケット着させられるって非人道的だなとか思いませんか。
私はこういう仕事なんでね、会社側と依頼いただいた企業様と話し込みして、うちの企業はこういうガイドラインで行きますってなったら、印象はジャケット着てる方が良くなりますって言いますよ。
印象と快適さはまた別だから、それはTPOによってはやっぱりジャケット着てる方が、スーツ着てる方が好印象を得られる場面は確かにある。
でもそれと快適ではないことは全然矛盾なく両立する話で、やっぱり快適ではないですよ、着てる方はね。
私ましてや、こんな夏の暑い時期に向いている衣服では絶対ない。
カラッとしたヨーロッパ向けのあれは服であって、やっぱりこんな高温多湿の日本に向いている服ではないわけですよ。
だから私は長期的に見たら、日本ならではのビジネスファッションが生まれていくべきだと思ってるんですね。
でもビジネスファッションってやっぱり普通の普段着と違って、その快適さだけを追求するわけにはいかない。
相手に対しての印象があるから。
だからなかなか難しいんですけど、もうちょっとでもそれにしてももう少し快適さにも目を向けたらいいんじゃないかなって思うんですよね。
だからそのためにはもうちょっと印象とかに寛容にならなきゃいけない。
今だって別に印象のこと全く気にせずに、半袖半パンビーチサンダルで仕事に行くことはやろうと思えばできるけれども、
でもそれだと損してしまう現実があるわけですよね。上司から怒られる、取引先からギョッとされる。
我慢の文化と快適さ
だからやれないわけですよね。そこまでじゃないにしても、もうちょっとお互いが厚いしね、これが日本の正装だよね、フォーマルウェアだよねっていうふうに認識を変えていければいいんだけど、
そのためにはちょっと寛容にならなきゃいけない。でも自分の気心地とか不快なことに対して麻痺させたままの人間が多いと、自分にも不寛容なのに他人には寛容になるってやっぱり無理だと思うんですよね。
そのためにはやっぱり男性に多いですけどもちろん女性にもいると思います。私もね、実はその傾向ちょっとあるんです。自分の不快さに気づけないって、結構パワー系で仕事やってる人に多いんじゃないかと思う。
私もそうなんだけど、ゴリゴリ頑張ればなんとかなるだろうみたいなので、割と生実家体力もあってゴリゴリやってこれちゃった人に多いんじゃないかと思う。自分の環境を整えるってことにちょっとともするとどん着になっちゃう人。
なんか私もこのラジオでもすごい前から睡眠時間大事だとか、体調を整えなきゃって言ってるのは、あれ言い聞かせてないと忘れちゃうからっていうのもすごくあるんですよね。なんか話したことあるかもしれないけど、結婚前に結婚する予定の夫がね、当時私が一人暮らしてる家に来たら忍者屋敷だって言ったんですよ。
全然快適ではないの。全く物がなくて、快適性を追求してない椅子だったり、快適性考えてないだろうなっていう物がないからね。それぐらいなんか私忘れちゃうところがあって。
なんか私それを忘れちゃうことがあって。だからそういう人の気持ちすごいわかるんですよ。意識してないと、やっぱり私の場合はファッション、見た目重視の偏りがものすごいから、見た目重視して肩が凝っちゃったみたいなことに対して、それは良くないことだから改善しなきゃってなかなか思えなかったりする。
けどさすがに年齢重ねてきて体力が落ちていく過程で、これでダメなんだって思って、やっと自分のファッションに関しても気心地、動きやすさみたいなものも見た目と同じぐらい重視するようになってきたんですよね。
だから男性ももしかすると女性より体力ある人が多いっていう背景も多分あるのかもしれない。暑くてもみんながスーツ着てたら、あるいは最近はネクタイはさすがに外してるけど、ジャケット着てたらこんなもんなんだって思っちゃってません?
パーソナルサイリングに来た方で、ジャケット着なきゃいけないんですけど暑いんですよねっておっしゃる方に、いや今少しでも涼しいものを探しましょうって言って、今は全く裏地がなくて単体で見るとね、ほんと向こうが透けて見えるぐらい薄いペラペラのジャケットなんだけど着るとパリッとして見えるものとかありますよってお話しすると、そうなんですかっていう方結構いらっしゃるんですよ。
で、雑誌とかSNSとかをお見せしてシャツ指差して、これ今着てらっしゃるシャツと同じに見えますよね。実はこれ、ポロシャツと同じ伸び縮みする素材でなんならボタンちょっと開ければ被って着られるんですよ。汗もすごい吸うんですよって言うと、そんなのあるんですかって。
要はこれって多分、自分の不快さに敏感であれば、こんな不快なまま我慢してるのおかしいだろって思えて情報収集しようという気になるんでしょうけど、多分不快さに鈍感だとこんなもんなんだろうって飲み込んじゃってそのまま。だから情報収集しないから、もっといい洋服があることに気づけないんだと思うんですよ。
ましてや、こんな夏場にこんな暑い格好してるのおかしいから変えていこうにはなかなかならないと思うんですよね。
新しいスタイルの模索
企業様でビジネスカジュアル推進していこうっていう委員会のお手伝いなんかしていても、やっぱりある程度以上の年齢の方から反対意見が出ることは多くて、そんなのそれぐらい我慢するべきだみたいな意見が出てきちゃったりすることもあるんですけど、それはやっぱり自分も我慢してきたんだからが結構あると思うんですよね。
これっていろんな場所に見られて、自分も我慢してきたんだからみんなも我慢するべきだって言いたくなっちゃうもんなんですよね。やっぱり人間の心理としては。
だけどそれ言っちゃうとダメだし、我慢は極力しないほうがいいんですよ。しないに越したことはないので、つい私自身もね、そういう言葉が口から出そうになっちゃったら、ちょっと自分はまやかさなきゃって意識的に甘やかすようにするし、何とかいろんな手を使って快適さを追求しようと思うので。
なんかこれ聞いてる方で、そういえば自分が今は心地いいかどうか、機嫌が良くいられてるかどうかって、なんかない箇所にしがしたなって方は、ぜひ大事にしてほしいんですよね。それが周りの快適さに敏感になることにもつながっていくし、ビジネスファッションね、ヨーロッパとは気候も全然違う。
日本は本当に特殊だと思うので、そういう日本ならではのビジネスファッションが少しでも新しく出来上がっていけるように今の仕事を通じて、もっと取り組んでいきたいなと思いますし、なんかそういうお手伝いができたなというふうに思っています。
皆さんの夏のお仕事着、どんなもの着てますか、何か悩みありますでしょうか、ぜひぜひマシュマロ宛てにお送りいただければと思います。番組概要欄にリンク貼っていますので、特命で気軽に送れますので、ぜひお気軽に送ってみてください。ということで、また次回の配信でお会いしましょう。バイバイ。
18:05
コメント
スクロール