1. 文学ラジオ空飛び猫たち
  2. 第199回 愛おしい妖怪とSFファ..
2025-07-14 49:49

第199回 愛おしい妖怪とSFファンタジー『お化け屋敷へ、ようこそ』ユキミ・オガワ著

spotify

文学ラジオ第199回の紹介本

 

『お化け屋敷へ、ようこそ』

ユキミ・オガワ著、吉田育未訳、大滝瓶太解説、左右社

https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284737

 

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

【今回の内容】

翻訳者の吉田育未さんからご恵贈/英語で小説を書く日本人作家/乙一とキム・チョヨプに重なった/吉田育未さんからのメッセージ/翻訳で意識したこと、オガワさんの作品の魅力/人間味のある妖怪たち/怪談からSF、ファンタジーまで多種多様な作品群/ストーリー紹介/『町外れ』では結婚相談所で働く主人公に奇妙な依頼が続々と来る/『NINI』では宇宙ステーションで老人たちの面倒を見るAIロボが神と出会ったばかりに…/その他の作品の感想/支配者に抵抗する二つの物語/雪女と人間の間に生まれた少女/運を盗む妖怪/グランマおばあさんがいいキャラ/外見を巡る壮大なファンタジー/古代の情景と現代の夢が交差する/輪廻転生していく世界/最後まで読むと遠くに飛ばされた/次回予告

 

ーーーーーーー

版元サイトより

ーーーーーーー

『妖怪に幽霊、想像しうるすべての恐怖をお約束します!』(『お化け屋敷へ、ようこそ』より)

 

結婚相談所に現れた“人間の種”を欲しがる妖怪(「町外れ」)、
他人から運を盗む座敷童(「童の本懐」)、
呪術師と“使い捨て”の幽霊(「煙のように光のように」)、
ヒト型ケアAIと忘れられた女神(「NINI」)、
お化け屋敷で働くがらくた(お化け屋敷へ、ようこそ)
、少女と巨人の切ない国生み物語(「巨人の樹」)。
英語で怪談フォークロアを描き、SF界で注目を集める日本人作家ユキミ・オガワの国内オリジナル短編集、ついに邦訳! ひととひとならざる者が連帯する、物語ることのよろこびにみちた11の怪異譚。

 

🐾

🐾

 

【文学ラジオ空飛び猫たち】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。 案内役はダイチとミエの二人。毎週月曜日朝7時に配信。

X・Instagram:@radiocatwings

 

SNS・配信プラットフォームの一覧はこちら:⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://lit.link/radiocatwings⁠⁠⁠⁠⁠⁠

 

【初めて聴く方へのおすすめ記事】

⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35⁠⁠⁠⁠⁠⁠

 

【リスナーからのお便りを随時受付中!】

⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScjMAr5xOgOziXxy_hbMNhZKj7wx6pcXFEpuc_RtJYJ30TXbg/viewform⁠⁠⁠⁠⁠⁠

 

【メルマガ発信中!】

文学ラジオ空飛び猫たち通信:⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://radiocatwings.theletter.jp⁠⁠⁠⁠⁠⁠

無料版では海外文学情報や紹介予定の本などをご案内。有料版(月額500円)ではラジオを応援していただける方に向けて編集後記をお届けしています。詳しくは以下をご覧ください。

⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://radiocatwings.theletter.jp/posts/ec394b10-714e-11ec-8877-f74ef45dcd97⁠⁠⁠⁠⁠⁠

 

【SNSでご投稿ください!】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、SNSに投稿していただけると励みになります。よろしくお願いします!

 

【お問い合わせ】

⁠⁠⁠⁠⁠⁠bungakucafe.catwings@gmail.com⁠⁠⁠⁠⁠⁠

X・InstagramのDM

サマリー

このエピソードでは、ユキミ・オガワの短編集『お化け屋敷へ、ようこそ』が紹介されます。日本の妖怪や幻想的な要素が織り交ぜられた11編の物語が収められており、翻訳における独自のアプローチが語られます。妖怪とSFファンタジーを融合させた魅力的なストーリーが特に注目されており、日本的な妖怪の描写や人間と人ならざる者の絆、独特の世界観に焦点が当てられています。愛おしい妖怪との交流を描いた『お化け屋敷へ、ようこそ』が語られ、宇宙ステーションに住むロボットニニとその仲間たちが水の神との出会いを通じて物語が展開される様子が描かれています。また、妖怪たちが本物のお化けを演じるお化け屋敷の設定がユニークで、作品の深いテーマが浮かび上がります。ユキミ・オガワの短編『お化け屋敷へ、ようこそ』を通じて、独特なおばあちゃんや美貌に執着する女性、さらには巨人たちや独自のSF的な設定を持つ物語を通じて、感情の深みやドラマ性についても語られます。妖怪たちの魅力とSFファンタジーの要素が融合した物語の中で、ユキミ・オガワの独自の視点が展開されます。

