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2025-06-16 53:06

第196回 水資源が貴重なオマーンに現れた水追い師『水脈を聴く男』ザフラーン・アルカースィミー著

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文学ラジオ第196回の紹介本

『水脈を聴く男』

ザフラーン・アルカースィミー著、山本薫訳、マイサラ・アフィーフィー訳、書肆侃侃房

http://www.kankanbou.com/books/kaigai/0674

 

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

【今回の内容】

初のオマーン作品/オマーンの水環境、風習を知れる/2023年アラブ小説国際賞受賞作がいち早く邦訳化/人物名に苦労したけど話がわかると一気読み/水の位置がわかる能力がある主人公がヒーローになると思いきや・・・/著者&作品紹介/解説のオマーンについて/予想できない展開/国家が関わる大きな話にならず個人や村の話にとどまる/水がテーマ/水追い師の主人公が不幸続き/多様な人物から村社会が浮き彫りに/個性が薄い主人公より主役は村?/登場人物の名前について/ネタバレ無しでストーリー紹介/水を聴く能力は非現実的だけど水源を掘り起こす方法は現実的/岩ににんにくを塗るのは何だったのか/主人公サーレムの周りの大人のサイドストーリーが良い/目立つことをすれば噂話になりバカにされる村社会/噂話に傷ついた妻を説得するサーレムのセリフが響く/もしも水がなくなったら?/次回予告

 

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版元サイトより

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井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。

 

ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。

 

アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。

 

 

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サマリー

オマーンの小国で生まれた水脈を聴く能力を持つザフラーン・アルカースィミーによる物語は、水の貴重さとその文化的背景を深く表現しています。彼の特殊能力が村を救う様子を通じて、オマーンの人々の水に対する考え方や風習が明らかになります。オマーンの水源が貴重である中、主人公のサーレムは、水を追う力を持つ水老石として知られるようになります。物語は、彼の不幸な人生を描きつつ、地域の村社会や価値観がどのような影響を与えるかに焦点を当てています。オマーンの特異な環境において、水資源がいかに重要であるかを示す物語が展開されます。主人公のサーレムは、水の音を聞く特異な能力を持ち、村人たちのために新たな水源を発見しますが、彼の成長と試練が物語を深めていきます。オマーンの水資源の貴重さを背景に、人々が水脈を聴く能力を持つザフラーン・アルカースィミーの物語が展開され、このエピソードでは水がいかに重要であり、またその不足がもたらす影響についての考察が深まります。

