日本統治時代の台湾に生まれた唐突は、東京に留学中、雷火と出会う。
日本で自由を謳歌しながら写真を撮り続け、台湾に戻った後も、時代の変化に飲まれながらも写真を撮り続けた。
実際する写真家の写真から、想像力で物語を紡ぎ出した、朱和之の南光を紹介します。
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私ダイチとミエのお二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、朱和志さんの南光です。中村香代子さん役で、春秋車から2024年に出版された本になります。
こちらですね、日本和訳大賞最終候補作のご作品のうちの一つで、これの配信があるときはまだ、最終発表まだ1週間前というところなので、どうなっているかわからないんですけれども、
結果が出た後にお聞きになる方もいらっしゃると思うんですが、ちょっと我々収録している段階では結果がわからないというところで収録しています。
こちらですね、アジア文芸ライブラリーとなっておりまして、アジア圏の文学作品を紹介する非常に素敵なレーベルから出ている。
春秋車、2024年から始まったレーベルで、ラジオでは花という名ですね、チベット文学の依頼の2作品名ですね、このアジア文芸ライブラリーから。
そうですね。ちなみにあれですね、美と傷を持っているんで、マレーシア、インドネシアか。
インドネシアの作品ですね。これもいずれ紹介する予定ですので。
ちょっと読むのは楽しみなんだけど、結構。 そう、めっちゃボリュームがすごいんですよね。インドネシアの100年が読まれるような。
みたいですよね。 作品で。 で、今回の南高なんですけど、めちゃめちゃ面白かったし、やばい。熱いこれは。
すごい良い作品でしたね。 今回その、ライカを使ってね写真を
撮る、この台湾の写真家の話なんで、なんかその写真にそこまで関心がなかったりするとですね、この作品ちょっとどうなのかというところを最初印象として持ってたんですけど、全然そんなこと関係なかったですね。
もう写真に関心とかなかったとしても、文学作品としてもやっぱり良さというか、すごい出ていて、これはもうハマりましたね。
でも逆に私はですね、写真好きな人にはすごい読んでもらいたいなって思いましたね。 それはめっちゃありますね。
なんかこう身体的な感覚とか、思想というか、思いとか、そういうのが結構描かれている作品で。
すごい文学的にそうですよね。この写真とか撮影とか、写真撮るいろんな工程に対してその文学的に表現されていて、
写真撮ってでした。すごいこれはもう身に染みると思います。
写真を何ていうか、なりわいにしている人にはちょっと読んでもらいたいですよね。
すごいそうですね。もう本当、写真に対しての何か哲学感みたいなものがちょっと深まるんじゃないかなと。
そうだね。ちょっといろいろ話したいところがあるけど、この南郊っていうのは写真家のニックネームっていうか、南郊っていうお店がやってたから南郊っていう名前がついてるんですけど、
この南郊さん、主人公の写真家の方は生きている時はあまり認められずというか、もちろん業績とかいろんなことは成し遂げてお亡くなりにはなっているんですけれども、彼の作品は死後結構発掘されているようなものも多くて、
その中でやっぱり生きていくためにある時は照明写真を撮ったりとか、ある時は病院で写真を撮ったりとかっていうのがあるんですけど、この何かやりたいことと生活のためにやらなきゃいけないことみたいなところも多分結構響く人多い気がする。
そうですね、主人公めっちゃ金持ちの家に生まれて、ボンボンのお坊ちゃんだったんですよね。なのでちょっと学生時代読んでると、こんな学生時代にも家買ったりするんですけどとか、家が建つぐらいカメラにお金使ったりとか、これもう恵まれたお坊ちゃんだなと思って読んでたんですけど、やっぱり人生は結構波乱万丈で、
やっぱりいろんな状況があるっていうところがまた、読み手としてはね、この作品をいろんな感情で読めるところかなと思いました。
そうですね。ちょっといろいろありますが、始まっちゃいそうなんで行きますが、でもかなり熱い作品だなっていうところですね。で、熱いっていうと、この本の厚さも気になってまして、これ380ページぐらいの本なんですけど、厚さはね、たまたま近くにパレスチナガズ作品集。