短編集の魅力
日本的な怪談話から、SFや神話的ファンタジーまで広がる多彩なラインナップ。
ページをめくると、何とも愛おしい人や妖怪やロボットたちがお出迎え。
英語で小説を書き、SF界で注目を集める日本人作家、ユキミ・オガワの国内オリジナル短編集、
お化け屋敷へようこそを紹介します。
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私、ダイチとミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、ユキミ・オガワさんのお化け屋敷へようこそです。
吉田育美さん役で、大瀧敏太さん解説、左右秘書から2025年に出版された本になります。
こちらですね、翻訳者である吉田育美さんから研本をいただきまして、読ませていただいたんですけれども、
ちょうど本当今書店に並んでいるところですよね。
そうですよね、6月の終わりに発行されているので、出たばかりの新刊ですね。
ちょっと特殊な本なのかな。
ですよね。
日本人の人が英語で書いた小説を、日本人が翻訳しているっていうところですよね。
変わった経緯のある小説なんですけれども、ちょっとこう解説とか読むと、英語じゃないと小説が書けないっていう方みたいで、
なので英語で小説を書いて、主にアメリカなのかな、アメリカで発表していたやつを今回集めてきて、一冊の本にしているという形ですね。
この短編集は日本にしかない形ですよね、きっと。
そうですよね。
なので今日はちょっとそんな変わった本を紹介しようかなと思ってますね。
そうですね。あとちなみに前回が川上博美さんだったので、2週続けて日本の作家さんをラジオで紹介するのは多分初めてだと思います。
そうですね。そっか、なんかちょっと翻訳だったから日本人作家っていう感覚ちょっと。
あんまなかったですね。まあでも、日本の方が書いたという。
ちょっとなかなか珍しい流れですね、それも含めて。
そうですね。
で、この本なんですけども、今日は吉田一久美さんからもコメントをもらっているので、この辺りのことも本編入ったらお話ししていきたいなと思っております。
なので最後までぜひ聞いてみてください。
この本なんですけど、短編集で11本入っているんですけど、かなり読みやすく、そしてどれも不思議な話なので、
読み始めから、この漢字ちょっとあんまり多分英米にはなさそうなこの端的な漢字で入っていって、最初ちょっとおついち感を感じながら読んでましたね。
ちょっと不思議な話が多くて、なんかこう不思議な話だから故にグイグイ読ませてしまう部分がやっぱりどの作品にもあって、
改めて人ってこういう不思議な話、ありえなそうな話なのになんかすごい気になって読んじゃうもんだなってちょっと思いながらこれを読み終えましたね。
結構いわゆる重い話ではないんですけど、結構ライトだけどちょっといろんなことが描かれていて、感情に迫ってくるものも多いので、その辺りの話は今日できたらなと思ってますね。
僕はこのお化け屋敷へようこそというタイトルとか、あとねこの表紙がお化けの絵なんですけど、
それで短編集、妖怪の話がばっかり入っているのかなと思ったら全然そんなことなくて。
著者の紹介
確かにそうですね。
特に途中からなんですけど、この予想外の広がりを見せていくんですよね。この妖怪の話と思いきやもうちょっと全然違うSFとかファンタジーとか、本当たし多様な作品が入っていて、すごい面白くて。
あと登場人物とか妖怪とかもそうなんですけども、結構親しみを持てて、なんかどの作品も愛着を持てたなというのがありましたね。
そうですよね。
そうですね。なのでちょっとホラー系の話なのかもと最初思ったりもしたんですけど、全然そんなことはなくて。
あー確かに。
僕がちょっとこの作家に重なったなって思ったのがキムチヨプ。
あーなるほどなるほど。同じアジアの。
そうですね。SFの話とかもあったりしたんですけど、やっぱり人の心にフォーカスが当てられているか、人ではない存在も多いんですけども、
なんかその心みたいなところにすごくフォーカスが当たっていると思って。なのですごい、なんか読めて本当に良かったなと思いましたね。
そうですね。キムチヨプは確かにちょっと似てるかもね。
じゃあそんなところですがちょっと今日いろいろあるので、早速著者紹介いきたいと思います。
著者のゆきみおがわさんですが、東京在住のファンタジー作家。高校時代に10ヶ月間イギリスへ留学し、大学では言語学を専攻。
2010年頃から作品投稿を始め、2013年にアメリカのスペキュレイティブフィクション誌、ストレンジフライズンズにタウンズエンドという作品を発表。
以降同志や、ザ・マガジンオブファンタジー&サイエンスフィクション、グラークスワールドなどに度々作品が掲載され、ローカスにて高い評価を得るなどしている。
というところですね。なのでちょっと最初に言いましたけど、アメリカとか英語圏をメインに作品を発表している方というところですね。
そんなゆきみおがわさんの作品をちょっと紹介していきたいと思います。
刃元ホームページから引用させていただきます。
妖怪に幽霊、創造し得るすべての恐怖をお約束します。
お化け屋敷へようこそ。
というところが始まっているんですけども。
結婚相談所に現れた人間の種を欲しがる妖怪、待ち外れ、他人から運を盗む座敷わらし、わらしの崩壊、事実と使い捨ての幽霊、
煙のように光のように、人型ケアAIと忘れられた女神、お化け屋敷で働くガラクタ、お化け屋敷へようこそ。
少女と巨人の切ない国産物語、巨人の木、英語で怪談ホークロアを描き、SF界で注目を集める日本人作家ゆきみおがわの国内オリジナル短編集、ついに翻訳。
人と人ならざるものが連帯する物語ることの喜びに満ちた十一の怪談となっております。
ちょっと今ね何か作品名とあれだったんであれなんですけど、こんな感じの作品があってのは今ちょっと出てた感じですね。
っていうのでちょっと今あるとファンタジーとか妖怪とかSFっぽいテイストを感じると思うんですけれども、そんな感じで11本いろんな話が入ってますね。
で今回ですね紹介させていただくにあたり、ちょっと吉田ゆきみさんからメッセージをもらってます。
でこれ経緯を話しますと、あの今回の単行本というかこの本なんですけど、吉田ゆきみさんのなんかコメントみたいなのはなかったんですね。
解説が1個入ってるんですけど、なのでちょっと訳されたゆきみさんはどんな風にこの本を思ったのかなというのはちょっと気になったので、ちょっとメッセージで聞いてみましたと。
