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2025-10-20 36:54

第207回 そしてピリオドへ『失われたスクラップブック(後編)』エヴァン・ダーラ著

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文学ラジオ第207回の紹介本

 

『失われたスクラップブック』

エヴァン・ダーラ著、木原善彦訳、幻戯書房

⁠https://www.genki-shobou.co.jp/books/978-4-86488-310-8⁠

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

【今回の内容】

後編はストーリーの紹介と読後の感想/後半にミズーリ州の架空の町で環境汚染問題が起きる/有害化学物質の流出量がどんどん膨れ上がる/生成AIの著作権問題が思い浮かぶ/タイトルのスクラップブックが腑に落ちる/オザーク社の社長の住民説明会/最後に出てくるピリオド/選挙に行かない人に個別訪問する女性/人類史上最初の個人と紹介される古代エジプトのアクエンアテン/隣人の家と自分の家のペンキ塗りの差に気づく/TV番組のインタビューが急遽キャンセルされるチョムスキー/書きたかったのは無数の語り?/鈍器本は読んでいるつもりで読んでいない?/会話の間合いが素晴らしい/次回予告

  

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版元サイトより

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“ポスト・ギャディス”と目され、リチャード・パワーズが正体とも噂された、トマス・ピンチョン以上に謎めく、ポスト・ポストモダン作家エヴァン・ダーラ――“読まれざる傑作”として話題となった、ピリオドなしの、無数にして無名の語りで綴られる大長編の奇書がついに本邦初訳で登場!

第11回日本翻訳大賞受賞作。

 

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サマリー

ミズーリ州の架空の町イソーラ市を舞台に、オザーク社による環境汚染問題とそれに対する住民の声が描かれています。このエピソードでは、さまざまな人々の視点から問題の深刻さが語られ、最終的に町の住民に退去命令が出る様子が紹介されています。第207回のエピソードでは、エヴァン・ダーラの著作『失われたスクラップブック』を通じて、著作権や社会問題に関するリアルな声を体験し、それがどのように物事を動かすのかを考察しています。また、政治や住民との対話を交えながら、沈黙で終わる物語の深い意味についても触れています。『失われたスクラップブック(後編)』では、主人公の体験を通じて、日常の細かなエピソードや人間関係の微妙な変化が浮き彫りにされ、チョムスキーの影響や環境問題への視点も織り交ぜられ、物語全体に深みが与えられています。感想と次回の予告も語られています。

