2024-05-02 21:08

【1-7】言語能力の性差はどこから誕生するのか~性別や年齢は全く関係ない~【RADIO Kitsch 脳とジェンダー編7】

言語力・言葉を扱う巧みさにはなぜ男女差があるのでしょうか?前回に引き続き、子どもたちに対する実験を見ながら、謎を解き明かしていきましょう!




【今回の内容】

子ども脳性差研究の現状/遺伝or環境/従来の定説/性ホルモンの賞味期限




【参考文献】

アンジェラ・サイニー『科学の女性差別とたたかう 脳科学から人類の進化史まで』東郷えりか訳、作品社、2019年

サイモン・ルベイ『脳が決める男と女 性の起源とジェンダー・アイデンティティ』新井康允訳、文光堂、2000年

ダフナ・ジョエルほか『ジェンダーと脳』鍛原多恵子訳、紀伊国屋書店、2021年

ポーラ・J・カプランほか『認知や行動に性差はあるのか』森永康子訳、北大路書房、2010年

リーズ・エリオット『女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子供の育て方』竹田円訳、NHK出版、2010年

新井康允『男脳と女脳 こんなに違う』河出書房、1997年

竹内謙彰「空間能力の性差は生得的か?」『心理科学』第16巻第2号(1994)

田中冨久子『脳の進化学 男女の脳はなぜ違うのか』中公新書ラクレ、2004年




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武蔵大学人文学部ヨーロッパ史専攻。好きな科目は世界史。

実は専攻はジェンダー研究ではないのだが、好きすぎるがあまりラジオを始めてしまった。




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00:04
おはようございます。スタジオキッチュの三木裕蘭です。
脳とジェンダー編前回からの続きでございます。
前回は、脳にジェンダーはあるのかという問いにちょうど入ってきたところでした。
その前段階として、男性の女性能は存在するのかということをまず先に片付けました。
男性の女性能に関しては復習としてもう一回説明すると、
男性の女性能という単一の秩序のもとで成り立つスペクトルみたいなもので表される男性の女性能の指標というのがまず存在しない。
単一の秩序のもとに男性の女性能が成り立つシステムはそんなにきれいにはできていないということでした。
そして私たちの脳というのは男性的な特徴と女性的な特徴の両方を合わせ持つパッチワーク状態、モザイク状態が普通のことなんだと。
だから男性も女性的な特徴を持っているし、女性にも男性的な特徴があると。
となると何を男性能と呼んで何を女性能と呼べばいいのかがわからなくなってくるという話でしたね。
そしてその上で前回は脳にジェンダーがあるのかという問いに、まず脳というものが私たちの行動とか身の回りの環境で簡単に変わってしまうということを説明しました。
そしてちょうど前回が言語能力、いわゆる女性の方が言語能力が高いよねみたいな感じで使われるあの言語能力が実際に女性の方が高いのか。
もし高いのだとすれば、または私たちが高いように思えてしまうのはなぜなんだろうかという疑問が浮かんできた。
なのでそれを検証してみようというのが前回でした。
そして前回の最後に、成人を対象にする研究実験では、たとえ精査が見つかったとしても、それが正徳的な精査なのか、もともと持っている生まれつきの精査なのか、
それとも何かの環境要因とか行動とかストレスとかそういう複合的な要因で変化してしまった後のものなのか、つまり好転的な精査なのかというのがどっちかわからない。
だから成人研究を見ても拉致が明かないよねというのがあった。
そして今回は、この拉致が明かない成人研究に対する一つの攻略法として、子どもに対する脳の精査研究を見ていくというのが今回ですね。
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じゃあ早速本題に入りますけど、これはまず言語能力の実験ですけど、
子どもに対する脳の言語能力の精査の実験って、実は過去に何度も行われていて、結構比較的数は多いんですよね。
この言語授業に関わる能力を見るので、脳の言語への部分を見ていきます。