水脈を聴く男の誕生
雨のほとんど降らない小国オマーン。 ある村に水脈を聴く能力を持つ男が生まれる。
幼少期は忌み嫌われていたが、間伐を救ったことで水追い師として有名になっていく。
ザフラーン・アルカースィミーの水脈を聴く男を今回は紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私大地と三枝の2人でお送りします。
文学のプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には作る、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、ザフラーン・アルカースィミーの水脈を聴く男です。
山本薫さん、マイサラ・アフィーフィさん役で、書士館官房から2025年に出版された本になります。
こちらはもうですね、先週紹介したひそやかな炎と一緒で、出たばっかりですね。
そうですね、先週炎は火ということで、今週は水ですね。
あーなるほど、確かに炎と水っていう。
炎と水っていう、この2つのちょっと続くものがある、この並びですね。
で、初めてのオマーンの作家ですね。
そうですよね、いや初めて読みましたね、このオマーンの作家さんの作品が。
オマーンって何か。
オマーンってサッカーのワールドカップ予想で大戦相手でしか聞いたことがなかなかなかったんで、
馴染みがそうなかったといえばなかったんですけど、今回小説読んでびっくりしましたね。
何をびっくりしたかっていうと、それまでの中東のイメージ、中東ってだいたいどの国もこうなのかなみたいなふんわりしたイメージだったんですけど、
全然違ったんですよね。
オマーンはもうオマーンでちょっと他の国とは違うこんな特色があるんだっていうのがですね、それがちょっと水っていうところになってくるんですけど、
そんなのがあってですね、いやこれめっちゃちょっと良かったですね、もうオマーンを知れたっていう、気にすごいなりましたね。
今回そう、ちょっと多分いろいろ話すと思うんですけど、結構オマーンの文化、オマーンの考え方、風習みたいのは結構この本を通して知ることができるので、
なんか海外文学を読む上で、こういう知らない国を知れるっていうのが好きな人には間違いなくハマる一冊っすよね。
おだしょー そうですね。オマーンもし旅行行くことになったら、その前に読んでおくとめっちゃいいと思いましたね。
確かに確かに。ちょっとね時代的には少し昔を描いているのかもしれないんですけど、この感覚はすごい掴めると思いますね。
で、これ書士官官房さん出たばっかりの本なんですけど、なんかあれですね、東大科なんかでちょっとイベントがあって、全然知らなかったんですけど。
5月末にあったみたいで。これね5月に出て。 そう、著者の方が来日されて。ちょっと行きたかったなっていう。 そうですね。他でもねそういうちょっとトークイベントとかあって、もしね聞けそうなものがあったら。
ね、残念でしたね。もうちょっと早くキャッチアップしてればいけたなっていうところなんですけどね。ちょっと残念でしたね。
水の重要性と社会構造
で、今回のこの水脈を聞く男なんですけど、アラビア語以外で現在読めるのは日本語だけらしいんですね。英訳はもう決定してるのかな。翻訳権はなんか抑えられてるっぽいので、英訳は決まってるっぽいんですけど、まだ実際に翻訳されたのは日本語だけっていう状況みたいで、なかなか特殊な状況ですよね。
確かに。アラビア語以外で読めるのが日本語しか今はないっていう状態なんで。いやなんかでもありがたいですね。なんかそういう日本のやっぱり翻訳文化というかすごいんだなって思いましたね。
確かにね。やっぱ日本語ってやっぱりなかなか翻訳してもらわないと我々多分読めないんだろうね。英語とかだとね。英語とかまあ他の言語含めてね。私もなかなか原文では当たられないし。
今回も役者あと書きで山本薫さんが翻訳で書かれていたんですけども、アラビア語の翻訳をされている方なんですけども、やっぱり今回このオマーンの文学というのでその現地のなんか方言みたいなですね。
独特な言葉遣いとかもあって、そこでこのマイサラ・アフィーフィーさんというエジプト出身の方ですね。日本文学をこのアラビア語に翻訳されている方もちょっと一緒にこの二人で翻訳をされているというのはおそらくすごい翻訳大変だったんだろうなと思いましたね。
オマーン特有の言葉とか、オマーンの村のこの方言が使われていたりとかで、なかなかアラビア語の中でもさらにオマーンっていうところ、そこにちょっと入り込まないと訳せなかったと思いますので、まあでもそれを日本語にして届けていただけているっていうので、そういうのが実現できているっていうところがやっぱりすごいことなんだなと思いますよね。
そうですよね、このアラブ小説国際賞を受賞した作品なんですけど、本国でも2022年に出版されているのでそんな時間経ってないっていうね。
そうですね、そんな最近の出版だったんですね。
そうそう、23年に賞を取っているから多分それに注目されたんじゃないかな。
すごい早いですね。
早いよね。なんか諸子官官坊さんってやっぱ早いのかな。
そうなのかもしれないですね。
あれもそうだったよね、死んでから俺にはいろんなことがあった。あれも爆速で決まったみたいなエピソードだったけど、翻訳が。諸子官官坊さん早いのかもしれないですね、この辺ね。
確かに原作出たのは結構前々で。
そうそうそう。
企画を、企画が。
そう、木下真帆さんが多分諸子官官坊に持ってってほぼすぐ決まったみたいな話を公演で聞きましたよね。
大体の背景とかタイミング的に今がいいってなったら早いんですよね。
早いんでしょうね、翻訳するって決めるのが。で、この作品は今ちょっと周辺の話ばっかりしちゃったけれども、普通にめちゃめちゃ面白くて。
結構ね、一気読みでしたねこれ。前回のひそやかな炎とはまた違うタイプの一気読みをさせる本で。
これはなかなか世界観に持ってかれましたね。
世界観に入れたらね、一気読みできますよね。
なんだろうな、登場人物の名前はね、もう馴染みがなさすぎて、私はなんかちょっとこう文字面を頭に入れて、なんとなく、
あ、今お父さんが来たとか、お母さんだなとか、そういう感じで捉えていっちゃったところがあるんですけど、
でもなんかこの文章自体はすごい読みやすくて、結構さらさら入ってきましたね。
ただやっぱちょっと展開がちょっと意外だったりするので、ちょっと驚きなんかあるんやから、それも踏まえて結構夢中で読んじゃった感じですね。これは面白かった。