架空の町の汚染問題
ミズリー州の架空の街を舞台に、大企業が起こししまった環境汚染問題をメインに据え、
失われていく住民の複数の声を捉えた、スクラップブックのような大長編。
前回に引き続き、ネタバレありで、エヴァン・ダーラの失われたスクラップブックを紹介していきます。
どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私ダイチとミエの二人でお送りします。文学のフォローではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのも、前回に続いてエヴァン・ダーラの失われたスクラップブックになります。
木原義彦さん役で、元義書房から2024年に出版された本です。
前回はね、割とね、こう、言うてもストーリーの部分を結構話してはしてはいるけれども、こんな本だみたいな感じのことも話しながら、こういう魅力があるよとか、こんな風に読んだらいいんじゃないかみたいな話をちょっとさせてもらいつつ、いろんな話をさせていただきました。
今回はちょっとね、ストーリーを中心に話して、ちょっとネタバレもしつつ、ラストの印象も含めて、ちょっといろいろ話していきたいなと思います。
じゃあ、えーと、うん、すごい早速になっちゃいますが、いきますか。
そうなんですよ。じゃあもう、早速ストーリー紹介していきましょうか。
前回の最後に読み方ロードマップというのを話したんですけども、この本の前半部分は連作短編みたいな形で、
個別バラバラな話というのが、物語というのがですね、もういくつも積み上げられていたんですけども、後半ですね、
大体は400ページ手前あたりからちょっと一つの物語に集約されていくような展開になっていきます。
まず、舞台としてはアメリカのミズウリ州イソーラ市というところをですね、これ架空の市が舞台みたいなんですけども、
そこの街に大手化学品メーカーオザーク社というところがあって、そのオザーク社というのが環境汚染問題というのをちょっと起こしてしまって、
そこがですね、取り沙汰される事態になっていきます。このオザーク社というのが世界2位のフィルムとか写真とか、
原造製品の製造加工会社で、そういう製造メーカーですね。やっぱりその工場を持っているんですけども、
その化学薬品を使っていて、それがですね、どうやら流出してしまったと、その体に悪いものが流出してしまったというのでは問題になっていくんですけども、
ただですね、このオザーク社というのが本当に大手企業なんで、地域経済を支えていて雇用も生んできた会社でもあって、
イソーラ市一帯の全労働人口の約5分の1をオザーク社が雇い入れていて、イソーラ市にある全不動産の約36%を保有していると。
さらに、この市のいろんな施設とかにも寄付をしているというので、本当に市にとっては誇りみたいなものでもあったし、住民の信頼も厚い会社でもあったんですけども、
ちょっとその汚染問題というのが出てきて、ちょっと不審感がですね、募る事態になっていたと。
汚染の深刻化
で、化学物質というのが塩化メチルというですね、もので、これが流出してしまったと。
最初はですね、なんかそんな大した問題ではないと思われていたんですけど、ただどんどんですね、この汚染問題の深刻さが明るみになっていますと。
で、最初、例えばですけど、塩化メチル流出量というのが最初に発表あった時は750から2300リットル。
ちょっとその工場から川とか土地とかにちょっと流れてしまったと言ってたんですけど、ただ翌日には5000リットルと。
そのすぐ後には4万リットルに訂正されて、今度は20万リットルになるというですね、最初言ってたのは何なんだったって思うようなですね、どんどん大きな数字になっていくと。
で、社長が住民説明会とか開いて、いやこれはもうちょっと問題は起こしてしまったけど、ただ健康面には問題がないし。
これを機にですね、この会社と町と前向きに一緒に取り、気づいていこうというですね、前向きな会見を社長は住民説明会でしようとするんですけど
ただですね、市民と紛糾しあったりね、まあ衝突してしまったりしてしまうという。
で、それ以外にもですね、この会社の広報担当者とか、あと保健局の役員とかですね、市の市長とかですね。
なんかその、あとはまあやっぱり会社が大手企業ですごい力を持ってるんで、そこに避けられない町の人々とかですね。