物語の範囲と近くにあったんですけど、ちょっと同じぐらい。物語の範囲の方がちょっと薄いかなって感じなんだけど、これは260ぐらいなんですけど、そんなに変わらないのに100ページ以上違うっていう。これだいぶ詰め込んでるよね、この。
そうですね。実際ちょっと重いですよね。
重いよね。このページ数やばいよね、これ。見た目よりも進まないっていう。
まあ確かに。
でもすごく濃厚な話なので、読みごたえのある1冊ですね。ちょっと同じ厚みでも、軟鋼の方がお得感あると思いますね。
まあまあ、そこはね、それぞれにやっぱりお金には変えられない濃厚さがありますけど。
でも、アジア文芸ライブラリー、僕は花と夢、すごい感動したんですね。1年ほど前に読んで。
今回の軟鋼もやっぱりすごい良かったね。
いいよね。
アジア文芸ライブラリーは、なかなかその発売してすぐには終えてなかったんですけど、軟鋼とかそうですけど、なんかこれは地道に追いかけていきたいですね、このシリーズ。
そうですね。まだ新職レッスンとかと比べると全然多数が少ないからね。
そう。全作品大っと覚えれば覚えるぐらいの関数なんで。
軟鋼に関しては、日本翻訳大賞の読者推薦がすごく多かったイメージがありまして、読んだ人誰もがいいって言ってた一冊だったっていう印象があったんで、読むのすごい楽しみにしてたんですけど。
まあでも納得の、この評判の納得の一冊ですね。めちゃめちゃすごい本だなと思いました。
著者の紹介をしたいと思います。
著者のシュー・ワシさんなんですけれども、1975年の台北生まれですね。現代台湾で注目を集める作家の一人とされています。
結構ですね、軟鋼以前は歴史的な主題から台湾の多様性を描いて社会問題を探求するような作品が多かったそうですね。
まあ軟鋼もね結構あの台湾の歴史において結構大変だということを描いているので、まあそのあたりはあるんじゃないかなと思うんですけども、もうちょっと史実とかいろんなものに基づいて、
言い方あれなんですけど、その想像力の幅っていうのがそこまでないような作品を書いていたそうなんですけど、逆に軟鋼はですね、
あまりこの主人公の東時という方に関する情報というか記録が少なかったそうで、そのあたりはかなり想像で補って書いているというところで、ちょっと作風が少し変わったそうですね。
この作品軟鋼でロマン・ロラン・ミリオン小説賞というのを受賞しているそうです。数々の賞を取っていて、作品数もですねかなり10を超えているというところです。
ただ、日本でですね、翻訳されたのは今回が初めてという形ですね。
ちなみにもう一作品ですね、しゅわしさんがそう書いている、日本にも足跡を残した作曲家の郷文也という人の生涯を書いた作品を2020年に出版されていて、それの翻訳がまたアジア文芸ライブラリーから、
「風のいたずら」というタイトルで観光される予定みたいで、しゅわしさんの他の作品もやっぱり軟鋼を読むと気になってくるので、この風のいたずらもかなり気になりますね。
羽元ホームページの紹介を読み上げたいと思います。
日本当時時代の台湾で発火の焼火の下に生まれ、内地留学先の法政大学でライカと出会ったことで写真家の道を歩み始めた唐突、唐軟鋼。
1908年から1971年。彼のライカは、東京のモダンガールや戦争から戦後で大きく変わりゆく台湾の近代を映し続ける。
歴史小説の名手が実際の写真家を残した写真を元に択越した想像力で、日本の統治時代や戦後の道乱、台湾写真史の重要人物との交流などを鮮やかに描き出す。
本国でロマン・ロラン・ミリオン小説賞を前回一致で受賞した老作。緩末に軟鋼による写真図版を12点収録というですね、説明になってますね。
いやこれ前回一致で撮ってたんですね、すごいですね。
結構ですね、ちょっと概要欄とかにも貼っとくんですけど、軟鋼さんの写真とかプロフィールが見れるサイトがいくつかあるので貼っときます。
そうですね、本読んだ後に是非ね。
これ本読んだ後に見ると、あの写真だって思うよね。
そうそうそう。
すごい良かった、5作目までに。
ではここから作品の特徴を話していきたいと思います。
まず一つ目がこの写真文学であるという点ですね。
写真家の話ということで、しかも時代が1900年代、前半の方から始まっていくんですけども、写真が普及し始めた頃で、
主人公のトウトキは、東南高は留学先の日本でカメラ部にも入って写真撮っていくんですけど、
そこでライカを手に入れることができて、もうライカにハマっていって、すごい写真を撮りまくっていくと。
