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2024-03-19 19:42

#070 「競争が激化するAIサービスの未来」

第70回は、AIを使って企業のブランディングを行う会社「Sho.AI」を経営されているSho Rustさんがゲストで登場。Shoさんは、日本とアメリカで学生時代を過ごし、今から6年近く前、まだあまりAIが話題にのぼる前からAIの可能性を信じて起業されました。今回は、チャットGPTが登場したことによる競争の激化、経営していく上での難しさ、大手に対抗するための戦略などについて幅広くお話を伺いました。


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This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is Reina Moro. 皆さんこんにちは。
ニューヨークと東京を拠点にするグローバルインベーションファーム I&CO 共同創業パートナーのReina Moroです。
この番組では、世界で活躍するトップランナーの クリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストも前回に引き続き、 AI を使って企業のブランディングを行う会社、
SHOW.AI を経営されているショーラストさんです。
ショーさんは実は日本人とアメリカ人のハーフで、 日本で14歳まで育って、
高校の時にアメリカの高校に行き、
大学はいわゆる、それこそその企業化を たくさん出しているアイビリーグだったりとか、
シリコンバレーの大学に行かれたわけではなくて、
アートセンターというデザインアートの大学なんですが、
そこに行かれて、その後、いくつかの会社を渡り歩いて、
6年前に起業されたという、
いわゆる企業化の道とは違う道を歩んできている方なんですね。
なので、日本人である僕ともちょっと共通点があったりとか、
彼がやってきたデザインというところにもすごく親近感を感じて、
今回のこの対談、興味津々で始めたというわけです。
今回はそんなショーさんに競争が月下する AI サービスの未来についてお話を伺いました。
So, let's get started.
起業するにあたって、投資家からの支援は受けましたか?
私たちは外部からの資金調達には慎重でした。
投資家からの支援を受けたことで、
創業者たちがリーダーシップを握ることができなくなった例を、
これまでたくさん見てきたからです。
投資家から多額の資金を調達すれば、
会社を急ピッチで成長させて利益を出さなくてはいけません。
私たちは、ただ会社を大きくするのではなく、
自分たちらしく賢く成長したいと考えているのです。
会社を経営していく上での難しさは何ですか?
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会社の売り上げは、もうプロダクトに投資する必要はありません。
私たちのプロダクトはすでに素晴らしいものです。
しかし、それは私たちのクリエイティビティーやイノベーションの文化を殺しました。
私たちの会社に最初の魅力は何でしょうか?
私たちは、プロダクトを作るべきだと考える人たちの間で、圧力が生まれたのです。
その時、私は製品には十分な自信があったので、
営業を統括するマネージャーを雇って、
製品開発から目を背けるという選択をしてしまいました。
結果的に、これは大失敗だったのです。
テック企業として会社を起こしたのに、
開発から目を背けて、営業の人たちを大量に採用して、
たった数ヶ月で従業員の数を3倍にしてしまったことで、
会社の雰囲気は大きく変わってしまいました。
人が増えれば、オフィスも大きくしなければいけないし、
やることが増えすぎて、逆に生産性が下がってしまったのです。
この失敗から、数よりも質が大切なんだということを学びました。
私は、あなたの製品は、
AIをクライアントに使って、
デザインアセットのマネージメントと
コーポレーションのデザインアセットの生産性を
より簡単にして、より効率的にしています。
AIの特徴をご紹介ください。
ショードットAIの製品の特徴は何ですか?
私たちの製品の特徴は、
クライアントがAIを使って何をしたいのか、
なぜそれをしたいのか、ということを細かく聞き取って、
相手の希望に合わせて、製品をパーソナライズしていることです。
これがしたいという希望がなくて、
とにかくAIで何かやってみたいということであれば、
ChatGPTを使えばいいと思いますが、
多くの企業は、効率化したい作業など、
業務上の課題を抱えていますから、
その課題を的確に解決できるようなAIが必要なんです。
私たちの仕事は、クライアントのニーズを聞き出すところから始まります。
例えば、映画007シリーズの凄腕のスパイ、ジェームズ・ボンドは、
たとえ誰かの手を借りなくても、
一人で任務を達成できるかもしれません。
しかし、Qが様々なスパイ道具を作って手助けすることで、
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一人では成し遂げられないような華麗な活躍を見せることができます。
凄い人が凄い道具を手にすれば、
向かうところ敵なしだというわけです。
私たちの製品も同じです。
私たちのクライアントは、すでに経済誌Fortuneの
世界のトップ企業500に選ばれるような一流企業が多いんですが、
すでに凄い会社だからこそ、超一流になるために、
凄い道具、つまり私たちのAIが必要なんです。
Qが凄いスパイ道具を作ったからといって、
それを普通の人に渡しても、
その人がジェームズ・ボンドみたいな凄腕のスパイになれるわけではありませんよね。
それと一緒で、私たちの製品は、
凄い会社をさらに素晴らしくするような、
相手の能力を拡張する存在なんです。
チャットGPTが発表されたことで、何か変化はありましたか?
