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2022-02-07 37:00

第68回 「最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集」キム・チョヨプ他著

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【今回の紹介本】

■『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』キム・チョヨプ、デュナ、チョン・ソヨン、キム・イファン、ペ・ミョンフン、イ・ジョンサン 著斎藤真理子、清水博之、古川綾子訳 

先週に引き続き、パンデミック小説をお届けします。

今回は韓国SFをご紹介。新鋭から巨匠まで、コロナに直面した作家たちが描く新しい世界、新しい未来。

今回は6つの中から4つの作品をご紹介。

是非お聴きください!

【番組内で紹介したトピック】

■『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』キム・チョヨプ、デュナ、チョン・ソヨン、キム・イファン、ペ・ミョンフン、イ・ジョンサン 著斎藤真理子、清水博之、古川綾子訳 河出書房新社

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208442/


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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:04
どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、私、小説が好きな岡山大一郎、羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方など、そちらを見ていただけるとありがたいです。
ありがとうございます。先週に引き続き、パンデミック小説をお届けしたいと思っているんですが、その前に、本編入る前にですね、少し他の話をさせてください。
実は、この収録が1月30日なので、先週の23日にですね、「まじんぼ町 無用のよう」という本屋さんで、我々二人が一日展示をさせていただきました。
で、その前日に、我々が二人は初めて対面したわけで、この収録が対面後、初の収録となっております。
そうですね。だいぶ打ち解けた気がします。
そうだね。
確かに。最初、初めて会った時、ちょっと固くて、とりあえず無用のような店長さんに見られるままビールを一杯飲むっていう。
一幕があったんですけど。
その後はね、2日間、午後はまるまる一緒にいて、いろいろ東京を本屋さん回ったりとか、会いたい人には会ったりとかしながら、
だいぶあれですね、一日展示が終わって、最後ちょっと食事してる時には、だいぶあれでしたね。
なんか、いろんな話もできたし。
そうですね。結構ね、土日ハードスケジュールだったと思うんですよね。
それ良かったかもしれないですね。
なるほど。詰め込んで。
詰め込んで、いろんなとこ行って。
そうですね。ミュージタンとコーヒー飲んだりとかしてる時に、ミュージタンがグリッチってとこ行ったんですよ。
外国っぽい店だみたいなことを言って、ぽろっと行ったんですけど、私その視点なかったんで。
人と交流してこういうとこに来ると、いろんな感想を聞けるなとか思ったりして。
あの時、静かにそんなこと考えてました。
グリッチコーヒーがね、すごいオシャレな感じで。
そうですよね。
神保町にあるコーヒー屋さんなんですけど、私好きでたまに行くんですが。
ちょっとお高いんでね、あんまり買いすぎていけないんですけど。
あと、日曜日イベントをしていたんですけども、最初イベント始まるまではちょっと緊張感がありまして。
誰が来るんだろうとドキドキしながら思っていて、果たして人来てくれるんだろうかどうか。
そういう不安もあったりしたんですけど。
03:01
去年ラジオでコラボした方々がイベントに真っ先に来てくれてて。
