野生動物の保護活動に打ち込む少女が、保護したマレーグマの赤ちゃんを森へ返そうと様々な困難に立ち向かう。
著者、チャン・グエンの自伝的グラフィックノベル、第1回10代が選ぶ海外文学大賞の大賞に選ばれた
『ソリアを森へ』を紹介します。
どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私大地と三枝の二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、チャン・グエン作、ジートズン絵、ソリアを森へになります。
杉田七江さん役で、スズキ出版から2024年に出た本になります。
ベトナムの絵本ですね、グラフィックノベル。
ベトナムって初?
初めてかもしれないですね。
ベトナムの作品を紹介するのは初めてですよね。
ベトナム系アメリカ人のオーシャンボン。
オーシャンボンはあったんですけど。
初めてですね。
というところで、ちょっと意外な流れではあるんですが、
これは、2025年に発表された第1回10代が選ぶ海外文学大賞受賞作となっております。
これはですね、ちょっと前にも少しご紹介しているんですけれども、
いろんな選考過程があって、最後ですね、候補作が絞られた後、10代が投票で決定するという、
10代による投票によって決定するという賞ですね。
そうですね、7作品に絞られていたんですよね。
その中で大賞に選ばれたのがソリアオ、モリエ。
あと、特別賞というのもあって。
ありましたね。
それは闇に願いをという作品だったんですけども。
そうですね。その中でも結構この絵本タイプというかグラフィックノベルタイプは、
この7作品の中のソリアオ、モリエだけでしたよね。
そうですよね。
ちょっと意外な、発表されて意外な感じを致しましたね。
確かに確かに。
他の作品が結構読みごたえがありそうなラインナップだったんで、
残り6作品が、その中でソリアオ、モリエが選ばれたというのは確かに大って思いましたね。
ただちょっと読んでみると、これは10代の人が読んだら、
自分も動きたくなるような、勇気がもらえる本ですよね。
そうですね。絵本なんですけども、グラフィックノベルですね。
そうですね、グラフィックノベル。
対象が、絵本のイメージではちょっとないんですよね。
やっぱりもうちょっと上、小学校、高学年とか、中、高、大、大人も十分影響を受ける、そのくらい。
そうですね。これはすごい本ですね。
というので、僕も対象に決まって、その後一旦すぐ読んだんです。
やっぱりいい作品だなと思ったんですけども、
11月12日に受賞式があったんですよね、この10代の絵本が。
神保町の方であって、大地さんと一緒に行って。
そこでたまたま、受賞式が面白くて、立食形式で、
ちょっと意外でしたよね。
ドリンクとお菓子が用意されていて、取った状態でお祝いして話が聞けて、
なんならね、じゃんけん大会があって、ケースがもらえるとかですね。
そんな催しもあったんですけど。
面白かったですね。
そうですね。またまたその場で、鈴木出版の編集者の方と営業の方とお会いして話せる機会があって、
僕もその方を呼んでいたので、感想もお伝えすることができて、
自分の中では結構満足感があったんですけども。
この鈴木出版の方から、いろんな流れがあって、途中までしか話せなかったんですけど、
これなんか、従販すると海外の倉庫から、中国だったっけな?
