2026-01-13 42:44

#156「逆算する人生設計」

spotify apple_podcasts

第156回は、広告代理店出身の建築家・山之内淡さんがゲストで登場。山之内さんは「Architecture of Ghost」と「More than an Architect」というご自身の哲学に基づいて建築の仕事をしているそうです。山之内さんは、なぜ建築家になる前に広告代理店に勤めることを選んだのか?今回は「逆算する人生設計」について、詳しくお話を伺いました。


◆山之内淡さん

https://awgl-inc.com/


◆レイ・イナモト SNSアカウント

https://twitter.com/reiinamoto

https://www.instagram.com/reiinamoto_jp/


◆お便りやご感想はこちらまで!

https://airtable.com/shra6I39HB89bCR2U


See Privacy Policy at https://art19.com/privacy and California Privacy Notice at https://art19.com/privacy#do-not-sell-my-info.

サマリー

このエピソードでは、山内丹さんが広告業界から建築業界への転職の経緯と、そのクリエイティブなアプローチについて話されています。また、プロデューサー的な能力を重視し、逆算する人生設計の重要性が強調されています。さらに、建築におけるアーキテクチャオブゴーストとモダンアーキテクに関して語られ、特に猫のために設計されたアーキャッツリーハウスに焦点が当てられています。アニミズム的な視点から、猫による住宅空間の要望を汲み取る過程が詳述され、建築と動物との関係について新しい視点が提供されています。山内さんは逆算する人生設計について述べ、長期的なキャリアの観点から考える重要性を強調しています。彼は、建築業界における独自のアプローチや焦らずに人生を育む姿勢にも触れています。逆算する人生設計を通じて、焦らずに遠回りをすることや勝ち負けに囚われない生き方の重要性が示されています。