いやそうですね、やっぱり夢中になりましたね。なんかやっぱり独特の魅力というか、そんなのがすごく溢れてるなと思いまして。
では水ということで、タイトルに水脈っていうのが入ってる通り、この水が生命線となるような地域で。
うんうん。
で、もしもこの水源を、地下にある水源を見つける能力、特殊能力があればっていうですね、そんな設定で。
うんうん。
普通、どこに水源があるかって人が感覚的に分かるものではないんですけど、主人公がそういう特殊能力を持ってて、
だからどこに水があるのかっていうのがですね、水の音が聞けるっていう能力があるんですけど、設定からして面白そうで、なんか予想外の展開なんですよね。
ヒーローになっていくのかなと思いきや、違う方向に進んでいくっていう。
ああ、そうだよね。そうそうそう。それすごい思ったな。
まあ主人公はいるんですけど、なんかこの舞台となった村が、思った以上に村社会で、それが架空でそういうふうに描いてるのか、実際そうなのかっていうところまではちょっとわからないんですけども。
うんうんうん。
まあでも結構今の自分たちの社会ともね、重なるような姿っていうのも見えるところもあって。
なんかすごい特殊な、おまわん独特な小説と思って読んでたんですけど、なんか読んでいくと結構普遍的なところもあるというので、なかなかこの感情も動かされるところもありましたね。
ね。いや確かにそうなんだよね。村の描き方がめちゃめちゃ上手いんだよなこれ。ちょっとちゃんと後で話したいんだけど、いやこれはなかなか、社会の描き方もすごい上手いし、ちょっとこれは本当に面白い作品でしたね。
ね。200ページぐらいの作品なんですけど、すごいいいですね。なんかこのボリューム感っていうのもちょうどいいと思っていて。
これ人によってはたぶん1日には見れるんじゃないかな。
まあそうですよね。
ちょっと時間をある程度確保できれば。まあたぶん途中から止まらなくなるしね。
いや本当ね。なんかちょっと変わった小説読みたいなっていう時、ちょっと軽く手に取って見るのに本当にすごいいいなと思いますね。
じゃあちょっとそんなところで、ちょっと始まっちゃう前にしっかりと著者の紹介をしたいと思いますね。
ザ・フラン・アルカスイミーさんなんですけれども、1974年オマー生まれの小説家詩人ですね。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行していると。
これが4冊目となる水脈を聞く男が2023年度アラブ小説国際賞を受賞して注目を集めるという作家ですね。
じゃあ半元ホームページの引用を紹介したいと思います。
井戸で発見された歴史体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の水脈を聞く能力が宿っていた。
ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からのおいでおいでという囁きに導かれ、ついには歴史体として発見される。
しかしその体には胎児が宿っていた。
無事に救われたことで、これ無事っていうことをですね、サーレムと言うみたいなんですけれども、
無事に救われたことでサーレムと名付けられた息子は耳を澄ませると地中を流れる水の音が聞こえるようになる。
その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った漢罰から救うことで必要とされるようになる。
その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は水を意志として各地でひくて余手になるのだが、
アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン、地下水路ファラジュと現地で呼ばれているそうですね。
ファラジュによる独自の考えシステムは、真剣な岩山や高齢とした砂漠の地を潤してきた。
バグダットのフランケンシュタインなど、過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞、アラブ小説国際賞に輝いた水を巡る傑作長編となっております。
っていうところなんですけど、なかなか今の話だけでもだいぶいろんな話題がありつつ、
あと独自の言葉は今も出てきちゃってるんで、だいぶこのオマーンという文化を反映している。
当たり前なんですけど、反映している作品なので、この辺りいろいろちょっと話していきたいなと思います。
オマーンについてですけど、この本の最後の方に解説が入っていて、神奈川大学で中東地域研究の大川真由子さんの解説がですね、
数ページ入っていて、結構ね、この作品の舞台となるオマーンの時代背景とかですね、
あとオマーンのこの水管理というのがですね、オマーンっていうのがアラビア半島の東部に位置しているちょっと細長い国で、
水に何て言うんですかね、結びついているような国でもあって、自然ですね、と結びつきが深くて、
その象徴的存在がファラジという地下水路ですね。これが国内に3000ほどあって、
でも歴史古くて2000年以上前からあったんじゃないかと言われていて、世界遺産になっているようなので、
ファラジで検索すると写真とかもたくさん出てくるんですけども、
その水というのがですね、このそういう地下水路の文化が発達してオマーンの人たちがですね、
それで水を得ることができていたというので、結構ね、それで水を使うスケジュールとかですね、
水の権利とかですね、そういうのがあったりして、それを管理する人がいたりというですね、
やっぱりそういう水社会っていうのが伝統的にあったみたいで、というですね、
オマーンの水源の重要性
そんななかなかこのオマーン独特のファラジという地下水路っていうそんなものがあったりするのと、
あとは呪術と民間信仰というところですね。神という精霊ですね。
よく聞くわ、聞くよね。
そうですね、アラジンみたいな。
そうですね、アラジンだよね。
こうすると神が出てくるみたいなですね。
そのイメージだよね。
そうですね、そういった呪術っていうのが信仰されていて、
水にもね、そういう神、精霊宿ってると信じられていたり。
あとは女性とか子供ですね、特に呪われやすいと言われていて、
この作品も移動で発見された歴史体の中から取り出された胎児っていうのが、
作品の概要のまず第一文であったんですけども、
そこからしてすごく不吉なところなんですけども、
こういう事実が信仰されているようなところで、
そういう不吉な子供が生まれると、やっぱりなかなか周りの人からは、
