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2022-06-27 46:28

第83回 現代シンガポールを映す48の物語「マレー素描集」アルフィアン・サアット著

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【今回の紹介本】

■『マレー素描集』アルフィアン・サアット著

48の掌編のつらなりによって現在のシンガポール社会を巧みに描き出したマレー系作家による短編集。
多様な価値観が生まれつつあるマレー系シンガポール人たちの複雑な感情を描く。
是非お聞きください。

【番組内で紹介したトピック】

■『マレー素描集』アルフィアン・サアット著 藤井光訳 書肆侃侃房

http://www.kankanbou.com/books/kaigai/0464


【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】

声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集

https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35


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硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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文学ラジオ空飛び猫たち。 48の短い物語で描かれる、現代のシンガポール社会。
多様な物語は、影を落としながらも、必死に生きる人たちの複雑な感情や価値観を描き、読み手に迫ってくる。
そして、そのストーリーはシンプルに面白い。 今回は、マレー系作家による短編集、マレー素描集をご紹介します。
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。 この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするラジオ番組です。 お相手は、私小説が好きの回のダイチと羊を巡るカフェのミエと2人でお送りします。
文学のプロではない2人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方などそちらを見ていただけるとありがたいです。
まず、本編始まる前にですね、ちょっと皆さんにお知らせしたいことがございます。 文学ラジオなんですが、本来ならですね、前々回のプロジェクトヘイルメアリーの時なんですけど、
2周年を6月の初めで迎えることができました。 今3年目に突入しております。これも聞いてくれている皆さんのおかげで本当にありがとうございます。
ありがとうございます。なんとか2年やって来れましたね。 毎週毎週配信続けるってすごいよねって最近よく言われるようになりましたね。
そうですね。2年が思ったよりあっという間だったって思いましたね。 コロナもなってこんな時間経ってんだって思いつつ、あっという間だなっていうのも感じますね。
ありがたかったことで、ちょうどこの2周年になったのが6月の8日が、2周年というか、まあ記念日っちゃ記念日なんですけど、
初配信が2020年の6月8日だったんで、その前日の日付をまたぐ前ぐらいかわかんないんですけど、朝起きたら10万再生を突破しておりまして、
本当にちょうどいいタイミングで10万再生っていうのが来て、すごく嬉しく思ってます。
そうですね、本当にちょうどでしたよね。なんか事前にちょっと10万ギリギリいかないんじゃないかとか、やっぱり10万までもこのペースでやっていくんじゃないかとか、
数字の動きを見ながらやりとりをちょくちょくやってましたけど。 じゃあちょっと3年目も、もう全然入ってるんですけど頑張っていきましょうか。
プロジェクトヘルメアリーから3年目は入っていたんですけど、3回目の放送になりまして、
今日ちょっと紹介するのがマレーソビュー集になります。アルフィアン・サート町、藤井光さん役、書士館官房から昨年出版された本になります。
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こちらなんですが、私がですね、東京の文学振馬、あれは5月の末にあった文学振馬で、書士館官房さんが出展されていて、そこで購入した本になります。
これ絶対面白いと思って、とりあえず三重さんにこれちょっと買ったよって連絡したら、三重さんがじゃあ紹介しましょうってなったんで、トントン拍子に紹介することが決まって速攻で読んだ本でございます。
もともと私、書士館官房さんが書いている路上の洋行っていう本がすごい気になってて、あっブース出てる、路上の洋行あるかなと思って行ったんですけど、売り切れてて買えなくてちょっとガックリしたところにですね、
担当されている方がこれも面白いよっていうことだったんでちょっとこっちを買ったんですが、めちゃめちゃ面白かったですね。路上の洋行も気になってたんでもう速攻で買って、三重さんとも話して、
実は次回は奥でも話しますけど、来週紹介予定でございます。
二週連続、書士館官房さんからの本を紹介していくということで、いいですね、今回のマレーソビュー州と路上の洋行というこの並びが、
ちょっとどっちもね、東南アジアのシンガポールとチベットの作家さんの本になりますんで。
これなんですけど、マレーソビュー州の方なんですけど、48個の短編が入っている作品になってます。
マレー系シンガポールの方が書かれている作品で、マレー系の方々がメインに出てくる話がほとんどですね。
文化的な部分でマレー系の人たちが直面していることとか、今本当同時代で起きていることっていうのが描かれていて、