山内丹の経歴
This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro. 皆さんこんにちは、ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO、共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストは、広告大典出身の建築家、山内丹さんです。 山内さんは、ご自身の哲学、アーキテクチャブ・ゴーストとモーダンアーキテクを軸に、住宅やホテルなどの建築を手掛けています。
今回は、そんな山内さんに、逆算する人生設計についてお話を伺いました。 So, let's get started.
クリエイティブ・ボイス
山内さん、初めまして。
初めまして、よろしくお願いします。
レイ・イナモトさんのことは、学生の時から存じ上げていましたので、お話いただいた時には、自分でいいのかな、みたいなのを思いつつ、すごく光栄な機会をいただけて嬉しいなと思っています。
ありがとうございます。
もともと山内さんは、広告業界にいらっしゃった方で、そこから建築という道に歩まれているんですが、そこの変化っていうのって、あまりないとは思うんですよね。
まずですね、おっしゃっていただいた通りに、広告業界に僕はおりまして、広告大典の白鳳堂にいました。
そこから建築家になっておりまして、このキャリアの転換っていうのは非常に珍しいと思います。
自分の知る限りの範囲ですが、自分以外に今のところはいないかなと思っていまして、逆はいるかなと思います。
建築をやられていて、広告業界でイベントのお仕事とかされている建築師さんもたくさんいらっしゃると思うんですが、なかなか逆はいないかなと思っています。
その意味では、すごく珍しいというのはその通りかなと思いました。
なぜ、そのような広告から建築に行ったかという話をさせていただきますと、ちょっと幼少期と言いますか、かなり前のところからの話になります。
僕は父親が建築家をしておりまして、本当に小さい頃から育った家も父親のデビュー作の住宅ですし、事務所も併設されていたので、
父親の仕事ぶりと言いますか、日々の仕事もよく見ていましたし、建築の専門家、建築の専門家の雑誌、メディアというものも非常に早い段階で、あまり意味も分かっていなかったんですけれども、
あとは建築家の業界って非常に狭い業界で、いろんな方が遊びに来ていたんですよね。
当時はちょっと理解できていませんでしたけど、今振り返ると、例えば熊賢吾さんが、僕の実家は北海道の札幌市だったんですけど、熊賢吾さんがゴルフに来て一緒に行って、その後家に寄るみたいな、
そういったことはかなりあって、熊賢吾さんは有名なので挙げましたけど、その他の先生たちもたくさんいたりとか、
なので、育っていく家庭のプロセス、育っていく環境が、すごく建築が身近にあったというのが一つ大きくあります。
早い段階で、建築好きだなと思ったんですよね。それは親の擦り込みみたいなことも多分あったかもしれませんが、建築面白いな、好きだなって思いました。
特に僕はフランク・ゲイリーの作品誌を見た時に、ちょっと痺れてしまいまして、これは面白いなということで、本当に小さい時にですね、小学生の低学年の時にはもう決めていました。
なので、建築家になりたいっていう風に建築が好きだなって思って、なりたいなと思ったのが非常に早かったというのが一つあります。
そういったモチベーションがあって、その観点からいろんな建築家の方のお話を聞いたりとかですね、建築の専門家みたいなのも早い段階から読んだり、
建築業者の現場にも実は早めについていって、小学校・中学校で実はもう建築事務所の仕事っていうのは参加してたりするんですよね、できる範囲でですけど、
なので、非常に早くて、その中で建築家のキャリアのピークが70代から80代に来るものなんだなっていうのを子供ながらに一回というか認識をしました。
今ほどもちろんこんなクリアには言語化できてないですけれども、ちょうどその時の祖父が80歳くらいだったのかな、なので祖父ぐらいの時に全盛期が来る職業なんだなっていうのをなんとなく見ていて、お話を聞いたりする中で理解しまして、
じゃあその時にちゃんと全盛期を楽しく建築作れるようになってたいなっていうのがあったんですよね。
その観点でいろんなことを学んだり、そこのフィルターが結構あって、70歳くらいにピークになるんだっていうのがあります。
最近、よく友人たちからもその考え方は伝統芸能の方みたいだねっていうのがよく言われますね。
特に歌舞伎の方とか能をやられてる方とかってそういう同じような考え方されるのかなと思うんですけど、
特に来々続いた建築家の過程とかではないですが、70、80くらいに再盛期が来るものだっていうふうに小さい時に思って、