言語への部分っていうのは、大抵は左脳の側頭平面という場所らしいです。
ここの大きさを見ていく。
大体いろんな研究も、新生児から思春期の子どもぐらいまでを対象にして、いろいろ実験が行われています。
ただですね、こういう過去に行われた実験を見ても、今行われた実験を総括してみても、
子どもの言語処理に明確な精査があると証明できたものは一つもない現状。
というのも、確かに精査を示した研究たち、実験たちっていうのは存在するんですが、
その研究たちが互いに矛盾し合っているということですね。
例えば、新生児の男子女子の言語処理を比較した数少ない研究同士が矛盾し合ったりしているんです。
互いに相反するような結論を導いてしまっていたりするわけです。
こういう研究が過去に行われていて、逆にこういう研究しか見るものがないので、
正直言語処理、子どもの言語処理に精査があるってはっきりと言えるかと言われたら、言えないのが現状ですね。
ですが、別の方向から子どもの言語能力、言語処理になぜ男女差が出ているのか、
っていうのを説明する面白い研究が一つあります。
これは、なぜ子どもの言語能力が高くなるのか、その高くなる原因は何なのかと調べたものです。
この研究によると、子どもの言語能力、これは子どもに限らないことかもしれませんが、
年齢や成熟度、子どもの年齢や成熟度よりも言語経験の量に言語能力というのは左右される。
つまり、年齢とか成熟度とかは後にして、言語経験の量、どれだけ言葉を使ったか、
その経験の量が子どもの作能の言葉の扱い方、ここを成長させていく、決定させていくんだということが明らかになったそうですね。
だからこれは、子どもの年齢がどうたらこうたらとか、子どもの性別がどうたらこうたらとか、
その成熟度、どれだけ年齢がいってるかとか、そういうのには関係ない。
06:03
ただ言葉の経験、言葉を使った経験量が影響しているんだというふうに結論を導いた、そんな研究がありました。
また別の研究ではですね、親とか周りの大人っていうのは、男の子に対してよりも女の子に対してより積極的に話しかける傾向があるという結果を発表した論文もあったんですね。
なので、大人が女の子により多く話しかけるんです。
となると、女の子の方が言語の経験量、言葉を使った経験量が豊富になる。
すると、女の子が男の子よりかは言語能力が高い状態になるというふうな推測もできるということですね。
またさらにはですね、子ども同士のしゃべる量、これに男女差があるんじゃないかというふうに導いたものもありました。
実はですね、女の子同士っていうのは男の子同士よりも互いによくしゃべるらしいんですよね。
なので、例えば双子とか友達同士とか、それが女の子同士なのか男の子同士なのかでしゃべる量が変わってくるんだと。
しゃべる量が変わってくると、言語経験量が変わってくるんです。
となると、それだけ差能が育つ、言語屋が育っていく。
その育ち方の程度に差が出てくるよというふうな推測ができるということですね。
とはいえ、そういった環境的な要因、誰としゃべるか、どれだけ言葉を使うのかということが言語能力に影響するとして、
言語能力はどれだけ遺伝するのか、つまり生徒的な要因、これ遺伝。
どれだけ遺伝するのかっていうのを調べた研究もあります。
どれだけの確率で遺伝して、どれだけの確率で環境的な要因が影響してくるのか。
これを調べたものがあります。
これはですね、行動遺伝学という学問の実験方法を用いたそうですね。
行動遺伝学について簡単に説明しておくと、お互いの遺伝関係が明らかな人々を対象にして、
読解力みたいなとある行動形質がどの程度同じか、または相関関係があるのかというのを測定するんだそうです。
これの行動遺伝学の実験方法を用いた研究によると、子どもの発話流暢性、いわゆる言語能力の一つです。
発話流暢性は40%遺伝で決まる。
そして60%は環境が大きな影響力を持っているそうです。
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さらにはですね、この研究、この40%や60%っていうのは発話流暢性のみを対象にして実験したものなんですが、
この後ですね、同じような研究、この研究を踏襲した大規模な実験が行われて、
