2024-08-01 12:42

【番外編#9】”心が女”といえば女風呂に入れるのか【RADIO Kitsch】

このとき正しさとは何なのでしょうか。当事者の気持ちが正しさであるならば、実社会は正しくないのでしょうか。既得権益が正しさであるならば、人権は正しくないのでしょうか。

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【参考文献】

生田綾「トランスジェンダーが「女性の安全を脅かす」という言説は誤り。性暴力被害の支援者たちが訴える」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6195e619e4b044a1cc02391e 〉(2024年7月24日閲覧)

國﨑万智「レイプでも「被害届なんて出せない」と警察官が一蹴。見過ごされる性的少数者の性被害」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6052a41ac5b6e32eb4af0835 〉(2024年7月24日閲覧)

厚生労働省「公衆浴場における衛生管理要領」〈https://www.mhlw.go.jp/content/000704519.pdf 〉(2024年7月24日閲覧)

宍戸圭介「判例研究 : 性同一性障害による性別変更を理由とするゴルフクラブへの入会拒否 : 浜名湖観光開発( 浜名湖カントリークラブ) 事件」『名経法学』38号(2017年)、67-80頁、名古屋経済大学法学会

時事通信社「「心は女」だけでは女湯に入れない LGBT法整備、立石弁護士に聞く【政界Web】

」『時事通信社』〈https://www.jiji.com/jc/v8?id=20230414seikaiweb 〉(2024年7月24日閲覧)

東京新聞「「デマに惑わされないで」 トランスジェンダー攻撃に危機感 埼玉大・田代教授ら本出版」『東京新聞 TOKYO Web』〈https://www.tokyo-np.co.jp/article/303534 〉(2024年7月24日閲覧)

安田聡子「トランスジェンダー女性、「手術なし」での性別変更を認められる。高裁が判断」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_668dd42de4b09e5ce9bcaf1d 〉(2024年7月24日閲覧)

安田聡子、坪池順「「“⼼は⼥”と言えば⼥湯に⼊れる」という根拠なきデマがトランス女性を追い詰め、女性を分断させている」『HUFFPOST』〈https://www.huffingtonpost.jp/entry/false-accusation-against-transgender_jp_6411b1dee4b0bc5cb64da364 〉(2024年7月24日閲覧)