その中で建築家の方々のお話を聞いたりすると、建築家に求められてる力といいますか側面が2つあるなっていうふうに思いました。
1つが建築を作っていく力、そのクリエイターとしての力で、
もう1つが統合していく力といいますか、影響していく力、プロデューサー的な能力の2つ側面がある仕事なんじゃないかなと、
子供なりに、ここまでクリアには展開していないですけども感じて、
その中で、自分はもうすでに作る力の方は手伝ってもいましたし、建築学科でもちろん学んだんですが、
そこを改めて、誰かの先生の弟子になって伸ばすというよりは、プロデューサー的な力を伸ばした方が結局はいいんじゃないか。
これからの時代は、作る力っていうのはもちろん引き続き必要になるものだと思うんですけど、
分野も多様になって、いろんな考え方が生まれていっているなという実感もあったので、
プロデューサー的な能力を伸ばすというところを考えて、大学院から先行をよりビジネスとかデジタルのテクノロジーとか、
いろいろ混ざった大学院に行くというところで、まず1回目の転換をしまして、
その大学院は社会人向けに作られた文系理系、芸術系もいますし、社会人の方が半分くらいいる大学院で、まだ新しかったんですけど、
そこに入って、その中で伝える力、建築学科をうまく翻訳したりして、伝える力がかなり必要なんじゃないかなということに気づいて、
そこで、広告代理店かなというところで、
インターンの募集というのがあったんですけど、
アクフォードにインターンが募集されていて、そこでインターンに入ったらそのまま泣いてもらったので、じゃあ行こうという感じです。
なので、クリエイター的な力、プロデューサー的な力ってある必要だって気づきが幼少期からの環境としてあって、
プロデューサー的なところを伸ばそうと思い、大学院からチェンジして、そのまま就職を一回してという感じです。
ちなみにアクフォードではどんなお仕事をされていたんですか?
当時はアクティベーションプランニングって言うんですかね。
コードデザインとかってアクフォードで呼んでたんですけど、いわゆるコピーライター、CMプランナーではなく、より工技な企画立案をするっていう、
ちょうどそういう部署が立ち上がったタイミングで、そこに結構一本ずりされたっていう感じですかね。
逆算する人生設計
大学院でもちょうどプロジェクションマッピングですとか、今AIで使われているPythonのコーディングとかも一応習っていて、
僕も好きでやってたので、そういうデジタルがわかっている若い人材みたいな意味合いもあったと思うんですけど、
ちょうどプロジェクションマッピングのイベントとかすごく多かった時期なので、そういうアクティベーションプランナーみたいなところで入りました。
ちなみにリスナーの方のためにアクティベーションってどういうことかっていうと、
例えばイベントとか、実際に消費者の方が企業とかブランドのことが何らかの形で体験できる場を作るっていうことですよね。
はい、おっしゃる通りです。
じゃあ具体的に言うと、そこで山内さんが企画担当されたもので一番印象に残っているとか、
自分は広告業界もしくはハコードの中でやった仕事で、これが一番良かったなとかっていうものがあったりします?
そうですね。自分が全てディレクションしたってわけではないですが、参加しているものとして印象深かったのは、
僕はもともと非常に漫画アニメーションが好きでして、
自分で言うのもおかしいですけど、ゴタクだと思うんですが、そうなんですよね。
いまだにアニメーションを非常に大量に見てたりしますし、
なんでその漫画アニメーション、ポップカルチャーっていうところにすごく興味があって、それで一つ嬉しかったなって仕事があって、
それは初音ミクのコンサートを六本木でプロデュースしたことですかね。
それはある企業さんのPRと言いますか、プロモーションのイベントとしてなんですけれども、
この初音ミクがダンスしながら歌うみたいなところをプロデュース・ディレクションさせてもらったのがご印象深いかなと思います。
その時はまだパーコードにいらっしゃって、もちろんイベントだったりとかコンサートなどで空間的な要素はあるんですけれども、
その時って実際にこれって建物というか建築みたいな意識で作ったわけではなくて、
あえて例えばその企業のプロポーションとか企業のことを伝えるっていう、そういう意味で作られたわけですか。
そうですそうです。おっしゃる通りで、広告大典で自分が学んだものって一番やっぱり大きかったのは、
いろんな分野の人が関わってくるっていうところなんですよね。
これは当然当たり前のことではあるんですが、自分としては非常に新鮮で、
例えば建築ですともちろん職人さんと設計の仕事が分かれてはいますが、
広告分野ですと非常にもっと多様だなと思いました。
昔からあるCMを作るっていうような仕事もありつつ、
これは本当に広告なのかなっていう分野にもお仕事があったりとか、