このシンガポールにおける変化みたいなものを感じることができる貴重な作品だなと思いました。
で、なんかちょっと堅く聞こえるんですけど、この48個の作品が結構いろんな話が本当あって、すごく多様で、
いろんな切り口が楽しめるのでシンプルに面白いです。
なので小説が好きな人はちょっとたまらない作品なんじゃないかなと思ってます。
48編入っているんですけども、トーカルでは240ページくらいかな、340ページくらいなんで、
一つあたり2ページとかもあれば数ページくらいのものもあったりとかで、結構サクサク読めていけるんで、
なんか非常に読みやすくて手に取りやすい本だなと思いましたね。
そうですね。
大地さんから話がありましたけど、舞台シンガポールで出てくる人がマレー系のシンガポールの人が多いということで、
作者自身もシンガポールの作家なんですけども、マレー系と。
そのシンガポールというのが言語にしても人種にしても非常に複雑と言いますか、
人種だとマレー系の人が13%くらいなんですかね。
7割強は中国系なのでマレー系の人というのは少数派に当たるのではないかと。
ほぼ全員がイスラム教徒らしいというのがあったり、
あと今回の短編集に関してはマレー系シンガポール人がたくさん出てくるというところで、
文化的な背景を理解していないとなかなか100%理解するというのは難しいところがあるかもしれないと。
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ただこの物語ですね、本当に数ページの中で結構しっかり描かれていてですね、
そういう意味では物語の強度というところは高いと思ってまして、
シンガポールやその状況に対して知らない人でも十分に楽しんで読んでいけるのではないかと思っています。
そうですね、なんか私全然シンガポールの状況とか正直分かってなくて、
マレー系ってなんだみたいなレベルなんですけど、でもそれでも全然楽しかったですし、
描かれていることが文学って普遍性があるんだなってすごく思って感じることが多かったので、
全然シンガポールのこと分かってなくても楽しめる一説ですね。
この作者のアルフィアン・サートさんについても説明しますと、
1977年シンガポール生まれで、10代の時から演劇の方面で評価されていて恐るべき子供と言われていたみたいです。
詩人であって演劇の創作だったり、あと小説創作などマレー語と英語で作品を発表し続けています。
このマレーソビュー集は英語で書かれた短編集、第2作になります。
役者解説ですね、藤井光さんが書いていた解説によると、
サートはシンガポールの文芸には4つの孤独があると捉えていると。
シンガポールでは標準中国語、マレー語、タミル語、英語で作品が発表されて、
それぞれの文化で完結してしまいがちという状況があるので、
マレー語作品の役にも力を入れていると。
このサートさんがやっているのは、言語の翻訳というよりも文化の翻訳ですね。
シンガポールの中で一つの言語圏だけで完結する文化ではなくて、
複数の言語圏の中でその文化が行き渡るような、そういう文化の翻訳に力を入れていると。
そういうことが書かれている。
なんかすごくいいよね。文化的なことをどう共通認識を持たせようか、
共有していこうかということに力を入れているという話だと思うので、
ここはすごく、たぶんアルフィアン・サートさんの危機感なのかな、
もうたぶんあると思うんですけど、すごくちょっと排出読んでて痺れましたね。
私はちょっとかっけえなと思って。
いや、ほんとすごいことやってるなと思いましたね、これは。
同じく書士感官本から、これも昨年に出版された、
現代アメリカポップコーン大盛りという本がありまして、雑誌みたいなものがありまして、
その中でもイジイヒカルさんが本書について述べていてですね、
現代のアメリカ文化について書かれている、すごい面白い本なんですけども、
ここでちょっと書かれていたのが、このマレース風習はシンガポールでは2012年に出版されていて、
その後2018年にアメリカで出版されたんですけど、
そこで注目をされて、フジイヒカルさんが知ることになったと書かれていてですね。
その後はさっき大地さんも言われていたみたいに、やっぱりこの翻訳というところですね、
09:01
言語的な翻訳もそうですし、文化的な翻訳としての役割になっているというところの話があったり、
他にもちょっといろんな作品の解説とかも書かれていて、
それはちょっと後々で少し触れたいなと思っております。
マレース風習を読んだ後、やっぱりイジイヒカルさんの解説を読むと、
より作品の持っている奥深さというかですね、その凄さというか感じれましたね。
これから本編入って具体的に話をしていきますが、
その前に最後に一点伝えておきたいのが、表紙がめっちゃ可愛いんですよ。
虹色の魚が風船に繋がれて、浮かんでいるのか飛んでいるのか、水の中浮かんでいるのか空の中浮かんでいるのか、
どっちとも取れるような色の中にあって、ぜひ皆さん書店なりネットなんかで表紙を見てください。めっちゃ可愛いです。
本のサイズも普通の単行本よりかはちょっとひと回り、ちょっとだけ小ぶりで可愛らしいサイズ感で、
しかも本のデザイン自体がすごく可愛らしいしオシャレだしっていうですね、すごくセンスがあるなって。
多分これね、ぱっと見で見たら本当に思うと思います。
実物を見るとですね、これは風合いがある紙が使われていて、普通の本のものではなくてちょっとザラッとした感じで厚みがあって、
そういう紙質もこだわっていてですね、ここに書かれているのが確かに数ページぐらいの物語なので、
この紙質とすごく相性がいいなというのは思いましたね。
これ多分再生紙っぽいっていう紙なんですけど、この表紙じゃなくて、
もうちょっと違った表紙だったらすごい安っぽく見えるかもしれないんですけど、
この表紙だからすごいセンスがあるなって感じる紙ですよね。
具体的にいきましょうか。
そろそろ作品の話に入っていきたいと思います。