から船便で取り寄せなきゃいけないらしくて、何ヶ月かかかるようなことをおっしゃっていたので。
だから今これ、在庫は結構あるようなんですけど、日本にも。
それが尽きるとですね、買おうと思ってもすぐ買えないらしいので、
ちょっと気になった方はなるべく早めに確保しておくといいと思いますね。
そしてあれですもんね、私この後すぐ買ったんですけど、受賞式の後。
シールが貼られてて、本に第1回10代が選ぶ海外文学大賞っていうシールがですね、ポンって貼られてまして。
これ多分、鈴木出版の方々がすぐ貼ったんでしょうね。
その横にはね、カーネギー賞、画家賞、受賞のグラフィックノベルっていう、2023年。
そういった賞も選ばれているっていうので、すごい実績がある本になるんでしょうね。
そうですね、そんな感じでいきますが。
ちょっと10代が選ぶ海外文学大賞でいうと、これシンプルに投票で決まっている賞をなってまして、
まだあんまりちょっと見えてないというかあれなんですけど、なんか10代が読んだ感想とか、どっかにアップされるのかな。
ちょっとまだ見てないんですけど。
それはね、知りたいと思ったんですよね。
これ10代読んだらだいぶ、さっきも言ったけど、突き動かされるものがむちゃくちゃある気がするんで、
やっぱりその辺の感想とか、なんか聞きたいなってちょっと思ったりは。
そうですね、確かに。
受賞式の時10代の方もいらっしゃいましたもんね。
そうですね。個人的にはこの大賞だけじゃなくて、ノミレート作品の中でハリネズミがあったんですね。
ありましたね。
モンテカロー作品記。
モンテカロー作品記。
森の中の林っていう日本文学大賞に去年選ばれた作品。
で、あれを10代が読んだらどういう感想を抱くんだろうっていうのはめっちゃ気になってたんですよね。
確かに。あれ気になるな。だいぶ深い話ですからね。
しかもあの人生の終わりまで見据えるような話もありますからね。
森の中の林とか読んだらどんな感想を抱くんでしょうね。
そうですよね。10代であれの作品、結構読むのが大変な小説だったんですよ。
確かに。
果たして読めるのだろうかとかですね。いろんなことを思いながら。
確かに。それはありますね。
そんなわけなんですが、受賞式の話とか受賞の話とかしてても進まないので、内容に入っていきたいんですけど、
これざっくり言うとですね、ベトナムの少女がですね、物語のストーリーは詳しく話しますけど、
8歳から始まるんですけど、その少女がクマを助けたいかっていう思いに駆られて行動していく話で、
最終的にこの活動家、正式には野生動物保護活動家になるという話なんですけれども、
しかも実話をというか、この著者の物語上ではチャンという名前になっているんですけれども、
著者の名前がチャンさんで、ちょっと変えてはいるんですけど、ほぼ自分の実話がベースになっているという話で、
これはですね、そういう意味も含めて、これが実話だとしたらめちゃくちゃこういうことできるんだって勇気がもらえる本なんで、
ぜひですね、ちょっと今日いろいろ気になった方は、読むのにはですね、グラフィックノベルなのでそんなに時間もかかりませんし、
スッと入ってくるので、ぜひちょっと気になった方は読んでもらいたいですね。
そうですよね。僕本当に読んでびっくりしましたね。この自然保護活動家の方の話で、
出てきたときは小学生ぐらいの子供として出てきて、どういう活動をするのかってあんまりイメージできていなかったんですが、
結構やることがプロジェクトの大きさにちょっとびっくりしまして、結構大人の人が言うんでもですね、
野生の動物を野生に戻すまでそんな壮大なプロジェクトになってくるんだって言うんですね。
そこの驚きとかもあったりしたので、その辺りもちょっと今日触れていけたらなと思いますね。
ちょっといろいろ話すことが多そうな感じがするんで、ちょっといきましょうか。
じゃあ、著者についてお伝えしたいと思います。今ちょっとお話ししましたが、ベトナムの自然保護活動家、環境活動家であり作家でもあると、
アフリカやアジアで横行している違法な野生動物の取引と戦っているという方ですね。
結構すごいのが、2019年版、BBCが選ぶ100人の女性の一人に選ばれていたり、
2020年にはホーブスが選ぶその年に目覚ましい活力をした、世界を変える30歳未満の30人の一人に選ばれているという方で、めちゃくちゃすごい方ですね。
ちょっと今、著者の名前読み上げてないんですけど、ちゃんぐえんさんになります。
非営利組織ワイルドアクトの創設者であり、常任理事。
国際自然保護連合の首脳保存委員会のクマ専門家グループのメンバー。