その中でいろんな分野の方が関わりますよね。ミュージシャンの方もそうですし、
本当にいろんな方が関わって、特にデジタル分野ですとメディアアーティストの方も含め、
本当に多様な分野の方が集まって何かを作っていく。
そういう分野を超えていくみたいなところがすごく面白いなと思って学びになったところですね。
単純に広告の業務から学んだというよりは雰囲気とか、
あとみんな面白いねっていうことが多分すごく多い。
教会からそうなのかもしれないですけど、何に関してもかなりポジティブで面白いねっていうところも、
ちょっと建築ってアカデミスムがメインにあるということで、
ちょっと批判的な視点がどうしても入るんですよね。歴史も深いってこともあり。
そうじゃなくて、何でも面白ければとりあえず面白いねって言って始めていく雰囲気とか、
そういうところから非常に学びを得ましたね。
建築への視点
分野を超えていく楽しさとか、ポジティブにいいねっていうことのハッピーさっていうんですかね、良さみたいなところ。
あえてコミュニケーションとか広告とかそういうことを伝えるための建築として作りたいという前提があって、
その道に行かれたっていうことなんですけども、どのタイミング、そしてなぜまた建築に戻ろうみたいなそういうきっかけはあったんですか?
そうですね、まず最初から決めてたっていうのがありますね。
もう建築家になるってことは決めていて、多分採用面接でも話してたはずなんですよね。
多分若かったので全部言っちゃってると思うんですけど。
決めてたっていうのが一つあります。
もう一つは、幕王堂とか電通とかもそうだと思うんですが、
広告が好きで広告業界にいたくて入社してくる時ばかりだったので、ちょっと申し訳ない感じもありましたね。
ちょっと日本人的なのかもしれないですけど、自分も辞める前提で入っているので、
本当に広告が好きでずっとやっていこうっていう人が一緒に居続けるのは長くは難しいなって思いました。
なので学べるそうなところを学び、なるべく出ていくということを考えて、長いはしないようにというふうにしました。
ただ、部長の方とか先輩、部長とかに生まれたんだと思いますけど、
すごく心よく送り出していただいて、いまだに仲良くさせていただいているので良かったですね。
同期とも仲良いですし、後期先輩とも仲良いですね。
今、山内さんが軸とされているテーマっていうのが二つあると思うんですけど、
一つはアーキテクチャオブゴーストという言い方をされていて、もう一つはモダンアーキテクということなんですけども、
それはどういうふうに説明されているんですか?
モダンアーキテクトっていうのはどちらかというと作能的な、プロデューサー的な視点の言葉なんですけども、
アーキテクチャオブゴーストっていうのは、より有能的な、クリエイターとして、
ものづくりとしての、作家としての思想みたいなところになります。
意味としては、ゴーストの宿る建築っていう意味になってまして、
もともと北海道で生まれ育ったっていうことも大きいと思うんですが、
日本古来の、自然豊かなところで育った影響は非常に大きいと思っていますが、
日本古来のいろいろなものに魂が宿る人々、植物ですね、
そういったアニミズムの疾走にすごく惹かれるところがあって、
同時に、先ほどちょっとお話ししましたけれども、漫画とアニメーションっていうのは非常に自分の中で大きな存在であると。
そんな中で、そのアニミズム的な自分の芯になるものと、
本当に個人生の多くの時間を捧げてきた漫画アニメーションっていうものをですね、
建築の思想にできないかっていうのを考えていく中で、
シロ・マサムネさんのゴーストっていうものを概念に出会いまして、
広角機動隊でシロ・マサムネさんはゴーストという概念を作られてますけれども、
そのゴーストという概念は、もともとはやはりアニミズムの発想から生まれているものですので、
そこを合わせて、アーキテクチャオブゴーストということによって、
そのアニミズムの考え方と漫画アニメーションへの興味っていうものを一言で言えるのではないかと。
で、作る建築としても、やはりその建築の中にあるそのゴーストを建築の形にしていくというんですかね、
そのゴーストを捕まえて建築の形に具体化するというところが自分の芯になるであろうというふうに思ったので、
服装的な意味ではあるんですけど、自分のアイデンティティ、作家としてのアイデンティティを表現しつつ、
作るものの本質を言い当てるというような言葉で、アーキテクチャオブゴーストという言葉を考えて使うようにしました。
アーキャッツリーハウスの設計
なるほど。じゃあ実際そこから作られている作品とかで、
例えばその考え方アーキテクチャオブゴースト、もしくはそのアニミズムを軸とした作品って、
例えば一番最初にこれが自分の作りたいものだった、気づいたきっかけだったりとか、