チャットGPTが発表されたことで、
人々のAIに対する認識は一変しました。
質問を投げかけた時に、
まるで機械が回答タイピングしてくれているかのような、
一瞬の待ち時間を作ったのも、
デザイン的には大成功だと思います。
チャットGPTが出現したことによって、
みんながAIに対して興味や親近感を持つようになったんです。
私のビジネスに関しては、
良い影響と悪い影響の両方があると感じています。
良い影響は、
みんながAIでできることを理解したことで、
私たちのビジネスへの関心も高まったこと。
一方で、悪い影響は競争が激化したことです。
マイクロソフトやAmazonのような
仰ってテック企業が、
新しいAIのプラットフォームを開発しようとしていますので、
私たちはどう考えても規模では勝負になりません。
ただ、私たちが彼らに勝てる点もあります。
それはスピードです。
大手テック企業の場合、
開発したものをみんなで検証して、
その度にミーティングを行って、
承認プロセスを経ていかないと、
製品を完成させることができません。
でも、私たちは人数が少ない分、
そうしたプロセスを踏まずに、
4ヶ月も5ヶ月も早く製品化することができるんです。
しかも、大手テック企業が今やっているような
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顧客のニーズの聞き取りは、
私たちは4年以上も前からやっていますから、
みんながどんな製品を求めているか、
これを既に理解しているという意味では、
私たちにだって勝ち目はあります。
AI業界は競争が激しくなっているので、
大金を投じて製品を開発している途中で、
他の会社が同じようなものを先に発表してしまって、
がっかりしたこともありますが、
小さい会社の強みを生かして、
スピードで勝負していきたいと思います。
ここまでお送りしてきました、
レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回は、show.ai を起業されて経営している
ショーラストさんに、競争が激化する
AIサービスの未来についてお話を伺いました。
チャットGPTが出たのが、
2022年の11月だったと思うんですが、
まだ1年半経っていないだけでも、
変化がものすごく一致するし、
言葉の世界でもチャットGPTがやるようなことだったりとか、
チャットGPT、オープンAIが提供している
DADIという画像を生成するツール、
他でもMidJourneyだったりとか、
動画を生成するランウェイメールという会社があったりとか、
彼もAIを使ってデバイスを開発していたと、
カメラと音声が搭載されている
シャツにつけるようなピンみたいな形で
つけるようなデバイスだったんだけど、
みたいなことをおっしゃっていたんですが、
それも去年の秋にHumaneという会社が
AIピンというデバイスを発表して、
この会社の創業者のお二人は夫婦の方なんですが、
実は以前Appleで働いていたデザイナーと
プロダクトマネージャーのお二人が起業されたんですね。
その彼らもしばらく前からこの会社は起業されていて、
どういうプロダクトを開発されていたかというのは
発表されてはいなかったんですが、
去年の秋に発表するということになって、
ショウさんも自分で開発していた、
考えていたプロダクトも、
そっちが出されちゃったからということで諦めて、
今のやっていることに専念されているということなんですけども、
このテクノロジーの世界、そして今後AIの世界というのは
スピードとタイミングというのが
すごく物を言う勝負だなとは思います。
例えばこの間、これも10月、11月の発表だったんですが、
オープンAIが今何を開発しているか、
そしてオープンAIが提供するツールが
今後どういうことを可能にするかという発表する会が
DevDayというのが数ヶ月前にあったんですが、
その時にGPTというのを発表したんですね。
それは何かというと、誰でもチャットGPTを使って
自分のエージェントを作ることができる、
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自分なりの専門家というのを自動化できる
というツールを発表したんですね。
これは以前の例でいうと、
例えばAppleがアプリストアを開いたみたいに
誰でもアプリを作れてそこにアップロードして
そしてそれを売ることができるというのが
このGPTで可能になるんですね。
この予約をしてくれるエージェントみたいのは
今までは誰か他の人が開発をしていて
それを買わなきゃいけないような形になっていたのが
今では個人個人が作れて
そしてそれを自分で使うことも可能ですし
他の人も提供するということが可能になる。
でもそういうことによって今までそれを開発にしていたチームだったりとか
スタートアップが一気に倒産しちゃう
もしくはする可能性がグワッとそこで出てしまったように
1年前、6ヶ月前には考えられなかった未来が
今現実になっていて
そして3ヶ月後、6ヶ月後にはまたもしかしたら
そういうことが起こるかもしれないというのが
今の現状なんですね。
AIでもちろん今までできなかったことができるようになる
というのもすごいんですが
20年前に起きたインターネットデジタル改革のスピードよりも
さらに速いスピードでいろんなことが可能になっている
というのが現状なので
ある意味すごい危機感もあればある意味ワクワクする。
ショウさんはどちらかというともちろん危機感を持ちながら
仕事をされていると思うんですけれども