まず、あらすじと言いますか、ウェブサイトから紹介されている本書の紹介文を読みますと、
マレースケッチーズ、それから100年以上経た現在アルフィアンサートによって新たに同名の作品が書かれた。
イギリス人統治者が支配下にあるマレー人の文化や技術を支配言語である英語を用いて読者に紹介するという
マレースケッチーズの構造を大胆に再利用する形で本書は誕生するとなっていまして、
実は100年以上前に同じ名前、マレースケッチーズという名前で本が出版されていたんですけども、
12:06
それを現代になって書き換えたというかですね。
というのにチャレンジしたのが本書のアルフィアンサートさんであるという。
そのあたりもちょっと意気ですよね。
そうですね。なんか面白いなと思いなされ。
具体的に話していきたいと思うんですが、今回48本もあるんで、
どういう紹介の仕方をしようかなと考えて、
全体的な魅力についてまずこれからお話します。
その後ちょっと私と三重さんで気に入った作品をですね、少し紹介して終わりたいなと思っております。
まずちょっと全体的な魅力の話からさせていただくと、
描かれたのはやっぱりこのシンガポールの中でマレー系の人たちが置かれている多様な状況、
シンガポールが持っている多様性みたいなのも合わせて描かれているんですけれども、
やっぱりこの文化と文化の価値観とか宗教とかですね、
違いが描かれていることが多かったりしますし、
ほんのちょっとの認識の違いかなみたいなレベルのものから、
衝突に近いようなものまで描かれています。
この本を読むまではシンガポールのイメージですね。
すごくその国として最先端の都市国家というそんなイメージを持っていたんですけども、
そことはちょっと違っていて、やっぱりそこに住んでいるからこそ生じる問題というのが描かれていて、
なんかそういうのを知らなかったので、ちょっと驚きな部分もありつつ、
でもそれが描かれているっていうのは、これが意味があるんだなとちょっと思いながら読んでましたね。
格差のこともそうだし、これ面白いのがちょっとこの後具体的な作品で触れると、
他にいい例があるかもしれないですけど、アサイフォーカスっていう作品があって、
これ兄と妹ってどう生きるかみたいな価値観がちょっと違ったりしてて、それがちょっと面白いんですよね。
兄はちょっと勉強して、さっきも話したけど中国系の人が多いんで、
中国系の方にちょっとこう自分を合わせてこうみたいな気持ちが強いけど、
妹が多分ちょっとそれに対してどうなんだろうと思っているのが描かれて、
ちょっといい争いになっちゃったりするっていうシーンがあったりするんですけど、
そういうのが描かれていて、あと父親とか母親と娘と息子が今の自分たちの生活に対しての思っているイメージとか、
どうしたいかっていうのが違ったりするっていうのが描かれたりしてて、
ここは本当に変化みたいなのがすごく描かれてるんで面白いところですね。
確かにね、世代によってのその辺の価値観の違いって、
なんか隔たりがありそうだなっていうのは本当に感じましたね。
文化の違いっていうところがいろんな作品で描かれていて、
文化の違いもそうだしその格差とかもね、やっぱりあったりして、
意外とその将来に主観的な人が多く出てきて、これも魅力の一つかもしれないですけど、
そこでそれを受け入れるのか、それともね、シンガポールを出て行ってしまって別の国で生きていくのかとかね、
結構その人それぞれの選択肢が描かれたりしているので、
その辺もね、本当に読みごたえのあるところだなと思いますね。
ちょっと他の魅力の話に移っていくと、今ちょっと話した内容ってちょっと難しそうに聞こえるとは思うんですけれども、
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この作品ですね、基本的に作品がシンプルで面白いんですよ。
作品が持っている物語としての強度が結構私は高いなと思っていて、
ここはなんていうか、すごくこの本を読ませる大きな力になってきたなと思います。
シンプルで面白いし、48個もあるんで多様な作品があるんですけど、
でも間違いなく同じ作家が描いたろうなって思う部分もあって、
あと男性の感情の描き方がちょっとうまくて、
最初このアルフィアン・サートさんって男性女性どっちなんだろうって思ったんですけど、
後々調べたら男性だって分かったんですけど、やっぱりなと思って、
男性の描き方が、感情の描き方がですね、結構私は好きな作品が多くて、そこは結構夢中で読んでましたね。
でも、こんなに多様だけれども、一人の作家でこの幅を出せているっていうのは本当にすごいなと思いましたね。
そうですよね。しかもこの短編集がほとんどがね、悩みであったり、
ちょっと痛みというか不安というか、人のそういった心理的なところを描いているので、
すごく多様な人たちが出てくるんですけど、それぞれにやっぱりそうした悩みや不安があるっていうところがあって、
すごく面白い話ばっかりなんですけど、一方でちょっと何とも言えない気持ちになるところもあったりしましたね。
ちょっとやりきれないってやつもあるよね。
似たような作品、自分も昔読んだことあるんですけど、
芝崎智子さん、芥川賞作家の芝崎智子さんが書いた100年と1日っていう本があって、
これ短い作品でいろんな状況がバーって描かれてくるんですけど、
これはテーマがこの星のどこかにあった誰も知らない33の物語っていうテーマの本なんで、
ある国の中みたいな感じじゃないんですけど、
短いけどいろんなことを描けるっていう作家さんは本当にすごいなと思うので、
芝崎智子さんの100年と1日結構売れた本だと思うので、これ好きな人はハマると思います。
これちょっと読んだことなかったんですけど、なんかそう聞くとすごい読んでみたくなります。
この本も全然すごい魅力的な本なんで、いろいろ話したいこと多いんですけど、
ちょっとこれ今日は置いといて、ちょっと紹介するだけにとどめますが。