自然環境で生産する世界中の生物たちの保護に力を尽くしていて、
この本は初めて書いた自動書となっているというところですね。
というのが、著者のちゃんさんのお話です。
絵を描いた方が、イラストレーターの方がジードズンさんという方ですね。
ほぼこのちゃんさんと同世代なのかな、みたいな感じで、直接執筆にあたって依頼があったというか、やり取りがあったそうですね。
伝統的なベトナム美術と漫画を融合し、鉛筆、水彩絵の具、インクのほか、デジタル技術も駆使して、
これまでにない新しい美を表現する作品を生み出している。
漫画ロータスリーフラブレターでサイレント漫画オーディションの準グランプリを受賞。
ちょっとこの賞がどれくらいすごいのかわかってないんですが、賞を受賞していると。
今回の本は初の自動書、ジードさんにとっても初の自動書であり、
本書によって2023年カーネギ賞学科賞に選ばれています。
ベトナムの葉の良い在住ということですね、という方が書いてます。
ちょっと絵の話は後で詳しくしたいと思います。これかなりすごいんで。
というところですね。じゃあちょっと具体的に入っていきましょうか。
引き続きちょっとですね、阪元ホームページからちょっと読み上げたいと思います。
幼い頃虐待されているクマを目撃した主人公チャンは野生動物を守る仕事に就くことを決意。
目標に向けた日々の努力が実り、保護活動センターのボランティアに採用されます。
ある日センターに保護されてきたマレーグマの赤ちゃんソリアを私が森に返してやると宣言して育て始めます。
森で一緒に暮らしながら自力で生きていくための必要なことを学ばせ、最適な地を探して進みます。
ベトナムの自然保護活動家チャン・グウェンの若き日の活動に基づく自伝的グラフィックノベル。
聖地に描かれた野生動物や美しい熱帯雨林、人間が破壊した森林との対比を見事に描き上げた若きベトナム人画家ジードズンは、
2023年イギリスの児童書最高峰の賞であるカーネギ賞学科賞に輝きました。
というのが版本のページの内容でございますと。
結構ストーリーここで割とざっくりですが、大役ほど伝えてくれてるような内容になってますね。
そうですね。この概要を読めばですね、結構どういう話かっていうイメージ膨らむかなと思うんですね。
ちなみにですね、今回ちょっとクマの話というところでですね。
2025年に出た本なんですけども、世界を旅して見つめたクマと人の長い関わりっていうですね。
科学同人から出ている本で、ジャーナリストの方が世界中のクマ事情を取材して書いている本がありまして、
そのグロリア・ディッキーという方ですね。
その中で黄金の液体というですね、ベトナムのマレーグマ。
まさにこのソリア・オモリエの話と重なっているところなんですけども、
クマがですね、人に狙われてタン獣というですね、それが薬として使われたりするんですけども。
で、クマのタン獣と書いて、タンと書いてユータンと呼んだりもするんですけども。
ちょっとそれについて書かれている話があったので、今回のこのソリア・オモリエをこれから話していくんですけども、
ちょっと補足でもしですね、説明できそうなところがあれば、この世界を旅して見つめたクマと人の長い関わり。
そこからのですね、ちょっと話もちょっと入れながら、ちょっと補足として話していこうかなと思っています。
けっこうこれね、やっぱり日本と状況が違ったりとかするのもあると思うんで、確かに重要なポイントですね。この話を理解する上では。
そうですね。本当、全く知らなかったんですけども、呼んでいくと、こんな事情があったのかっていうのが。
これからソリア・オモリエのストーリーとかね、話していくと、ベトナムのクマ事情ってこんなことがあったのかってね。
なるほど、なるほど。
そんな話になってくるかなと思いますので。
確かに。そうだよね。けっこうその辺りのことって多分、ベトナムの方々に向けて書かれてるから、割と何て言うか、サラッとしてるよね。きっと。
あ、そうですね。
読むとね、読むとその部分は何か多分前提知識として扱われちゃってる感じは確かにあるので、ちょっといいところで補足していきましょうか。
じゃあちょっとここからですね、作品の話、いろいろ入っていきたいんですけど、まずですね、これまでの話からもちょっとお分かりいただけると思うんですけど、
この本のテーマはですね、野生動物との向き合う方というか、共生がテーマになってますね。
前提として、主人公側からはですね、尊重する存在として書かれています。クマなどですね。
現状としては、密漁というか狩りがあったりとか、今ちょっとミネさんが言ったこのクマのですね、単獣ですね。