そこで大地さんは直接会って、めいすきも会ったりやったんですけど。
僕は初めて対面で会うっていう方ばっかりだったんで。
あの時はどう思うっていう、そういう話。
知ってる間にそのまにかイベントが始まってて、気づけばいろんな人が来てくれてという。
そうか、そうですよね。みえさんからするとみえさん初めましてですね。
福岡さんに関しては私も実は前日直接お会いするのは初めてで。
イメージはあんまり変わらなかったんで。あんまり初めて会った感はしなかったんですけど。
みえさんもそうでしたけど。
イベントはあれでしたね。特に参加表明をもらったわけじゃない形でやったので。
誰が来るか本当わからないっていう状況でやってて。
でもそれなりに人来てくれて。
ちょうどコロナの状況もだいぶ良くない状況になってきてる中だったので。
あんま来ないかなと思ったんですけど。
それでも結構ね、カウンターは満席になりましたしね。
本当ありがたかったですね。
あっという間に終わりましたよね。
イベントと言っても本当に来てもらった方とカウンターで雑談したりとか。
そういうことをしてたわけなんですけど。
話してると本当にあっという間で。
4時間があっという間でしたね。またちょっとこういうことやりたいですね。
僕たちと来てもらった方もそうだし。
来てもらった人同士で喋って盛り上がってて。
すごく良かったね。
楽しそうで良かったなと思いますよね。
やっぱりわかんないけど、そういう形で集まってくれる人たちっていう属性は似てるのかもしれないですね。
同じようなテンションの方が多いのかもしれないなと思いましたね。
そうですね。しかも共通で。
それとも本の話題とか、そういうのはありますので。
そうですよね。
あとはあれですね。我々が初めて対面して、1年半近く毎日連絡を取り合っていて、
中で初めてって言うの。緊張もなんだろうな。
今まで私は一つも味わったことのない妙な緊張を感じましたね。
それはね、僕もありますね。
この感じなんだろうと思いながら向かってました。
どうですか?会ってみて。印象変わりました?
三枝さんなんかね、もっとすごい身長高い人なのかなって思ってました。勝手に。
雰囲気とか話してる感じとか全然。
06:01
こんだけ話してるからだと思うんですけど、特に印象は変わらなかった?
僕もそんなに印象変わらなかったですね。特には。
さすがにあれですね。オンラインとはいえ、こんだけ密に。
そうですよね。こんだけやりとりしてれば。
まぁ、だいたいもう人となりは分かっちゃいますもんね。
我々の感想とか、皆さんに対する御礼、反省に関してはノートにあげさせていただいているので、
こちらをチェックしていただけるとありがたいです。
じゃあ、本編に入りたいと思います。
今回はですね、最後のライオニーという作品を紹介したいと思います。
前回がデカメロンプロジェクトという、これもコロナ禍に置かれたアンソロジーで、
世界中のだだったる作家さんが短編を書いてたんですけども、
今回の最後のライオニーっていうのは、韓国のSF作家の人たちのアンソロジーで、
前回と今回と同じようなテーマなんですけども、
韓国のSF作家というところで、しかもそこにはキムチョヨクさんという、
以前にもラジオで取り上げたことのある作家さんも参戦していて、
これは面白そうだなと。
そういうSF作家がどういうふうなパンデミックを描くのかなというところを今回取り上げました。
この流れで今回紹介する本なんですけども、
最後のライオニー、韓国パンデミックSF小説集になります。
本はキムチョヨク・ユナ・チョンソヨン・キムイファン・ペミョン・フン・イージョンさんが書いていて、
翻訳は斉藤麻里さん・清水白幸さん・古川綾がさせています。
河手書房新社から2021年12月に出版されています。
ありがとうございます。
じゃあ私の方からあらすじを。
人・機械・鯨・ドローン・虫・ウイルス。
現実を添付する韓国SFのめくるめく創造力による新しい時代の新しい未来。
星々に生きる者たちの6つの物語となっております。
ちょっと後で詳しくいろいろ話しますが、かなりバラエティの幅のある、
SFと言ってもその中でもバラエティの幅がある作品が集まっています。
