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2025-08-12 05:20

【1166】2025/08/12 音で体験する雨量の世界

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2025/08/12

サマリー

このエピソードでは、九州の大雨に関する恐怖や過去の観測記録が述べられており、雨量の音のサンプルを通じてその危険度を体感することが提案されています。また、雨量による災害の可能性や避けるべき行動についても考察されています。

九州の大雨と観測史上の記録
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
このほど九州の大雨、本当に大変ですよね。まるで梅雨末期のような大雨です。
立秋を過ぎているので、この雨は秋雨前線ということになりますが、停滞前線ですので、同じ場所に長く居座るのが本当に厄介です。
次々と発生する積乱雲が列をなして、まるでベルトコンベアのように、同じ地域を通過し続けるいわゆる線上降水波も発生して、短時間に大量の雨をもたらします。
一昨年、秋田県、県都の秋田市を襲った大雨の災害については、線上降水波は発生していません。
ただ、長くダラダラと降り続いた結果、あのような災害になってしまったということがあります。
なので、雨の降り方そのものに恐怖を感じたわけではなかったんですね。
ただ、今回の九州の大雨については、その雨の降り方そのものが、もう恐怖を感じるような雨だろうと思うんです。
日本の過去の観測史上、1時間あたりの最大雨量は153ミリです。
これは、1982年7月23日に長崎県近海町で観測されたものです。
また、1999年10月27日には千葉県香取で同じく時間153ミリを記録しています。
気象庁の分類でいきますと、時間80ミリ以上が猛烈な雨の分類になりますが、その倍ぐらい降った長崎県、そして千葉県香取、これは相当な恐怖を感じた雨だったんだろうなって思います。
秋田県に目を向けてみますと、108.5ミリという2013年8月9日の和野市という記録はあるんですが、その他に猛烈な雨の記録はありません。
この和野に次ぐ記録となりますと、秋田市の72.4ミリということになります。
九州などと比べて雨の少ない地域です。
もちろん町の作り方がもう違いますので、同じような雨が降ってしまうと、すぐに町は麻痺してしまうと思います。
そんな風に、私は経験したことのない雨の降り方というのがあります。
雨量の音とその危険性
気象予報士試験の勉強の時に、やや強い雨時間10ミリ、強い雨20ミリ、激しい雨30ミリ、非常に激しい雨50ミリ、そして猛烈な雨というのが80ミリという風に数字では覚えているんですが、今日は音のサンプルをお届けします。
まずは1時間10ミリのやや強い雨です。しとしと少し強めに降っていると感じる雨です。
外を歩くと傘が必要になりますが、足元はまだそれほど水たまりができません。
次は強い雨、時間20ミリです。道路に水がたまり始めます。車のワイパーは早回しが必要となります。
1時間30ミリを超える激しい雨。傘をさしていても服が濡れるほどです。屋外での活動はかなり厳しくなります。
そして時間50ミリ、非常に激しい雨です。道路が冠水しやすく視界が悪くなります。屋外の移動は非常に危険なレベルです。
秋田県湯野帯では1989年7月24日にこのレベルの雨を観測しました。
そしてここからは猛烈な雨ということになりますが、私は体験したことがありません。
時間80ミリの音のサンプルもなかなか見つかりません。猛烈な雨になりますと人は屋外での行動がほぼできなくなります。そして多くの災害が発生します。
さらに時間100ミリを超える雨はもう気象庁では分類がありません。雨量の数字は防災の行動判断の目安になります。
音で体感していただくとその危険度がより実感できるんじゃないかなと思いました。
なおこの雨の音のサンプルはEnvato Ellementsから提供を受けています。
海外のサイトですので気象庁のそれとはぴったり合致するということではないんですが、それでもこの違いを感じていただきたかったということと、
この雨が自分の頭の上で起きていたらどうなるか、その時どう行動したらいいのかというイメージをぜひ持っていただきたいなと思いました。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
05:20

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