子どもの言葉の知識、言語の記憶、発話の明瞭性っていうのも、
おおよそ同じ程度の確率で遺伝して、同じ程度の割合で環境が影響してくるというふうなことが分かりました。
だから40%は遺伝で、残り60%が環境要因によって言葉の能力、言語能力っていうのが育っていくんだということでした。
ちなみにこれはあくまで遺伝の話なので、性別によってどうたらこうたらみたいなことは、
40%、60%の数字とは関係しません。
つまり性別が男だろうが女だろうが、つまりオスの人間が生まれてようがメスの人間が生まれてようが、
40%の割合で遺伝する、そして残り60%環境要因ということは変わりはないということです。
ちなみに性別による言葉の言語能力の遺伝がどうだったかというと、
確か1%ぐらいにしか性別は影響していないというふうに書いてありましたね。
ではその60%が環境によって決まるということで、環境のレベルを示す指標にですね、
社会経済的地位という指標があります。
これはいわゆる親が大卒で専門職に就いているとかだったら、社会経済的地位は高まる、大きい数字で表して、
逆に親が大卒じゃないとか高卒とか中卒とか高校中大とかで専門職に就いているわけでもないとなったら、
この社会経済的地位は低い。
この低いと高い、このスコアたちで環境のレベルを示していきます。
さっき言ったように大卒で専門職親がとなったら、その環境のレベルは高いということ。
そして親が専門職じゃなくて高校中大でみたいになったら、環境のレベルが低いということで表していく。
こういう社会経済的地位というものを用いた子どもの言語能力を調べる実験では、
この社会経済的地位が高い家庭、つまり裕福な家庭ということです。
この裕福な家庭の子どもは話しかけられる回数が多い。
逆に貧しい家庭の子どもはそのような言語経験量に乏しいか分かってそうですね。
つまりこの社会経済的地位のようないわゆる環境、子どもを取り巻く環境っていうのはその子の言語能力に大きな影響をもたらすんだそうです。
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つまり裕福な家庭に生まれれば何回も話しかけられる。
それは貧しい家の子に比べて何回も話しかけられるから言葉を使う経験が豊富になる。
その結果さっき言ったようにそういう言語経験量は子どもの言語能力を発達させていく、育てていくというふうになっていると。
さっきも言ったようにここまでまとめると言語能力に対する性別の影響量っていうのは本当に微々たるもので、
むしろそれよりも環境の影響量が圧倒的に大きいんだということですね。
ちなみにこの言語能力に関して従来の定説について少しだけ触れておきたいと思います。
言語能力がなぜ男女で違うのか男子女子で違うのかっていうのは少し前ではホルモンの特徴があって、
ホルモンというのは性ホルモンです。いわゆるテストステロンとかああいうやつですね。
このホルモンが影響して言語能力に男女差ができているんじゃないかっていうのが一昔前の定説だったそうですね。
テストステロンとかそういうものって確かに子どもに影響することはあります。
そしてそれが性差を生み出すことはあります。
例えば男の子が荒っぽい遊びに関心を持つようになるのはこれテストステロンが急凍するからっていうことはちゃんとわかっていることですね。
これはわかっていることなんですが対してこれが同じようにテストステロンなどの性ホルモンが子どもの言葉の使い方その上手さに影響しているという説が昔ありました。
今でもありますけどいわゆるホルモン影響せずなんて言われるやつですね。
しかしですねこのホルモンが影響するというのは別に間違っている話ではなく確かにホルモンは影響するんです。
ホルモンは私たちの言語能力に確かに影響をもたらすんですが影響をもたらす時期が実はすごく短いんです。
というのも生まれてすぐの段階の言語能力というのはこれホルモンに左右されます。
それはテストステロンの分泌の量テストステロンをどれだけ浴びたかによって生まれてすぐの段階の言語能力には差が出てきます。
しかし生まれてすぐを過ぎ去った後小学校ぐらい入学した時ではもはやその幼児期の言語能力とかは関係なくてつまりそのホルモンの影響とかほとんど関係なくて小学校ぐらい以降は言語経験量に左右されるというのが分かっています。