そうですね。少し補足すると、韓国のSF作家でもキムチョヨクさんのような神影から巨匠の人たちまで、
韓国SFの最前線と歌われている短編中で、中々日本の今回が初めて翻訳された作家さんもいるということで、
非常にちょっと楽しみな内容になっています。
ちなみに韓国では2020年9月に出版されて、今後書きのところで書かれていたんですけども、
コロナになってから、世界的に新しい本のテーマがパンデミックだったら、
結末をどうかという質問が、世界的にSF作家に投げかけられたみたいで、
韓国でもそうした流れで、今回のような短編集が作られています。
09:02
じゃあ、この本について具体的にお話ししていきたいと思います。
まずですね、こちら6つの作品が入っているんですけれども、それが2つずつ、3つのテーマに分けられています。
もう1つの言い方をすると、3つのテーマに沿って2つの作品が入っているような感じですね。
テーマが、終わりと始まりというか、副題がついているんですけど、目視録。
第1章が目視録。第2章が完成章。副題が箱を開けた人々。
第3章がニューノーマル。全類の新たな希望となっております。
このテーマによってですね、話の方向性が結構変わってきて、そこが読んでいるとかなり面白い作品集でした。
テーマによって結構そのね、方向性が違っているので、その分個性が現れているような気がして、
このテーマを3つに分けたというのがすごい面白いなと、それが良かったなと思います。
あと他にですね、ポイントとしては、全体的な共通点になると思うんですけど、どこか悲しさがある作品が共通していると思います。
この点に関しては、デカメロンプロジェクトの時は29個の物語で、本当に幅広い作品で、悲しい物柄が決して悲しいだけではない作品もあったりしたんですけども、
今回その悲しさが全体的に漂っているなという点では、デカメロンプロジェクトとはちょっと違っているなと感じましたね。
SFというジャンルの性もあるのかもしれないですけど、デカメロンプロジェクトと比べると、やはりコロナを重く捉えているという感覚がありますね。
あと私がすごく感じたのは、ウイルスとして怖い部分というか、感染症ってやっぱり怖いなって思う作品が多くて、
これ読みながら、コロナって結構毒性が結局弱い死んでいらっしゃる方いらっしゃいますけど、そこまで強くないんで無症状で終わるっていう人も多いと思うんですけど、
これ本当に一発やばいウイルスが流行ったら、人間なんて瞬殺なんだろうなってちょっと思う。
この本を読んで改めて思いましたね。そういうウイルスもちょっと出てくる話あるんで、それでも人間は生き残ってきますけど。
あと作品を通して、現在2020年の韓国社会が描かれているというか、その韓国社会の延長にあたるような作品も多いかなというのも印象としてありました。
例えばある作品では、都市部での新婚ですかね、お給料が安いというところで、結構もう住むスペースがすごい限られていて、
そういう中でどう生きていくんだろうかという、そういう未来社会なんですけど、でもそれは今現在の韓国の社会でもおそらく同じようなことなのかなと思いますので、
結構今の社会の、韓国社会のリアルというところも作品によって描かれているんだろうなというのを思いました。
12:05
ちょっとそんな感じの特徴というかがある作品でございます。
具体的にちょっと話していきたいんですが、第1章目次録、終わりと始まりなんですけれども、
一番最初に語るのはキムチョープさん、私たちが光の速さで進めないならのキムチョープさんの最後の雷鬼という作品です。
これは人類が感染症で絶滅し、機械が支配する惑星の探査を命じられた私の話でございます。
遥か未来の世界の話ですね。だけども感染症を描いているというお話でございます。
これ、すごい良かったですよね。
いやもう本当、めっちゃエモくて、相変わらずすごい良い話でした。
いや本当、さすがキムチョープさんだなという、以前私たちが光の速さで進めないならを読んだ時と同じような感動を味わったというか、
エモいっていうのはそうだと思うし、あとはこの作品に通してパンデミックのテーマなんですけど、
でもどこか希望であったり、人間のたくましさというかね、そういうのを感じ取れてすごい良かったなと思っていて、