いろんな立場の人が、まあその作品の中でね、いろんな声を上げていくというですね、風になっていきます。
そんな、これを一体本当に体に悪いの、そこまでの影響あるのって思うんですけども、ただですね、その後すぐにまた別の問題が発生して、
塩化物流ではなくて、お作学者が他の会社が出した廃棄物を受け入れていたっていうですね、ということが明るみになってきます。
で、それがですね、ヘキサと呼ばれる化学物質なんですけども、こっちの方がなんかより人体に悪影響があるみたいで。
その廃棄物を受け入れていたというのがやっぱり、結局はそのお金の面ですかね。
うんうん、そうですよね。
うん。なんかその塩化物流流出してしまって、ちょっと会社もすごい損失が出てしまうというところで、
ちょっとその分の補填をしないといけないというので、ちょっとこれ安易になるのかもしれないですけど、
廃棄物、危険なものをちょっと受け入れて、それをお金に変えようとしていたという。
で、それがですね、ヘキサと呼ばれるものがちょっと今度は流出してしまって、そうなるといよいよ深刻な問題になっていってですね。
で、やっぱりがんの恐れがあるとかですね。
あれですよね、妊娠している人が流産する可能性が高くなるとかですね。
そう、そんないろんな、また報道というか、そんなものが出るようになっていって。
で、そうなるとですね、住んでいる人たちもいよいよですね、怒りの声を上げたり。
その前から怒っている人もいたんですけど、信じられないという声もあったり。
あとやっぱりそのがんのね、やっぱり不安もあって、ずっとそこに住んでいた人。
作中ではね、ちょっと子供が自殺するということもあったんですけども。
そうやって本当にその住んでいる人たちの中でちょっとパニックになっていて。
で、最後ですね、この町の住人たちに退去命令が下されて、もう町に人が住めなくなってしまうというですね。
という事態になっていくというですね、そんな話ですね。
住民の反応と結末
そうですね。いやーこれは、今これが後半200ページぐらい?150ページぐらいかな?ぐらいの内容なんですけど。
それまではね、ちょっと前半でも触れてるけど、いろんな人の無数のエピソードが詰められていって。
で、そのうち急にこの声が、このなんかやばいこと起きてるんじゃない?みたいな声がちょっとずつ織り込まれていって。
で、それに対してなんか気にしすぎだよみたいな感じの声があったり。
いやいや待てよみたいな声があったりっていうのがあってて。
いよいよ本当にその塩化メチルが流出したらしいぞみたいな。
でも大丈夫大丈夫みたいな。ちょっとだけだからみたいな。
っていうのが、1日で750リットルかっていったのが2300リットル。
で、その翌日には5000リットル。で、次が4万ってえーみたいな。
で、最終的に20万みたいになってくっていう。
数値の修正が加えられていって、住民もいよいよやばいんじゃないかみたいな。
で、それに対して会社が説明するシーンがあるんですけど、
でもその時もね交互にいろんな声が描かれていって、
単文だけどすごく緊迫した描かれ方して、
この辺りを読んでて本当にちょっと止まらなくなるようなところでもありましたね。
それがやっぱこの失われたスクラップブックっていうことなんだと思うんですけど、
失われてしまった複数の声なんだろうなと思いましたね。
これやっぱちょっと前半でもタイトルの意味があって話をちょっとさせてもらってはいるんですけど、
ちょっと詳しく話をしていきたいと思っていて、
これ読み終わった時にやっぱりこの本って結局なんでこんだけ長いんだっていうところは、
この一連の事件って言っていいのか、なんと言っていいのかあれなんですけども、
この汚染問題、街が進めなくなるまでなんですけど、
これがやっぱちょっとした最初のこの噂みたいなところから、
新聞の報道があったりとかで不安が大きくなってて、
最終的に会社が説明会開いて、またそれが収まったと思ったらまた違う問題ができてきてみたいな、
いろんなフェーズがあると思うんですけど、
これ例えば今コロナとかがわかりやすいのかな、
コロナって今振り返ると、緊急事態宣言が出てちょっと外出ができなくなって、
こんなことがあって結局収まって、この期間だけワクチンがあってとか、