単獣がこの本を読む限り薬になるらしくて、ただもうその薬は他のもので代用が効くので、別にクマから取る必要ないみたいなことも書かれてるんですけど、
クマの単獣が狙われて捕らえられてしまうというか、人間がですね、捕獲しているという現状があったりしました。
これは別にクマだけじゃなくて、他の野生動物にもだいぶ触れていくんですけど、ペットとして飼うために捕まったりとか、
体の一部が効果になるから取られてしまったりとか、そういう現状がですね、この熱帯ウリンの野生動物ですね、に関して描かれています。
結構今回はもちろんクマ、特にマレーグマですね、にフューチャーして描かれているので、この話の中でも世界にはクマが8種類いるっていう話が出てくるんですけども、
日本にいるクマとマレーグマはだいぶ違いそうだなっていうのは読んでいて、ちょっと感じるところではありましたね。
そうですね。今、日本ではクマの被害ってすごく問題になっていると思うんですけども、このソリアオモリエは、そういったクマの被害の話とかでは全然なくて、
むしろ人間によって捕らえられてしまったクマたちがたくさんいまして、ベトナムであったりアジア圏ですね、中国とかでも同じようなことがあったみたいですし、
韓国とか、その中でベトナムでも捕らえられたクマっていうのがいて、それをかなり残酷なことをしているので。
特にソリアは赤ちゃんの生まれてすぐ保護することができたんで、野生海藻というですね、そういった話になっているというので、今、日本でクマがたくさん人里に出てきて、ちょっと大変なことになっているんですけども、
日本はまた日本でその事情がだいぶあってというので、なかなかね、日本のクマはこういう状況でとかって話すのがちょっとなかなか難しいので、今回はこのソリアオモリエっていう、ベトナムの中で起きているところにちょっと絞って話をしていけたらなと思いますね。
そうですね。なんか日本のクマって、たぶん2025年の11月に収録してるんですけど、今かなり報道が毎日されているぐらい問題になってはいるんですけど、でもこれなんか調べていくとですね、なんかこう意外とシンプルじゃなくて、いろんな状況が重なってきていて、
たぶん説明したり理解するのに、たぶんめちゃくちゃ時間がかかる、領域だなっていう印象が今ありまして、あんまこうふわっと言えないかなっていうので、あんまりちょっと踏み込まないんですけど、みなさんもおっしゃってる通り、この本で書かれているこのベトナムの状況とかと、
たぶん日本の状況は結構特殊なのかもしれないんですよね、クマにおいてはね。もしかしたらね。なんで、ちょっとあんまり踏み込まずにここは行きたいと思いますが、ちょっといろいろクマというと、今この配信を聞いてるだけで、たぶん今日本のクマとこう、なんだろうな、連想してしまう人も結構多いと思うんですけど、状況的に。
まあでも、都合がちょっと違うっていうのはちょっと認識した上で、お話聞いていただけたらなと思いますね。
で、次のちょっとお話をしたいんですけど、次はですね、ちょっと絵の話をしたいんですが、ストーリーもすごい良いんですけど、それを支えているこの世界観を作り出している絵ですね。絵がすごい良くて。
このズットさんなんですけど、さっきもちょっと紹介のとこ触れたんですが、結構ですね、革新的な絵を描かれている方なんだと思います。ベトナムの美術、伝統的な美術とですね、日本的な美術の融合っていうのをですね、結構試みている方でして。
で、この本で言うとですね、まず漫画の影響はかなり受けてます。日本の漫画の影響、おそらく。キャラクター、ちゃんとか、時にはソリアもですね、結構日本の漫画的なヒッチで描かれているような印象があって、なんかちょっと親しみやすい感じになってますね。
なんですけど、これ熱帯雨林とか、この森の自然とかもめちゃくちゃ描かれたりとかしてるんですね。あとはちょっと出てきますけど、結構環境が破壊されてしまっているような部分の絵も結構あるんですけど、そのあたりはですね、水彩絵の具の要素が結構強くて、すごく美しい森が描かれています。
なんかこれ、多分日本人から見るとめちゃくちゃ親近感が湧くような絵なんじゃないかなって、あの絵というか、世界観の絵なんじゃないかなって、ちょっと感じましたね。すごく水彩絵の具の、何でしょうね、描き方をですね、かなり取り込んでますね。
この結構キャラは漫画っぽいんですが、背景は壮大な絵になっていたりしていて、そこのトーンをですね、うまく合わせてるんですよね。なんか漫画っぽい感じが浮くわけではなくて、ここはすごいこの融合っていうのはかなり、おそらくパラパラ見ただけでも結構感動するレベルだと思います。
僕はやっぱり結構、まず風景の絵がすごい好きですね。