しかもその時代的にも芸術性ですね。この写真は芸術なのかという、そこも問われていた時代でいろんな写真家が登場するんですけど、
その芸術性にこだわったりですね、そこの論議というのもあったりしてという。
さらにですね、この写真とは何かとか、この写真と人との関係、写真を撮る人と撮られる人との関係とかですね、
そういった写真が持つ本質みたいなところにも詰まろうとするですね、そういったところにも踏み込まれていて、
なのですごく読んでいるとこの文学的だなと感じます。またですね、このトウトキ以外にもいろんな写真家の人たちが登場してくる、
それぞれの写真家にやはりこだわりというか、いろんなアプローチでこの表現というのを突き詰めようとしているので、
そういったところでもすごく読みごたえがある点かなと思います。
そうですね。説明というか、本元のあれにもあったんですけど、卓越した想像力で描くっていうところなんですけど、
本当にこれすごいリアルというか、細部まで登場人物たちが描き込まれている感じがして、
すごく迫ってくるんですよね。これを想像で描いているのは本当にすごいなっていうところと、
あとトウトキさん、主人公のトウトキさん以外はどれくらい情報があったかわからないですけど、
その人たちに対しても本当に細部まで、感情と言っていいのか、すごく細かく描かれてますよね。
兄弟の感情とかもすごいもんね。 そうですよね。
あの絵を目指した兄弟がいるんですけど、すごいなと思いましたね。
とか、お兄さんの中ではテニスにハマって、
あれもね。
そうそうとか、なかなか味わい深い関係みたいなのが読めて、すごいリアリティ感じましたね。そういったところとか。
逆にどこまで想像なんだろうみたいなのはすごく感じましたよね。
本当に読んでいると、このトウトキという人の辞伝的小説、表伝でノンフィクションかなと思ってしまうんですけど、
実際はフィクション。
シュワさんが書いてる。
フィクションと半々が、ちょっと割にはわかんないですけども、かなりの部分フィクションが入っていて、
でも読んでいると本当ノンフィクションで思えてしまうような。
いい意味で作者の顔が全く出てこない感じするよね。
確かに。あくまでそうですよね。トウトキという人の辞伝が中心で語られていくんで。
そうなんだよね。他の人の人物の話とかもあるんだけど、それもトウトキさんが記述していったような印象を受ける。
一応三人称なんですけども、確かに。
その辺はすごい上手い作品だなって思いましたね。
そうですね。それと特徴の2つ目ですね。これは台湾と日本との関係ですね。もしくはその関係する歴史。
台湾は戦前は日本の土地で、戦後は中国の支配を受けるようになって、激動の歴史を送るわけなんですけども、
主人公のトウトキも戦前は日本で学び、法政大学に留学していたので、モダン都市と呼ばれる東京、すごい華のあるところで日本の文化を好んで生活を送っていて、すごく日本に染まっていくんですけども、
台湾に戻ってきて、戦争であったり戦後もそうですね。台湾からこの日本カラーを日本の文化であったり、排除していこうという動きになっていって、それまで結構自由に写真を撮ったりしていたトウトキやその仲間の写真家たちも、
自由に写真を撮ることが難しくなっていったりするというですね。なんで、日本的な文化が残っていたところがやっぱりなくなっていったり、もしかしたら台湾の街並みといいますか、そういったところも変化していったりというですね、時代とともに変わっていく、それはもう街並みもそうですし、台湾と日本との関係もそうですし、
そういったところが、結構このトウトキという写真家の人生も結構そことリンクしていくので、一人の人間の表伝みたいな作品なんですけども、結構この台湾と日本との歴史というところも読める作品になってますね。
そうですね、作品中の言葉で、日本に行くことでトウトキは自由を得たんですけども、逆にその日本が今度は台湾においては自由を奪っていくっていう、それもすごく印象的な言葉だったなと思って、戦争っていうのが始まってしまってね、どんどんどんどん日本の状況が悪くなるにつれ台湾の状況も悪くなっていったりとか、
逆に日本から解放された後は、解放というか日本の統治から離れた後は、また中国の支配があったりとかしてっていうところで。
そうですよね、ちょっと振り回されてしまって。