レイソベルスの話に戻すと、後面白いのが途中で、
地名と時刻のだけの本当1ページ2ページぐらいの話が断章みたいなのが出てきて、
午前5時から始まって、大体これ1時間ずついってる?そんなことないのか。
1時間か2時間ぐらいずつちょっとずつ描かれていって、午前3時で終わるんですよね。
っていう作品があって、そこはなんかちょっとしたことが描かれている断章で、
時間経過を示しながら、しかも私、解説読むまでこれ地名だって知らなかったんで。
確かにそうですね。見慣れない単語がいっぱい出てくるんで。
なんだろうって思ってたんですけど、地名だったんだって後々わかるっていうぐらいの知識でも、
全然この1日の移り変わりみたいなのが楽しめる。
そうですね。やっぱりそれがすごくいいスパイスになってると思っていて、
もう本当ね、1ページ2ページだけでって、
18:01
本当にそのシンガポールの中のその多分時間帯の一瞬のシーンっていうのを切り取ってるのかなと思うんですけども、
僕がすごいその中で印象に残ったのが、カンポングラム午後10時という話がありまして、
これは何の話かっていうと、徴兵されて軍隊に入る前夜ですね。午後10時。
午後10時の若者たちがそれぞれちょっと不安な心境っていうのを話し合ったりして紛らわせるっていうですね、
こんな話が2ページだけ書かれてるんですけど、
それとかすごいちょっとした話と話の間にいきなりこんな徴兵前の若者の話が出てきてですね、
こういうのもあるんだと思ってですね、すごい驚きがあったんですけど、
すごいこういうのが何か時折差し込まれていて良かったですね。
これ、ここ良いね。本当この2ページだけですごい迫ってくるもんね。
ラストの一文とかすごい良いね、ここね。
そうなんです。一番そうです。
これのそびうしの一番最後が、かきぶき午前3時というので終わって、
それは男の子が水牛が出産する夢を見るっていうね、そんな話なんです。
これがめちゃめちゃ最後の隅が良くてですね、
最後まで読むとやっぱり良いなって本当めちゃめちゃすごい名文だなって最後まで読んでました。
分かる。俺そこ付箋貼ってある最後のブロック。
今の暗がりから始まるブロック。
ここ良い。
これなんか本当ラストにふさわしい文章だよね。
そうですね。この締め方が本当上手すぎるとね。
これはちょっと良い文章。
紹介はしないので、ぜひ読んだ人たどり着いてほしいですよね。
他の点をちょっと話すと、魅力というわけじゃないんですけど、ちょっと私が読んで気になったのは、
登場人物の名前が、やっぱり日本で住む私からすると馴染みがなさすぎて、
一瞬、男性なのか女性なのかマジで分かんないんですよ。
どっちだろうって思いながら、女性だったとか。
普段使ってない読書の頭の使い方して、ちょっとここ面白かったですね。
これどっちだろうなーって思いながら。
一発じゃ男性か女性か分かんない。
読んでるとね、もちろんどういう人かって分かってくるんですけど、
確かにね、ぱっと見では分かんないですね。
分かんないよね。
ヘルミとかハズリとかっていう人が出てくるけど、
これがね、男性、女性かどっちかって言われるとね。
読むと一発で分かるんですけど、名前だけだと確かに分かんなかったりしますし。
あとは、もう知らない言葉っていうのも、ちょっといくつか出てくるんですよね。
向こうの独自の言葉というか。
例えばバジュクルンっていうですね。
これマレー女性の伝統的衣装みたいなんですけど。
とかソンケットとかケリスとかトゥドゥン、セルトゥとかですね。
そういった言葉があって、それも読んでるとちゃんと説明がされているので、
21:02
逆にね、ちょっと勉強になったなと思いましたね。
人物の名前もそうですし、分からない言葉も出てきたりするんですけど、
なんか読んでいて、それが負担になるとかっていうのはあんまりなかったですね。
すごく分かりやすく説明もされてるなと思いましたし。
じゃあちょっとそんなところですが、ちょっとお互い好きな作品を紹介していきましょうか。
私から3本、みなさんとこれ構成案作る前に3本ずつ書きましょうって言ったんだけど、
俺4本書いちゃったのに。4本だけ。
そうっすね。ちょっとルール破って4本ずついきましょうか。
こんなたくさんあるから、もうどうしようかなと思ったんですけど、
一番振り返るときに、ちょっと自分の中で印象深かったのが、
夜のシンガポールっていう作品で。
これ、タイトルもいいんですよね。夜のシンガポールってなんか。
ある歌手の女の子がライブをしてて、それを見た男性がその子にちょっと恋をするんですけど、
ちょっとそのライブ後に一緒にちょっと食事をしたのかな、飲んだのかな。
で、ちょっと仲良くなって連絡先を交換するんですよ。
で、その後に男の人はSNSで繋がっていて、彼女がオンライン状態であるとわかると、
自分の好きな音楽を彼女に伝えたりとかして、たまに連絡を取ってたりしていて。
で、あるときふと気づくんですよね。
あ、自分どうしてもあの子にもう一度会いたい。すごい好きになってるって気づいて、
電話か。電話するんですよ。
で、あのちょっと気持ちを結構割とストレートに伝えたら、違うよねっていうことで振られちゃうんですけど、
本当これね10ページないんですよ。
6ページくらいかな。6、7ページくらいの短編なんですけど、
この短い中に出会いと自分の感情の変化と失恋まで描ききって、
ラストの一文とかすごいよくて、ちょっとこれいいなって。
ラストあれか、夜のシンガポールの歌詞が出てくるかあれか。
で、夜のシンガポールってあれです。歌のタイトルです。
ここはすごい名作だなって思いましたね。
そうですよね。これちょっと男性からするとなんかちょっと痛みを感じるような作品ですよね。
音楽のところでおそらく感性みたいなところがシンガーの女性と通じ合ったと思うんですけど、
これ主人公も音響の仕事を手伝っている人で、音楽のみんなすごい詳しい男の子なんですけど、
いやーなかなかこれはね、でもすごい僕も好きな作品でしたね。