この人は呪われた子じゃないかってね、見られてしまったりとかですね、
そういうふうになりやすい、そういう女性とか子供が、
特に何かあった時に、それはもう悪い霊のせいだとかですね、
呪われているとかですね、そうちょっと言われがちやすいという。
あとは土地柄、海に面しているというところもあって、港町があったりするので、
ちょっと東アフリカと、距離も近いので、そういう東アフリカと結びつきがあったりするとかですね、
そんなところですね。で、オマンは人口的には500万人弱というところで、
小国にはなるかなと思うんですけども、このアラビア半島の中で、
特有の立ち位置にいる国でもあるというところですね。
そうですね、結構この役者じゃなくて、この大川さんの解説が結構厚くて、
手厚くて、結構理解するの助かりますね。
ちなみに私、話が面白すぎて、今回は解説系は全部読み合った後に読んだんで、
ちょっとこれ読んでから読めば、もうちょっといろいろ立体的になったなと、
ちょっと後悔はしてますね。解説の方ですね。
そうですね、僕はもう解説は今回作品読む前に読んで、やっぱりキーポイントがこのファラジュ、
地下水路だったので、一応ネットでファラジュ検索して、外観イメージだけで読んでましたね。
いつも読み始めて気になることが出てきたら、解説を読むみたいなスタイルを私とっているんですけど、
今回は面白すぎて、全部読んじゃったっていう。
でもこれ解説読んだ方が確かに、ちょっとネタバレ要素も入っちゃう。
ストーリーに触れてるところもあるんですけど、読んどいた方が結構立体的に読めるなっていう感じはしましたね。
でもどっちでも大丈夫かなと思いますね。解説は最初でも最後でも。
ちょっと楽しみ方は選んでいただいてというところですね。じゃあちょっと作品入っていきましょうか。
この作品の特徴なんですけれども、まず1点目は多分日本人の感覚からすると含まれるかもしれないですけど、
これ展開がほぼ予想できないですね。そこがやっぱり面白かったところの一つだなと思っていて、
結構一文見落とすと、あれなんでこうなっちゃったみたいなのとかあったりとかして、結構急展開したりします。
そもそもデキシスタイから生きた赤ちゃんが出てきたとか、睡眠薬を効くことができるとか、
結構非現実的な、ちょっとマジックリアルズム的な要素があるのかなと思うんですけれども、
とはいえそういうのを指していてもですね、結構予測ができない展開が連続するかなと思ってます。
なので、なんていうか結構、なんでこうなるんだみたいなのが連続なので、ここに結構ですね、びっくりすると思いますね。
でも物語としては何か当たり前のように進んでたりするので、こういうものなのかなみたいな感じでちょっと読み進めたりすることができるんですけど、
そのあたりはなかなか、ちょっと非現実的でもありながら、結構読ませる要素でもあるかなと思いますね。
ああ確かに。ガダブケンの小説、僕はそんなには読んでこなかったんですけども、今まで読んできた小説が結構どれも政治的なものと強い結びつきがあって、むしろそういうのが題材でもあったんですね。
なので、この水脈を聞く男が、あんまりそういうオマーンっていう国と何か対立したりとか国と関わるとか、あんまりそういうのなんかなくて、本当にもっと小さな村の中での話っていうとか、個人の話とかだったんで、
なんかそういう大きな物語ではなくて、本当にその個人とか村といったところの話だったんで、それがすごいちょっとアラブ圏の小説で、そういうのがあるんだっていう、なんかちょっと珍しいなと思って。
確かにね。 このアラブの、アラブ小説国際賞っていう大きな賞を取ったっていうところも評価もされてるっていうので、なんかなかなか、そんなにこの地域の小説詳しいわけではないんですけども、もしかすると珍しいタイプの作風なのかもと思ったりしましたね。
そうですね。確かに大きな話にはならないよね、これね。これストーリーだけ見るとさ、めちゃくちゃ大きな話になりそうじゃん。もう水脈を見つけられる男が現れてみたいな。 そうなんです。そうなんです。で、一応時代的にも20世紀の初頭から中頃にかけて、一応想定されているんで、戦争の時代なんですね、世の中世界的には。ですけど全然そこと関わってないですし。
確かに。接続してないよね、確かにね。 で、主人公の周りの登場人物たちも特に何かね、そういう戦争とか関わったりってなかったと思うので。
確かに。そうですよね。そのあたりは確かにちょっとイメージと結構違ったなっていうのはあるかな。なんかこのあらすじとか、この最初の自分が読む前の印象は結構大きな話になるんじゃないかなみたいなのをちょっと思ったけど、確かに割とこの小さい世界で完結してるっていうか、そこを描いてるよね、逆にね。
そうですね。逆にね、なんか世界はその時代ってすごい戦争とか起きてるのに、なんかその村に関しては本当にもう村の中のこと。 そう、村の問題がもううん。 まあまあそもそもあれですね、水がやっぱり大事なんで、水が出てくるか出てこないかっていう、そこにずっとひたすらこだわってるっていう。
まあでも、聖書を分ける問題ですからね。 まあそうですね。この辺がまああれですね、ちょっと架空のところもあると思うんですけども。 確かに確かに。そこまで。 まあ小説ならではの、なんかね、この作り方なのかなと思いますし。
でちょっと今のお話につながるんですけど、やっぱりこれ水っていうのがすごく重要なテーマでして、まずやはり水源っていうのはね結構重要なこの国にとってものなんですね。まあ日本みたいにね、もう川がたくさん流れてるみたいな国じゃないんでしょうね。
で、水源っていうのがもう重要で、それが枯れちゃうともう作物も育たないし、もちろん家畜なんかもうまく育てられなくなってくるので、すべてそこでライフラインが止まってしまうっていうとこなんで、まず水源っていうのがこの国においてすごく重要で。
で、あの解説にもあるんですけど、まあいろんな管理を共同で管理をしているっていう。で、それをもらう権利、配分の権利みたいのがあるんで、まあそれがちょっといろいろあるんで、やっぱり水ってすごく重要な国なんですね。ここはやっぱりなかなか日本からはイメージができないかなと思うんですけれども。
そんな中で、この物語の主人公であるサーレムはですね、水老石という形で、水を追うことができる人物として名前が知れ渡っていくんですけれども、彼はね、ちょっと彼の人生をね、この小説の中では描いてるわけですけれども、ちょっと老いたちから考えるとね、水老石になった瞬間っていうのは結構ヒーローっぽい感じになるんですけど、
