2024-08-06 15:00

【番外編#10】”女性を守るため”はなぜ女性を守れないのか~性犯罪に遭うトランス女性は”女性”に含まれるかを問う~【RADIO Kitsch】

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【参考文献】

生田綾「トランスジェンダーが「女性の安全を脅かす」という言説は誤り。性暴力被害の支援者たちが訴える」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6195e619e4b044a1cc02391e 〉(2024年7月24日閲覧)

國﨑万智「レイプでも「被害届なんて出せない」と警察官が一蹴。見過ごされる性的少数者の性被害」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6052a41ac5b6e32eb4af0835 〉(2024年7月24日閲覧)

厚生労働省「公衆浴場における衛生管理要領」〈https://www.mhlw.go.jp/content/000704519.pdf 〉(2024年7月24日閲覧)

宍戸圭介「判例研究 : 性同一性障害による性別変更を理由とするゴルフクラブへの入会拒否 : 浜名湖観光開発( 浜名湖カントリークラブ) 事件」『名経法学』38号(2017年)、67-80頁、名古屋経済大学法学会

時事通信社「「心は女」だけでは女湯に入れない LGBT法整備、立石弁護士に聞く【政界Web】

」『時事通信社』〈https://www.jiji.com/jc/v8?id=20230414seikaiweb 〉(2024年7月24日閲覧)

東京新聞「「デマに惑わされないで」 トランスジェンダー攻撃に危機感 埼玉大・田代教授ら本出版」『東京新聞 TOKYO Web』〈https://www.tokyo-np.co.jp/article/303534 〉(2024年7月24日閲覧)

安田聡子「トランスジェンダー女性、「手術なし」での性別変更を認められる。高裁が判断」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_668dd42de4b09e5ce9bcaf1d 〉(2024年7月24日閲覧)

安田聡子、坪池順「「“⼼は⼥”と言えば⼥湯に⼊れる」という根拠なきデマがトランス女性を追い詰め、女性を分断させている」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/false-accusation-against-transgender_jp_6411b1dee4b0bc5cb64da364 〉(2024年7月24日閲覧)




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サマリー

広島公祭の性別変更に対する批判の中で、女性を守るための発言が妥当かどうかについて議論しているエピソードです。トランス女性に対する悪質なヘイトや被害者非難の構造について説明しています。