その中であれだよね、この抑圧された後にあった撮影会とかがあって、そこでこんなにも台湾には写真をやってる人がいたんだみたいな。
そうそうそう、それの撮影会もやっぱり派手にやると、見つかって政府とか言われるとちょっとややこしい話になるから、ほんとひっそりとやったりするんですけど、それでもね、やっぱりみんなそれがすごく楽しんでっていうところとかが印象的でしたね。
そうですね、あれブランコってこの時だっけ、ブランコに乗ってる女性を撮ったシーンって、この前か、前のあれか、みんなで野外で集まってる時だからこの時じゃないか、ちょっとごっちゃになっちゃってるけど、ブランコに乗る女性をトウトキが撮るシーンがあるんですけど、それがちょっと冒頭でも言ったトウトキのアナコの写真が見れるサイトにあるんで、写真が。
それ見ると、すごいいい写真だなってちょっと思ったりもしたんですけど、ちょっと話しすれちゃったけど、トウトキはこういう時でも彼のスタイルなんですけど、みんながワーってやってるとこからちょっと離れて撮るっていう、円の外から撮るっていうのがね、好きなスタイルの写真家だったので、そういうのもちょっとね、写真とか見るとわかると思うので、ぜひちょっとね、ポッドキャストって聞きながらサイトアクセスするの難しいと思うんですけど、ぜひちょっと見ていただけたらなと思いますね。
この作品で、すごいなって思うところは、文章が非常に美しいんですね。本当になんか、写真を撮るということに対しての文章もそうだし、彼の思想とか、状況を伝える文章とかも、ほんといちいち美しくて、なんかね、最初の28ページの、彼がライカを手に入れた後ぐらいの話なんですけど、そこの文章もすごい美しくて、
トウトキがライカを手に入れた時なんで、これから読む文は、彼っていうのはトウトキなんですけど、ちょっと読みますね。28ページです。
彼は機械を使って簡単なく世界を測っていたが、その機械とはまさしく自分自身のことだった。自分が移動するに合わせて数値もつに変化し続ける。そして彼はもう一つの世界で世界の僅かな軸を切り落とし、永遠に閉じ込め、一かけらの化石にする。その機械こそがライカだった。
って書いてあるんですけど、ライカに対する説明というか、もう美しすぎて、もうとりあえずここは付箋を貼っちゃったんですよね。前もね、この前も結構いい文章あるんです。
ライカのこの文章すごい綺麗だなと思って。本当こういうのは一例で、本当に毎度毎度すごい名文があったりする。
いいですよね、すごい。さっきのこの写真文学っていう話をしたんですけど、写真の描写もすごくいい文章で、すごい好きな描写いっぱいあるんですけど、ちょっと一つこれですね。
写真を撮るというのは、突き詰めれば人と人の心の交流だ。相手を理解できなければいい写真は撮れない。心に壁がある人もやっぱり撮れない。
写真はレンズのあちら側とこちら側、双方が共同で作り上げる作品なのだと、トウトキは考えた。
分かる。俺もここ付箋してるわ。いいよね、これね。そうですね。なんかそう思想とかを端的に伝えつつ、すごい文章が上手いなっていうか、このスッと入ってくる文章をすごい書いてくれるので、これ役目も相当上手いんだろうね。
ああ、そうですよね。きっとね。それはありますよね。本当なんかね、好きな描写本当にいっぱいあって。
うん、いや本当本当。すげえ付箋だらけなんだよ、俺。今回。そうなんですよ。これなんか朗読とかすごくいいかもしれないですね。
ちょっとしてもらいたいですね、こう。そうですね。上手い人に。
写真展とかで朗読とか、あるとすごくいいなって思いましたね。
すごい、いいですね。いい文章が読める。やっぱりだからこそ結構ね、この作品に入っていける感覚はすごいありますね。
じゃあそんなところなんですけど、登場人物の話しますか。
で、アルバムの話からするか。この本なんですけど、12に分かれてます。それが一つ一つアルバムという形になってますね。
アルバム1でそれぞれタイトルがついていて、アルバム1機械の目、アルバム2月光華の山の街とか、そんな感じでアルバムごとにタイトルがついているのが12個あります。
このアルバムっていうのは、詩を言い換えてるだけではあると思うんですけど、ちょっとオシャレだなっていうところと、あとちょっと構成に触れると時系列にずっと話が展開するんではなくて、基本的には時系列っぽい流れにはなってるんですけど、