今振り返るとすごくタームで切れると思うんですよ、
この過去の出来事になっていることが多いので、
ニュースとかもそうだと思うんですよね、
ソラツーとかわかる、生成AIの動画を作る、
あれもちょっと問題になったと思うんですけど、
あれも今この段階でちょっと振り返ると、生成AIで動画が作れるんですけど、
あれ結構一時期ジプリ風のアニメーションとかポケモンのアニメとかが結構自由に作れちゃうみたいなのがあって、
結構話題になったことがあると思うんですけど、
あれってもともとソラツーを開発したオープンAIが著作権を持っている側のものとかの方々が、
我々のこの著作物使わないでくださいねって言わないとそれを反映しないっていうあれだったんですよ、
これがちょっと問題視されてしまったのは、
アメリカの企業には言ってたんですね、こういう方法でやれますって、
だからディズニーとかも言ってたんですよ、だからミッキーとかは生成されなかったんですよ、あの時、
でもジプリとか日本のアニメは結構それが言われてなかったんで、
そういうのが作られちゃって、これはちょっとってなって、
最終的にソラツーのオープンAIは逆に著作権使ってもいいですよっていうコンテンツの、
み生成が許されるようになった、
著作権と社会の変遷
だから逆の方式に変えたんですけど、でも最初はそれやってもういろんな話が出ちゃったし、
もちろんアメリカ本国でも物議を醸してみたいな、いろんな経緯があってそうなったんですけど、
今事実だけ見ると著作権を持っている側がいいよって言わない限り、
それが作られない状況になったっていうことになってるんですけど、
でもカチューはさ、例えば日本のアニメクリエイターとかはさ、
あれなんか勝手に作られるようになってるぞみたいな、
あれSNSでなんか最近似たようなの見るとどうなってんだみたいな、
調べていくとあれソラツーで作られてるらしいけど、
なんでアメリカのミッキーとかディズニー系のアニメは作られてないんだみたいになってくるじゃないですか、
そういう要所要所の変遷があると思うんですけど、
そういうのがやっぱり振り返った時はもうこういう事実が、
時系列はもうもちろん把握できるけど、
分かるなって、分かるなってか物事としてこういうことがあったなっていうだけになっちゃうと思うんですけど、
今回のこれスクラップブック読んでると、
ほんとリアルタイムに物事が動いてる、すごく体験できるというか、
体に異変が起き始めたぞとか、うちの子供どうしちゃったんだみたいなとか、
耳が聞こえなくなっちゃったとか、そういうのがあったり体の異変化もそうだし、
情報も大丈夫だって言ってたけど本当はどうなのとか、
問い合わせしてみたらこうだったけどどうなのとか、
そういうリアルな声が、リアルな声というかフィクションなんですけど、
ちゃんと段階に応じたこの状況っていうのがすごい描かれていて、
こうやって物事は大きくなっていくし、収束していって、
最終的にはこうなっていくっていうことだなと思って、
この長さが必要だったのはそのあたりが絶対あるなと思って、
すごくそこは本当に失われてしまったこのスクラップブック、
スクラップたちの何でしょうね、を見せてくれてたなって思って、
それは読み終えた時に、いやこれはすごい本だったなってちょっと思ったんですよね。
住民説明会の深刻さ
何でしょうね、今のソラツーの話で普通逆じゃないですか、
著作権持ってる側に許可もらって作るっていうのが本来、
道義的にはそっちと思うんですけど、最初はでも逆ですよね、
申請がなかったらもうOKと見出して作っちゃいますよっていう、
これやっぱりスクラップブック読んでても、
お作者の社長の住民説明会で汚染問題が起きてしまって、
会社としてもちょっとピンチになってしまうとやっぱりすごい損失が出てしまうし、
その補填とかやっぱりこれからもどんどんしないといけないし、
その汚染問題の対策費用っていうのもすごくかさむしっていうので、
見方によってこれは住民と共に乗り越える試練であるっていうですね、
いうふうに語っていて、しかもまた別のセリフでは、
この化学物質っていうのは現代の産業社会から切り離すことができない副産物であって、
この社会に生きる全市民の日常生活を代表する副産物なのですっていうですね、
いうふうに言ってて、体に悪いものが日常生活を代表する副産物だなっていう、