なんか切なさがある話でいいですよね。
やっぱラストの一文がうまいね。ちょっと続けていきますと、
もう一個はわかりやすいのにしてっていう作品で、
主人公女の子なんですけど、望まぬ妊娠をしてしまって、
子供を見こもってしまって、お母さんに相談するっていうところから始まって、
この母とのやり取りがメインである話なんですけど、
ちょっと明文化されてないんですけど、
この宗教的な理由から忠実たぶん許されない文化にいるっぽいんですけど、
お母さんが赤ちゃんは産みなさい。もし彼に結婚する気がないなら私が引き取るから。
24:03
引き取るってどういうこと?自分の息子として育てるって言い出して、
え?みたいになるんですけど、自分の子供が自分の兄弟になるみたいなよくわかんない話がなってきて、
結果ですね、彼女は妥協をするんですけど、
お母さんに、ママ、子供をあげられないって言って、
ママには孫をあげたいからって言い出すんですよね。
なんかここがちょっと良くて、端的にこうなってくるんですけど、
あ、すいません、これあれでしたね。
お母さんが主役で、娘から電話がかかってきてみたいな話でしたね。
ちょっと娘が主題、中心に描かれるから、娘視点かと思ったけど、
お母さん視点ですね。三人称なんですけど。
そうですよね。これも僕もちょっと思ったのが、
お母さんはもうこの国で生きていくにはこうするしかないっていうですね。
結構そう言っても、強い覚悟を持って生きてる人だなと思っていて、
なんでちょっとね、娘さんが思わない妊娠をしてしまった時も、
こういう状況になったらこう対処すればいいっていうね。
そうやったら生き抜くことはできるっていう、思っていたお母さんと。
一方で娘さんは結構そこで世代間の違いってあるなと思っていて、
娘さんは違う生き方も可能じゃないかってね、そういうふうに思っていて。
最後、これもね、最後の終わり方はやっぱり良くてね。
最後の終わりでやっぱりね、そういう母が娘を本当に理解する。
単純化して娘を捉えようとするのは多分できなくてっていうですね。
そんな良い言葉がね、書かれているんで。
主題にも関わってきてるし、本当これ4ページなんですけど、上手いっすよね。
これね、最後の一本ね。
そうですね。
じゃあちょっと続けていきますが、恋捨ての女の子っていう作品があって、
これもですね、夜のシンガポールとちょっと似てて、
男性のちょっとこうやりきれない感じが描かれてる良い作品で、
これ読んで、この作者男性のこういう感情を描くのめっちゃ上手いなって。
まあちょっと筋だけ言うと、
タバコのポイ捨てを取り締まる仕事を始めた、見つけた主人公が、
すごい美女がタバコのポイ捨てをしてるとこを見つけて、
取り締まろうとするけれども、ちょっと許してよみたいなこと言われて、
見逃す話なんですけど、
それをきっかけにちょっとこの子と仲良くなろうって、ちょっと獲得しだすんですけど、
それが全然上手くいかなくて、何も男には残らないっていう話なんですけど、
ただそれだけの話なんですけど、
やっぱりそこの描き方が上手くて、
これもね、どれもそうだけど最後の一文めっちゃいいですよね。
そうですよね。
これ上手いなって思いましたね。
っていう作品なので、これもいいですね。
これ本当、男性は結構共感したりする作品なんじゃないかなって思います。
なんかこの上手くいかない状況とかの時の感情の表現が本当に上手いですね。
物に例えたりするのとかがすごく上手いです。
シチュエーションでちょっと期待させるようなものを最初に描いてるから、
27:01
やっぱりその後の展開っていうのは男性からすると、
なかなかなんともやりきれないなという。
で、私の最後なんですけど、
実はポイ捨ての女の子は、
これが4本選ぶんだったら4本目で、
同窓会っていうのを最後自分が紹介するとしたら話したかったのは、
これがですね、なんかすごくいい話なんですよ。
明るいっていうか幸せな話だなと思って、
他の話って結構影があったりして、
ちょっと幸せとは言えないような話だったりするんですけど、
これはですね、すごい良い話で、
同窓会という話なんですけど、
すごく学生時代評判の美人だった主人公が、
同じ学校の出身の、
それの当時から付き合っている夫と同窓会に行くっていう、
2人とも同じ同窓会に行くっていう話なんですけど、
当時その夫は頭が良くて、
学校で一番頭が良かったんで、
有望株だみたいな感じで付き合って結婚したんですけど、
結果ちょっと他にも上手くいってる人たちがいて、
その同級生たちの中では、
あんまり成功者としては言えないような感じではあるんですが、
ちょっとそれのことで2人は、
多分ちょっと気にしてるのかな。
そんな空気がちょっとあって。
同窓会の帰りに、
他の男性によく言われていたんで、
主人公はちょっと夫がこうやって嫉妬を燃やしてくれたらいいなとか、
ちょっと思ったりとかして、
で、学生の時に、
その学校にマレーシアの王妃が来るっていう日があって、
で、その時に主人公はもう、
この学校で一番の美女だったので、
その花束を贈呈する役目っていうのに選ばれたんですね。
で、渡したんですけど、
で、そのことを覚えてるみたいな話を何気なくしてたら、
なんて名前の王妃だったっけみたいな。
で、帰りにようやく、
あ、なんにゃにっていう王妃だったって思い出したんですけど、
夫の方が思い出したんですけど、
王妃の話をその後ちょろちょろっとするんですけど、
もう死んじゃったかなの人みたいな、
どうでもいいんじゃないかみたいな話をして、
夫が別にあの時もあんな王妃のこと見てなかったし、
自分は王妃に花束を渡していたお姫様のことしか見ていなかったよって話をして終わるんですけど、
もうすごくいいなって思って、
なんかこの2人がすれ違いてるのかなってちょっと感じる部分が最初あったのが、
全然2人ともお互い思ってるっていうのがこう分かる話で、
このいろんな話のある中でも、
結構幸せに満ちた1本だったなと思ったので、