そのアルバムの中で過去に戻ったりとか、ちょっと先の話をしたりとか、次のアルバムでもっと詳しい話が出てきたりとか、行ったり来たりする感じはあって、
本当にそのタイトルに合わせたものが詰め込まれてるみたいな感じの構成になってますね。
そうですね。登場人物もトウトキではなくて別の人物がメインのアルバムもありますし、すごく自由自在ですよね、この作りが。すごい面白いなと思います。
だから12個のアルバムが並んでいてみたいな、それを順番に読んでいくみたいな感じですよね。そうするとこのアルバムはトウトキの兄弟のアルバムなんだなとか、この写真家のアルバムなんだなみたいな感じの作りになってますね。
登場人物もですね、結構多いです。まずトウトキ、主人公トウトキの家族兄弟ですね。こんなての話も深く盛られる方もいらっしゃいますし、お父さんとの思い出とかもね、結構なんか泣きそうになるようなシーンもちょっとありますね。
個人的にはお父さんが日本に来るってね、ちょっとあのところとかは割と私は。確かに。寡黙なお父さんなんですね、日本に来ると。ちょっと込み上げるとこがありましたね。
写真仲間で言うとカメラ三重士とトウトキは呼ばれていて、長崎っていう人と李明超っていう人とトウトキで3人でカメラ三重士とちょっと呼ばれてたそうです。
まあ台湾の写真の世界をどんどん起因してた人たちではあると思うんですけども、他にもね何人かいらっしゃって、ライカリーと呼ばれたライカをね、撮るのが上手かった人とか、
ホウズイリンっていう人と、あと中国から来たランジンジャンっていう人ですね。この辺りストーリーというかアルバムでかなり語られる人もいるんですけれども、
いやほんと細かく深掘られる人もいて、こういうことがあったんだなとか、こういう技術がこういう時に発展したんだなみたいのがわかる作品でもありますね。
いや他このホウズイリンとかこのランジンジャン、結構ボリュームが盛れていてですね、トウトキ以外にも他の写真家でもこれだけの説明を入れるんだっていうので、ちょっとそこの意外性とか感じましたね。
なんかまたトウトキとは違ったストーリーがそれぞれにあって、すごい良かったですね。
思想というかね、こだわるポイントも全然写真家によって違うもんね。ランジンジャンの話は結構印象に残ってるな。
この彼が最終的に台湾に及ぼした影響とかも含めて、なんかちょっと印象に残ってますね。
結構ホウズイリンっていう人、この人芸術家肌なんですけど、すごい努力家で、努力しまくってしまくってっていう。最初ちょっと尖ってたんですけどね。
だんだん時代とともに変わっていく姿とかも、なんかね印象残りましたね。
そうですね。じゃあちょっとずつストーリーいきますか。
ここからはですね、南郊のストーリーを簡単に紹介していきたいと思います。まず1900年代初めですね、主人公のトウトキが生まれるんですけど、
日本統治時代の台湾の地方都市ホッポというところの裕福な家庭でトウトキが生まれます。
当時の時代背景もあるんですけども、富裕村の人、やはり教育率っていうのは高くて、トウトキや兄弟たちは日本に留学することになっていきます。
で、トウトキが留学したのが法政大学ですね、日本の。で、そこでカメラ部に入って部活仲間の亀井という人からですね、最初はライカではないカメラを買ってたんですけども、
もうライカに魅了されて、この亀井という人がライカを複数2台持ってて、で中古のライカ、ライカAっていうものを200円で譲り受けます。
当時の200円でめちゃめちゃ高額で、確か家1軒買えるとか。
そうだね、家1軒ライカ1台っていう台詞が出てきますね。それぐらい高い。
トウトキも確か生活費10ヶ月分とかね、掃除できてた。まあすごいお金持ちのこの生活費10ヶ月分って、それをなんとかね訓練して。
ライカを手に入れると本当にトウトキはさらに写真にのめり込んでいって、
本当に留学では学問学びに行ってるんですけど、実際は写真ばっかりみたいな風になっていきます。
1930年代とかのモダン都市、東京の街とか人とか撮ったり、あと撮影会ですね、開いたりして。
月間ライカなどの写真雑誌に投稿するというですね、そういったアマチュア写真家としてのすごい積極的な活動というのを日本でしていきます。
トウトキは人物写真を撮るのが特に上手いと言われていて、特に女性であれば平凡な人でもどこかしら輝いたところを映し出すことができるというですね。