見方によってはですね、この起こしてしまったことを市民、住民と共に乗り越えようとするとかですね、
副産物である化学物質っていうのは、それを受け入れている市民にも責任がありますよみたいな言い方をしていて、
いや何か逆やろうって思うんですよね。悪いことしてしまったんだったら、
まずはちょっと謝ってとか、化学物質ってやっぱり体に悪いんで、
まあその製造過程でそれが出てしまうとしても、それを産んでいるのは市民にも責任があるっていう言い方を、
そこでするのは違うんじゃないかとかってね、呼んでって思いましたし。
そうですね、この会社の社長のね、あの語りはもうすごかったですよね。
そうですね、すごいなんていうか、文面だけを見るとすごい立派な社長なんですよね。
演説が上手くて、すごいクリーンなイメージがあって、
でもよくよく読んでいると、いやこれ言っていること、
住民に責任を押し付けようとしているなとか思えてくるっていう。
自分たちの言い方にだけ持っていこうとしているみたいな。
本当だよね。
それがやっぱり住民説明会でも突っ込まれてましたけどね。
説明会である女性が基準値、円化エチルカの基準値の話を、
州によって違うって言って、
他にもっと基準値が低く設定されているところを例に出していって、
それが結構クリティカルな意見な風な感じで、
多分女性は言ったけども、社長もその通りですって言って、
パッと受け止めてパッと返す感じがあって、
この辺りはもうなんかすごい、社長すごいなっていうところはあったんですけど、
でも実際なんか政治答弁じゃないけどさ、
そういう時にはこういうシーンって多分見るんだろうし、
逆にあのあれだよね、どっかの教授じゃなくて、
調査に来てた医者がだいぶ気弱そうで、
とかね、社長の堂々としたのと比較するとめちゃめちゃビビってる、
この医者の人がいて、この時はもういろいろ分かったんだろうなとかちょっと思ったりはしたけどね、
とかありましたけどね。
沈黙の象徴
あとはこの話としては、ほんと一番最後の最後になってしまうんですけども、
ピリオドがない小説、句点がない、丸がない小説って言ってたんですけど、
一番最後にピリオドが出てくるんですよね。
これがね、最後は沈黙、すごいバーっとやっぱり最後語りが出てきて、
なんかこの先どうなるのか、未来どうなるのかみたいなんですね。
なんかそんな語りがあって、
そう、この決定的再吸収、大規模で究極の再吸収と再吸収は沈黙に向かう。
なぜなら沈黙以外、どこに向かう場所があるだろうか。
そう、沈黙、沈黙、沈、で終わるんですけど、
そう、沈黙、点、沈黙、ピリオド、丸ですね。
句点、沈黙、沈、沈黙の沈の沈で終わってるっていう、
ここまで止めどなく流れてきたものがね、とうとう止まったみたいな、
なんかそう、そんな感覚になるような最後の終わり方でしたね。
ね、なんか意味深ですよね。
そうですね、いやでもね、この怒涛のその語りがバーってあったのが、
最後沈黙で閉じられてしまっているところで、
なんかちょっとその100年の孤独で、
すごいあの物語が延々と続いていって最後、
その村の物語か、村の物語が延々と続いていって最後ね、
もうバタンと閉じられるみたいな、
なんかそういう、なんかパタってね、
パタっていうかピタッと止まるみたいな、
なんかそんな、なんか終わりはちょっと、
100年の孤独とかと近いなぁと思いましたね。
なんかでもこの沈黙ってところはやっぱり、
失われたって部分に繋がっているんだろうね。
沈黙に向かうっていうね。
そうですよね。で、ちょっと今終盤の話が中心であったんですけど、
結構印象残った話としては、
なんか前編とかにもやっぱりいくつかあって、
僕やっぱ面白いなと思ったのは、
大統領選挙で、
女性が特別訪問する話、
家一軒一軒訪ね回って話聞いていくっていうところで、
いやあれってですね、
選挙に行かない人たちへ、なんでなん?
っていう話聞きに行く人の話なんですけど、
その手段が家一軒一軒訪ねるっていうところは、
すごい面白いなと思ったんですけど、
これ現代だったら、その人ってもしかするとやっぱり、
SNSとか、YouTubeとかね、TikTokとか、
そっちの方でなんか発信してたのかなとか、
ちょっと想像しましたね。
たしかに。なんかたまに変なDM来るときあるよね。
そういうのね。なんか投票してますか?みたいなね。