その後ね、あんまりうまくいかなくて、なんかすごいいろんな面でね、なんか不幸が続いていくっていう、この彼の人生というか、これ何なのね、お前の人生観なのかな、なんかもっとうまくいくでしょみたいなのを読みながら思っちゃったんだけどね。
この辺もなんかちょっと予想外なパターンだと思いました。日本の小説だったらそういう特殊能力があってね、水を振り当てることができる主人公がいたら、だからその活躍とかがもっと描かれそうな気がしたんですけど、そうじゃなかったですもんね。
主人公サーレムの人生
不幸になるとしても、なんかその能力に奢ってしまってみたいな文脈で不幸になっていくとか、なんかうまくいかなくなっていくみたいなのが、私がよく知っている物語なんですけど、これはそうじゃないんだよな、もっとなんかうまくいかなさっていうのが、もっと運命的な感じで描かれてるっていうか、そこは面白い点でもあったんですけど、これもちょっと最初に言った、ちょっとこの予想を裏切ったりとかね、展開が読めない部分でもあったんですけどね。
というのがちょっと主人公側のこの人生なんですけれども、もう一つこの小説すごいなって思うのは、村社会ですね。これはオマーンの村社会、色々描いてると思うんですけれども、登場人物やたら多いんですよ。
結構多かったですね。 で、村を描いてはいたり、違う村を描いたりとかもする時あるんですけど、隣の村から来たりとかっていうのも全然あるんですけど、町へ行ったりとかっていう時もあるんですけれども、ある村を描いてると。
その村って多分ある価値観に支配されてるというか固定されてるような感じはしていて、その価値観からするとこのサーレムはですね、ちょっとやっぱり歴史体から生まれてきた息子だったり、ちょっと違う力を持ってそうな、違う感じがする子供なので、ちょっと村から意味嫌われてる感じが最初の幼少期の頃あって、
それを全体として描くんじゃなくて、全体としても描いてはいるんですけど、結構個々の登場人物を通しても描かれていて、これが一つの村っていうのに、その中でもその価値観に支配されてはいるけれども、
その対してちょっといろんなことを思ってるよみたいな人物いながらも、全体としてやっぱりサーレム拒絶したりしていたり、みぞ石になって受け入れたりまた拒絶したりみたいな、この村としてのムーブみたいな動きみたいなのもすごい上手く描かれていて、これ結構すごい偽料だなって私は思ったんですよね、読んでて。
なんかストーリーとしてもめちゃめちゃシンプルに面白いんですけど、それを支えているその結構な人数の村人が面白いなってやっぱ思いましたね。
読んでてそう思ったの、これ主役は村なんじゃないかなと あーそうだよね、確かに。 主人公のサーレムが、なんかちょっと個性が薄めな描かれ方をしていると思って、癖がちょっと弱いというか、逆にこの村の個性がだいぶ濃いと思って。
実際にはこのサーレムを中心に描かれるんですよ、父親とか、父親もね、意図でできてしまった妻のことをずっと引きずってやったりとかするし、あと彼サーレムを育ての親とか、あとサーレムの妻になる人物とか、やっぱりそのあたりで少数世界は描かれていくし、その世界観にやっぱり結構どっぷり使っちゃうんですけど。
実際には確かにこの村っていうのが結構大きく浮かび上がってくるよね。 そうですね。 村っていうか社会かな。これは面白いよね、確かに。 まあそこがね、良くも悪くもっていうところかなと思いますし。
そういうところなんですけれども、こんな感じでこのオマーンの感覚なのかもしれないですけど、やっぱりちょっと日本にいるとあんまりたどり着かないような感覚が結構多いと思うので、やっぱりそれは相対的に味わえるのはすごい良い作品だなってやっぱり思いますね。そんなところでいきましょうか。
ここからちょっとストーリー紹介していこうと思います。その前にこの作品の登場人物の名前がですね、結構ややこしくてですね、これが読む上でちょっと苦労する点であったんですけども、名前が長いんですよね。 長いっすね。
マリアムはマリアム・ビント・ハマド・ワッド・ガーネムっていう、これはサーレムのお母さんでデキ死した人なんですけど、マリアムという名前が村にいっぱいいてですね、このフルネームで表示しないとこのお母さんのマリアムわからないからっていうので、他にもアーイシャ・ビント・マブルークとかですね、アーセア・ビント・モハンマドとかですね。
オマーンの村の水問題
結構長い名前で表記がされていて、誰が誰かってちょっと混乱しやすいところはあるんですけども、この辺はですね、僕はメモを取りながら読んでいったので、あとはファーストネームですね。マリアムってたくさん村に出てくるんですけど、作中で出てくるマリアムは確か1人やったと思うんで、ファーストネームで覚えちゃうっていうのが覚えやすいかなと思いますね。
このストーリー紹介でも一旦このファーストネームでちょっと当時の人物は読んでいこうと思います。作中ではフルネームで結構長い名前で表記されてるんですけど、簡単に話をネタバレもせずにちょっと話していこうと思うんですけども、まず舞台はオマアの架空の村ミスファー村ですね。
その村の井戸で水死体が見つかります。でき死した妊婦さんなんですけども、マリアムという女性になります。妊婦さんで妊娠していて、遺体のお腹には胎児がいるんですけど、それがちょっと動いていることが確認できて、ちょっと村人たちがそれを救おうかどうか協議している間に、やっぱり死人から赤ん坊を取り出すっていうのはですね、ちょっとどうなのかとか。
あのちょっとなんていうか、事実的に怖いんじゃないかとかですね。いろんな協議があったんですけど、その協議している間にですね、あとある女性が赤ん坊を救い出します。そうやって救われた赤ん坊というのが主人公のサーレム。その救った女性というのがマリアムの親戚にあたるガーゼアという女性になります。
このガーゼアという人がサーレムの育ての女性になっていきます。サーレムの元には育ての母と呼べるガーゼアのほかに、父ですね、マリアムの旦那さんだったアブダルラという人がいたり、後は父を与えてくれるアースヤという女性もいました。
このアースヤという女性は赤ちゃんを今まで5人産んできたんですけど、ちょっといずれも子供が亡くなってしまって、ちょっと父を与えている子を探していたというところで出会って一緒に暮らすようになっていきます。
主人公のサーレムですね。小さい頃からミズミズということがあって、周りはですね、水が欲しいのかなとか思っていたんですけども、後々わかるんですけども、実はこれが水の音が聞こえていたというですね、それでミズミズと言っていたというのがわかります。