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00:03
おはようございます。STUDIO Kitschの水木裕蘭です。
ということで、今回は前回話していた内容の続き的な位置づけになると思いますが、
前回ですね、何を話していたのかというのを軽くおさらいしてから入りたいと思いますが、
最近世間を話題にさせているニュースがありますね。
あんまり話題になっていないのかもしれないですけど。
一つ目は、広島高裁が性別変更を手術なしで認めるということを、ある一人の申立人に対して言ったと。
そういうふうな判決を下したと。
さらには、いわゆる性別変更の特例法に書いてある生殖機能を失わせなければいけないとか、
性転換後の外見に生殖機能外見とか見た目を合わせなきゃいけない。
こういうのって違憲なんじゃない?
憲法に違反してるんじゃない?と言って、最高裁までが動いたこの一連の一件に関して、
いろんなニュース会社とか新聞社とか、Yahoo!のコメント欄とかが大盛り上がりしている。
その一件について、私はすべてを、すべてではないですね。
調べられる限りを調べて、皆さんがどう思えばいいのかというのを、今回は一緒に考えたい。
いろんなことを調べてきたことを提供するので、皆さんと一緒に考えたいなという趣旨が前回でしたね。
今回はその続きでございます。
まず、心が女って言えば、女に入れるのかっていうところから入るんですけど、
なんでこの話をするかっていうと、前回も言ったようにですね、ヤフコメが大盛り上がりしていたわけですね。
大盛況だったんです。どういう内容で大盛況だったかっていうと、いわゆる手術なしで性別変更が認められるんだとすれば、
それは心が女だよって、私の心は女だっていうふうに言って、
女とか女子トイレとかに入ってくる、いわゆる女性専用スペースに入ってくる犯罪者、性犯罪者が増えちゃうんじゃないのって。
そんなことやっちゃあかんじゃろうと。
という趣旨で大盛況だったわけですね、ヤフコメが。
このようなコメント欄が、こういうコメントがどこについていたかっていうと、
その広島厚生が手術なしで性別変更を許可しました。
03:00
それだけのニュースについていたわけです。
で、いろいろ盛り上がりがあって論点がずれてたみたいな話は前回しました。
今回は、心が女なら女風呂に入っていいんですか?それは許されるんですか?
そういう話をしていきたいと思います。
どう思いますか?
この現代社会、いわゆる性とか、心の性、セクシュアリティーなんて言ったりしますけど、
それに対して寛容に、寛容にというか尊重して社会運営を行っていこうと言われているこの世の中において、
現代社会において、心が女だから女に入っていい、いわゆる女性としての特権の場である女優、逆もしかりですよ。
男性としての特権である男性性のスペース、男優。
そういった場所に心の性別を尊重して入ろう、入ってもいい。
それは本当にそうなんでしょうか?
私がんばって調べてきました。
一緒に考えるんですよ。
答えは出しますけど、これは極地的な答えなので、全体としての結論は出さないつもりでいます。
なので皆さん独自に考えてもらえればと思いますね。
この心が女だから女に入れるっていうこの点に関して、この点に関してだけ最初に答えを申しておくと、入れねえよ、入られてたまるかというのが現状の妥当な意見かなと思います。
一個一個整理していきますよ。
まず厚労省を示す基準によると、公衆浴場の浴室っていうのは男女別に分けなければならないというふうにされています。
概要欄にリンク貼っておくので、説明にリンク貼っておくので、詳しく見たい方はそちらに飛んでみてください。
厚労省、厚生労働省の公衆浴場における衛生管理要項、衛生管理要領ですね。
っていうやつがネットで見れるようになっているので、詳しく見たい方はそちらを見てほしいんですけど、何書いてあるかっていうと、
公衆浴場の浴室は男女で別の浴室を設けなければならない。男女でそこに仕切りを、隔たりを作らなければならない。
そういうふうに記載されているんですね。
06:05
ここら辺の話に詳しい弁護士の人がインタビューを受けて書かれていた記事があったんですけど、
その弁護士によると、この男女っていうのは外見上の性別を意味するんだ。
要は、見た目が女性っぽいんだったら女性用の風呂を使っていい。見た目が男性っぽいんだったら男性用の風呂を使っていい。
これは割り当てられた性別が女性だろうが男性だろうが、見た目が女性っぽいんだったら使っていいよって話ですね。
つまりは、女性の身体をしたトランス女性が女風呂を使うには問題ないよと。
そういう話なわけでございます。
なんでかっていうと、根本的には混乱を招かないこと。これが第一です。
その公私浴場っていう場を乱さないために、外見上の性別を基準にして男女別に分かれてそっちに行ってくださいっていう話ですね。
もし体が男性のままのトランス女性、つまり自分としては女だと思っているんだけど、体がまだ男性の体をしている、男性の身体見た目をしている。
そういう人が女優を使うのは、これはやめときましょう。ダメですっていう風になってるわけです。
なんでかっていうと、これはさっきみたいに混乱を招くからです。
もともと男なんだけど、女の見た目をしている人は別に女優を使ったらいいわけです。
で、それは混乱を招かないから。
いや混乱を招かないって言ったってって思うかもしれませんが、
実際にこれまでの判例の中でトランス女性が女優を使って問題なかったっていう判例はあるので、
それはOKだろうし、実際に使っても多分どうせわかんないので、混乱自体は多分起こらないと思いますね。
ただしですよ、体が男性のままのトランス女性に関しては、やめなさいということですね。
これに関しては、その施設の管理者と調整して、勝手には使用しないでくださいねというのが現状の見解だそうです。
ちなみにですよ、いわゆる女子トイレに勝手に入った人、男の人が女子トイレに勝手に入って犯罪になって逮捕される時って、
09:00
犯罪の名前、どういう名前になるか皆さんご存知ですか?建造物侵入罪ってんですよ。
人んちに不法侵入した時と同じ罪状ですね。
要はその施設の管理者、その場所の管理者の意図に反する形で侵入した疑いがある。
それで建造物侵入罪になるんですよ。
これは人んちに、皆さんが今から隣の家の人に、隣の家の部屋に家に侵入したとしても、男子トイレ、女子トイレに侵入したとしても同じ罪状です。
で、何でかっていうと、これ女とか男とか、男子トイレ、女子トイレとかっていうのは、いわゆるその施設の管理者の管轄内なわけですよ。
それは国家の権力が聞いている場所ではないので、あくまでもその施設の管理者の管理内にあるわけです。
なので、その施設の管理者がいいと言えばいいんですよ、結論はね。
なので、もし体が男性のままのトランス女性が女優を使いたいというのであれば、その施設の管理者と話して調整してくださいねと。
そういうわけでございます。
ヤフコメの論点に戻りますけど、心が女って言えばトランスになるわけではないですよ。
ヤフコメに書いてあるのは、トランスをトランスジェンダーを自称して、性犯罪者が紛れ込むんじゃないかっていうふうに書いてある論調が多いんですけど、
心が女って言えばトランスジェンダーになるわけではないですからね。
ちなみにそのトランスジェンダーかどうかっていうのは、性育歴とか通院歴とかあとは家族とか身の回りの人への聞き取りですぐにわかるので、そんな簡単な話でもないですよというわけですね。
ヤフコメに戻りますけど、現状のヤフコメの論調って、女性を守るために、女性の安全を確保するために、こういったトランスジェンダーに優遇した、迎合したものっていうのはやっちゃダメでしょと。
そんなルールにしちゃダメでしょと。ここには不寛容でなければならないと。
そう言ってるのがヤフコメなんですね。
女性を守るためみたいなふうにあいつらは言ってるわけですけども、僕からすると全然女性を守るためにもなってないなと、なりにもなってないなというふうなところが僕の見解ですけど、
トランスジェンダーとかに対して迎合しない、そこに対して不寛容であること、トランスジェンダーを排除するっていうのは、いわゆる女性を性犯罪から守るための対策として妥当ではないと。
12:14
そういうふうに思います。これにちゃんと論理があるんですよ。ロジックがあるので、それに関して次回かな、次週見ていきたいと思います。
ということで、次週も気になる方はぜひチェックしてみてください。ということで、今回の番外編は以上です。
12:42

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