少なくとも話しているときはすごくワクワクしながら
でも本当にそれは心の中から
この新しいこと、デザインとテクノロジーの狭間で
新しいことを作っていく、新しい未来を作っていくのを
ワクワクされてやっているんだなとは思いましたね。
ショウさんは世代はもう15歳ぐらい離れているので
全然違うんですけれども
僕が個人的に今例えば25歳とか30代だったら
彼みたいなことができていたらいいなという
ちょっと羨ましくなるような存在でもあったので
全然僕よりも若い人なんですが
そういう意味で尊敬できる部分があったので
今からこの会社をどういう方向に持っていきたいか
ということを聞いたときに
成功することは大事なんですが
お金を稼ごうという目的でやっている感じがしなくて
もう本当にこのテクノロジーとデザインの
可能性にワクワクをして
新しいことにチャレンジしているという
そういう姿が素敵だなと思いました。
それに踏まえて今回のこの後編の
3つのキーテークが多いです。
まず1つはスケールアップだけがゴールではない。
2つ目にAIとは
プロをさらにレベルアップするもの。
そして3つ目は神は細部に宿る。
この1つ目のスケールアップだけが
ゴールではないというのは
確かに今までこの6年近く会社を経営されてきていて
投資は受けてはいるんですが
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あまり無理に巨額の投資を
受けようとしていないんですね。
これっていわゆるシリコンバレーのスタートアップの
進め方あり方と結構違っていて
スケールアップを目指すのではなくて
本当にいいものを作るためにいらないお金は
外部から受け取らないというちゃんとした哲学を持っている
そのスケールアップだけがゴールではないというところを
本当にいい働き方そして彼の生き方に感じました。
これが1つ目。
2つ目はAIとはプロをさらにレベルアップするツール。
これは彼がこの話の中で使っていた比喩に
すごく面白いなと感じたんですが
ジェームス・ボンドの映画を想像してみてください
というふうに彼が言ったんですね。
その映画の中で主人公のジェームス・ボンドに
使えるQという存在がいるんですが
これ何かというとMI6という
シークレットサービスの団体の中の組織の中の
Qというのは科学者で
ジェームス・ボンドが使うツールを
開発している人なんですね。
ジェームス・ボンド自体もすごく能力があって
肉体的にも知能的にもすごい能力の持ち主なんですが
その彼をさらにパワーアップするのが
Qの存在だと。
AIというのは実はそういう存在で
もちろん素人の人にとっても
役に立つ部分はChatGPというようなもので
誰でも使えてある程度のことができるような
ツールでもあるんですが
ショウさんが作っているAIというのはQのように
すごい人をさらにすごくする
そういうAIのあり方があるんだということを
彼の話の中で何か初めて気づいたんですね。
この例えってすごく分かりやすくて
これはクリエイティブとかデザイン業界だけではなくて
音楽だったりとか文章を書くだったりとか
その普通の作業でも全然いいと思うんですけども
Qのレベルをさらに次のレベルに持っていく
パワフルな武器だなっていうことを
今回このショウさんに教えてもらいました。
3つ目は紙は細部に宿る。
英語でもこの直訳されている
Gardens in the Detailという言葉があるんですが
実はこれはデザイナーの人が言い出した言葉で
物を作る時にもちろん全体像だったりとか
本当に大事なのは実はディテールなんだよねっていうことなんですね。
ショウさんがおっしゃっていたことで
これもハッとしたんですが
ChatGPTがすごかったのはもちろん
LLMといわれるラージアングルモデルという技術で
たくさんの膨大なデータを使うことによって
機械がどうやってしゃべることを可能にするかっていうのが
そのデータに基づいていることもすごいんですが
ChatGPTで意外と取り上げられないのが
インターフェースなんですね。
すごく細かい違いなんですが決定的な違いが
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ChatGPTがやったっていうのは
入力した時にAIが考えていることが
リアルタイムにバーっと出てくるっていうのが
あたかも向こう側に生きている人がいて
それと対話しているような錯覚になるんですね。
その文字の動き
文字が動いているっていうインターフェースって
実はすごく大きくて
対話のインターフェースそれも静止画だけではなくて
動画で動きで見せるっていうところが
すごくイノベーションだったっていうのを
彼がおっしゃっていて
やっぱりそのものを作る時ってディテールは大切で
まさしくこの紙は細部に宿る
という言葉の重要性をここで気づかされました。
まとめますと今回このショーラストさん
競争が激化するAIサービスの未来についてのお話なんですが
3つのテイカーウェイはまず1つ目
スケールアップだけがゴールではない
2つ目AIとはプロをさらにレベルアップする
そして3つ目に紙は細部に宿る
これがショーラストさんとのお話のテイカーウェイでした。
そしてもしこの番組を気に入っていただけましたら
Apple PodcastやSpotifyで五つ星の評価をいただけると嬉しいです。
次回もどうぞお楽しみに。
世界のクリピュー志向、お相手はリーノでした。
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