一応この作品としてはこのサーレムの周辺の大人たちの物語というのがですね、結構本筋から脱線して語られていったりするんですけども、そうするうちにサーレムも成長していって、十何歳とかになっていったりします。
で、ある時ですね、この村の水が枯渇した時、唯一水が出たのが村外に住むワーリーというですね、男性の家というか、そのワーリーが持つ水源だったんですね。で、もう村人たちみんな何とかそのワーリーに頼んで水を分けてもらって生活していたというですね、ちょっとそんな時期がありました。
ただですね、それは生活するのに最低限の水で、村をですね、もうちょっとその農業したり、もうちょっと豊かな生活するにはもっと大きな水源が必要だったんで、ちょっとね水源を探し当てようとね、村人たちがしようとしていた時に、それを新しい水源を探り当てたのがサーレムでした。
で、サーレムはですね、この水の音を聞くことができて、それは地下に流れる水というんですかね、ガソリンガンを耳を覚ませることで聞くことができて、ある水源を探すときに長老の家のね、やはりすごい大きな岩があって、そこの岩の底になるんですかね、に水があると突き止めて、村人たちがですね、もう総勢でこの大きな岩をですね、何とかして砕こうと尽力していくんです。
最終的にですね、この大きな岩が割れると、村に水が新しい水源ができて、水が流れるって言うですね、そうなっていきます。
で、それまでサーレムっていうのは、でき死した女性から生まれたということで、でき死した女の息子と揶揄されてですね、結構村人たちから嫌がらせを受けたりしていたんですけど、この出来事がきっかけで水老石と呼ばれるようになってですね。
で、以降はその特殊能力を活かして各地の村を回って、水の音を聞いて水源を探し当てて、そこから水を掘り起こしていって水路を作るっていうですね、そういったのをお父さんたちと一緒に仕事としてしていくようになります。
で、やがてサーレムも結婚もするんですけど、次から次へとですね、試練が訪れると。なかなかなんて言うんですかね、ヒーローになれたと思ったら、そうもなかなかならないというか、試練がどんどん訪れると。
で、一度はその水老石っていうのも引退したんですけど、ある時ですね、ちょっとその他の村の男の依頼で、その水が流れなくて死んだ村と表現されているところをですね、そこの死んだ村の水を水路を復活させて欲しいという依頼を受けて、復活させてくれるとそれに見合った報酬というか、見返りを十分にあげるからというので。
で、サーレムがですね、そうやってちょっとまた水老石としてその死んだ村に行くんですけどもというですね、そんな物語になると。そこからちょっとクライマックスを迎えていくというですね、そんなざっくりした話になりますね。
はい、すごい大枠なんですけど、でも結構これもね、いろいろなネタバレがありまして、なかなかちょっと言い過ぎるとあれだなと思うので、確かにこれぐらいですよねって感じだと思います。
この小説、やっぱりこの水を探り当てるっていうのが結構その表現として多いんですけど、なんていうのかな、能力的には非現実的じゃないですか。水の音、他の人が聞こえない水の音を聞くみたいな。なんだけど手段があれなんだよね、結構現実的なんだよね。
頑張ってこの岩を全然砕けないとか言いながらやったりするっていう。 そう、そのハンマーみたいなものでね、岩を砕こうとするっていう。
村人との関係の影響
もうなんかここほれワンワンとかじゃなくて、ここに水脈があるけどみたいな。 ちょっとその爆薬を使ってとか、そういうのはもしないんですよね。
水脈があるぞって見つかってからが大変っていう感じはありましたよね。
そうなんですよ。なんでサーレムがここに水脈があるからって言って岩を砕こうとハンマーをね、ずっと叩いてるんですけど、周りはね結構それを見てバカにしたりしてるんですよね。
なんか一人でなんかね、もう狂ったことやってるとかね、なんか言われたりするっていう。
なんかサーレムはね、現れた男とか、何をしてるんだみたいな感じで、そこに水源があるのかみたいなことを言われたときに、あなたが私の前にいるのと同じように確実にここに水源があるんですって言い切ってるからね。
あとなんかその非現実的なんだけど、手段はすごい現実的な工程を吹くので、結構その辺がギャップが自分は感じて面白かったな。
確かに。あともうちょっとその岩を砕くというところで謎だったのが、なんかのニンニクを塗るっていうのがあってですね。
これ何だったんだろうね。
何だったんですかね。ちょっと補足するとですね、このサーレムが大岩を砕こうとしたときですね、このマンムラの水が枯渇してここに水源があるって言って。
で、だんだんもう本当にもう頼るものが何もなくて、村人たちももうこれはもうサーレムを信じようってなって、みんなで大岩砕こうとするんですけど、でももうビクともしなくて。
ってなったときにワーリーっていう人ですね、このワーリーっていう人がサーレムの良き理解者であって、村の外れに住んでて村人たちからは結構村八分に思われてるような。
結構ね狂った人みたいな感じで、なんか思われてるようなタイプの人で。で、ワーリーがニンニクを塗るといいよと言って。
で、まあ村の水枯渇しててニンニクとかそんなそういう植物とか育ってないのにどうやって調達するんだって言ったらですね、まあなんだかんだ探すとあって。
で、ニンニク塗るんですけど、そのなんていうか効果が特に検証されないまま大岩を砕くためにすごい大男が呼ばれてきて、めっちゃでかいハンマーを何回も叩いてね、最終的に割るっていうですね。
ニンニクの容赦は何だったんだっていう。
しかもなんかそうだよね、ニンニクじゃなかった的なことをちょっと言い出すし、でもなんかもう1回出てくるんですよニンニク。ニンニク2回出てくるんですよ岩を割るために。
で、その2回目出てくるときもなんか木は熟した的なことをニンニク塗って何だっけ3日間塗り続けるんだっけな、塗ってニンニクによってこう。
なんか岩を柔らかくするか、割りやすくするみたいなそういう効能があるみたい。
信じられているのかな、これはやっぱりこの国の文化なんですかね、なんか全くこれに関してはなんかイメージが、塗ったことによって何をしてるんだみたいな感じにはなりましたけど。
なんか重要なものなのかなと思わせておいて、いや結局どうだったのかってね、ちょっとわからないままだったんですけど。
これもあれ、なんか振興の問題なのかちょっとわからないけれども、でもちょっとこれは私もすごい気になりましたね。
食料とかもね本当に貴重で、なかなかないときにニンニクをペースト状にして岩に塗るんですけど、ちょっとそんなところもあったりして。