はいはい。
そうですね。なんかそういうちょっと選挙のあり方、
なんかね、選挙が人気取りの茶番になってるとかですね、
当時の80年代とかですかね、
なんかそういったところもすごくね、
なんか今にも重なるなと思ったり、
あと154ページに、
ちょっと古代エジプトの話題もちょっとあったりして、
たしかに。ありましたね。
こんなこともあるんですよ。私たちが知る一神教は、
基本的にアクナトンに起源を持つ、
エジプト第18王朝、アメンホテプ3世の息子だってなって、
これはエジプト人信念に出てきた、
アクエンアテンのこと。
アメン神からアテン神に、
人類初の宗教改革をした人物。
スクラップブックでは、
エジプト学者の言説を紹介していて、
人類史上最初の古人と言ってるんですけど、
このアクエンアテンのこと。
エジプト人信念では、というかですね、
歴史上では人類初の宗教改革をした人物であるっていう。
それはこのスクラップブックで、
人類史上最初の古人と表現しているところとかね、
ちょっと面白いなと思って見てましたね。
そっか、なんかここ、さすが。
出てきたのは覚えてるけど、俺。
古代エジプトのね、
そこのところだけはちょっと詳しくなっちゃいましたもんね。
なっちゃいましたもんね。
他にもね、ほんとちょっとしたものなんですけど、
日本もそういうところがあって、
劇団してる人の話とか、
最後の舞台、最後のコラボ演劇みたいなのを
やってはってですね。
語り手は、あれなんだっけな。
舞台のライトをつけたりする。
照明? 照明家。
確かね、照明家、そういった役割だったと思うんですけど、
その舞台してる人が、ケンっていう人なんですけど、
その人がすごいストイックな人なんですけど、
絶対薬物とかやらなさそうな人なのに、
最後のコラボ舞台の時に、そのストイックなケンから
日常のエピソードと人間関係
意外にもコカインキャンディをですね、
スタッフに配られて、
それ食べて、みんなハイになってね、
演劇を行うっていうですね。
そことが普通に面白かったですね。
またこのケンの演劇がよくて、
企画もスタッフもみんなラリ行ってる中、
ケンを見るみたいなですね。
一体なんだこれはっていう、面白いところがありましたし。
そういうちょっとしたこととかすごい印象に残るよね。
なんだっけな、私も後半の方だったかな、
レジかスーパーで買い物をしてて、
レジの前の人が詰まっててちょっとキレてて、
早く行きたいのにみたいな感じで、
キレてた人が行きたかったところが彼氏のところかなんかで、
チョムスキーの影響とリアリティ
なんか結構微妙に印象に残ったりするし、
そういう細かいエピソードがあるよね。
そうですね。
本当ね、なんか不思議と、それがすごい印象に残る。
登場人物が家の前でバイク事故が起こって、
あったあったあった。
警察が来て事象説明し張るんですね。
こういうことが起きたんですよって。
その語り手なんですけど、
その前に隣人に、
ちょっとペンキ塗りを頼んでたんですね。
家と自分の家と、
そのペンキを自分の家と隣人の家、
両方のあれは何て言うんですかね、
柵にペンキ塗られてて、
警察に事象説明してる時に、
よく見ると自分の家より、
その人の隣人の家の方から、
綺麗にペンキ塗りできてるやんっていうのに気づいて、
なんかね、物言いしたくどんどんなってくるみたいなんですね。
話したくて。
でもそれはあれだよね、
最初柵譜から始まって、
隣人が急にあなたの庭にも、
うちの庭にも柵生やすんで、
ついでなんであなたの庭もやってみていいですかみたいな感じで、
ついでなんでついでなんでみたいな感じで来て、
えー、うーんとかなるんだけど、
まあいいよって言ってやって、
そうするとなんか、
ちゃんと肥料は上げたいと思うんで、
いいですかみたいな感じになって、
結局再撃後、もういいですよ、好きにしてくださいみたいな感じになって、
結果的にすごい綺麗な家になるんですよね。
めっちゃいいじゃん、ありがとうって言って、
ありがとうを言いに行って、
家の前でバイク事故が起きて、
それに対して警察の対応をしている時に、
見比べたら、
ちょっとだけ自分の家の方が劣った感じに作られてるんだよね。
そう、よく見たら気づくっていう、
ぱっと見じゃ分かんない。
あれ、明らかに角度がおかしいとか、
つけてもらったものとか、
