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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお聞きください。
今日は、災害関連死という言葉についてお話をします。
佐賀テレビのニュースで、こんな風に言ってました。
鹿島市の有徳稲荷神社の参道場で、男性が倒れているのが見つかり、死亡が確認されました。
警察によりますと、倒れていたのは近くに住む80代の男性で、29日午前10時半頃に通行人が発見したということです。
警察は、災害関連死の可能性があるとして、台風との関係を調べています。
と、こういう風に読み上げていました。
どうしてこの被災状況の方に対して、災害関連死という言葉を使うんですかね。
とっても違和感がありました。
災害関連死っていうのは、地震とか津波とか直接的な原因ではなくて、避難生活による健康状態の悪化が原因で亡くなることを言うんです。
英語で言うと、ディザスターリレイティブデスと言って、定義としては、災害による直接の被害ではなくて、避難途中、避難後に死亡した方の死因について、災害との因果関係が認められるものとあります。
このニュースの場合の、台風による死者ということであれば、関連死ではないんですよね。
その災害による死者ということなので、いわば直接死ということになります。
災害関連死の概念って、1995年に発生した阪神淡路大震災で生まれたものです。
もともとは病院関係者の間では、関連疾患あるいは関連疾病と呼ばれていました。
当時の厚生省が、災害懲役院判定委員会等において、震災と相当な因果関係があると認定された死者。
こんなふうに認定を示されたことで、初めて公的に認められたものなんです。
これが災害関連死です。
具体的な認定例としては、処方薬が接種できなかったことによる治病の悪化、
ストレスによる身体の異常、不衛生な環境による体調の悪化、
栄養不足や食欲不振による衰弱死、
エコノミークラス症候群、将来を悲観した自死、
仮設住宅で孤独感に苛まれ過度の飲酒をしたことによる観光変、
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災害復旧作業中の過労死、
地震による疲労が原因の事故死などがあります。
こういったものが災害関連死なんです。
もう一度ニュースをおさらいしますと、
鹿島市の有徳稲荷神社の山道上で、男性が倒れているのが見つかり、死亡が確認されました。
警察によりますと、倒れていたのは近くに住む80代の男性で、
29日午前10時半頃に通行人が発見したということです。
警察は災害関連死の可能性があるとして、台風との関係を調べています。
これはやはり言葉の使い方の誤りですよね。
特に報道では、その言葉の定義を理解した上で、正しく情報を伝えていくことが基本だと思います。
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ではまた明日もお会いしましょう。
鶴岡慶子でした。