かなり丁寧な形で書いてきてますので、全文ちょっと読ませていただきたいなと思っております。
じゃあちょっとここからゆきみさんのメッセージになります。
第1さん、三重さん、さろとび猫のリスナーの皆さんお久しぶりです。お元気ですか?
吉田は相変わらず香港で元気に暮らしています。
関東語も釣りも少しずつ上達してきました。
今回は節約書のご紹介ありがとうございます。
本作の翻訳依頼があったときとても嬉しかったです。
怪談やファンタジーが好きだからというのもあったけれど、一番は日本語に自分で翻訳できる能力を持った著者の作品を、
しかも日本の文化圏の下敷きがある中で、英語から日本語に翻訳するというタスク自体が興味深かったから。
というのが正直一番の理由でした。
翻訳って何だろう?私の立ち位置はどこだろう?
そういうことをいつも考えているから、小川さんの物語はとても興味深かった。
実際に短編を読んでいくと、奇想天外で悲しいのに優しさが滲む物語が続き、
みんなから忘れられた様々なガラクタ達が踊り回り、愛おしくたまらなくなりました。
私に翻訳させてくれてありがとうと思いながら、本当に楽しんで訳しました。
その中で一番意識したことは、前提としての物語の舞台を日本だと思って訳さないことです。
この物語は元々英語読者に向けて書かれているものなので、英語使用者が読んだ場合と日本語使用者が読んだ場合に情報の乖離があってはいけないと思いました。
それから、日本人著者が書いているとしても、作中で舞台が日本だと特定されていないのであれば、その世界を日本的なものとして訳すことができないと考えたからというのがもう一つです。
なので、なんか日本っぽいんだけどこれはどうなんでしょうみたいな感じを最後までしないようにしました。
けど同時にやっぱり和語というか、そういう雰囲気が英語から滲み出る時は思いっきりそちらに振りました。
そういう葛藤やクリエイティブな部分が今回の翻訳ではとても楽しかったし、小川さんの文体や表現のパターンが作品によって結構変わるので、それに対応する工夫も面白かったです。
小川さんの作品の面白いところは、日本的だからといってジャパニーズネス、いわゆるステレオタイプな日本像を使わない、つまり媚びてないというところだと思います。
翻訳の視点と工夫
英語圏では日本文化というか和風のものにフェチのような憧れを抱く人も多いのですが、
そこにアピールするのではなく、本当に描きたい世界を描ききっている感じがして、ぐるぐる色が変わる感じとかギュンギュン連れ回されるのが心地よかったです。
すごい残酷なことを書いているのに、なんでこんなに優しい気持ちになれるのか、こんなに切ないのにまた会いたいと思われるのはなぜなのか、そういう不思議な魅力が小川さんのストーリーテリングに詰まっていると思います。
どの短編も大好きですが、パーフェクトは特にお気に入りです。皆さんもぜひ小川ワールドに迷い込んでみてください。
というのがメッセージ全文でございました。
いやでも、すごいこのメッセージいただいて思ったのが、今回の翻訳っていうのはかなり特殊なケースなんだなっていうのはね、本当。
うん、そうだよね。
小川さんがご自身で日本語で書こうと思えば書ける作品ではあるけども、でもそこをあえてこの吉田育美さんが翻訳されて本になっているので、
じゃあ翻訳者の立ち位置って何だろうって考えながらっていうこの、すごいなんか翻訳って何だろうってすごいなんか
あー確かにね。
考えてしまうような、すごい面白いこの作られ方をしてるなって思いましたね。
そうですよね。でもなんかいいよね。この著者本人が日本語に直すことも全然できるだろうに、そこをね、もう違う人の手が入ってリリースされるっていうのは、
うんうん。
多分違う広がり方というかね、するような気もするしね。
そうですよね。で、あとの舞台を日本と思って訳さないという話もね、あったんですけども、これもなんか言われてみれば、確かに僕この作品読んでいて、
なんかなんとなくこんな風景かなっていうのを、なんか読みながら想像して、なんかその読み手の想像が広がるような作品が多かったですね、ちょっと印象としては。
で、これをもしなんか舞台が日本だとか、どこどこだみたいな、ちょっと断定していたらですね、もしかすると読み手の想像が膨らまずに、舞台はここなんだなっていうですね。
うんうんうん。
そんな読み方になってしまっていたんだろうなと思いましたし、この辺も僕言われて、ちょっとね、もしかするとって思ったところで。
あー。
すごくこの、読んでるとこの風景とかの想像力を掻き立ててくれる作品ばかりだったんですけども、そこにももしかすると、この翻訳の吉田一久美さんの工夫があったんじゃないかなって思いましたね。
うーん。そうですね、確かに。あ、でも前半かな?前半は割と、もうすごい日本的な風景を。
あ、そうですよね。
なんかね、そうですね、前半特にね、和のテイストが。
あの雪女とか出てくるしさ。
そうそうそう。
うん。
日本的な妖怪の描写
これでもあれだよね、なんかやっぱり、多分前半が結構ホラーに寄ってるからだと思うんだけど、ホラーって結構日本と海外のものでテイストが結構違うじゃん、多分。
はいはいはい。
日本ってなんか、あ、この表紙の絵にもあるけどさ、なんかこの魂っていうか、人玉っていうのか、形ってなんか日本的だよね。あんま海外はないよね。
そうですね、あとなんか、傘とかお皿とか、そういう風なのも妖怪になってしまうっていうのも日本的かもしれないですけどね。
ちょっと北朗の世界観だい。
あ、そうそうそう。
とかあるから、ちょっと日本的な感じをすごい思い浮かべながら私は読んでましたけどね。
後半はね、ちょっとなんか世界が広がっていく感じはあったんで、確かにちょっと日本的ではないし、なんか確かにそれ思いますね。
そうですよね。でもね、そんな日本的だけども、なんかなんとも、なんかもういかにも日本感じをしてるわけでもなくていう、なんかすごい絶妙なテイストなのかなと思うんですし、
そうですよね。あとなんか残酷さと優しさとか、切ないけどまた会いたいと思えるような、そういう話があるというので、
その辺のこの不思議な魅力とされてありましたけど、そうですよね。なんかこの小川さんのこの世界観って不思議な魅力に溢れているなと思いますし、
確かに。
なんか小川ワールドに迷い込んでみてくださいって言われましたけど、そうですよね。確かに僕はもう結構、やっぱコリガンダラーで迷い込みましたね。
そうですね。確かにこの感じは他の作品にはあんまりないバランス感覚というか。
そうですよね。
ちょっとある気がしますね。