ちょっと紹介しました。
そうですね。
夫がね結構歴史のちょっとね、
犠牲者というかですね、
学校一頭が良かったんですけど中学の時、
理系だったんですね。
理系の成績は学校でトップだったと。
ただその後1965年にシンガポールで文理独立というですね、
他からシンガポールが独立して、
英語が国中で奨励されたんですね。
そういう状況になって文系学んでいた方が有利になったという、
そっちの文系需要の方が大きくなってしまって、
理系人材というところでちょっと、
夫の出世の道が断たれてしまったというのがあって、
これもね本当は時代がもうちょっとね、
30:01
今だったら理系で学年トップやったら、
いやそれはすごい出世もしてたんだろうなと思ったりとかね、
いろいろ考えてしまって。
でも確かにね、最後の終わり方はやっぱり、
なんかちょっと良かったなと僕も思いましたね。
社会に求められるものが変わっちゃってみたいな、
途中でね、約束がいろいろあったみたいだけど、
それがたぶん果たせなかったっぽいことも書かれてるから、
ちょっとそういう意味では切ないところもあるんだけど、
でもやっぱりこの、そうなっても二人お互い好きだっていうのは、
やっぱりすごくいい作品だなと思いましたね。
じゃあ私はちょっとこんなところで。
分かりました。
じゃあ次ですね、
僕の方からお気に入りの作品を4つ話したいなと思ってまして、
結構大地さんの話を聞いてて思ったのが、
やっぱりお気に入りになる基準がちょっと違うなと思ってですね。
大地さんは結構ね、揺れ動く男性の気持ちというかですね、
ちょっとした恋愛要素の部分とか、
お気に入りになってますけど、
僕がこれから紹介する話が結構、
マレー系シンガポール人の人たちが多いので、
シンガポールでやっていけないというか、
シンガポールでは夢を掴むのは無理じゃないかというので、
じゃあどうしようかというですね、
そんな話を選んでいて、
まずが兄と弟という作品ですね。
これは双子の兄弟の話なんですけども、
お兄さんの方がマレーシアに行って、
成功していると、
メディアの世界で成功しているんですね。
で、弟もカメラマンで、
そういうメディアの世界で働いているんですけども、
お兄さんが口づけして、
シンガポールじゃなくてマレーシアに来た方が
出世もするからいいよと言って進めるんですけど、
でも弟は断ると。
で、そこで兄弟の会話をしていくんですけど、
僕がすごくこの中で良かったなと思うセリフが、
この話の最後の方にあってですね、
これはお兄さんが言うセリフで、
俺もさ、シンガポールは違うんだって思ってた。
俺たちには違うルールがあって、基準も違うんだって。
でも同じなんだって気がついた。
結局は人種で決まってしまうんだって言うですね。
これような時に、僕もシンガポールってすごく
最先端なイメージがあって、
そこで住んでる人って結構恵まれてる人なのかなと思っていたら、
やっぱりこの実際中で住んでいると、
そこの中で人種の違いとかですね、
そういったところでやっぱり格差みたいなものがあって、
それはでも他の、
シンガポールはでもそういうのはないんじゃないかと。
本当にビジネスの世界だったらやっぱり優秀かどうかとか、
そういうので決まるんじゃないかと思いきや、
でもそうじゃなかったっていうですね。
そういうお兄さんの話がすごくちょっと印象的で、
お兄さんはそこでね、
自分たちにはシンガポールに未来はないと言うんですね、
お兄さんは。
それに対して弟が、
そういう考え方がいかにもシンガポール人だっていうふうに返していたりして、
33:02
シンガポールの中ってこういうところもあるのかなってね、
すごく気づかせてくれるような話で、
これは結構印象に残りましたね。
これいい話ですよね。ラストもいいし。
シンガポール人って何だろうとかね、
シンガポール人にとって大切なことって何だろうとかって、
ちょっとこれ読んだら気になりましたね。
最後のほんとそのミイさんが今ちょっと言い出したあたりから、
兄のセリフのあたりからいいですよね。
そうですね。
なんかね、シンガポールには俺たちの未来がないって、
お兄さんがね言ってるのが結構、
シンガポールってね、
やっぱりそのイメージと現実の違いっていうのはやっぱりあるんだろうなっていう感じるような一言でしたね。
言い返しがいいですよね。
俺たちの過去はシンガポールにあるんだって。
うん。あ、そうそうそう。
じゃあ俺たちが出て行ったら誰が後に残るんだ。
そうなんですよね。
考え方の違いがほんとそうで。
ほんとここでね、シンガポール人にとってのシンガポールって何だろうってすごくね、
本当に気になってしまいましたね。
もう一つ次がですね、
これもね実はちょっと近い話かなと思うんですけど、
プレイバックという作品で、
これもですね、シンガポールを出て行く話で、
シンガポールで歌手になろうとした若者がいて、
ただもう全然目が出なくて、
マレーシアに行ってしまうんですけど、
主人公はそのお父さんです。
そのお父さんがある日カラオケで歌おうと思ったらですね、
カラオケの画面にマレーシアに行った息子が出てきて、
マレーシアで成功したシンガポール人歌手の口パクをしているというですね、
そんな姿を見てしまうというですね、
そんな話なんですけども、
これですね結構その息子がマレーシアまで行って、
結局シンガポール人歌手の口パクをするという、
何かシンガポールじゃいられないのに、
でも結構はシンガポールを頼りにして何とか生き延びているという、
ちょっとした皮肉があったりもするんですけども、
でもちょっと思ったのはですね、
じゃあこのマレーシアに行った息子さんって、
なんかそれってカラオケの画面で口パクしてるんで成功してるとは言えないんですけども、
じゃあ夢が破れたのか、
もしくはまだ夢を追いかけている途中なのか、
そこまでは描かれていなくてですね、
でもなんかすごくちょっとたくましさを感じるというかですね、