うん、ですよね。
やっぱり舞台がこの熱帯雨林の自然なので、明るい日中の絵もあれば、夜の暗い絵もあれば、なんかその夕焼けの、何でしょうね、ちょっと淡い光が差し込むような絵もあればというので、なんかそれがすごい水彩で表現されていて、なんかその絵の中にすごい奥行きを感じて。
それはもう野生動物の絵もそうですよね。ソリアだけじゃなくて、いろんな動物が登場するんですけど、クマ以外にもいろんな動物が出てくるんですけどね。なんか結構、動物それぞれの絵も本当に良くて。
それがね、なんか水彩タッチもすごい良いなって思いましたし。あとちょっと面白いと思ったのが、チャーンが子供の頃ですね、この自然保護団体のボランティアに採用される道のりですね。なんか自分はもうこれをやりたいと思って。
で、そこから勉強して、ボランティア試験というのが毎年1回かな、なんかあるんですけど、それを応募するくだりとかが、結構2ページですね。この見開きの2ページでその一連のプロセスが収まっていて。で、その次のページ行くとですね、このボランティアの活動ですね。結構ボランティアの活動ってたくさんいろんなことをするんですね。
この野生動物保護センターというところで、こんなにいろんな活動をしてるんだっていうのも見開きの2ページの中に収まって。この辺の情報の詰め込み方とか面白いなと思いますね。
たくみですよね。
そうですね。本当はね、その辺のストーリーというか、なんかチャーンのボランティアに至るまでの話とか、ボランティアでこんなことやってるっていうのも多分何ページも本当は作れそうだと思うんですけど。
普通の小説だったら普通にページ数さっきのここですね。
そうですね。それをね、本当2ページで見開き。で、次また2ページで詰めてるっていうね。なかなか簡潔な描き方なんですけど、みっちりと情報も入っていて、なんか面白いなと思ったとこですね。
ここはグラフィックノベルの良さかもしれないですね。
そうですよね。
情報のページに当たってのコントロールが効くっていうか。で、一方でバーンと見せる絵はもう一枚絵でバーンと見せてくるし、言葉もなくね。そこはすごい感動するし、いいよね。
たぶんさっきちょっと話したんですけど、割とやっぱりベトナムの方に向けて書かれてるところもあると思うので、たぶん日本人からするとちょっとそうなんだぐらいで捉えたら追えない部分もちょっとこの2ページに詰まってる情報っていうのはちょっとあったかなと私は思いましたね。
ちょっとそこは想像で補わなきゃいけないというか、もしくは調べていかなきゃいけないとわからない部分もちょっとあったかなとは思いますね。
でも全然普通に読んでいくには問題ないレベル感の情報ですけど。
最後ちょっとお伝えしたい部分はですね、これは実体験をもとにしたストーリーということですね。この辺り少し前でも触れてますけれども、この著者の実体験がもとになってるんですが、
その中で結構浮き彫りになるのがやっぱりこれ女性である著者と、あと若い頃からこの活動を志していたっていう部分なんですけれども、
このことがですね、さっきもちょっとボランティアスタッフの話ありましたけど、障壁になっていた。周りからですね、全員否定されるわけですね。そんなことしてもみたいな。
女性がそんなことできんのとか、若いんだからまだ何もできないでしょみたいな、そういうことがガーッと言われる部分があるんですけど、これもね、ほぼほぼ2コマぐらいで描かれているんですけど、ここもすごいなと思うんですけど構成上。
そしてですね、ちゃんとソリアはその道中もですね、木登りや餌探しを根気強く覚えさせていき、ソリアもですね、少しずつ野生のクモらしい形になっていきますね。
物語の最後、ちゃんのこの努力により理想の森が見つかってですね、ソリアもそこで暮らしていって、だいぶ野生っぽくなってきたので、いよいよソリアとの別れかなというところがですね、描かれてきますね。
ここが結構やっぱりすごい感動のシーンなので、ぜひこれは本当に本で確認してもらいたい。
もう絵で見ると迫ってくるものがものすごくありますので、ぜひ確認してもらいたいなと思うところです。
こんな感じが大枠でございますね。
ソリアを森に返すというそんな話ですけど。
やっぱりラストはもうすごい感動しますよね。
やっぱりちょっとジーンときましたね。
ラストのちゃんとソリアの二人の顔が並ぶ絵が、エピローグの前のページがあるんですけど、そことがちょっと泣きそうになりましたね。
そうですよね。なりますよね、これはね。それぐらいめちゃくちゃいい話ですね。
そんな感じなんですけれども、今それぞれに端折ったんですが、前提条件という形でちょっとお話ししちゃったんですけど、