すごくそういった技量に優れた人になっています。そんなトウトキも日本で楽しんでいたわけなんですけども、これもですね、やはり家柄もあってちょっとそろそろ結婚しなさいというふうに言われます。
特にこの戦後のところではかなり、もっと厚みのある小説の中ではいろんな物語があるんですけども、ちょっとそこはですね、読んだ人に楽しんでもらえたらということを省略しています。
なるほど、いいですね。結構、みなさんすごい上手くまとめていただいたんですけど、本当にこれ、そぎ落としてる部分結構多いので、本編だけで350ぐらいかな、作品なので、本当にいろんな話がある中。
いやでもやっぱりこれはあれですかね、ラストの部分ですかね。
ああそうですね。
作品を語るならまずは。
まずは。いやちょっと鳥肌立ちましたよ、ラストの一部。
いや本当そうですよ。
すごかったな。
まあね、この戦後の話がやっぱり作品の後半になっていくんですけど、いろんな台湾の写真家たちの物語が語られていくんですけど、最後はやっぱりトートキーに戻ってくるんですよね。
うんうんうん。
最後このシャッターの速度というね、章になる、アルバムになるんですけど、最後このシャッター。
最後の一部はもうすごいですよね。
そうですね。
いやこれはぜひ読んでほしいですよね。
そうですね。でこの小説が終わったら最後は付録として、写真12枚が掲載されているんですけど、付録の写真12枚は小説読んでから見てもらえたらと思うんですね。
そうですね。うんうんうん。
その方がより感動は勝ると思いますし、僕はこの最後の一文を読んだ後、この付録の写真に出会った時もめちゃめちゃ感動しましたね。
そうだよね。これは上手い作りですよね。
そうですね。
本土ね。
うん。
役者あとがきとか、あとがきとかはもう読んでもいいのかなと思うんですけど、写真だけはちょっと。
そうですね。もう最後まで見ないように。
うん。していただけたらいいんじゃないかなと思いますね。
ほんとこれすごかったな、最後の。その最後の章をね、もう最後の方のページは詰まってましたね。
じゃあちょっと他のところ行きたいんですけど、
私ですね、結構前半のライカを最初に手にするシーンがすごい好きで、その後彼が、ほんとこれアルバム1とかの話なんですけど、
ライカを寝る時も枕元に置いたりして、もう肌身離さずみたいな感じで大切にするんですよね、このライカをね。
そうですね。
そのことって分かるっていうか、私もなんかちょっとこの時の頭の時は大学生だったんであれなんですけど、
小中の時とかすごく大切なものは寝る時に近くに置いたりとかするってみんなやると思うんですよ。
それ思い出したし、あとこのほんとにそばに置いてからこそ撮れた写真っていうのがあって、それが後半すごい効いてくるし、
ちょっとそれで私一番泣きそうになったのがそこなんだよな、後半この時に撮った写真が、これネタバレになっちゃうか、
でもこの後半効いてくるシーンがあって、ちょっとそこがすごく感動しました。ほんとなんかここすごい揺さぶられた。
確かに。それだけでもカメラを大事にしていたんですけど、結構それでね、奥さんと結婚した時、新婚の時なんですけど、
寝室の枕元にもカメラを大事そうに置いていて、そこでちょっと違和感も取れてしまうんですよね。
どういうことなんだ、みたいな。でもそれだけ大事なものがあるんだっていうので。
カメラ置いてあるってちょっと怖いよね。 そうですよね。
そうですね。あとこの雷火に関しては、一回彼は手放すんですけど、雷火絵をね。なんだかすごく後悔するんですよね。
そう、ありましたね。
で、戦後のもう台北かな、だったかな。で、日本人が帰らなきゃいけなくて。
で、日本人たちがね、自分たちのものを持ってきるのが限られちゃってるから、大切なものを売ったりしだすんですよ。
あの路上で。そこでね、雷火絵を見つけてね、買うっていうシーンがあるんですけど、その時の流れとかもすごく好きですね。
そうでしたね。これはさすがにフィクションだと思うんですけども。
確かに。
でも、すごくいい、僕の好きな場面でしたね、そこは。
いいよね。なんか前半出てくる雷火がやっぱり、なんやかんやこの物語を貫いてる感じがちょっとあって、すごくいいなって思いましたね。
そうですね。僕は雷火のデジカメを持ってるんですけども、雷火のそれを2年ほど触っていなかったんですけども。
あ、そうなんだ。
この南高を呼んでから、2年ぶりぐらいに持って外で歩きましたね。
めっちゃいい話じゃないですか。なんか撮ったんですか?