何が良いかというと、これも個人的なアレなんですけど、結構前半パートですね、
最初のページ、20ページぐらいが主人公の心理描写というところが描かれるんですけど、
すごく劣等感を持っている主人公で、自分が族している中で自分はかなり劣等感を持っていて、
だから結構危険なミッションを主人公が行うんですけど、そのミッションを受けるようになったという、
そういうところの心理描写を読んでいて、ぐさっとくるところがありましたし、結構ですね。
でも最後やっぱりいいですね、そういう主人公も生まれつき欠陥を持っているとではあったんですけど、
でもその欠陥というのは実は欠陥ではないんじゃないかと、そういう描き方がされていて、
YouTubeですごい感動をさせられました。
構成がめっちゃいいんで、ストーリーが本当にいいんで、だいぶ刺さりますね。
ちょっと予想させるような流れもあるけど、でもそれを補完するストーリーがすごく良くて、
これはちょっと読んで味わっていただきたいのであんまり話したくはないんですけど、
全体的な話としては、私がその劣等感を引き受けたミッションでピンチになっていき、
ちょっといろんな話と絡んでいくっていう、一人である惑星の探査を行くっていう、
すごいSF的な、未来SF的な話なんですよね。
コロナっていう話で言うと、この作品で私が思ったのは、
テクノロジーが発展しすぎた世界だからこそ、めちゃめちゃウイルスに弱いという状況が描かれていて、
15:00
これは今回我々が直面しているコロナっていうところとも重なる部分があるなと思いました。
発展しちゃっているから、一気に広がるし、
これもある必ずやらなきゃいけないっていうところに対して、
ウイルスが作用しちゃって、一気に広まった世界っていうのが描かれていて、
しかも、例えば昔だとウイルスって全く特定できなくて、
中世とかだったらウイルスとか全く特定できなくて、
人が呪いの呪いかなんかで死んでいくみたいな感じで捉えられたと思うんです。
今はウイルスって特定できない、でも対処できないっていう点もすごく似てて、
この世界で描かれているのが。そこはすごく面白いなと思いましたね。
ちなみに、この本の一番最後の解説で書かれていたのが、
キム・チョープさんが2021年、去年韓国で初めて長編を出したみたいで、
これもまたいずれ翻訳されると思うんで、楽しみですね、今。
そうですね、それすごい楽しみ。絶対読みたいですね。
次ですね、第1章のもう一つの作品が、
ジュナさんの「死んだ鯨から来た人々」という作品です。
これは、鯨の背中の上で3000年の文明を築いてきた人類の下に、
伝染病が到来するという話ですごい設定が面白いんですけども、
鯨というのがイメージすると、どっちかというと島なんですよね。
鯨というよりかは、島の上で文明を築いてきた人類というイメージのほうが近いかなと思います。
ただ、とはいえ、やっぱり鯨な部分もあったりするという、なんとも言えない面白い設定で。
そうですね、これすごく想像力を働かさなきゃいけない部分なんですけど、
生命体が集まっていて、島みたいなのを形成しているという、惑星みたいな。
海しかない惑星で、そころそころ生命体が寄り添っていって、
陸地を形成しているみたいな感じなんですよね。不思議な世界ですね。
そうですね、あとこの1つ面白いのが、すごいマクロな視点で描かれていて、
もちろん主人公は人類ではあるんですけど、
ただこのマクロな視点で物事ですね、このウイルスの問題とか、
パンデミックを見ていった時に、じゃあ見方がどう変わっていくかとかですね、
そういうところとかすごい面白かったですね。
これちょっとあんまりネタバレになったりするとあれなんで言えないんですけども。
そうですね、確かにこれちょっとネタバレになっちゃうからね。
この小説はですね、結構ラストのあたりの流れが好きで、
これもちょっとネタバレになるかあんまり話さないんですけど、
いい終わり方をするなと思って、でも希望があるわけじゃないんだけど、
いい終わり方をするなって思いました。
どんなラストかってのは皆さんぜひ読んでもらいたいなと、さっきと一緒なんですけど思います。
ちょっと私のこれを読んだ感想をちょっとすると、