そんなね、なんかドロドロとかも聞けないし、ちょっとねサラッとしてるかもしれないけど、でもなんか何とも言えない後味が残るっていう。
それは確かに。
そんなここまでちょっと既に話していますけども、この作品ですね。今回のその特徴をちょっと簡単に触れていきたいなと思います。
で、まずは人間味のある妖怪たちや人もそうですけど人ならざる者たちですね。
なんかそのあたりがすごく特徴的かなと思っていまして、このユキミョガワさんが描く妖怪とか、妖怪以外のロボットとか神様とかもそうですけど、
なんかその自分たちの社会を守ったり生きていくために仲間を思いやったりとかですね。
時には人間に心を開いたりする。まあ人間と心が通じ合ったりもするというですね。
だからどこか人間的な妖怪たちが多いなという。そんな特徴あるかなと思っています。
SFと神話的ファンタジーの融合
確かに。
解説ではそうですよね。人と人ならざる者の交流というのがベースにあるというふうに書かれているんですけども、まさにそこが基本どの作品読んでいても通じているところかなと思いますね。
その視点がどっちになっているかというのもちょっとあるけどね。人から見たときとか。
そうですよね。
違う、人ならざる者から見た人とかもね、ありましたけど。
このあたりはですね、僕はちょっとキムチヨープさんの作品とかと通じているところがあるなと思ったりしたところで。
もう一つ作品の特徴としては、妖怪の話だけではなくてSFとか神話的ファンタジーな世界も描いているという点ですね。
短編集で独立した11の作品が収録されているんですけど、妖怪の話っていうのもね、特に前半の方は出てくるんですけど途中からはですね、
もうSF作品であったり、古代まで遡るような世界を作り出すようなそんな神話的なファンタジー作品もあったりというので、
かなり足したような作品というのが楽しめたというのが短編集のこの1冊を通じての魅力かなと思いましたね。
確かに。
前回の川上ひろみさんの大きな鳥にさらわれないようは結構SFと神話的な要素が融合している作品だと思ったんですけど、
今回のお化け屋敷へようこそはSFと神話的な要素、プラス階段ですね、妖怪話。そこの3つが融合されているような。
うんうん。確かに。
そんないろんなものがミックスされた良さっていうのがあるなと思います。
そうですね。なんかそこはありますよね。なんかなんていうか、SFとか神話っていうとなんかこう相性がいい感じはするけど、そこに妖怪まで入ってくるみたいな。
そうですね。
感じちょっと独特の世界観を作ってますよね。
そうですね。で、まあちゃんとSFとか神話とかの作品の中にも若干のですね、妖怪じゃないか、妖怪というか怪異というか、まあそんな妖怪チックなものもね、若干入ってたりはするんですけど。
ちょっと怖い部分なのかな。
具体的な作品紹介
どうなんですかね。
怖いっていうか。
あと怖い部分もね、ちょっとありましたけど、不思議な感じですかね。なんかなんとも言えない。
じゃあそんなわけでちょっと具体的にいくつかの作品をお話ししたいんですが、結構ね11個の作品どれも面白くてどうしようかなと思ったんですけど、まあもう今回はちょっとその中から2つちょっとメインで取り上げたいなと思います。
で、ちょっと何だろうな、結構階段系のやつと、まあちょっとSFっぽいの、結構これが割とこう色が濃く出てるなみたいなやつから1本ずつ紹介して、でその後ちょっと他にも触れたいのを少し触れていこうかなと思っております。
じゃあちょっとまず私の方からマチハズレという作品ですね。
こちら一番最初に入ってる作品ですね。
これなんですけど、これまず主人公は女性で恋人と別れて、まあちょっと都会からですね、自分の田舎に戻ってきた30代半ばの女性が主人公です。
1日は私で進行しますね。
戻ってきたはいいんですけど、なかなか就職ができなくて、でもうマチハズレの結婚相談所での雇用が決定した時にはですね、もう他にも仕事がないと思ったので、ここで働くぞと決めて働き始めましたと。
で、このですね、上司が住んでる家の横に相談所が併設されてるんですけれども、なぜかですね、上司と会ったことがなくてずっとメールのやり取りだけでやっていますと。
で、なかなか相談しに来る人も現れないんですけれども、そしたらですね、あのマスク姿の女性が来てですね、急にですね、あの男の種が欲しいと言い出してくるんですね。
で、もうちょっとなかなか直接的すぎるので、どういうことだろうとか思いながらもう、あの丁寧にこの女性は対応するんですけれども、ここじゃなくて、なんかSNSでそういうことに特化したコミュニティがあると思うんでみたいなことを言うと、この女性はですね、SNSって何ですかみたいな感じになっちゃって、そもそもこの女性ね、スマホを持ってなければもうSNSのことも知らないんですね。
で、もうこれどうしようかなと思ったときに、上司に相談して、もう代わりに結婚相談所のPCでこの人の相手を探すということを主人公がします。
で、結果的に相手は見つかって、そのマスクの女性はですね、その相手と無事に会うことができたようで、どうやら種をもらうことにも成功したらしくて、大満足でものすごいお礼をされましたと。
で、その後ですね、ちょっと奇妙な相談相手が続きます。神社の巫女の相手を見つけてほしいっていう双子の男の子とかですね、着物の女性が現れたりとかして、そんな感じの依頼がどんどん舞い込んでいきますと。
で、そんな折ですね、すごいもう結婚相手とかって探す場所なのに、なんか少女が現れるんですね。まだまだもうなんか結婚するような年齢ではなさそうな少女が現れて、頼むんですけれども、
さすがにちょっと上司にも相談して、引き受けられないよっていう話をして、返すんですけど。
ちなみにですね、この双子の男の子を相談した時に、うまく依頼を受けて満足させたというか、成功した時にですね、その双子の男の子がもう絶対他の誰にも持ってないすごいお守りだからって言って、お礼にすげえお守りをもらったんですね。
そのお守りがこの少女に反応していて、ちょっとヤバそうだって空気が出てたんですけど、まあまあ何やかんやってその少女は返しますと。
で、その後ですね、休日に車で出かけてる時に夜ですね、何かをぶつけてしまいました。で、慌てて外に出て、車の外に出ると、まあその少女だったんですね。
で、怪我をしてるけどちょっとなんか逃げて行っちゃって、で、もうさすがにあんだけ怪我させるのがダメだと思って追いかけるんですが、