分断される女性
おはようございます。STUDIO KITSCHの三木裕蘭です。
ということで、広島公祭の性別変更、手術なしでいいですよという話から始まり、
ヤフコメの大盛況を取り上げた上で、本日が3回目でございますね。
長いですね、話が長すぎるよ。しょうがないんですよ、あなた本当に。
これね、いろいろな話が入り組んじゃってるわけですよ。
一個一個紐解いておかなければ、ちょっとね、訳がわからないことになってしまいますので、
第3回目となりますが、許してください。許してください。ご容赦願いたいと思います。
さあ、ということで本日のテーマはですね、分断される女性。こういうテーマでやっていきたいと思います。
前回までも紹介していたように、今回広島公祭が手術なしでの性別変更をOKとしました。
これは前回と前々回も紹介したように、これは日本国民全員に対して言ったわけじゃなくて、
この今回の一件、性別変更を手術なしでOKしてほしいと申し立てたこの一人に対して、
その人がホルモン治療などからすでに女性的な見た目をしていたため、
性別変更を手術なしで許可するというふうに広島公祭が言った。
このただ一件なんですが、これに対する批判として現れてきたのが、
こんな心のせいというものを尊重するようなルールに変えてしまうのであれば、
女性の安全が守られかねないと、そういうふうな批判が出てきたわけです。
主にヤフコムですね。
SNSでもそうかな。
ということで今回は、こういう批判の中に存在する女性を守るための女性って誰なのか、
どの女性を指しているのか、このことについて話してみたいと思います。
さっきの話の補足をしておくと、
心の性別を尊重して性別変更をしたわけではなくて、
再三言っているように、この人がすでにホルモン治療の結果、
すでにほぼ女性のような見た目をしているので、
性別変更してもOKでしょう、この人に限っては。
別に特例法も憲法に違反しているかもしれないしね、そういった軽い感じなんですけど、
軽くはないですよ、裁判なんで。軽くはないんですけど、
この人一人にしか言ってない話なので、
この時点でヤフコムの論調っていうのは、論点がずれているなと思うんですが、
さらにずれているところですね。
こういう批判の中に存在する、いわゆる女性を守るための発言って、
結局それ女性を守るためになっているのかと。
本当に女の人を性犯罪から守るってことの目的に対して妥当なのかと、
こういうことを話したんですね、そういう前回。
ということで、このことについて話したいと思います。
トランス女性を守るための議論
どう思います皆さん?
トランスジェンダーを排除することって、女性を守ることにつながるんでしょうかね。
具体例を出すと、前回話したように、
まず心が女だからと言って、女に入るってことは許されませんね。
もし、外見が男性の外見をしていて、
心が女ですと言って、女に入ってしまったならば、
それはその場で混乱を招きますので、
女に入ってはいけません。
もし入るんだったら、その施設の管理者と相談して調整してください。
そうしてくださいというのが、前回言った話ですけど。
こういう場面において、そもそもトランスジェンダーの人を、
男優とか女優に入っちゃいけないと、
そうする、いわゆるトランスジェンダーの排除、
これは妥当なのかっていう話ですね。
で、女性を守るためっていう風に前提があるとは思うんですけど、
この場合の女性って誰なんでしょうかね。
この性犯罪の被害者としての女性って、
シス女性のことですか?
それともトランス女性のことですか?
多分、根本的にはシス女性のことを言ってると思うんですよ。
一旦そのトランス女性のことは視野に入れずに、
シス女性のこと、シス女性に対して被害者としての女性っていう定義を当ててると思うんですね。
で、シス女性とトランス女性を分断しているわけですけど、
でもちょっと待ってほしいんですよ。
ちょっと待ってほしい。
なんでかっていうと、
トランス女性とて性犯罪の被害に遭うんですよね。
普通に女性の見た目をしていて、電車に乗って、
痴漢被害に遭うトランス女性もいるわけですよ。
で、多分こういう人たちのことは、
多分、被害者としての女性っていうところに含めてないんですよね。
じゃあよ。
じゃあ、そのトランスジェンダーを排除して、
被害者としての女性を定義した上で、
その女性たちっていうのを守る。
これって本当に性犯罪の対策として妥当なんですか?
私は妥当ではないと思う。
性犯罪に遭うトランス女性を無視して、
シス女性だけを守ろうっていう風に言ってるのであれば、
それは性犯罪の対策として、
妥当なものではないですよ。
根本的には性犯罪の対策になってないと思います。
トランスジェンダーを排除して、女性を守る。
こんなことをしていたって、
おそらく、いわゆる性犯罪者に対しては何のアプローチもできていないと思います。
どう思います?皆さんは。
僕はこう思うんですけどね。
だからなんだよって言われたら、
あんまり言い返せないんですけど、
とはいえですよ。とはいえ、
僕は妥当じゃないと思いますね。
皆さんはどう思います?
もし皆さんの経験からも、
いろいろ知ってきたことからも、
ぜひ一緒に考えてほしいんですが、
どうなんでしょうね。
少なくとも、性犯罪に遭う人、
性犯罪に遭う女性っていうのを、
シス女性だけに限定していたら、