やっぱりその息子さんはシンガポール人なんですけども、
やっぱりシンガポール人にとってシンガポールって何なのかっていうのをですね、
ちょっと突きつけられているような気がしてですね、
その中でこの人はもうマレーシアに行くという選択した人で、
そうなんですよね、これも見方によってはすごくたくましいし、
やっぱりでもまだ希望が途絶えていないというか、
マレーシアで何かをやろうっていうね、
そういうのが感じられる作品だったんで。
この作品私もすごい好きで、
作品全体がいいなと思ったから作品名に特に伏せ張っているんですけど、
36:02
皆さん言うように多分私その揺れ動く気持ちの方に多分持っていかれちゃってるから、
このお父さんの気持ちが気になって仕方なくて、
息子がこうなってると、
あーっていうこのテレビで息子を見た時の父の気持ちっていうのが。
それはびっくりしますよね、
カラオケで自分で歌おうと思ったらいきなり始まりでね、
父さんはもう呆然として立ち尽くしてるんですよね。
成功しきってないし、失敗とも言えない、
なんかこう微妙なラインのとこの過程なのか、
やぶれてる最中なのかわからない姿を見てしまった時のこの気持ちがね、
やっぱりちょっといいなって思って、
いう意味で私はこの作品いいなって思ったんで、
やっぱりちょっと違うところで。
なかなかこれもいいっすよ。
さっきの本当、兄と弟のプレイバックがそれぞれちょっと違った、
近い設定であってでも違っていてっていうのがあって好きでしたね。
次ですね、紹介したいのが、
引き出しという作品なんですけども、
これもね、結構インパクトのある作品かなと思っていて、
就活をしている女の子の話なんですけども、
この女の子がトゥドゥンというですね、
イスラム教徒の人が肌とかですね、
そういうのが見られないように顔の上に被るスカーフですね、
それを被ってもう外に出ていて、
で、就活でも同じように、
その女の子は文化といいますか、
しきたりを守ってトゥドゥンというスカーフを被っていくんですけども、
でもですね、そのせいで就活がうまくいかないと、
つまり認められないというですね、
そういった状況があって、
で、お母さんはですね、就職してほしいから、
娘さんにスカーフを被るのはもうやめたらどうかと、
外住んですけども、娘さんは自分を貫くと、
自分を貫くというかですね、
ちゃんと規律を守ると。
で、ある日、そこでお母さんがね、
スカーフを隠したりするんですけども、
それでも娘さんが諦めずに、
それをスカーフを被っていって、
もう固くなり、自分のやり方で就活をしていって、
で、就職がどうなるのかというね、そんなお話ですね。
これもいいですよね。
自分を貫いた話だし、
それを最後認める母みたいなところもあって、
ちょっとかっこいい話だなって思いましたね。
そうですよね。
これもね、すごい、そうですよね。
自分がね、そのトゥドゥンを被るというのをさえやめればね、
就活ってもっと簡単にいってたかもしれないのに、
でも自分の中で大事だと思うことを守るっていうですね、
これができるのってすごい勇気のいることだと思いますし、
これもまたやっぱり同じく、
シンガポールっていう国の、
やっぱりなんかね、僕今の国の状況とか気になってしまってですね、
シンガポール人っていう人として宗教のところとかを大事にするっていうのはあると思うんですけども、
一方で経済の部分というかですね、
39:01
そこで働いていくには、
昔ながらの価値観とか、
そういったものは受け入れてもらえないんじゃないかとかですね、
ギャップみたいなものを感じてしまいましたね。
最後に紹介するのが、回収という作品になります。
これは一番最初に収録されている作品で、
長さも4ページですぐに読めるんですけども、
結構インパクトがあって、
いきなりこの回収という作品で、
このマレーソビュー集は面白いなと思えたので、
結構印象に残っています。
これは主人公はカジン男性、
カジンというのは中華圏ですね、
ルーツのある男性、ジェイソンなんですけど、
奥さんと結婚して、
そこでマレー人の伝統衣装に目を包むという、
カジンからマレー人の方になっていくというですね、
名前も変わるんですよね。
ジェイソンだし、ジャマルという名前に、
新しい名前が付いたりするんですけども、
このジェイソンが軍隊に入っていたんですけども、
この結婚でちょっと宗教が変わると、
ムスリムになるんですけども、
ムスリムになってジャマルという名前が付くんですけど、
その宗教が変わったことで、
大の中の配置替えに合うんですね。
階級が下がるということはないんですけども、
思っても見なかったような、
ちょっと左線のような扱いをされてしまうと。
で、その後ですね、話が飛んで、
2年後の話になるんですけども、
国家記念日の祝賀の映像を作っていた、
プロデューサーですね、
プロデューサーがシンガポールの一般人に、
いろんな質問をしていきます。
それはあなたが守りたいものは何ですかという質問をね、
一般人のいろんな人にしていくんですけども、
そこでね、いろんな人が、
自分の仕事だとか、将来とか、
自分とかって答えていく中で、
このジェイソンが画面に現れて、
自分の家族を守ります。
美しい妻と1歳になる息子と言っていて、
これが結構印象的に描かれて、
実際画面を見たプロデューサーも、
これが一番印象的だって言って、
このね、国家記念日の映像の一番最後に、
すごいね、持っていくんですけども、
印象を返した作品で、
これが先ほどの、
現代アメリカ文学ポップコーン大盛りの中で、
藤井光さんが作品解説をしていてですね、
いろんなことを書いているんですけども、
その中でちょっと思ったのが、
2年後の映像の中で、
ジェイソンは目に涙を込めながらね、
自分の家族を守るっていうね、
話を言ったんですけども、
その流した涙の理由っていうのがですね、
いろいろ考えられると。
ジェイソンとして流した涙であれば、
家族がいるゆえに自分の地位を失ってしまったと。
