2024-06-05 08:38

【番外編#4】最後の母音にアクセントがあると女性名詞~形態論や音韻論による文法性の決まり方~【RADIO Kitsch】

アファル語では、「秋(karmà)」は女性名詞、「冬(gilàl)」は男性名詞です。強勢のある母音で終わると女性名詞になります。因みに、ポーランド語の「男性ピアニスト(pianista)」は女性名詞です。古英語の「女性(wīfmann)」は男性名詞です。誰のいたずらでしょうね?




【参考文献】

川鍋直彦「「姉妹都市」、なぜ兄弟都市とは呼ばないのか?」〈https://www.nikkei.com/article/DGXNASDB27001_X20C13A6000000/?df=2〉(2024年5月23日確認)

東京外国語大学「ドイツ語 文法 010: 名詞の性:解説」〈https://www.crimsonjapan.co.jp/blog/grammatical_gender_influence/〉(2024年5月23日確認)

Wikipedia「性 (文法)」〈https://ja.wikipedia.org/wiki/性_(文法)〉(2024年5月23日)





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■三嬉雪蘭(STUDIO Kitsch)

武蔵大学人文学部ヨーロッパ史専攻。好きな科目は世界史。

実は専攻はジェンダー研究ではないのだが、好きすぎるがあまりラジオを始めてしまった。




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サマリー

彼はドイツ語の形態論や音韻論による分類について話しています。 形態論的なものによる文法性の分け方や音韻論による分類をする言語について説明しています。

ドイツ語の形態論
ということで、前回からの続きですね。文法性の話をしていましたね、先週まで。
あ、違うよ、姉妹都市の話だ。姉妹都市の話をして、で、文法性の話をしたんだ。で、その文法性の話の続きをちょっと話そうかなと思います。
で、前回その形式による分類とか意味による分類とか、そういう話をしたんですけど、ちょっと形式による分類?
意味による分類はもういいですよね。
例えば男性の先生を表すドイツ語だったらレーラーっていう男性名詞だけど、女性の先生を表すドイツ語だったらレアラリンって言って、これ女性名詞になるっていうね。
生物の話なので、これは生物学的な性に基づいて、その意味に基づいて文法性を分類するっていう一番わかりやすいやり方。
で、それ以外に形式による分類があるというふうに言いました。あの携帯論とか音色とか、そこら辺の話をしたやつですね。
で、これちょっと面白いです。もうちょっと詳しくやってみたいと思います。
で、この形式による分類はいつするのかって話したんですけど、意味による分類ができないときとか、いわゆる非生物の場合とか、
あとは携帯的に分けているとき、例えばこの語尾がつく単語に関しては絶対に中性名詞だよとか女性名詞だよとか、
そういうふうにやったりする場合はこういうふうに携帯的な分類を優先したりするんですよね。
さっき非生物の分類聞いたんですけど、文法性の話を説明するときに、男性教師と女性教師、男性教師を表す単語は男性名詞で、
女性教師を表す単語は女性名詞っていうのは、なんとなく理解がいく、納得がいく話だと思うんですけど、
そうじゃない非生物のものにも性別っていうのがついてるんですよね、文法性が。
だからちょっと今ロシア語を紹介するんですけど、ロシア語の雑誌っていう言葉と新聞っていう言葉と手紙っていう言葉、
この言葉の、この3つの言葉の性別って全部違うんですよ。
ロシア語って文法性がある言葉で、男性名詞、女性名詞、中性名詞のこの3つの性を持つ言葉なんですけど、
さっき言った雑誌っていう単語は男性名詞で、新聞っていうのは女性名詞で、最後手紙っていうのは中性名詞なんですよ。
でこれ同じように、家っていうのが男性名詞で、学校は女性名詞、建物は中性名詞。
っていう風に、これ全部非生物の話ですよ。
単語が意味する対象に性別なんかないんですけど、文法上の性別っていうのはこういう風に男性名詞、女性名詞、中性名詞っていう風に分かれているんですよね。
これ一番面白いのがロシア語の夕方っていうのが男性名詞で、夜っていうのは女性名詞で、朝は中性名詞なんですよ。
ここまで来るとわけわかんないですよね。
さっきの例、男性教師、男性の先生は男性名詞、女の先生は女性名詞っていう風に言っていたのとは段違いでレベチで意味わかんないんですよ。
音韻論による分類
こういう分類があるらしいですね。
ちなみにロシア語の旗、フラッグ、旗は男性名詞らしいんですけど旗印は中性名詞なんですってね。
どうやらこのロシア語っていうのは性別を持たないものを意味する単語、いわゆる非性別の意味を表す単語の性別をどのように決定するのか、文法性をどのように決定するのかっていうのは形態論的に決まっているらしいですね。
つまりどのような形をとるのか、どういった形をとるのかによって文法性を分けていくらしいんですよ。
中でもロシア語は曲用のタイプ、曲用のタイプという形態論的なものによって分けているそうなんですが、
私は曲用というのがまず何も分からないので、調べたければ皆さん自身で調べてください。私は分からないんだけど、どうやら曲用という形態論的なものによって分けているそうですね。
気になったら自分で調べてください。
これが形態的な話、形態的な形式による文法性の分け方。
前回言ったように、形態的なものじゃなくて音韻論による分類もするんだよという話もありましたね。
音韻論というのは音ですよ。その単語の音。
この音によって文法性を分けていくっていう。
音韻論による分類っていうのはオーソドックスかどうかわかんないんですけど、
アファルゴという言語には文法性があって、このアファルゴの名詞っていうのは音韻論的な分類をするらしいんですよね。
アファルゴ自体はエチオピアとかで話されている言語で、文型は主語目的語動詞つまりSOVの形を取る言語なんで、日本語に似た言語なんですよね。
私はリンゴを食べる。主語目的語動詞。SOVを取る。日本語と語順が似ているアファルゴという言語があるんですが、このアファルゴは音韻論的な分類をする文法性を持っているそうですね。
もちろんアファルゴの中でも全部が全部音韻論的な分類をするわけじゃなくて、人間の男性、だから例えば息子とか兄弟とか男の先生とか父親とかそういうのは男性名詞になりますし、娘とか姉妹とか女の先生とかっていうのは女性名詞に分類されます。
ここまでは意味による分類なんですけど、この後そうじゃないものに関しては、つまり非生物を表す単語に関しては音韻的に性が決まっていくんですよ。
で、例えば、アクセントがついた母音で終わる単語は女性名詞になったりするんですよね。だから最後にアクセントがつく単語は女性名詞っていう風に分類されていくんですよ。
で、それ以外は男性名詞っていう風に分けます。
これ面白くないですか。つまり意味的に分類ができる単語は意味的に分類します。息子とか娘とかはそのまま男性名詞、中性名詞で分けていくんですけど、それで分けられない非生物を表す単語。
例えば、秋とか冬とかそういう季節のやつとか、あとはトランペットとかの楽器とか、あとは味とか、もうザ非生物みたいなものに関しては、アクセントがどこに置いてあるかで男性名詞、女性名詞っていうのが分かれてきます。
で、アクセントが最後に置かれるものは女性名詞、最後に置かれないものは男性名詞っていう風に分けるそうですね。わけわかんないですね。でもこういう分類をしてるらしいですね、このアファルゴという言語は。
いや、これまた面白いですね。ということで今回の漫画編は以上です。
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