18:01
これは人類が地球に住めなくなって、他の惑星に移住した話ではあるんですけど、
我々人類もやっぱりどっかのタイミングでもしかしたら地球というところを住めなくなって、
脱出して他の惑星を目指すという時が来るのかなとか、
いろんなSFで描かれてますけど、
でもその先はやっぱり絶望が多いんだろうなって、なんとなく思います。
でもなんかサンタのラストでもじゃないけど、
そういう時にもきっと希望を持って何かを信じていくものなのかなとか、
この小説を読みながらちょっと思いました。
この小説はちょっとあまりネタバレしちゃう。あんまり救いはないんですけど。
鯨病という、そういう伝染病が流行っていて、
人類でもそういう鯨病にかかった島というか鯨を見捨てるしかないし、
そこに境界線を作ってしまったりというね、
そうはなりたくないなというような一面も描かれてますからね。
この一章なんですけど、この二つの作品は、
特にキムチロフさんもデュナさんも何かオーダーがあって、
未来を描いたわけじゃないらしいんですけど、
二人ともこれ、小説が終わると石化ノートっていうのがあって、
作画はメモ書きしたような作品を描くにあたった経緯とか思いとかを書いてるんですけど、
二人とも共通したのが、ちょっと遠い未来を描かないと、
自分はこのパンデミックっていう素材をどう扱っていいかわからなかったと書いていて、
やっぱりその絶望を、これキムチロフさんの言葉なんですけど、
地球の向こうにある遠くへ行くことで、
パンデミックっていうのを描けることに成功してるという、
ちょっと今言葉変えましたけど、こと書いてます。
感染症について語れる言葉はないが、
絶望の中にあっても自分の場所を守り抜く勇敢な人たちを思いながら描いたと書いていて、
パンデミックの中にあってもこういう人たちがいるっていう、
そういう思いを多分、
リュウラさんもちょっと違う言葉で書いてるんですけど、
ここは第一史を共通してて、
特に未来を描いてくださいっていうオーダーを受けたわけじゃないのに、
二人ともやっぱり遥か遠くの未来を舞台にしたっていうところは、
共通しててすごく面白いなと思いましたね。
これ全部の作品の後ろに作家ノートっていうのがあって、
そこで作品を書いた背景っていうのを、
この著者が書いてるんで、
すごい面白い。
第2章に進んでいきたいと思います。
第2章は感染症副題が箱を開けた人々ですね。
最初の収録されている作品が、
ション・ソヨンさんのミジョンの遺体の箱になります。
これは会社勤めのミジョンが感染拡大化で手にした
時間を遡ることができる箱についての話なんですけども、
これも未来社会なんですけども、
ただ時間を遡って過去を描くというそんな話。
21:01
名作ですね。
時間を遡ることができたとしたらっていう、
時間を遡ることができるようになった女の子の話で、
コロナになっちゃった後、結構経った時から
時間が遡っていって、自分の行動を変えられるっていう作品で、
自分に置き換えて考えることができる作品でもあったので、
すごい面白かったですね。
僕も一番好きな作品でしたね、今回の中で。
この出だしが結構もう終末世界というか、
もうこの先パンデミック、伝染病が広がって、
ちょっともう人類生きていくのって大丈夫なのかどうかっていう、
そういうかなり厳しい中だったんですけど、
そうですよね、本当に過去に戻っていくっていう。
そこで過去もしもこういうふうにしていたらっていうのが話なんですけども、
この主人公の恋人がミジョンで、
恋人がユギョンっていう人がいるんですけども、
この関係もやっぱりすごい良くて、
この辺すごいストーリーテーラーだと思うんですけども、
これは結構泣けるところが出てくるというか、
すごい切ない話があったりして。
映像化してほしいですね。ちょっと映像が迫ってきそう。
1時間ぐらいの映画とかで見たいかもしれないですね。
これもやっぱり背景には伝染病もそうなんですけど、
それ以前に本当に韓国の2020年、
現在の生きづらい社会というか、
そういうのが背景にあると思っていて、
そこですごく消耗しながら生きて厳しい現実を生きようとしている、
主人公のミジョンがいて、