軍隊でね、殺戦されてしまって、
もう引き返すことができないという、
思想感に似た思いがあるかもしれないと。
ただ、ジャマルとしての名前ですね、
結婚して名前が変わったので、
ジャマルとしての名前とすれば、
社会的地位がどうであれ、
家族こそが自分のすべてなのだという、
二重点の決意と反骨心が
込められているのかもしれないというですね。
もちろんそれ以外にもですね、
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いろんな理由っていうのがあり得るかもしれないというね。
ただこの一人の人間のアイデンティティの揺らぎっていう、
そこをどう読み取るかは、
読み手に委ねられているんですけども、
そういうですね、
一人の人間にいくつものアイデンティティが
出しているというところをですね、
描かれているという、
そこがすごくね、
内井志軽さんの解説で気づいたんですけども、
本当に作品を読んでね、
印象深いし、
しかもこれは本当に、
そんな読み方もできるんだというところで、
すごくいい作品だと思いますね。
うん、分かるこれ。
分かるこれ。
あれなんですよね、
自分はもともとシンガポール系の中だと
7割以上の中華系、中国系の人間だったけれども、
少数派のマレーの文化に入っていくということになったと、
いう人の話なんですけど、
これそう、
私最初読むとき背景よく分かってなかったから、
なんでこうなっちゃったんだろうっていうのは、
ちょっとなんかあって、
最初あんまりよくわからなかったんですけど、
今ちょっと改めて見ると、
すごいいいですね。
何せよラストの一文はめっちゃいいんで。
どの作品もそうなんですけど、
すごいいいなって思ったのを覚えてるんですけど、
この作品全体の持ってる意味っていうのは、
ちょっと今、
そうか、今、
みえさんの話聞きながら、
再認識しました。
じゃあ、最後、
感想とともにどんな人に読んでもらいたいか、
お伝えして終わりたいと思います。
じゃあ私の方から。
個人的には、
信頼してる翻訳家の藤井光さんの役だったので、
まずハズレはないんだろうなと思ってましたが、
めちゃくちゃ当たりの作品だったので、
とても読めてよかったなと思ってます。
この短い作品の中で、
読み手に確実に爪痕を残せる作家ってのは、
ほんとすごいなと思います。
まあ、これ、今回話して気づいたけど、
やっぱラストがいいんですね。
ラストの一文がすごく印象に残る、
締め方をしてくるんで、
すごくそういうことで成功してる作品集なんだろうなと思いました。
たくさんほんとあるので、
48本も入ってるので、
全部が全部同じ強さで覚えてるわけではないんですけど、
なんかぺらぺら抜けると、
あ、こんな話あったなと思って、
ちょっとニヤッとしたりとかするし、
あと再びちょっとハッとさせるような話もあったりして、
やっぱりすごくいい多様性に富んだ作品だったなと思います。
シンガポールとかマレー系とか、
詳しくなくても全然楽しめるので、
いろんな作品読んでみたいなと思っている人には、
おすすめな一冊です。
僕ももうね、感想は大地さんとかなり近いんですけども、
シンガポールに対して持っていたイメージですね、
経済発展していてスマートな国っていう、
そういうイメージ強かったんですけども、
この作品集読んでみて、
やっぱりね、その中で生まれ育った人って、
こんなに多様でこんなに悩みながら生きている人が多いんだっていうのがですね、
感じ取れました。
ほんとスケッチをね、
ほんとしているなっていう、
タイトルと作品の中身がほんとに一致しているなっていう、
そんな印象でした。
シンガポールのこうした側面を知るっていうのも、
自分の中の世界が広がる体験になったなと思ってまして、
すごくこれは、
ちょっとその文化を、
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いろいろな文化を理解、
知りたいなと思う方とかですね、
そういった方にもすごく面白い本かなと思います。
そういった意味ではですね、
すごく幅広く多くの人にお勧めな一冊だなと思いますので、
ぜひ興味がおったらすぐに読めるまで読んでもらえたらなと思います。
そうですね。
じゃあこれで終わりたいと思います。
じゃあ、本日はマレーソビュー集を紹介いたしました。
じゃあ次回も作っていただきます。
次回はですね、
冒頭でも話しましたが、
路上の妖孔という、
同じく書士カンカンボーから出ている書説をご紹介したいと思ってます。
ラシャムジャという方が書いていて、
チベットの文学になります。
番組の最後になりますが、
サポーターというものを募集しております。
サポーターというのは、
メルマガオ州に一度配信しているんですが、
土曜日に配信していますので、
よろしければ概要欄をご確認いただいてご登録ください。
実は無料版というものを作ってまして、
そちらはカットしてしまった、
編集上カットしてしまった音源を別で作って届けております。
このラジオをたくさん聞いて、
いくらでも聞けるよという人たまにいるので、
そういう方はぜひ無料版登録してみてください。
詳しいことは番組概要欄をご確認ください。
番組の完成やリクエスト、
またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、
読み返しましたなどございましたら、
ハッシュタグそのとびねこたちを付けて教えていただけると嬉しいです。
TwitterやインスタのDMや投稿などでお待ちしております。
メッセージ本も番組情報欄に載せておりますので、
そちらから直接いただいても大丈夫です。
積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
46:28

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