そうです。近所の写真とかを。
ちょうど桜とか。
そうですね。桜は。
ああいいな。いいっすね。確かにこれ写真撮りたくなるよね。携帯じゃなくて、スマホじゃなくて。
そうです。当時はスナップ写真を好んでいたんですけども、結構そこにちょっと自分も重ねてしまって。
なかなか久しぶりに街中でスナップ写真をちょっと撮ったりとか。
いいよね。
すごいこれはカメラ持ってる人影響を受けるんじゃないかなと思いますね。
間違いないですね。
それちょっと思ったのも例えば作品の中で、さっきもこの描写がいいっていう話しましたけど、
すごい写真についていい描写がやっぱりいっぱいあって、これは結構終わりの近くなんですけど349ページとか、
詰まるところ、写真というのはカメラで何を捉えたかではなく、何に心を捉われたかだという人がいるのはそういう意味なのだっていうですね。
写真がカメラじゃなくて心で何を捉えたかっていう。心が何に捉われたかですね。
っていうのが写真には現れているっていうですね。こういうのでもやっぱりね、ちょっと自分が写真撮る時とかもね、いろいろと考えてしまいそうですし、すごい好きな言葉でしたね。
そうですよね。私もすごいよかったな。わかる。
あとはですね、作品からちょっと離れちゃいますけど、木村伊兵衛というですね、日本を代表するすごい写真家で、
この人もですね、南港の中でちょっと名前は出ていて、この木村伊兵衛が僕とライカっていうですね、写真集兼エッセイを出していて、
それもちょっと図書館で借りてパラパラ見てみたんですけど、これも面白くて、南港と同じ時代の1930年代とかの、
街並みの写真とか、人の写真が日本のですけど、人の写真とかをライカで木村伊兵衛さんが撮ってて、なんでね、そういうなんで、南港に出てくるいろんな写真家たちの、
その中で木村伊兵衛さんは日本人なんで、すごい手にしやすいんですけども、写真見ると、より当時こういう時代だったんだなっていうのをですね、感じ取ることができて、
いやなんかすごいね、これは膨らんでいきましたね、この当時の社会観というかね、そういったものが。木村伊兵衛さんが結構この文壇陣の小説家とかの写真も撮ってて、
泉京華とか、ボーダーロフォンとか、なんかね、そういう人の写真もね、なんかね、面白おかしくちょっと説明尽きて撮ってたりして、泉京華がすごいね、写真嫌いの人で、
気が付いて撮ろうとするとね、ブルブル震えてしまうから、遠くからね、人と喋ってるところを撮ったとかですね。
すごいね、トモトキっぽいね。 そうなんですよ、結構ね、木村伊兵衛さんの本も面白かったんですけど。
なるほど、この小説やっぱりちょっとストーリーでも話した通り、228事件のこととかも触れてるんですけど、実際におそらくその時っていろんな写真家の人たちがその時の写真を撮ったんじゃないかなと思うんですけど、
その写真が見つかっちゃうと、政府からまた圧力というか逮捕されちゃったりとかする可能性があるみたいで、撮った写真を隠すというか、もしくはもう現像せずに捨ててしまう、フィルムを捨ててしまうとか、そういうことがあって。
これ、228事件の時はそんなにちょっと時間経てば出せるだろうとか思っていたら、思った以上にその後長く弾圧が続いてしまって、結局は自分たちも世に出す勇気を持っていぬまま年老いていって、落ち着いて捨てていくっていうシーンがあって、
ちょっとここはなんか物悲しさっていうか、これもなんか想像なのかどうかちょっとあれなんだけれども、なんか迫ってくるところではあった。なんか結構サラッと書いてるんだけど、怖い話だなとちょっと思いましたね。
そうですよね。でも実際それで撮ったけど、世に出ないまま亡くなってしまった写真って相当あるんでしょうね。
うんね。
ほんとだよね。絶対ある。多いよね。
この南郊の唐突の写真はまだその後、ちょっと見つかってというかね、公開されましたけど。