これが体現できたきっかけとかってあったりするんですか?
そうですね。非常に一番最初から決めていたので、なるべくそこからコンセプトを発想、すべてのものをしているんですけれども、
多分受けて見ていただく方に一番わかりやすいのは、猫の家、アーキャッツリーハウスっていう、
自分の自定権アトリエがありますが、
それは非常にアーキテクチャオブゴーストに
わかりやすい例かなと思っております。
この家というのはアーキャッツリーハウスと言いますが、日本語だとキャットタワーの家というふうに翻訳されます。
まんまなんですけれども、猫が2匹いまして、
その2匹の猫をお施主さんとして捉えて、
家全体を一つの大きなキャットタワーとして作り出すというようなもので、
ただ建築というのは人間のために人間が作るもので、
建築本体もすべてヒューマンスケール、人間の体の大きさからできていますので、
猫から始めると言っても、必ずどこかで人間の言語とぶつかってくるので、
猫をお施主さんとして捉えて始めることによって、
人間としても豊かになっていく、人間の建築としても豊かになっていく、
そういった交差点を作りたいなみたいな建築なんですけれども、
そういった猫をお施主さんに捉えるというのはまさにゴーストという部分かなと思っています。
猫にとって、猫というのは家猫、我が家の猫たちは家猫さんなので、
猫にとってやっぱり家というのは世界ではあると思うので、
じゃあその猫が住んでいる世界というものをゴーストとして捉えたときに、
どういう建物が出現するんだろうかというような考え方で、
わかりやすくキャットタワーというふうに言っていますけれども、
ある意味猫の体に合わせたランドスケープのようなものを中に入れていくことによって、
どこかヘンマンスケールの発想では、人間の体からの発想では生まれないような豊かな面白い建築ができる。
普通のお施主さん、人間のお施主さんだと階段だらけだと言われるような建物ができるということもありますし、
それがわかりやすいですね。猫をお施主さんというところまで高めて建築を始めていく。
猫が魂となった建物ですよね。
そうです。
建物自体が細かく1階、2階、3階に分かれているというよりかは、
打線状の階段が壁沿いと本棚になっていて、
そこがぐるぐるぐるっと下の階から上の天井、天窓まで見上げて、
それこそタワーのようになっていて、
そこに本棚があって、そこで猫も登ってきるような仕組みになっているという家というふうに見受けているんですけども、
猫のニーズを反映した建築
これじゃあ具体的に言うと、猫は猫で、
気持ちは通じる部分はあるかもしれないんですけども、
これがいいとかっていうわけで、そういうクライアントとしての要望が何がいいかというのはなかなかわからない。
例えばどんなところを工夫してなぜこうなったのかっていうのはどうですかね。
例えばレイ・イナモトさんの家でしたら、レイ・イナモトさんのまさにご要望を聞いたり、
どういったパーソナリティーかっていうのを翻訳して作ると思うんですが、
それと同じように2匹の猫たちの要望を聞くというところから始めています。
猫たちは当然ながら人間のことはしゃべれないので、
非常に人間のお接さの方が楽なんですけど、
猫のお接さんでは非常に困難なんですが、
一緒に暮らしていく中で彼らの好みですとか、
こういうところに多分要望の本質があるだろうなっていうところを汲み取って作るってことをしています。
具体的にどういうところかって言いますと、大きく分けて3つあります。
一つは温度の層ですね。温度の層を細かく選べるっていうところなんです。
ちょっと分かりにくいかもしれないんですが、
それって暖かいところとか寒いところかっていう薄いところが出るよね。
そうです。その温度変化に非常に敏感だなと思っていて、
温度の層を選んで移動している。
その日その日で気持ちいいところを決めている。
多分その手分かりは微妙な温度変化だろうっていうふうに分かったんですよね。
ですので2階建ての家を20センチぐらいで分割していくと、
大体20くらいの高さになるんですね。
20から25段ぐらいの高さになるので、
そういった細かく高さを割っていくことによって温度の層を選べるだろうっていうのが一つ要望としてありました。
要望を実現する形としてあって、それはキャットタワーという形に結びついていたりします。
細かく高さを1階、2階、3階と分けずに細かくしていくことによって、
好みの温度の層を選べるというのが一つ目の要望を形にしたところですね。
2つ目が、これは我が家の施主さんだけではなく、いろんな猫ちゃん、そうだと思うんですけど、
ちょっと離れているけれど一緒にいたいっていうんですかね。
同じ空間にいるんだけれども、ベタベタっとするわけではなく、ちょっと離れているけどじーっと見て一緒にいる。