ちなみにこのワーリーっていう人のね、現在に至るまでのストーリーっていうのも作中で描かれるんですけど、そことがすごいこれも面白くて。
とかあとこのサーレムにお父を与えていたアーセアという女性ですね。ちょっと子供を5人産んだけどみんな亡くなってしまったという。
そういった人たちのこのサイドストーリーっていうのもね、すごい良くて。この辺はね、この作品のまた面白い点だと思いますね。
そうですね。でもそのワーリーのこのストーリーは結構ね、脇役だけどめちゃめちゃしっかり描かれてて面白かったですよね。
そうですね。なんかこのサーレムもそうですけど、この作品に出てくる主人公サーレムとその周りにいる人たちって結構村からする、村の人たちからすると村八部にしてるような人たち。
ですね。なんかこの村の外れに位置していたりする人たちなんですけど、なんかそういう、でもどっちがまともなのかって言ったら果たしてどっちなのかっていう。このサーレムとかそのお父さんですね。
なんかお父さんもね、この結構なんかサーレムに重要なことをね、伝えようとしたりするんですけども。なんか結構ね、その村社会みたいなところっていうのは、登場人物の立ち位置から結構この村社会のね、子さんみたいなところが見え隠れするなと思いましたね。
確かに。 結局サーレムが溝石でヒーローになっても、なんかこの噂話っていうのがやっぱり村の中でしょっちゅう出てしまうんですけど、いくらいいことしてもすぐにね、変な噂話。いろんなね、もう脚色がついて噂話が立って結局バカにされたりとかですね。
なんか悪者扱いされたりとか、なんか不吉な存在に言われたりしてしまうっていうですね。村社会なのでちょっとでも目立つことがあったらもう格好のネタにされてしまうっていう。 うんうんうんうんうん。そこもなんかうまく描いてますよね。村社会っていうのね。 うん。そうですよね。特にね、結構印象的だったのがこの147ページなんですけど、サーレムがここの丘に水があるっていう水脈をですね。
うん。 まあ見つけてまた岩を割ろうとするんですけど、奥さんですね。まあこの時結婚していて。 うん。 で奥さんがただもうそれをやめてほしいって言って。 うーん。 でなんでかっていうと、なんかサーレムが一人で岩を割ろうとするんですけど、村人たちがね、ちょっとそれを見つけてまた変な噂をするんですよね。あのサーレムがね、狂ったことしてるって言って。
で奥さんがね、結構その噂話に傷ついてしまって、もうそんなのやめて、なんか村人たちが言う通りにみんなと同じように暮らそうよと言うんですけど、ただサーレムはね、それで奥さんがその岩がこたくになかったらどうするのとか、それで水が出なかったらどうするのとかっていうね。
なんかその失敗した時のこと若い質問するんですけど、ただサーレムがね、147ページで失敗しても何も損しないと妻を説得しようとして、この岩の下から泉がいくつも湧いたとしたら、斜面を水が流れたら、自分たちの農園が持てたとしたら、ここで辞めたら自分の夢を失い実現できるかもしれないものを失うと訴えたという。
ザフラーンの物語
まあ奥さんはね、そういうふうに説得しようとして。で、他の人たち、村人たちですね、はサーレムが貧乏なままでいることを望んでいる。でも自分は彼らに雇われる立場から解放されたい。妻が彼らの望みを優先し夫の望みを邪魔するなんて筋が通らないだろうと言っててですね。
結構この辺りの言葉とか、時代とか地域越えて、今の結構自分たちのいる社会とか、そういったのにもすごく響いてくる言葉じゃないかなって思いましたね。
そうですね、確かに。これはね、でもね、なんか、サーレムとしてはね、この水脈を利く能力によって、自分の夢を実現してるというか、そういうわけじゃなくて、自分がやりたいから水脈を見つけてるわけじゃなくて、
必要に迫られて水脈を見つけてるっていうか、例えば生活のためとか、もしくはこれ豊かな生活を手に入れるために次は水脈をとか、そんな感じなので、
なんかこの水脈を聞く能力が彼にとって、なんか自分の欲求とは結びついてない感じのなんかすごい面白くて、本当になんか手段の一つになってるみたいな。
でもその手段は人からちょっと狂人に扱いされてしまうっていうね、ところがあるっていう感じですよね。その奥さんの思いも含めて結構複雑に最後の方がちょっと絡みてましたね。
まあそのね、死んだ村から来た男にはもう壊れてね、行くっていう決断をするわけだけど、それもちょっとお金が絡んではいるんだけどね。
そうですね、自由とかね、そういうところが絡んでると思うんで、あとはもうこの最後のクライマックスのところですね、エピローグとかねあるんですけど、全部で11章プラスエピローグなんですけど、
この終盤の方の展開はね、いやまさかこうなるかというか、そういうふうに持っていかざるを得なかったんだろうかとかですね、結構読んでると。
そうですね、10章あたりからちょっと展開がかなりこう、経路が変わってくるっていうか、ちょっと急展開ですよね。ずっと急展開なんですけど、なんか方向性が変わった急展開になった感じがしますね。
確かに一人の人の人生ってそういうものかもしれないなと思うところはありつつ、そうですね、いやもうまさかそういうふうな、何ていうか物語の終わり方というか、そういうふうに持ってきたのかっていうところで、これがねなかなかちょっと話しづらいところなんで。
そうですね、ちょっとネタバレはできないとこですよね。
じゃあ他でも最後はかなりね、ちょっと読んだ後のこの呆然とした感じ。前回の被災家の炎もそうなんですけど、2つ続けてね、この作品になんかね結構感情を持っていかれるところがありましたね。
全然経路は違うし、多分持ってかれ方も全然違うんだけど、何せ夢中で読めて結構衝撃度があるっていう。
そうですね。
でもラストエピローグは良かったな、すごい良い終わり方をしてましたね。ちょっとこれ以上話すとあれかもしれないんで、この程度にちょっとしときましょうか。
そうですね。
そんなわけで、この追脈を聞く男はですね、割と本編は200ページぐらいで終わってるんで、冒頭話した通りそこまで時間かけずに読めるので、ぜひ気になったらですね、ぜひ手を出していただきたい本ですね。
水の重要性
じゃあちょっとここから最後、少しテーマトークを話したいんですけど、水がもしなくなったらみたいなテーマで。
結構大きなテーマですね。
話したいんですが、これ偶然なんだけど、ちょっと前にこのテーマで話すことがあって、人と何人かで。
へえ。
たまたまちょっと会って、結構いたのかな。