玄関までの道も、
向こうの方が綺麗なんだけど、こっちちょっと汚いとか、
ちょっとしたところで差をつけられてて、
明らかに差をつけられてるんですよね。
親切心でやってもらってたと思ってたら、
なんか違うぞ、これってなるっていう。
それもあれだよね、
結末どうなったか分かんないよね。
喧嘩になったのか、その後どうなったか分かんないところで、
キレるんですよね。
ちょっとあやふやな記憶やったんですけど、
そこの一連の、
ちょっとドラマ性があるんですけど、
バイク事故がきっかけで、
そこに気づくのかっていうところで面白いですし、
たまたまぶつかって、
男性を倒してしまって、
その男性がウォークマン作ってたんですけど、
そのウォークマンを拾って、
それが壊れてないか、
自分の耳につけて確認したら、
そこはモールだったんですけど、
モールが流れている有線の放送の曲と同じ曲が、
まったく同じタイミングでそのウォークマンにも流れていたみたいなんですね。
こんなことあるんだろうかって語り手が思うみたいな、
ちょっとしたシーンなんですけど、
こんなのもね、
よくでもこういうこと、一個一個のエピソードに、
特徴的なことがよく思い浮かべれるなって、
思いながら読んでましたよ。
めっちゃ面白かった。
こんなのがいくつもあっていくつもあって、
後半に向かっていく。
最初話した都道のような環境問題が。
もう一個だけですね。
無名の人物が語り手多いんですけど、
登場人物で有名人が一人だけ、
チョムスキーが出てきて、
言語音楽者のチョムスキーが、
ベトナム戦争が起きたときに発言して、
そこからアメリカのテレビ局、
デキンになったんですけど、
ちょっと呼ばれることになって、
ワシントンまで行って、
語り手はチョムスキーに同行している人で、
チョムスキーにやっと日の目が当たるようになったと。
とあることについてインタビューを受けるという、
話をやったんですけど、スタジオ入りして、
もうすぐインタビュー収録始まりますよっていう、
その直前で破断するんですよね。
テレビ局の人がいるのではなく上からの指示で、
チョムスキーよりもちょっとね、
その出来事について適した人が、
インタビュー急に受けてくれることになったから、
今回キャンセルですいませんと。
チョムスキーはね、語り手はすごいもう、
同行している人はそれで怒りが込み上げてくるんですけど、
チョムスキーはすごい冷静に、
もう分かりました、いいですよって言って、
真摯的に対応するっていうですね。
すごいそこも印象的なシーンで。
そうですよね。確かに。
確かにそうですね。
あれも語り手というか同行した人が、
チョムスキーとテレビの人が出てって、
チョムスキーがあれか、トイレに行ってくるって言って、
トイレに案内しますみたいになって、
一人残された時に、私もトイレ行こうと思って、
テレビ局の中をさまようんですけど、
そこもなんか結構リアルで、
良かったですよね。
なんかこの不思議なリアリティが。
そんなの本当にあるんだろうか、いや多分実際あるよなって思いますね。
あとはですね、この小説、
チョムスキーもちょくちょく出てくるっていう。
それが登場人物で。
登場人物で出てくることがあれば、
語り手の話題の中に出てくることもあればっていう。
さて、ちょっといろいろ話してきたとこなんですけど、
結構そうだね、この絵はいろんな要素があって、
紹介されてるのなんだっけ、
環境問題に関しても結構部分もフューチャーされてて、
そういうところに対して、
物語の深みと意義
批判的な環境問題に関しての
小説でもあるみたいなことを
言われてると思うんですけれども、
でもどっちかっていうとやっぱりやりたかったのは、
この無数の語りの方だなってすごいと思うので、
これはもう他にはおそらくこのタイプの小説はないと思うので、
ぜひ今回前編後編に分けて、
無数の語りについて何度か話してると思うんですけど、
気になった人はぜひちょっと読んでもらいたいですね。
1ヶ月ぐらいかけて読むつもりでもいいと思うんで。
そうですよね。これは本当、
味わって読むとすごいやっぱり
ハマると思いますね。
話の内容、面白いところもあればすごく
緊迫感感じるところもあって、
グッとくるようなところもありますし、
あとはもう内容動向じゃなくて、
登場人物たちのこの会話、キャッチボールの