自分が部屋を移動したら、ついては来るけど、ベタベタはしないが一定距離にずっといるみたいな、
離れてはいるんだけれども、でもみんなで一緒にいたいっていうような要望があるなと思ったので、
螺旋状に階段が巻きついているっていうのは、中心に向かって、急進星って言いますけど、一体感がありますよね。
なので、中心に自分や妻がいて、そのぐるぐるぐるっとした中に猫たちがいると、大きなワンルームの中で一緒にいられるっていうんですかね。
一体感が離れてますが。
そういうので、螺旋状のキャットタワーのような家っていうのが出来上がってます。
3つ目の要望は、24時間の中で温度の層を選ぶってこともそうなんですけど、
もう少し長いスパンで、春夏春冬のくらいの3ヶ月4ヶ月ぐらいのスパンで、猫が場所を移していく、
お引越ししていくみたいなところが見受けられて、多分これも重要な要望なんだろうというところで、
そのキャットタワーのぐるぐるぐるっとした中で、3ヶ月4ヶ月ぐらいで引っ越しぐらいにできるように、
小さい個室ですとか、空間の溜まりですとかっていうのも作ってあげて、
単純にキャットタワーのたくさんの段の中で選ぶっていう、24時間の中で選ぶっていうことと、
あとは拠点を移すみたいなところをちゃんと同居するようにっていうのが3つ目ですね。
その3つの要望を汲み取って、キャットタワーハウスを作ったというような感じです。
いわゆるクライアントがこの2匹の猫ちゃんだということなんですけど、
猫と人間の過ごし方
そこで同居する飼い主である山下さんとパートナーである奥様の方と、
逆に猫は嬉しいんだけど、人間もしくはパートナーの方が、
いやこれちょっと猫のこと優先しすぎでしょみたいな、そういう状況は生まれなかったんですか?
基本的に楽しいなっていうことがあるんですが、
特に妻に最近言われたことがありまして、それはそうだよねってことがあったんですが、
それはルンバが掛けにくいっていう、床がたくさんありますので、ルンバがとにかく使いにくいんですね。
それはごめんなさいってことで僕は掃除機かけちゃいますけども、それは大きいかもしれないですね。
ただ良かった面っていうのは結構たくさんありまして、
特に一番良かった面ですね、良かったなと思ったのは、
過ごし方と暮らし方の違いを多分即認識したなと思いました。
過ごし方と暮らし方の違い?
猫にとっては部屋の名前って関係なくて、
トイレであろうが、キッチンであろうが、食堂であろうが、今であろうが、それこそ階段であろうがですね、
自分の心地いい過ごし方をするわけですね。
猫の要望を聞いて作ると、過ごし方をメインにした家ができた。
それは結果としてそのようになったんですけれども、
一方で人間の家ってどうなってるかっていうと、やっぱり暮らし方から始まってるなと思っていて、
例えばこういう部屋が欲しいとか、こういう今で、こういうシチュエーションで暮らしたいっていうような、
過ごし方がより動物的な状態とかですね、
そういったこと、よりグラデーショナルな状態のあり方みたいなのに対して、
わりと暮らし方っていうのは、あるスタイルとか形式っていうところが軸になってる。
どっちが良い悪いって話じゃないと思うんですけれども、
その過ごし方っていうところは、非常に自分の体に馴染みますし、すごくいいなと思い、
今後、すごくそこを考えていくきっかけになったなと思って、
実際過ごしても楽しいんですよね。
どこで何をするっていうのがあまり決まっていない感じというのが楽しくて、
それはすごく学びになり良かった点だなと思います。
キャリアの逆算
なるほど。ある意味このアーキテクチャゴーストっていう概念は、
やっぱりそこに宿っている魂を大切にして尊重して、
ものづくりをしていくっていうことの今事例として、
猫がクライアントだという建築をご紹介いただいたんですけれども、
このアーキテクチャゴーストっていう概念を仕事をする上で、
例えば他にはどういう展開のされ方をされているんですか。
仕事のスタイルはかなり明確にあります。
ありますといったところは、
自分の建築家としてのキャリアの作り方にも表れているんですけれども、
やっぱり初めから、僕は英語で建築作品をグローバルに出していくというところを考えて、
日本のメディアよりはむしろ海外の国際建築メディアに発表し、
建築書も国際建築書をメインに応募してきています。
その中でやはり問われるのは、自分が日本人であることですとか、
日本人建築家の中でも非常に若いというところですね。
先ほど申し上げたように、建築家のキャリアのピークは70代からだとするのであれば、
30代というのはもうひよこ以前という感じですよね。
ですので、若い日本人建築家であるということが、
やはりグローバルで作品を評価していただいたり知っていただいたりですね、
メディアに取り上げていただいたりする上では非常に大事なポイントになると思っていまして、