それで恋人と現実社会どう生きようかっていうところでのパンデミックの話なので、
これは本当に名作だと思いました。
皆さんに読んでもらいたいですね。
自分と関わらなければ大切な人が死ぬことが防げるとしたらみたいなテーマがあって、
結構グルグル考えちゃいますね、読み終わった後。
じゃあ最後、第3章、最後の章いきます。
ニューノーマルというタイトルがついていて、
課題は人類の新たな希望となっています。
次が最後の作品になります。
ジョンさんの虫の竜巻になります。
これは大量の虫たちの到来により、
他人との物理的な接触が消えた未来という話ですね。
地球温暖化で氷が溶けたら、そこから未知の虫たちが出てきてみたいな。
未知の虫たちが出てきて、その虫たちに刺されると死ぬ可能性があるっていう感じですね。
カアなんですけど、スズメバチほどの大きさのカアが、
本当に空を追い尽くすぐらいそれが世界中に出現して、
それに刺されるとインフルエンザですね。
24:02
スズメバチかインフルエンザにもなってしまうから、
もう外で歩けないという世界ですね。
結構怖いですよね。
かなり怖いと思いますね。
気持ち悪い話だなって最初思いました。
この小説もやっぱり面白いのが、
そういう物理的な接触ができなくなった未来で、
代わりにスクリーンウィンドウというアイテムが出てくるんですけど、
これはイメージで言うとスマホみたいなものですけど、
ヘルメットかゴーグルか、
架空の現実世界の中で架空の自分を出すという言い方です。
厚盛りですよきっと。
そうっすね。厚盛りみたいな。
厚盛りがやたらリアルだと。
厚盛りが完全に自分たちになっているみたい。
アバターとかじゃなくて。
アバターではなくて。
例えば主人公は人形を作っているんですけど、
人形を作っている風景を公開することができて、
このリアルな風景を世界中の人が閲覧することができる。
そういう物理的じゃないんですけど、
結構今っぽいですね。
SNS的なところでつながったりできて、
自分によって人と人が出会ったりつながったり。
これも良かったですね。
設定自体は虫の竜巻って、
主人公を見たくないから窓をずっと閉めてるんですけど、
カーテンとかして塞いじゃってるんですけど、
外に虫が空を覆っている姿が見えるっていうのがあって、
天気予報みたいに虫が来るみたいな。
虫の発生が予報されてますとかあって、
すごい嫌な世界だなっていうのが自分はあったんですけど、
外出したらリスクがあるっていう設定自体はコロナ禍っぽくて、
誰もが割と想像し得る世界部分だなっていうところがあって、
面白かったです。
あとそんな気持ちの悪い世界の中で、
描かれているこの主人公の話がいいんですよね。
ロマンチックだよね。
なんかすごくラスト良くて、
気持ちの良い話。
設定は怖いけど、ストーリーは良かったなってすごい思いました。
最後のこの終わり方すごい良かったと思います。
最後、作家ノート結構感動してですね、
作品を読み終わった後に作家ノートを読むと、
今回のパンデミックもそうですけど、
人類ってずっと昔からやっぱり人のことを思ったりするっていう、
そういう話があって、作家ノート最後良かったですね。
良いよねこれね。
27:01
遠い昔も人を好きになったりこう思ったりする、
心は今と変わらないっていう、
ずっと変わらないものなんだなっていうのが描かれている。
それがこの話に落とし込まれているからすごい。
じゃあそんなところで締めまして、
最後テーマトークを少し話したいんですが、
今回SF、画面論プロジェクトとは違う形で、
パンデミックをSFという視点で捉えているんですけれども、
そこでちょっと話してみたいのは、
我々はこの辛い現実を生き延びるために、
SSは必要なのかっていう話をちょっとしてみたくて、
今回やっぱりSFっていう視点が入ると、
コロナっていうのを捉え方が結構変わるなって思って、
そこがすごく面白かったなと思ったので、
このテーマにちょっとしてみたんですが。
実際に本書の解説でも書かれていたのが、
韓国で近年SFがよく読まれているということで、
2019年から2020年の1年間で、
SFの売上が5.5倍になったということで、