あれだったね。あの長崎か、長崎がカメラさん重視の一人の長崎さんがね、自分の家がなんかこう水に浸っちゃった時があって、その時に隠してあった、フィルムを隠してあった茶缶が流れ出して。
それが。
それでも危険だって感じ。
そう、それがもし政府に見つかったら、俺はみたいな感じのね。茶缶がどれだけ流れちゃったかわかんないからビクビクするっていうシーンとかね、なんかすごい長い間影響が残り続けるっていうのもなんか象徴だなと思っていて、ちょっとすごく読んでて複雑な気持ちになりましたね。
うん、確かに。
じゃあちょっとこんな感じに、今回難航は終わりたいと思うんですけど、ちょっとこれネタバレを配慮して、今回いろいろ話してるところはあるんですけど、本当話すべきポイントが多い作品だなと思っていて、本当写真のこともそうだし、台湾と日本、台湾と中国、台湾の歴史っていうところもそうだし。
尊きっていう人物の生き方、人生観みたいなところ、これは周和志さんの副書の部分多いと思うんだけれども、その時いろんな感情を抱いたこととかあるなっていうところがあって、なんかすごく多面的な作品だったなってすごい思いますね。
そうですね。この尊きっていう人が写真に出会って、人生をそれに本当に捧げた人で、そこと台湾とか日本とかの歴史、中国もですけど、いろんなうねりもあって、いろんな写真仲間もいてっていうので、すごく壮大な、壮大だったか、すごく厚みのある物語として読めて、
やっぱりこれを読んだ後の最後の充実感ですね。なかなかちょっと説明するの難しいんですけども、すごい感じて本当に良かったですね。
これレンドラとかでやってほしいよね。
確かにそうですね。全12話とかで。
もうね、それぐらい、本当にアルバム一つ一話。
そうですね。
やってほしいですよね。
じゃあちょっとそのところで終えていきましょうか。
じゃあ次回こそ終わりたいと思います。
次回は番外編をお届けする予定です。ちょっと特別なゲストが来る予定になってますので、お楽しみにしていただければなと思います。
ちょっといつもの我々の番組のテイスト変わるんじゃないかなと。
そうですね。文学の話になるかどうか、怪しくなりますけど。
まあでも楽しい回になるんじゃないかなと思ってますので、ぜひお楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマ会員募集しております。こちら無料版、有料版でございます。
無料版はですね、海外文学ニュースというのを毎週配信しております。
時折ちょっと長くなったエピソードをですね、カット音源という形でお届けしております。
無料なのでぜひご登録いただければなと思います。
有料版はですね、こちらサポーター特典という形になっておりまして、我々ちょっと応援したい方のためにやっております。
ありがたいことにですね、本当ちょっと支えられていて、いろんなところで助けられております。
我々ちょっと応援したいなっていう方がいらっしゃいましたら、ぜひですね、ご登録ください。
こちらはですね、毎週1本ですね、編集講義をお届けしております。
詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので、そちらご確認ください。
番組の感想やリクエスト、またこの番組を聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたのがございましたら、
ハッシュタグそのとびねこたちをつけて、教えていただけると嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便りフォームを番組情報欄に載せておりますので、そちらからいただけると、お便り紹介会の時に紹介させていただきます。
この番組を聞いていただけましたら、積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。