そこにアーキテクチャオブゴーストというアニミズムであり、
漫画アニメーションというものに起点がある建築思想を持ち込むということは、
自分がどういう人間なのかということをグローバルな場で表明する上での非常に大事なものになっている。
なので、ある意味自分の名詞的なものとして使う。
それはやっぱりブロックを意識していることで機能するものかなと思っていて、
そこも含めて考えているところはやはりありますね。
国際的な場で自分を自己紹介するときの言葉の一つ。
情報学と広告代理店
グローバルに活躍したい、活動したいという自分のライフスタイルと結びついているコンセプトですね。
なるほど。
その2番目のマナナアーキテクという軸は?
これ実は元ネタといいますか、
いただいたオマージュ先がありまして、
僕はバスケットボールすごく好きで、
バスケ部だったんですけど、
NBAのレブロン・ジェームズ選手が
モア・ザン・アン・アスリートと言っているんですね。
それは意味としては、
1アスリート以上の社会貢献や社会的インパクトを残すという、
彼の一つのライフワークみたいなことを表現している言葉なんですけど、
そのモア・ザン・アン・アスリートという言葉が非常にいいなと思いまして、
モア・ザン・アン・アーキテクトにしちゃおうというのがありました。
これまでの建築画像よりも拡張していく、広げていくと。
それが現代にとってフィットする形であればいいなという、
新しい建築画像を描きたいというような意味で、
モア・ザン・アン・アーキテクトというふうに言っています。
あれですよね、やっぱり山本さんの作品とかを見ると、
いわゆる普通の建築ではなくて、
作られている例えば家一つ撮っても、
他の文脈があったりとか、
建築だったりとか目に見えるものって、
結構感覚的に、右脳的に反応するものもあるとは思うんですけども、
なおかつその裏側に、
差の的というかちゃんと文脈があって、
例えば猫の話だったりとかそういうものだと、
これこれこういうことだから、
さっきおっしゃられたその3つの理由で作られたとかっていうことが、
すごく明確に、理論的に作られているものが、
ある意味、山本さんなりの美意識になっているんだなというのは、
話していて思いました。
ありがとうございます。
おっしゃる通りで、こういったある程度長い時間、
しっかり自分の言葉でお話しさせていただけると、
自分の頭の整理にもなります。
やはりしっかり伝えられているなと感じました。
ここまでお送りしてきました、
玲奈本の世界のクリエイティブ思考。
今回は建築家の山内さんさんに、
逆算する人生設計についてお話を伺いました。
山内さんは、まずなぜ建築家になりたいと思っていたのに、
あえて広告情報の勉強だったりとか、
広告大典という建築とは違う業界に行ったのかということを聞いたときに、
建築家というのは、もちろん物理的なものを作るという仕事をしているんですけれども、
プロデュースするということも力の一つとしてあって、
その2つがあるからこそ建築というものが世の中にできて残っていくんだということを最初から話し始めていたんですね。
そのときに、だったら最初から建築家になってそこで成功を求めるよりかは、
70歳、80歳ぐらいのときにピークが来るようなキャリアがいいなということで、
そのものを作りたいということじゃなくて、
そういうすごい長いスパンで自分のキャリアを俯瞰してみられているなということを思ったんですね。
なので今日のこの山内さんさんとの話、
特にこのエピソードのテーマである逆算する人生設計についてという観点で話すと、
3つのテイクアウエー学びがありました。
1つは人生は長い、俯瞰して逆算しよう。
2つは焦らず遠回りをしよう。
そして3つ目は勝ち負けは意識しなくていい。
これが彼と話した上での僕なりの気づき、そして学びだったんです。
この1つ目の人生は長い、俯瞰して逆算しようっていうのは、
今最初にお伝えしたみたいに、
彼がこの建築家になりたいって思ったのは、もちろんそのお父様の影響だったりとかもあるんですが、
とにかくなんかそのキャリアが長くて、
そして大御所になるキャリアのピークが来るのがずっとその人生の後半にあるから、
そうしたら長いキャリアが持てるなっていうふうに思ったそうで建築っていうのを選んだそうなんですね。
っていうことは、焦らずにその20代で有名になろうとか、
特に今SNSだったりとかYouTubeだったりとかいろんなメディアで、
簡単とは言いませんけども、
昔なんかよりは全然直接何千人、何万人、何百万人のフォロワーを得られるような現実が見えてきちゃってるので、
日本の中学生、高校生が望んでる職業でYouTuberっていうのが1位、2位に入ってるみたいに、
かなり若いうちに成功しようっていうのがチヤホヤされてる社会になっちゃってると思うんですけども、
山尾さんはそういうところに影響全くされずに、