なんかあれですか、環境問題的なことについてだったかな。
うーん、でも文脈で言ったらそっちだね。まあ衛生技術的な文脈かな。
まあいわゆる、なんかね、海の水って少なくなってるらしいんだけど、知ってました?とか、そういう。
はいはい、温暖化によってとかですか。
温暖化のイメージはさ、海の水増えてるイメージあるじゃん。
あ、なんか氷が溶けて。
そう、溶けて。だけど減ってるんだって。なんか、とか全然実感ないんだけど、とか、だから水がなくなるかもしれないよねみたいな話をしたことがしたんですよ、ちょっと前に。
うーん。
まあ、たまたまその後にこれ読んだからなんかすごい、こういろんなことが、考えを読んじゃったんですけど、結構水がもしなくなったらとか、まあこれちょっとでも災害的な文脈もあると思うんですよね。
あの、日本で言うとね。
ああ、なるほど。
あの、断水しちゃうとか、水道から水が出なくなっちゃうとか、まあ水が出なくなるとか、濁った水でしか使えなくなるとか、いろいろあると思うんですけど、結構水って結構重要だなって改めてこの本を読んで。
うーん。
ちょっと思ったんですけど、そうですね、その災害の文脈とかもあると思うのであれなんですけど、水ってまあめっちゃ重要だなって思うんですけど、でも当たり前のように、特に日本なんかで暮らしたら、当たり前のようにあるじゃないですか。
まあ今回この水脈を聞く男だと、水がなくなるっていうのは結構現実的にある世界だったじゃないですか。なんか水がなくなるって結構イメージ、日本の人ってしにくいなって思うんですけど、で、その時話した時にやっぱり結構イメージすると、あ、結構大変だなっていうか、てかどこまで耐えられるみたいな。
あの、例えば真水じゃない水だったら飲めるのかとか、水道水じゃないやつ飲めるのかとか、こう水道から出てる水がちょっと濁ってたとしたら、それはどこまで許容できるとか、例えばお風呂とかはシャワーとかはまあ良しとしても、なんか飲み水とか料理に使う水はどうなんだ。結構いろいろあると思うんですけど、結構水がなくなるっていう状態って、やっぱめっちゃ致命的だなっていうのはなんかこう思って。
ちょっとどういう風になるかなみたいなのは、ちょっとその時いろいろ話したんですよね。で、その時ちょっと私が思ったのは、飲み水って結構重要だなっていうか、なんか東京の水って結構美味しいって言われてるらしいんですけど、でも濁っちゃったりとか、水道の水っていうのが信用できなくなったら結構辛いよなみたいな。
そもそも出なくなっちゃったらもうどうしたらいいんだみたいなのがあると思うんですけど。まあ電気とかも一緒かもしれないですけど、インフラなくなるって結構、なんか想像しにくいなっていうのはちょっと。
まあそうですよね。致命的すぎますよね、もう。
わかんないけど、ペットボトルとかなんかが備蓄されてて、だったら何日耐えられるとかいろいろあると思うんですけど、例えばお風呂入るか入らないかとかね。耐えられるか耐えられないかとか。季節もよると思うんですけど、その時には人に会わないんだったらもう入られませんって言ってる人もいたね。
人に会う必要がないんだったらもう入らないです、私みたいな。でも確かにとか思ったり。精神衛生的には俺ちょっと入りたいなとか、ちょっとあったりするんで。
まずそうなった時のストレスがね、とんでもないことになりそうですし、そもそもね、なんかそれまでの生活が、それまで通りの生活とはちょっと違ってくると思いますし、なんかもうイメージとしてあれですよね。やっぱりちょっとその災害とかで、やっぱり断水とかしてしまって、もう水がなくなった時の状況みたいな。
そういう災害の時って今なら、復興とかしたりとか、住むところを変えたりとかっていう選択肢があると思うんですけど、そういう選択肢がないような世界でずっとその状況で過ごさないといけないって言うなったらもうかなり厳しいですね、なんか。
そうですよね。
結構なんかイメージできないっすよね。
未来の水の管理
そう、そうなんですよね。なんかもう本当に大げさかもしれないんですけど、人生の希望が失われたぐらいのデカさがあると思うんですよね。
いや、そもそもなんか最低限の生活が遅れないっていう格になるじゃないですか。
そうなんですよね。
そもそも多分それこそ死が近づいてくる感じですよね。
世の中全体がそうなって、逆にそれに適応ができたら、適応できたらできたで、その社会でまた今までとは違う何か希望というか、生き方みたいなそんなのをまさかするんだろうなっていう気はしますけどね。
もしくはお前みたいにね、この水をの配分っていう形になるかもしれないですもんね。
そうですかね。
使える量が一人当たり決まっちゃうってね。今は別に水道料金さえ払えば、いくらでも使えるかもしれないけど、そうじゃなくてもう一人当たりこれぐらいまでしか使えませんみたいな。
なっちゃったりするかもしれないしね。
うん。
そしたら結構しんどいな。
そうですね。
そういうのを考えると結構、やっぱり水はすごい重要だなっていうのしかないんですけど、超当たり前のことなんですけど。
そうですね。
この問いね、意外とイメージできないんですよ。
確かにね。
自分の身の回り、インフラの中で水だけじゃなくて、もし水無くなったらプラスアルファのもっと大きな損失が考えられるんで、ということはもう食料とか電気とかいろんな方面のものに影響が出るだろうし、
なので、水だけじゃない、もっと大きな嫌な想定をしてしまうんですよね。
うんうん。
っていうイメージがそうなると、なかなかしづらいですよね。
そうですね。というところで、ちょっと脈絡もなく出したあれだけど、結構これ考えられないんだよな。やっぱ考えられないぐらい当たり前なんだよね。空気みたいなもんなんだよな、きっとな。
それだけ恵まれているっていうことですね。
そうですよね。日本はね、きっとね。ちょっとそんなところであれですけど、でもそういうのも含めてね、この水脈を利く男はね、たぶんそのあたりもちょっとイメージして読むと、たぶんだいぶ迫ってくるものがあるかなと思うので、
ちょっともし良ければ読むときには、自分が水が無くなったらっていうのをちょっと考えながら読んでみるのもいいんじゃないかなと思いますね。
それでは次回予告させていただきます。次回は映画国宝をご紹介します。お楽しみに。
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ではまた来週。
ありがとうございました。
53:06

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