で、この時お守りはですね、もう絶対追いかけるなっていうサインを出してるんですけれども、それも無視して追いかけるんですけれども、そうするとですね、なぜかですね、あのモトカネがこの主人公の分かれてしまった彼氏さんがですね、現れてですね、なんかこう誘ってくるっていう展開になっていくというとこですね。
まあちょっとこの辺りまでかなっていうんで、もうあとこの後2,3点して話は終わっていくんですけど、まあここまでかなっていう感じですね。
で、この話からもですね、まあちょっとどう考えてもちょっとひとざらざる者と相手にしてる感じが出てるし、ちょっとお化け感はあるんですけれども、まず設定が結婚相談所とかSNSとか出てきて、ちょっといわゆる普通のなんかホラー話とはちょっと違う感じがあって、
まあこの辺りもちょっと面白く読ませていただけたので、まあこのマチハズレというのは本当つかみにいい一本だったなとはちょっと思いますね。
いやすごい面白いですよね。コミカルなんですよね。設定もそうだし、この主人公の女の子、女性がね、なんか奇妙な依頼が舞い込んでくるんですけど、まあそれを素直に仕事やし頑張ってね、なんか引き受け対応していくっていうので、なんかねすごいコミカルに読んでいきましたね。
うんうんうん。そうですよね。面白いですよね。
うん、そうですね。このマスク姿の女性っていうのはもう言わなくてもわかっていると思うんですけども、あの妖怪ですね。
あーそっかそっか。あ、俺それ気づかなかった。そういうことか。
あ、そうなんですか。
そういうことか。だからマスクしたのか。
あ、そうそうそう。いや、もう最初出てきてすぐ。
あーそっか。
わかりましたね。
そっか。
マスクをね、ちゃって外さないっていう。
あーそっか。あ、じゃあ他の、あ、そういうことか。全然気づかなかった。
そういうことか。
うん。
なるほど。なんか普通の妖怪だろうな。何か人ならざる者だろうなっていうくらいの感覚で読んでたけど。
そうだよね。マスク絶対外さないもんね。
そういうことか。
まあ、あの都市伝説に出てくる妖怪ですね。
確かに。そういうことか。
そうそうそう。
いや、これも最後はネタバレとかがあるんで、最後まで話をしてるんですけど、
すごい、あ、こういう話だったんだっていうですね、このオチって言うんですかね。
なんかそこも個人的にはすごい、なんか良かったですね。
うん。面白かったよね、最後のラストとかね。
うん。この上司の設定とかもね、すごいなんか面白かったですし。
いや、ほんと、なんかまあまず最初に読むにはほんとすごい、ちょうどいい作品だなっていうね、思いますね。
じゃあ次紹介するのがですね、ニニという作品ですね。
で、これはちょっとSFな作品になるんですけども、未来の話で。
で、もうその頃には宇宙ステーションで人々は生活をしていて、で、結構なんか老人ホームみたいな感じなんですよね、宇宙ステーションが。
まあその老人たちがそこに集まっていて、で、その面倒を見るAIロボっていうのがいて、人型のAIロボですね。
ニニという名前なんですけど、で、そのニニが主人公になります。
で、このニニっていうのが相手がその老人たち、人間なんで、やっぱりちょっとその人に好かれる必要があるというので、
全部機械でこのロボットを作ることもできたんですけど、相手一部有機物で作られていて、
なんで一部はなんかその、なんて言うんですかね、生物の部分があって、で、残りは機械っていうですね。
ロボットニニの冒険
で、しかもあの面白いのが、この人の習性で、なんか食料を分け与えると喜ぶっていうですね。
まあ特に老人がそういう習性があるっていうので、で、ニニもね、なんか作られた時に勝手に餅が好きっていう設定にされてしまって、
で、老人がね、なんかニニに餅ばかり与えるんですよね。ニニが餅好きだから、たくさんお食べみたいな感じで。
で、すぐにあの、このニニっていうのが老人たちに好かれていて、あの老人たちお世話するのが大好きなんで、で、もう餅ばかり与えると。
で、ニニからすると、まあ餅ってね、ちょっと喉に詰まりそうになるし、あんま食べたくないんですよね。
そもそもロボットなんで、そんな好き嫌いもないんで、いや餅ばっかりもらっても困るなあと思いつつ、まあ人が喜ぶからですね。
まあちょっと嬉しいふりして餅いただくというですね。ただある時ですね、ちょっとその、まあ餅が喉に詰まってしまって、で、本当にニニが苦しそうにしていると。
まあそれで死ぬってわけじゃないんですけどですね。まあちょっと機械がなんかショートするというか、なんか機械が不調になってしまって困ってしまうというので。
そしたらですね、ちょうどその時、犬型と思われるロボットのコマというのが出てきて、助けてもらえます。
で、このコマというのはニニも知らなかったんですけど、この宇宙ステーションが設立された時に配属された初期のロボットで、で、データベースにはもうそんな記録残っていなくて。
で、人々からも忘れされていた存在で。で、ニニも初めてですね、コマに出会って、初期にそんなロボットがこの宇宙ステーションにいたんだっていうのを知ります。
で、そうしてニニとはコマと仲良くなるというか、交流を深めるというか、本当に仲間みたいな感じになっていきます。
で、ある時ですね、このコマがニニを連れて神様の元に行くと言います。で、そこにはですね、人間から忘れられた水の神がいるんですね。
で、ニニも知らなかったんですけど、本当に水の神様がいたと。で、その水の神様が所有している井戸の水があって、それをちょっと分けてもらうとニニの体調がすごい良くなったんですね。
で、それはもう神の力が何なのかあれですけど。で、ニニからすると、今この宇宙ステーションにいる老人たちっていうのはすごい体調が悪くて、
そういう人たちもこの水を飲めばみんな体調良くなっていくんじゃないかというので、ニニもプログラムされてるんですよね。この使徒のためになるように。
なんで、使徒のためにちょっとこの水を分け与えたいなと。ただ神が作れる水の量って少ないんですけど、ただ使徒が食料をお供えすれば水は多く作れるっていうですね。
どうやらそういうちょっと理屈が。というので、ニニはですね、なんとか食料をこの神様に与えたいなと思います。
そんな折にですね、人々、老人たちがニニを宴会に誘うんですね。やっぱりすごい可愛がっているロボットで、で、もうそろそろね、宴会とかも一緒に参加して仲良くしようよというので。
ニニは普段そういうのあんまり行くタイプじゃないんですけど、ちょっとね、食料の神様のこともあるし、ちょっと宴会に呼ばれていって、そうしたらね、ある老人がニニにお酒飲みなさいって言ってね、お酒渡すんですね。