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つまり確かにホルモン性ホルモンテストステロンとかは私たちの言語能力に影響するにはするんですがそれにホルモンにも賞味期限があるということですね。
私たちは生まれてすぐの段階の言語能力にはホルモンが影響するそれ以外はホルモンはほとんど影響しないむしろ言語経験量が言語能力の程度を左右するということですね。
あとテストステロンだけでなく女性ホルモンも影響するんじゃないかという説もありました。
女性ホルモンここではエストロゲンですね。
月経周期におけるエストロゲンのレベルの肯定によって言語能力とかあとは認知能力に変化が生じるんじゃないかという説が1990年頃に浮上しました。
この説は現在では信憑性を欠くとしてあまり信頼されていない説なんですけど、この説がなぜ出てきたのかというとエストロゲンというもののレベルの高さによって認知機能に差が出てくるっていうのは確かなんです。
しかしこれは人間ではないRATのみにおいて認知能力に差が出てくるんです。
この説の大元はですね、RATに対する実験でエストロゲンをたくさん浴びたRATっていうのは認知機能が高まった。
つまりエストロゲンはRATの認知機能を助ける働きがあったということが実験で確かめられたんですが、
これは人に対する臨床実験では逆に認知機能を低下させる可能性があるとして、
RATの実験と人の実験では結果が異なったという風な実験だったんですね。
RATと人では実験結果が異なるというところで紹介した説がこの説ですね。
月経周期におけるエストロゲンのレベルの高さによって言語能力や認知能力に変化が生じる説。
しかし、これはRATの実験のみで変化が生じるだけであって、人間ではそんなことはないよということでした。
というのが言語能力についてですね。前回から引き続き今回まで言語能力について見てみましたが、
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そうして言語能力っていうのは確かに精査を示した研究があるんだけども、
その精査っていうのがやっぱり追試を行うと精査ないんじゃないか説みたいなのが浮上したり、
あとは言語屋のニューロンの密度とか、受上突起とか、こういういわゆる成人女性、成人男性を対象にして
比較して精査を導き出した実験、これはこの精査が何の原因なのかわからないということでしたね。
例えば、女性であるから故にする経験、マニキュアを塗る子育てをする、スーパーで買い物をするっていう経験が言語屋のニューロン密度を高めてしまうだけ。
それと女性の言語能力が高いことは全くの無関係で、たまたま因果関係を無理やり作ってしまった、そういった説なのかもしれない。
そして、子供の経験、子供の対する実験を見てみなければならないとして、子供の実験を見たとしても、正直現在の段階では子供の言語処理とか子供の言語能力に精査があるような、その証明をできたようなものは一つもなかったということでしたね。
さらに言うと、別の角度からは子供の年齢とか性別とか成熟度とかいうのよりかも、言語経験の量が子供の言語屋の発達、差能の言葉の使い方に影響を及ぼしているということが分かっている。
そして遺伝というのは40%で遺伝して、残りの60%は環境的な要因が持っている。さらにその環境的な要因には言語経験量とか、あとは家が裕福だからたくさん言語経験を積んで、その結果、その言語経験量によって言語能力が発達するみたいなことが実態なんじゃないかというふうに最近言われ始めているということでしたね。
というのが言語能力の精査についてでしたね。
次回は空間能力の精査について見ていきたいと思います。
同じように空間能力も、生徒的な要因が何かあってそれが影響しているのか。もしくは身の回りの環境的な要因が、いろんな環境的な複合要因で言語能力と同じように空間能力も影響されてしまっているのかというのを考えていきたいと思います。
そして、そこにジェンダーは絡んでいるのかというところまで見ていきたいと思います。
今回はこれで以上ですかね。
はい、では次回の配信をお楽しみに。
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