SF卓下のこれまでの成果っていうのもあるかもしれないんですけども、
今の時代にSFの文脈とか想像力が必要とされているんじゃないかとかですね。
あとAIとか科学技術の発展もあって、
社会問題に関心のある人たちもSFを読むようになったりとかですね。
一応コロナになって、この先どうなるんだろうかというところで
SFを読まれるっていう方も多いと思うんですけども、
いろんな要因があって韓国SFが盛り上がっているという、
そういうようなことが書かれていて、
そういったところで人はSFを必要としているというか、
そこにニーズは必ずあるんだろうなというのを読むと書いてたんですけども。
じゃあちょっとテーマトークに戻ると、
現実的な部位のためにSFが必要かどうかというところで、
どう思うかということですね。
どうなんでしょうね。なんかSF読むと、
気分的には今回もいろんな感情を抱いたんですけど、
でも想像力っていうのはやっぱり信じたくはなるなと思いましたね。
どうにもならないかもしれないけど、
どうにか生きていくにはこういうアイディアじゃないけど、
こういう作品を読むと、
自分の中で捉えられるものもあるっていうか、
コロナってやっぱり、
現実を今回コロナという形にしてしまうと、
コロナってやっぱり全然先が見えなくて、
今回も今1ヶ月後またさらにオミクロン株が流行っていて、
また増えてきて、
それは実際に毒性がどうなのかとか、
いろいろな諸事があって、
どう対応するんだっていうのは、
正直多分誰も決められないんだと思うんですよ。
強制もできないし。
なんか私は、
これはもしかして前回のデカメオのプロジェクトに通じるかもしれないんですけど、
今回読んでみて、
やっぱりなんかいろんなことを言語化してくれてる感じがすごくあって、
知らなくてもこういう感情を抱くよねっていうと、
物語を通して共通認識として生じてもらってる気がして、
30:01
SFっていうところに限らないのかもしれないけど、
やっぱり私はこういうものは自分には必要だなって思います。
言語化してくれているっていうところで。
言葉にできないじゃないですか。
今のこの感情って一つ一つ。
でも物語という変わるもので表現してもらえると、
なんか落ち着くとこがあるっていうか。
僕も結構大地さん同じようなことを思っていて、
若干違うところはあるんですけども、
今回のコロナにしても何か新しい技術の発展にしても、
それは現在ももしくは未来で起きることで、
それがそういう今までになかったものが起きた時とか、
今までなかったものが新しく作られた時、
人はどうなるかとか、
人類の生活はどうなるかとか、
そういう変化、どういう変化をするのかっていうのを描くっていうところは、
SF作家の人たちができることなのかなと。
それが当たり外れとかではなくて、
そこに想像力を持ってこういう見方もある、
こういう可能性もあるって提示できるっていうところですかね。
それはもう本当にSF作家の人が思考実験をやってるからだと思うんですけど、
そういう可能性みたいなものっていうのがやっぱり提示があるからこそ、
人の想像力ってさらに膨らんでいったり、
もしくは何か現実に向き合った時に、
それがヒントになったりとかするのではないかなと思うんで、
僕もやっぱり生き延びるためにSFって必要なのかなと、
これなんかっていうのは思ったりします。
究極言うと必要か必要かないかって言われたら、
もしかしたら必要じゃないっていうアレもあるかもしれないけど、
でも必要なんだよなっていう。
そうですね。これどっちかって言われたら、
必要であってほしいなとは思いますね。
なんだろうね。食べ物とSFどっちが必要だって言われたら、
SFは食べ物の方が必要なんだけどってなるんだけど。
物語全般になっちゃうかもしれないけどね。
人間性を保つためには必要なんだろうなってちょっと思いますね。
ちょっとまとまってないようでアレなんですけど、
ちょっとここから発展するの難しいので、
ちょっとこれぐらいにしときましょうか。
じゃあいつも通り、感想とどんな人に読んでもらえたらいいか、
お話しして閉めたいと思います。
じゃあまず私の方から。
この作品集ですね、どれも6つとも全て面白くて、
やっぱりこれコロナ禍でなくても、