で、本当はニニって仲機械なんで、アルコール絶対ダメなんですけど、ちょっと空気を読んでちょっと飲んでしまうと。そうしたらね、ニニが本当ちょっとショートしそうになって、大ピンチになってしまって。
というので、ちょっとコマに助けを求めて、で、コマになんとかね、救ってもらうんですけど、そうやってちょっとね、お酒の危機を乗り越えたら、今度はニニがね、人々を神様のもとに連れて行こうとするんですね。
実はね、ここに住んでる人たちは、もう忘れてしまってるというか、知らないけども、神様がいて、で、もうみんな絶対良くなるからというので、というのでニニとコマが人々、人々の中で行ける人というかですね、神のもとに行ってもいいよという人が10人ぐらいですかね、引き連れて神のもとにね、ちょっと出向くんですけど、
ただ、人々をこの神様の前に、水の神の前に連れてきたばかりに、ちょっとある悲劇が起きてしまうと。そしてこの一気にですね、物語が崩壊に向かって展開していくというですね、そんな話ですね。
宴会と試練
うーん、そうですね。これはね、なかなか。
そう、これはね、なかなかもう大変な話で、この人々が神と出会って、そこからどうなるかっていうのはですね、これはもうちょっとネタバレのあれで言えないんですけど、すごい展開になっていくという。
この作品、いくつか何か切り口じゃないですけど、あるなと思ってて、まず老人ホームっていうところですね。この老人ホームも、未来的なのかどうなのかちょっとよくわかんないなっていうところがあって。
まあ明らかに未来観のある宇宙ステーションなんですけど、なんですね、中に住んでる人たちはもうめっちゃ、今というかむしろ昭和なお父ちゃんたちみたいな感じなんですよね。
なんかね、なぜか家事が男女できっぱり別れてたりとかするし、食事を作るのは女性の仕事みたいな感じで、それをお酒飲みながら食べる男性で、なぜかそこの宴会のときは女性が宴会場に現れないっていう。
そうですね、なんかすごいね、変な風習があるんですよね。
あるし、っていうところとか。あとまあ信仰の問題ですよね。神を信じるのか。
この宇宙ステーションの人たちからすると、むしろニニが神なんじゃないかみたいな話もちょっとなってったりしちゃうし、あとニニですけど、これ半分なぜか有機物で作られている。
なぜかっていうか、理由は明確にあるんですけど、確かに宇宙ステーションで暮らす人たちに気に入られるようにとか好かれるように、有機物でできてるんですけど。
最終的にこのニニが作られるときに採用された消化器官の方法が虫だっていうね、虫を中に。
そういう設定がなかなか面白いですね。
食べ物を分解するために虫が作られて、さらにそれがニニの体を取ると非常食になるっていう。
そう、この仕組みがね、めっちゃ面白いです。
とかっていう、なんか不思議な設定。不思議っていうか。
ニニが作る非常食は人間たちはもう全然食べようとしない。
本当に食べても一口で終わっちゃうみたいな。
その水の神ですね、女神様か、はめちゃめちゃありがたくいただくという。
っていうところですよね。あとは色々あるんでちょっと面白いんですけど。
最終的にすごい怖い話になってくるんで。
そうですよ。僕ね、これ最初すごい可愛らしい話だなと。ちょっと変な風習とかですね。
ニニの設定とかすごい面白くて、可愛らしい話だなと思って読んでたんですけど、最後見方が本当にガラッと変わりましたね。
最後こんな怖い話になるのっていうですね。
そこの衝撃は多分短編集の中で一番衝撃を受けましたね。
そうですよね。っていう感じで、結構この話を読んでるだけでも2点3点するから面白いですよね。
妖怪のお化け屋敷
そんな長い話じゃないのにね。
そうですね。
じゃあ他の作品もですね、触れていきたいなと。特に感想とかですね、印象的なところみたいな点でいくとですね。
マチハズレの次が煙のように光のようにっていうのがあって。
ちなみにその次がお化け屋敷へようこそなんですけど、ひょうだい作の。
この2つは本当にもういかにもお化け、幽霊みたいなのが出てくる作品なんですけど、ちょっと共通してるところがボスみたいな人がいて。
それがかなり支配欲があって。
妖怪たちというかですね、自分がボスで周りを支配しようと、閉じ込めようみたいなですね。
そんな人がいて、それに対して対抗していくですね。
そんな話がそれぞれあって、結構この2つってちょっとテイストで近いところがあるなっていうところですね。
煙のように光のようにはどっちかというと、それがシリアスで。
お化け屋敷へようこそは、そこが結構コミカルというかですね。
面白おかしい部分もありつつ描いてるんじゃないかなと。
でも煙のように光のようにが一番和テイストで怖い感じはしたけど。
そうですよね。マチハズレの次ね、これ読むと。
ちょっとね、ラクサにやられるよね。
ちょっと思ってたよりこれは怖いかもっていうんですよ。
まあまあでもなかなか良かったですね。
あとお化け屋敷へようこそはなんか、これはすごいなんか設定面白いんですよね。
本物のお化けがキャストを務めるお化け屋敷っていうね、その設定で。
人間がね、お客さんとして来たら、相手は本物のお化けなんで、ほんまにビビってしまうっていうですね。
そんなお化け屋敷があって。
結構ね、お化け屋敷たちも人間を怖がらせようっていうのでね。
ちょっと本気でこのキャストを務めるっていうか、そういうプロ意識があって。
どうやったらね、このお化け屋敷が成功するのかみたいな。
そんなことをね、お化けたちが切磋琢磨するっていう面白い話なんですけど、だんだんですね。
なんかその裏にあるこのボスみたいな妖怪の、なんていうんですかね。
そのがいてですね。
そことのなんていうか、お化けたちとのなんていうのかな。
対立というかね、解放というか。
そんなところがあって。
なかなかこれも単純な話ではないなって。
すごいなんかね、読んだ後ちょっとね、これも深く。
実際はどうなんだろうって考えさせられるようなところがある作品でしたね。
お化け屋敷へようこそは。
ちょっとこの繰り返しっていうか、何だろうな。
その設定がなんか斬新に思いましたね。
あと、次がツララですね。
これもすごい良かったです。
ツララ結構好きなんだよな。
雪女ですね。
雪女っていうのもね、和の日本的な妖怪ですけど。
と、実際の人間の男の間に生まれた少女。
ツララという名前の少女の話なんですけども。
この少女が最初はですね、この雪山というか山で暮らしていたんですけども。
ちょっとですね、人間社会というか。
そっちの方に出ていってどうなるのかっていう話で。