ベトナムではですね、どうやら熊を捕獲して単獣をとるっていう工場というかなんていうか。
熊農場とか熊工場とかね、呼ばれたりしているんですけども。
そこではもう完全に虐待みたいな感じですよね。
そうですね、もうそういう残酷なことがされていて。
単獣というのは肝臓で生成されるものなんですけども、そこにですね、ウルソデオキシコール酸という物質が入っていてですね。
それがですね、健康に良いというか薬になるんですね。
皮膚に刺り込んだりしたら、関節とか痛み和らげるとかですね。
ちょっとお酒に混ぜて飲んでもいいみたいな、すごい万能薬になっていて。
その物質が熊の単獣にたくさん含まれていて、熊って冬眠するんで、冬眠しても大丈夫なようにそういうプログラムされた働きっていうのがあってですね。
そこにこのウルソデオキシコール酸というのがたくさん入っていることで冬眠に耐えられるようになっていて。
それが人の体にも良いというので、昔から薬として使われていたんですけども。
それを取るために肝臓からなんで、ちょっと管を刺してですね、採集されて。
というので、結局その状態で何年もとかですね、それが続いたりするので。
で、1回取って死ぬってわけじゃないので。
で、また回復したらまたそれされて。
すげー負のループです。
それを森の中に閉じ込められたりされてるとかですね。
すごい残酷なことがされていて。
ちょっとこのマレーグマに関してはですね、冬眠しないのかな。
マレーグマの単純にはウルソデオキシコウル酸というのが他のクマに比べると割合は少なくてですね。
そうなんですね。
というのはあるんですけども、昔からのあれで捉えられてっていうので。
それが仕事になっている人たちがいるわけですもんね。
マレーグマだけじゃなくてツキノワグマとかですね。
他のクマもそこにいたりしているみたいなんですけども。
そうなんですね。
ただあれですね、現在はそれをね。
もうそんなひどいことはやめようという動きは特に2000年以降始まっていて。
広がってきている。
そうですね。
ベトナムでクマ農場っていうのは2005年には禁止になりましたし、
2017年に国内で飼育されているクマ。
なんだかんだ2005年に禁止されても、その後もですね。
飼育という名目で捕まっているクマとかいたりしたんですけど、
それを全ても保護区に戻そうということに合意になったり。
あとはね、あれですね、そういう薬としてクマの単獣を使うのをやめようという動きとかですね。
そうなってはきているという。
そうですよね。
それでも本当にね、もしかすると今もまだあるかもしれないし、
最近までですね、生きたクマから単獣を抜いてというね、すごいひどいことはされていたという。
なるほど。
ここの描写もね、結構最初の方にあるから、ちょっと衝撃的ではありますし。
そうですね。そんなことが起きていて。
それが小学生のチャーンが道を歩いていたら通りがかりでね、見てしまうというのもちょっと衝撃でしたけどね。
そしてまあそれがあって、彼女は決意してやっていくわけですもんね。
チャーンがね、このボランティア目指そうとした時の姿勢って、それがね、そんな場面を目撃してしまったというのがきっかけとして、
あれにしても、でチャーンが英語が苦手やったんですけども、そこからも英語を勉強頑張ったり、
あとね、周りから結構やっぱり女性だから無理だとかですね。
あとボランティアしに行きたいって、その団体に話に行ったらですね、まだ子供だし無理ってね。
やるんですけどそこで諦めずにね、英語も勉強するし、フィールドノート自分で作って保護活動している海外の人たちとね、
コミュニティに入ったりして、あと野生動物の勉強とかもしていって。
なんかこのチャーンの成長ですよね。それを見るのもやっぱりね、作品のすごくいいところですよね。
チャーンがね、ほんとどんどん大きくなっていくと、人としてすごくね、成長していく姿もね、見れるので。
そうなんですよね。僕ちなみにこの作品で一番びっくりしたのが、ソリアが住める森を探すところですね。
ソリアを保護して生きる術っていうのを教えていって、じゃああとはソリアが住む森ですね。
野生として暮らして生きる森を、なんかチャーンが自分で探すんですけども、そういうものは適当だとダメみたいなんですね。
そういえばダムが近くにあるところは洪水のリスクがあったりとかですね。
なんか人がもうすでに住んでるとかですね。そういったいろんな条件をクリアしないといけなくて、
5つ目の森でやっとですね、なんかその条件にあったところが見つかるんですけど、なんかおかしいなと思ったら森に罠が仕掛けられていて。
それはなんかね、そういう野生動物を捕まえて、密漁するっていうですね。