もう本当に長い目で10年、20年、下手したら50年ぐらいのスパンでキャリアを積んでいこうっていうことを考えていらっしゃっていて、
そこから逆算しているから、今の彼なりの成功があるのかなと思います。
それがテイクアウェイの一つ目、人生は長い、俯瞰して逆算しよう。
2つ目の焦らずに遠回りをしようというポイントなんですが、
これはまさしく彼がなぜあえて情報学を勉強して、そしてあえて広告代理店に行ったのかっていうところを、
まずお話を直接聞く前には結構疑問だったんですけども、話を聞いてみるとすごく点が、
少し遠回りにはなっているとは思うんですが、ちゃんと綺麗につながっていたんですね。
というのも、建築家というのは物を作る力、建築という建物を作る仕方に加えて、
統合する力、越境する力、そしてプロデュースする力も大切だと思ったんです。
なので、情報っていうことを学んで、そしてそれを伝えるってことを学ぶために広告代理店に行ったっていうことをおっしゃっていて、
僕が20代の頃そこまで見えて、そして自分が建築をやりたいと思っていたら、そこにガムシャラに向かうしかないって思うと思うんですけども、
あえてそうではなくて、別のところに行って、そしてそこから数年後に建築家にまた戻って、建築家として道を進み始めるっていうのは、
特に20代だったら結構不安じゃないかなと思うんですよね。
でも話を聞いてみると、不安っていうよりかは、もう結構ちゃんと自分の人生設計というか人生計画の道のりがいくつかあって、
その道の駅じゃないですけども、そこに大学だったりとか大学院、そして広告代理店みたいな道の駅がいくつかあって、
逆算と遠回りの重要性
それを通過していって、その先に建築っていう太い道がずっと70歳、80歳になるまで続いてるっていう絵になるかなと思うんですが、
あえて遠回りしたことが彼の今の強みにすごくなってるなとも思いました。
そういうことをやったことによって、どうやって物事とか概念を人に伝えていくかっていうことが直接的もしくは間接的に彼の力になって、
それが今やっていらっしゃること、ここをずっと彼が建築家としてやっていらっしゃることの強みにすごくなってるなと思うんですね。
だから、そうやって人生を長く捉えて俯瞰してみて、逆算して、そしてこういう遠回りをするのって、
その時はそこからすぐ成果が出るってわけではないとは思うんですが、
でもちゃんとその俯瞰して物事を見ると、実はすごい力になるっていういい例だと思うので、
皆さんもぜひ、特に若い方、参考にしていただけるといいんじゃないかなと思います。
3つ目、勝ち負けは意識しなくていい。
これもですね、彼と話していて、なんか全然ガツガツしてる感じがしなかったんですよね。
ご自分でも自分は漫画オタクで、アニメオタクでっていうふうにおっしゃってたんですけども、
なんかそういう雰囲気はすごく伝わってきて、勝つために、例えば大学院に行くとか、勝つために高校大に行くとかっていうことは全く伝わってこなくて、
もう本当にその建築っていうことが、その幼少期の時からお父さんの仕事でそういうところに触れるっていう機会がたくさんあったと思うんですけども、
この俯瞰、逆算、遠回りっていうことを意図的にやって、結果的に勝ってるって言っちゃうと語弊があるかもしれないんですけども、
でもそこは彼自身が意識して勝とう勝とうっていうよりかは、もう本当にそのちゃんと意味のあるものを作っていくためにこういうステップを踏んで前に進んでるなっていうことが話していて感じてきたので、
なんか今こういう、特にそのキャピタリズムの世界というか、そういう中で生きている、そういう社会で生きていると勝たなきゃいけない、勝ち組みたいな言葉があるみたいに、なんかそういう概念が植え付けられてると思うんですけども、
実はそれってあまり必要のないことかもしれないっていうのを山下さんの話の中で改めて思わされたわけです。
今日のキーテーカウェイ3つは、1つ目、人生は長い、俯瞰して逆算しよう。2つ目、焦らず遠回りをしよう。そして3つ目、勝ち負けは意識しなくていい。
勝ち負けを意識しない生き方
もしこの番組を気に入っていただけましたら、Apple Podcast や Spotify で5つ星の評価をいただけると嬉しいです。そして次回も引き続き山内さんさんにお話を伺います。どうぞお楽しみに。世界のクリップ思考、お相手はりなもとでした。
デジタルガレージは、危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これから来るWeb3、オープンソース時代を見据えた、テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクより是非ご覧ください。
ニューコンテックスデザイナー デジタルガレージ
42:44

コメント

スクロール