これもすごいストーリーテリングというか、物語がすごい好きでしたね。
これはでも結構この中でも2点3点して結構良い話になってくから。
結構ラストすごい良い感じですよね。
そうですね。これは物語性がすごくあって、すごい僕は好きでしたね。
で、その次がわらしの本界ですね。
これもなんか面白いですね。
人の運を盗む妖怪っていうのが。
娘のためというかね、女の子のために運を盗むんですけど、
なんかこれもうまくいくのかいかないのかみたいな話で。
これはこれ結構面白いですね。
運を盗むって発想も面白いけど、それによって何がどう引き起こされていくのかっていう。
他のあれだとこうなっていくよなっていうのにちょっと違うところに落ち着いた感じはするんで、
結構読んでて面白かったですね。
そうですね。結構ひどい娘がいて。
なんかね、それがもうハチャメチャに暴れるみたいなんですね。
その辺の面白さがありましたね。
で、その次にさっき話したニンニが紹介されていて。
ニンニから結構SFチックな話が続いていくんですけど、
ニンニの次が手のひらの上、グランマの庭っていう作品で。
これもねすごい好きだったんですよ。
主人公は家庭環境が良くなかった女の子で、
ちょっと本当に貧しくて家出て仕事探さないといけない時に、
高齢女性のガーデニングの手伝いっていうのをハローワークみたいなとこで見つけて。
で、住み込みで働けるっていうので、そこに入ったら本当完全に騙されてて。
時空トンネルっていうのかな。宇宙の話なんですけど。
向こう側にあるグランマっていう人が住んでいる惑星かな。
グランマの家で働くっていうですね。
主人公とおばあちゃんの関係
このグランマって人も胴体に顔が何個もついているおばあちゃんで。
最初はなんかね、支柱でも作ってそうな、
なんか博発のおばあちゃんみたいな絵がパッと浮かんだんですけど、
描写院で行くとですね、顔が何個もあってみたいなんでね。
どういうおばあちゃんなのかっていうですね。
なかなかなんか描写がされていて。
このおばあちゃんがもうめちゃめちゃこの主人公の女の子をコッコキ使って、
すごい危険な植物とか動物とかそういう生物を採取するっていう仕事をさせるんですけど、
毒とかがあるような危険な虫とかを取ってこいみたいなので、
もうそれで主人公が完全にこれ騙されたって。
ガーデニングの手伝いのつもりで入ったのに危険なことばっかりさせられるっていうので。
そんな主人公と知り合った、とある別の宇宙ステーションにいる旦那様っていう人が仕事をね、
家で仕事しないって言ってて、誘って。そしたらですね、もう話が一気にめちゃめちゃな展開していくっていう。
これもすごい面白かったですね。
そうですね。これなんかね一番この作品の中でもなんか展開的な王道だった気がする。
はいはいはい。
なんか分かりやすい。分かりやすいけどなんていうのかな。
でも割と予想がつく結構展開って。それもあってなんか結構面白かったですね。
そうですね。これはやっぱりグランマっていうおばあちゃんの。
ああそうですね。
すごい良かったですね。その次ですね、パーフェクトという短編が入ってるんですが、これがすごい良くて、吉田育美さんも特にお気に入りと言われていた作品ですね。
パーフェクトはこの美貌に執着する女性が主人公なんですけど、もうあんまりにもこのその美貌っていう美しさみたいなものですね、自分の。
そこにちょっと執着しすぎて夫がまず離れていって、年齢とともにやっぱりかつての美貌っていうのがなくなっていくんですね。
そうしたらこの女性は人の美しいものとか部分か、それを見つけたら取ることができたんですね。すり替えることができる。
例えばハンドモデルの美しい手を持っている女性がいたら、その女性の手とその主人公が持っている手袋を交換することができたりして。
美貌に執着する女性の物語
とかあと綺麗な瞳を持っている人がいたら、その瞳と違う物質を交換することができて。
というので、なんかどんどんこの部分がいいなっていうのがあったら、人からどんどんそれをですね、奪っていくというかね、交換していくみたいなんですね。
そうやってどんどんなんかいろんなパーツを手にしていってっていう女性の話で、そんな女性がある日ですね、たまたまですけど、完璧な美貌を持った女性と出会って。
その女性をパーフェクトと呼ぶんですけど、そのパーフェクトと女性が出会ってっていう、そしたらもう話がすごい展開をしていくっていう。
なんでこれ、僕最初なんかそういうちょっと美貌に執着する女性の話なんで、ちょっとまあ俗な、俗っぽい話なのかなと思ったんですけど。
最終的に終わり方としてはこれがすごい神話的な話になっていく。
この展開のぶっ飛び具合がやっぱりすごかったですね。
このパーフェクトが現れた後のなんかね、展開すごいよね、確かに。
これはもうかなりぶっ飛んだ作品だったんです。
その次ですね、千変万化っていう作品なんですけど、これがさっきのパーフェクトともう連なっている作品で、この短編集の中で唯一、この2つは物語自体は別々なんですけど、
この設定、世界の設定っていうのかな。
そこはちょっと連なっているところがあって、この千変万化っていうのがさっきのパーフェクトによってとある島が生まれるんですけど、
その島で人々が暮らしていて、その暮らしていた人々、ご服屋で働く女性とすごく綺麗なモデルの女性。
この2人が出会って、ある事件が起きるっていうですね、そんな話ですね。
パーフェクトを読んで、その次にまさかこんな話が出てくるのかっていう、これもすごいインパクトの強い作品でしたね。
すごい繋がりを感じるよね、ここはね。
これはやっぱりすごい良かったですね。本当パーフェクトもすごい良かったし、そんなのとまさか千変万化で、このパーフェクトの次にこんなドラマ性のある話が来るのかっていう。
すごい良かったです。これもある意味、なんていうのかな、美貌みたいなところが1つのキーワードですね。
どっちも外見に関わるところが入っているからね。
そうですね。それによって人々がやっぱり一喜一憂していくし、最後はそれによって刺激も生まれるみたいなんですね。
しかもなかなかなSF設定も入っていたりするっていう、本当に読めない作品でしたね。
その次があれですね、巨人の木ですね。これはもうすごい良くて、巨人の坊か、巨人の坊という男性がいるんですけど、
その肩に乗っている女性ですね、ハルという、この2人がまずいて、巨人たちがいるのは平原、本当地上に何もなくて平原があって、
その上で巨人と少女が仲がいいんで会話をして、この少女はちょっと未来に行くことができて、ちょっと未来に行ってくるって言ってですね、眠ったりして。