そういう悪いことしてる人たちの、なんていうか、跡が残っていて。
っていうので、その近くの村の人を巻き込んで、その森の罠を取っていくっていうですね。
そんなことをやって、そしたら森に野生動物が戻ってきて、なんかね、本来の森の姿になっていくっていうですね。
そこまでして、ソリアをその森に住めるようにするっていうですね。
これびっくりしましたね。いや、そこまでやるんだっていう。
森を見つけるっていうか、もう住める森に変えてしまうっていうですね。
いや、そこまでできるのかっていう、なんかこれもう本当に、これはもうボランティアのレベルの話かなっていうですね。
もう、そのチャーンのその行動力とか、粘り強さとかですね。いや、これすごいことをやってるなっていうですね。
で、そのソリアを森に帰すっていうのは、そんな大きなプロジェクトまでやってたんだっていうですね。
それが読み取れてですね。
いや、このチャーンのね、この本当に行動とかね、そういうのを見てると、いや、これもし自分が10代で読んでたらですね。
結構、なんかそのチャーンの姿にやっぱり、いやチャーンのその姿勢ですよね、その物事への。
そこにやっぱね、結構影響を受けたかもしれないなと思いましたね。
いや、そうですよね。実際はこう、もちろんチャーン一人ではなくて、フリーザベアっていうね、団体。
チャーンがボランティアで入っている団体の力がもういろいろ借りながらやりますけど、
でも、まあ働きかけっていうのはね、結構チャーンもやっていくっていうところで。
村の人に罠を取るための、なんか訓練したり講習を行ったりっていうのもね、チャーンがね、したりしていて。
すごいよね。
すごいですよね。
まあでも、そこまでそうしないとね、もうこの熱帯ウリンに動物が戻ってこないっていう。
いや、そうですよね。で、そのマレーグマの話になるとですね、
マレーグマでもそういう熱帯ウリンの森に戻すのっていうのが、なんかいいことなのかみたいなところなんですけど、
これも作品の中でですね、描かれていて。
だからマレーグマって熱帯ウリンの中では、医者とか庭師と呼ばれるような存在。
そうみたいですよね。
そういう役割になっているっていうのはですね、これも本当に読んで初めて知ったんですけども、
大型の、やっぱり循環を良くするっていう影響があって、
マレーグマが食べた果物の種とかっていうのが糞になって、
それがいろんな場所に落ちたら、そこから種がまた生まれて植物が育ったりとか、
シロアリを食べるんで、シロアリの大発生を防いだりとか、
あと、腐った木とかですね、マレーグマが砕いたりするんですけど、
それによってですね、そういうのが土に帰りやすくなって、
というので、そういったマレーグマがいることで森が綺麗になるとかですね、
そんな影響があるっていうのもね、知らなかったんですけども。
生態系において重要なポジションだってことですよね。
なんかやっぱりこういうマレーグマがいなくなっちゃうと、生態系崩れるってことですもんね。
シロアリが大発生したりとか。
ですよね。その熱帯雨林の中で。
すごいバランスで成り立っているものなんでしょうね。森ってね。
なんか今、日本の話にちょっと戻っちゃいますけど、
日本でもクマが被害が多くなっているっていうところもあるんですけど、
もうちょっとでも自分のそういったところも調べて、
クマってでも本来マレーグマもっていうことは、
クマそれぞれにやっぱり生態系の中でのポジションってあったと思いますし、
なんかねそういうのも調べていくと、
人と動物の共生っていうところですね。
そういったのも自分の中でね、また考えが定まってくるところあるかもしれないなと思いましたね。
そうですね。
なんかそのあたりもすごい感じる一冊なんで、
短いながら本当にいろんなことを投げかけてくる一冊ですよね。
今回はこんなところにしていきたいと思うんですけれども、
だいぶいろんな話はできたかなと思うんですが、
でも実際読むとたぶんもっといろんなことを感じると思うので、
ぜひ丁寧にとっていただきたいな一冊ですね。
あれですね、なんか初めてこのグラフィックノベルっていうか、
結構絵を主体に話してきましたけど、
ちょっとやっぱりいつもと違う難しさがありましたね。
そうですね。
絵の雰囲気伝えるとか。
そうですね。ソラリスのときから。
確かに。
前回ソラリスのときからそれは思ってたんですけど。
ちょっと我々にとっても新しい挑戦が続いているようなところでしたね。
というところですが、じゃあ次回予告しますね。
次回はですね、ジェニファー・リン・バーンズの相続ゲームというのをご紹介したいと思います。