良さっていうのがやっぱりすごいあって、
そこを味わってるだけでも
本読んでて充実した
時間になるんじゃないかなって思いますし。
そうですよね。
僕は1回読んであんまり消化できた気が
しないですね。
ドンキ本あるあるですよ。
チェベングルの時もそうだったし。
どうしてもドンキ本の読み方の
ところになっちゃうけど、やっぱり
読んでるつもりで読んでない部分ってのはどうしても
こんだけ長いと出てきちゃうと思いますね。
そうですね。
意識が薄いままちょっと読み進めちゃってたりとかして、
あれ今これ何の話してるんだっけなとか思いながら、
とにかく読み進めるかみたいな感じの時とか、
戻っちゃう時もあるんだけどね。
あるけれども、もう仕方ないですね。
多分2回目読んだ時に
結構もしかして
環境問題に関する伏線とか
伏線ありそうだもんね。
僕はさらっと部分的に
読み返しはしたんですけど、1回読んだ後。
伏線全然分からなかったんですよね。
伏線が果たして入っていたんだろうかどうなのか
っていうのもよく分からなくて、
そういう意味では細かく読んでいくと
もっと気づけるものがあるんだろうなと思いますね。
でももしかして
例えばこの結構長く100ページ以上続く
ラジオの声なのか何の声なのか
部分って結構自由に意味付けできる
という解釈してきちゃうんで
これはことに関しての伏線かもとか思ったら
思えてしまうかもしれないなと思いながら
ちょっとパラパラ今見てるけど。
明確に書かれていないけども
何かしら
余白が多かったり
あれもこれも繋がる余地があり得る
そんな無数の語りかなと思うので
そういう意味ではこれをあんまり意識せず
ただ味わうだけでももしかすると
そこに何か自分の中で
何か感じるものがやっぱり人それぞれ生まれそうな
そんな気がしますね。
すごい本でしたね。
日本翻訳大賞やっぱり。
でもこれやっぱりすごいですよね。
これを日本語で読めるって
しかもこの会話の
作品の感想
間合いって言うんですかね。
この絶妙な間合いを表現されてるっていうのが
やっぱりすごいなと思いましたね。
和写というか
話し手が変わった瞬間に結構変わる
と思うんだけども
正直数行読んでも気づかないまま
ちょっとどっから変わったんだこれみたいなことがあったし
これの漢字とか多分原文も結構相当あるんだと思うんだけど
すごいよね。
そこも
どこまで分かりやすくとかどこまで忠実にとかって
すごい難しそうですもんね。
読んでるとその辺りもきっと楽しめると思うんで
いずれ読もうと思って
ちょっと皆さん一度は
ちょっと開いてみてもいいのかもしれないですね。
確かにほんとに他にはない
小説でしたね。
じゃあそんなところにして今日は終わりにしましょうか。
でもなんとかエヴァンダーラのウスナルタスクラップブックを紹介できて
よかったですね。
そうですね。無事に紹介できたのかどうかなんとも言えないですけど
でもほんと
なんとか読めたのでそこはよかったですね。
なんか俺が言ってるタイトルの読みとか全く
本当は違うかもしれないからね。
そうです。
いやもうほぼほぼ独立直後の感想なんで
ちょっと数日経つとまた落ちてくるかもしれないですけど
またちょっとその時はまた
どっかの漫画編でいやちょっとウスナルタスクラップブック本当はこうだと思いますみたいな
話をするかもしれませんが
尺銘の回だったりとか
そんなこともあるかもしれませんが
今日はここまでとしておきましょうか。
次回の予告
じゃあちょっと次回予告して終わりたいと思います。
次回はですね漫画編をお届けしたいと思っています。
予定通り行けばノーベル文学賞についてお話ししようかなと思っております。
そうか2025年
受賞者は誰なのか
そうですね誰なのか
あとはあれですまたノーベル文学賞ミョンボール会のイベントが
大地さんが参加してきて
その音源がもしかしたら
使えるかもしれない。
ちょっと録音するつもりではいるんで
そんなところですが
次回予定通り行けばそんな感じになると思いますので
お楽しみに。
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ではまた来週。ありがとうございました。
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