実際はトランス女性も性犯罪に遭っているわけですから、
トランスジェンダーを排除した、
シス女性の防御っていうのは、
それでいいのかなと、
僕としては思ってしまうわけですね。
この辺に関しては、
ぜひ皆さんの考えも教えてほしいなと思います。
ということでですね、
このポッドキャスト番組には、
お便りフォームというものがございます。
名前とお便り内容を書けば送信できる、
簡単なお便りフォームがありますので、
もし送ってくださる心良い方がいらっしゃるのであれば、
ぜひ皆さんの考えも、
ほんと一言でもいいので送ってもらえると、
私もこれからいろいろ考えることができるので、
ぜひ送ってもらえればなと思います。
で、この広島交際の一件に関するラジオキッチのエピソード、
来週もあります。
なので来週見てからでも構いません。
ただ、来週はちょっと違った角度から話すので、
熱が冷めてしまうと思う。
熱が冷めてしまうと、
送る記録もなくなってしまうかなと思いますので、
多分私だったらなくなりますね。
めんどくさいんで。
なので、このエピソードを聞き終わった後に送ってくれたら嬉しいなと思います。
話の本筋に戻りますけど、
トランス女性への悪質なヘイト
なんとなく皆さんも感じているかもしれませんが、
トランス女性に対する悪質なヘイトってすごい沸き上がってますよね。
トランス女性は悪くないんですけどね。
そこじゃないんですけどね。
批判の対象がちょっとずれてるような気がしますね。
そういう点で言えば被害者非難と同じようなところでしょうか。
痴漢被害に遭った子を、その人を非難したりする。
けど実際に非難されるべきは性犯罪者ですよね。
そういった話となんとなく近いような気がします。
被害者非難については、
前のラジオキッチの番外編でも話したので、
被害者非難なんぞやと思う方はそちらも見ていただければと思いますが、
被害者非難の構造
なんとなくトランス女性に対する悪質なヘイトもなんか上がってきてるなというのが、
もちろんヤフコメとかSNSとか見つつ思いますね。
まあそこじゃねえよと思いながら見ていますが。
ということで、来週はですね。
来週で話を求めましょう。
来週はまだ話してない内容が一つありましたね。
こういった広島交際の一件、手術なしでの性別変更をOKにしますという風になりましたが、
これに対してSNSやヤフコメなどのインターネットが非常に大盛り上がりしました。
この大盛り上がりって一体何が起こったのかと。
まあそれこそさっき言ったようなトランスジェンダーに対する非難があまりにも起こっていたり、
まあそういうそのトランスジェンダーとかのLGBTQ系に最近ゲイゴしすぎなんじゃないかといって、
LGBTQの人が非難されていたりね、そういうことがいろいろ起こってますが、
これってすごく再現性のある現象なんですよね。
まああんまりベタだから言いたくないんですけど、多分古代ローマで起こったことと同じことなんですよ。
皆さんが今老害っていう言葉をはっきり意味わかって使えるのと多分同じことだと思うんですよね。
つまりはこの現象、これにはすごく人類史上の非常に再現性のある現象だと私は思うんです。
なのでこういう非難とか批判の構造としてはどういう構造にあっているのかなっていうのを次回見てみたいと思います。
でこの構造がわかれば現在何が起こっているのかが大体わかると思うし、
すごく解像度が上がると思うので、そこについて見ていきたいと思います。
それが来週ですね。ということでぜひ来週のエピソードを見ていただければなと思います。
そして今回考えてみていろいろな意見とか、
あとは何か思ったことが一言二言でもあればぜひ共有してほしいなと思うので、
このポッドキャストの説明欄にあるラジオキッチのお便りフォームから、
皆さんの意見や思ったことを少しでもいいので書いて送ってもらえれば嬉しいなと思います。
ということで今回の番外編は以上です。
改めましておはようございます。スタジオキッチの水木裕蘭です。
スタジオキッチよりお知らせです。現在スタジオキッチでは新しいメンバーを募集しています。
スタジオキッチはアカデミック領域に蓄積されたジェンダー研究の知見を社会に開放し、
誰もがジェンダー研究という学問にアクセスできる社会を実現するというミッションのもと活動しております。
このポッドキャストもスタジオキッチによって運営されています。
ですが現在人手不足のため大変苦しいというか忙しいという状況になっております。
なのでこのポッドキャストを聞いたりまたはホームページを見たりして私たちと同じ思いを持っていただける方がいらっしゃいましたら
ぜひスタジオキッチに参加して一緒に活動できたらいいなと思っております。
もちろんですが経験、知識、職業は問いません。
ということで詳しい情報はスタジオキッチの公式Xの固定ポストに貼ってあります。
このエピソードの概要欄にもリンクを貼っておきますのでそちらからご確認ください。
応募期間は8月の17日土曜日までです。
ちょっと悩んでるなーっていう方は今のうちにカレンダーの予定登録していることをお勧めします。
今少しでも気持ちが動いたそこのあなたのご応募を心よりお待ちしております。
以上スタジオキッチの水木裕蘭でした。
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