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中村泉の三味線民謡ラジオ。
こんにちは、多摩村町在住の三味線木付講師の中村泉です。
この番組は、かごめかごめ、そうらんぶしなど、
知っていた曲が実は民謡だった。
そんな身近にある民謡や三味線についてご紹介します。
今回ご紹介するのは、群馬県民謡のカンカン踊り歌です。
この歌は、田野郡上野村、乙地区に伝わる祝祭歌です。
六人の男性が赤い長襦袢に三尺を締め、
頭には蜂巻や頬かぶりをし、手踊りで踊ります。
太鼓と笛の伴奏に、歌い手のほかは、
皆で林立て賑やかに歌う。
日本の民謡の中で、歌詞の一部に意味不明なものがあったりしますが、
カンカン踊りは、歌詞全部が全く意味不明です。
それは、1800年、中国の音楽で民心楽の代表曲、
九連冠が伝わり、その中国語を真似た歌、唐詩歌なのです。
中国語と対応する前半部と、中国語の卑猥な単語を混じる後半部に分かれています。
1820年に大阪の芝居小屋で、長崎の人が唐人の紛争をして唐人歌を歌い、
太鼓や呼吸などの伴奏に合わせて踊りを演じたのが最初。
それは大変な評判となり、名古屋、江戸でも興行され、各地で大流行しました。
あまりの加熱ぶりに、禁止令が出るほどだったそうです。
上野村でこの歌が歌われるようになったのは明治30年頃。
横浜から来た巣は巣江吉が上野村の浜平に住み、
歌や踊りが好きだった彼が、このカンカン踊りを村人に伝えたのが始まりとされています。
大流行していたカンカン踊りに、多くの村人が飛びつき、
やがてそれが地域の民謡として定着したのです。
ここで歌詞をご紹介しましょう。
カンカンの、きゅうのりす、きゅわきゅれす、
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さんしょうならえい、さああい、ほうおい、みいかんす、
いっぴんらいらい、やははんど、
ちんぴがからくて、すいかんす、
すてずるしゃんしゃん、すてずるしゃんしゃん。
では次に、太鼓のリズムに合わせて歌ってみます。
カンカンの、きゅうのりす、きゅわきゅれす、
さんしょうならえい、さああい、ほうおい、みいかんす、
いっぴんらいらい、やははんど、
ちんぴがからくて、すいかんす、
すてずるしゃんしゃん、すてずるしゃんしゃん。
いかがですか?
どこかで聞いたことのあるような不思議な歌ですね。
歌詞はこれだけですから、これを3回ほど繰り返して1曲となります。
落語の好きな方はピンときたかもしれません。
古典落語に楽だというお話があります。
その中に詩人にカンカン踊りを踊らせるというお話が
まさにこのカンカン踊りのことです。
全国的に大流行したカンカン踊りも
時代とともに逆盛歌となり
替え歌として定俗な歌詞内容に変わっていきました。
しかし上野村オッチ地区では伝承当時のまま継承してきました。
干ばつになると村をあげて雨漕いをする
神聖な神事の中で踊り歌い伝えてきたことが
現在まで原型を保ったまま残すことができたのでしょう。
こうして日本中で大流行したカンカン踊り
カンカン能が唯一上野村のオッチ地区に残っていることは
貴重であるとともに後世に残していきたい強度芸能です。
いつの頃かカンカン踊りは
オッチ地区の村祭りの余興の一つとなっています。
上野村観光協会に問い合わせたところ
ここ数年コロナのため行われず
今後も未定とのことです。
それでは平成24年4月
オッチ神社祭典の余興で行われた
カンカン踊り保存会の演奏をお聴きください。
応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援応援
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忍びが辛くて推幹せ
捨て鶴シャンシャン捨て鶴シャンシャン
丹環の虚弄にせ
凶悪です
山椒ならいい
さいほいにかんす
いっきんがいだいやはんを
しんにがかなくてすいかんす
すてつるしゃんしゃん
かんかんのきゅうのりす
きゅうはきゅうです
さんしょうならり
さいほいにかんす
いっぴんがいだいやはんを
しんにがかなくてすいかんす
すてつるしゃんしゃん
いかがでしたか?
なおこの番組はポッドキャストでも配信中です
また次回お会いしましょう
中村泉でした