目が覚めると、こんなことがあったみたいな話をするんですけど、この少女が未来に行っている間、もう一つの物語がクロスして話が展開していくんですけど、
もう一つなんていうか現実の、今の世界ですね。小学生亡きという女の子がたまに夢を見るんですよね、何年間に一度。
巨人と少女の物語
夢の内容は全然覚えてないんですけど、何かもう自分の中に残る忘れられないものがあって、そんな少女泣きがある日ですね、友達の家に行った時に、
この地元の神話について書かれた本を見て、そこにはね、地元には実は古代の巨人がいたみたいなですね、その神話が書かれているんですけど、
その本を読んだ時にね、理由もなく泣いてしまうと。というところからですね、この巨人が出てくる平原での話と、秋という女性ですね。
最初は小学生から始まるんですけど、高校生かな、なったり大人になったりしていくというですね、この2つの話がクロスしていってっていう。
僕はこれね、この短編集の中ですごいね、一番感動しましたね。
あー確かにね。
もうね、なんかね、泣きましたね。
いやでも分かる。私もちょっとこれはすごいいい話だったですね。
そうですね、いやこれはもうリンネ転生みたいなところもあると思いますし、この夢と現実がクロスしていくっていう、そこのすごいロマンチックなところもあって。
そうだよね。
というのを踏まえて、最後に出てくる作品がアウェイですね。これも2人の女性の物語で、サラとナミという2人の女性が、その2人だけが存在している世界っていうのがあって。
で、ナミというのは死ぬと形を変えて転生することができるんですね。これもなかなか複雑で。
で、そのナミを死んで形を変えて生まれ変わってきたナミをサラが見つけて、でまたナミの形に戻して、で2人が再会するっていうですね。
それをずっと繰り返していて、である時ナミがまた年と年を重ねていって死にそうになるというので。
で、じゃあ次は海になるって言って、2人は別れるんですけど、そしたらまたサラがしばらく一人でいるんですけど、そしたらまたナミ生まれ変わってきたんじゃないかっていう予兆があって。
ただ今度はどこで生まれ変わってきたか全然わからないと。
なんか海に生まれ変わろうかなって言ってたのに、だからどうやら違うらしいみたいなんで、そこで何とかしてサラがナミを見つけようというか、ナミともう一度再会しようというですね、話なんですけども。
これもなんというかすごいちょっとファンタジーな、壮大なファンタジーな話だし、裏側はですね、この表面は見るとサラとナミが2人だけいるちょっとファンタジーな世界なんですけど、
その世界が生まれた背景というか裏側にやっぱり人間社会みたいなものがあって、そこのですね、なんか人間社会のなかなか残酷な部分というか、
そこもがあってのこのファンタジーな世界があるみたいなんですね。ここのプロセスがすごい、いやーなかなかのちょっとインパクトが感じまして。
うんうんうん。そうですね。
うん。
いやーなんかこれもすごい作品でしたね。
うん。ね、面白いよね。
うん。個人的にはでも、アウェイはすごい良かったな。
ねー。
なんかラストで、なんかずっと切なさに満ちている。
そうそうそう。
うん。
文体で。
ね、でこのね、サラとナミって、この2人は何者なのかっていうね、なんかそこがすごい。
うんうん。
まあ途中でちょっとそこに触れてるとこがあるんですけど。
うんうんうん。
ああそういうわけかっていうですね。
うん。
なんかちょっと痛みも感じるような。
まあでもなんかこの2人のなんていうか、結びつきみたいなところにすごい感動するところもあってっていう。
そういう意味ではあれですね、最後のこのパーフェクト以降かな。
うん。
先天版か巨人の木アウェイの最後の3つは、なかなかのこの切なさとこのグッとくるものが3つ続きましたね。
まあでもその前の話、パーフェクトと先天版がちょっと対になっている感じと巨人の木とアウェイが対になっている感じがあるから。
そうですね。
すごくこう読んでると、続けて読むとすごいなんか揺さぶられるものもあるよね。
うんうん。
そうなんですね。
ここまで来るともう最初のちょっとマチハズレとかですね。
ああ確かに。
いやそこ確かにすごい面白い話やったんですけど。
あのコミカルさが。
そうですね。
なんかねマチハズレが懐かしいというか、あるような地に足ついたような話というかだんだん遠くの方に飛ばされたような感覚があってですね。
この辺がすごいこの短編集読んだ時なんか、いやー良かったですね。
この読み終えた時の。
うんうんうん。
なんかね読みやすい短編集なんですけど、本当最後まで読んでいくと、いやこんな遠くまで飛ばされてしまったんだっていうね。
いやこの何というかすごい良い充実感が味わえましたね。
うん。
確かに。
じゃあ今回はそんなところでお化け屋敷へようこそちょっと紹介を終わりにしていきたいなと思うんですけど。
なんか全体的にいつも紹介している作品よりはちょっとライト目かなとは思いつつも結構ねその感情に迫ってくるところがあると思うので。
確かにこうなんかキムチュープさんとか好きな人とかは結構いいかもしれないですね。
うん。
少し軽めのものを読みたいなみたいな時とかはすごく合う気がしますね。
じゃあちょっとそんなところで今回はちょっと紹介を終わりにしつつ次回動くしたいと思います。
次回はですねベシーヘッドの雨雲の集まる時をご紹介します。
お楽しみに。
番組の最後になりますがメルマー会員募集しております。
こちら有料版無料版でございます。
無料版はですね海外文学ニュースというのを毎週毎週配信してますので、
よろしかったらご登録ください。
有料版はサポーター特典という形をとっておりまして、
我々の日記のような編集工期をお届けしております。
月額500円で我々応援できますので、
ぜひあのちょっとこの番組応援したいなという方はですねご登録ください。
詳しいことは番組情報欄に記載しておりますのでそちらご確認ください。
番組の感想やリクエストまたこの番組を聞いて紹介された方を読みました。
読み返しましたがございましたら、
ハッシュタグそろとみ猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便りフォームを番組情報欄に載せております。
この番組気に入っていきましたら積極的に拡散共有してあげると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
49:49

コメント

スクロール