あとあと10年後読んでも面白いかなと思うんですけど、
でもやっぱりですね、今コロナ禍に直面している状況で読むと、
不気味な実績感があるので、より楽しめるはずなので、
33:03
読むなら今がおすすめかなと思ってます。
前回のデカムウーロンプロジェクトごと、
コロナ禍の心境っていうのを思い出す作品っていうのは、
ではなかったかなと思うんですけども、
でもこっちの方が今より読んだ方がいいかなっていう感じはしました。
それは思います。
やっぱりSF作家たちの凄さを感じることができる一冊なので、
もう本当この一冊で多様な世界に触れることができるので、
本当にいいなと思います。
そんなにこの薄さで1950円するんで、
ちょっと高いかなって感じる方もいるかもしれないんですけども、
私は結構コスパいいなと思ったので、
ぜひとも手に取っていただければなと思います。
200ページぐらいなんで意外とね、
手に取りやすいというか、読みやすいボリュームでしたね。
そうですね。
僕が思ったのは、
結構どの作品もリアルに感じれる要素がそれぞれあって、
そこからパンデミックでも未来社会になっても、
変わるものと変わらないものっていうのを、
作家の人たちは書いていたんだろうなというのを思いました。
小説で提示されることをですね、
人とはこうあるべきだとか、
未来社会はこうなるとかですね、
そういう全てが正解というものではないと思うんですけど、
そういうのを想像してみると、
面白く読めるなというふうに思いました。
SF短編集としても単純に面白い一冊だと思いますし、
やっぱり第一章と同じ軸なんですけども、
パンデミックになった未来っていうところを描いているので、
その未来っていうのはやっぱり、
現代社会の延長線上にあるものが多いので、
今の時代に読みたい本としてお勧めできるなと思いました。
次回はですね、
サンテクジュペリの人間の土地を紹介したいと思っております。
かなり名作で皆さんもご存知だと思うんですけれども、
ラジオっぽくないんですが、
こういう名の知れた大きな作品を取り上げようと思っております。
次回お楽しみいただければなと思います。
番組の最後になりますが、
1点ちょっとお知らせをさせてください。
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全てのメールをチェックしていただけるとありがたいです。
結構メルマガの内容が、
現段階で2回しかまだ配信してないんですけど、
私は個人的な話を発信したりとかもしているので、
これからコンテンツ、
ちょっと色々変わっていくと思うので、
お楽しみにしていただければなと思います。
完全に今登録者が10人来ているので、
その10人だけ向けてですね、
来やすいメールを配信しています。
こんな感じですよね。
本当に日記みたいなものかもしれないですよね。
36:03
あと編集後期ですね。
毎回毎回編集後期も書いているので。
我々が配信してみてどう思ったか、
話した後どう思ったかみたいなのも書いてますので、
お楽しみに。
あとサポーターしか聞けないというか、
配信の都合上カットしてしまったところは、
サポーターの特典として、
YouTubeでそのURLしか知らない人しか見れないような状態で
アップロードしたものをお届けしております。
よろしくお願いします。
詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので、
そちらをご確認ください。
では、番組の感想やリクエスト、
またこのラジオを聞いて紹介された方を読みました、
読み返しましたがございましたら、
ハッシュタグそのときの言葉を立ち寄せて
教えていただけると嬉しいです。
ツイッターやインスタのDM投稿などもお待ちしております。
番組情報欄にメッセージ本も載せておりますので、
そちらからいただいても大丈夫です。
ぜひぜひたくさん共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
37:00

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