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2022/07/31

 してはいけないと思っていたことだったけれど、頭が固いだけだった

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おはようございます。鶴岡慶子と花火と天気と、日本の秋田県から発信しています。
さてこの1ヶ月間、7月の間にも何人かの方を葬儀司会者として見送りました。
お二方、印象的だったお話をします。お一人は無習派でお見送りをしました。
無習派なので、もう自由に信仰の形を決められるということで、それはご家族の意向を踏まえて、どんなことをするのか、どういう形で個人をお見送りするのかっていうことを、担当者とずっとお話ししてたと思うんですけど、
個人を忍ぶ映像があって、そして喧嘩があって、苦闘があって、というような、そんな流れでした。
さらに個人がお好きだった歌をCDで流すというようなシーンもありました。
個人を忍ぶ映像なんですけれども、一旦はその業者に頼んであるものなので、BGMもしっかり入っているし、ナレーションも入っているんですね。
私は一切関わらず、こちらご覧くださいっていう感じで映像を皆さんに見ていただくんですが、
そして喧嘩の時にも、実はその映像、音を消した状態で繰り返し映し出したんです。
ご家族は目ではその忍ぶ映像を見ていただいて、耳では生演奏のBGMを聞くという形で行ったんですね。
そこは担当者の働いでそのようにしたようでした。
なんて素晴らしいんだろうって思ったんですね。
さらにその喧嘩の時には、ご家族お一人お一人が前に出て鼻をたむける時に、一言ずつ個人のご遺影に向かってお話をされたんですよ。
それは声の大きい人もいたし、私の家にはなんて言ったんだろうってちょっと聞き取れない感じの小さな声の方もいたんですけど、
きっと亡くなった方にはちゃんと届いているので、それはとても一人一人いいなっていうふうに思いました。
そういう進め方もとてもいいなと思ったんです。
自分たちが本当に思うような表現がその見送るという形を作ったんだなぁと思って、それはいい時間だったなぁと思って、その日はそれで終わったんですが、
これが2日後のご葬儀の時に、すごく私にとっては生きたんですよ。
その後担当した方が非常に若い方で、まだ30代の方だったんですね。お子さんがとってもちっちゃくて、
多分お父さんが亡くなったってことをちゃんとわかってないっていう、それもまたとても悲しく感じたんですけど、
その葬儀は午後2時からの葬儀だったんです。
午前中はちゃんと皆さんにお知らせをして、ご自由にそのご照顧ができるような状態に開放しているので、
ぜひお顔を見に来てくださいっていうような、広く新聞を使ってお知らせしてたんですよ。
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なのでたくさんのお花も届いたし、たくさんの電報も届いていました。
そんな中で葬儀自体は家族葬という形だったんですね。
葬行する時にはずっとその映像がもう流れていたっていうことを聞いたんです。
その映像はもう業者に頼んでいたものなので、歌入りの曲も入っていたし、ナレーションも入っていたんですよ。
またそれを葬儀の時も流しますっていうふうに担当者から聞いてたんですね。
でもいやもう何回もそれをお家族の方も見ているし、どうなんだろうと思って。
それでこの間のその無集派の時のことを私は思い出したんですね。
思い出して、あ、そうだと、その映像は音なしで出してくれないかと。
そして私のナレーションとそれから葬者の生演奏で、それで一つの作品を作ったらどうだろうかと担当者にお話をして、
で、その形にできました。家族も了承してくれたんです。
いつもよりちょっと長い5分半ぐらいあったんですけど、でもちゃんと取材をして、その人がどういうふうに生きたのかっていう生き様を言葉にして、
その葬儀の前にお話ができればいいなと思って、いざ、じゃあその作品を作り上げましょうということで、ちゃんと紹介したいと思いました。
無集派の時もそうなんですけど、今回もそうなんですけど、なんかちゃんとその方を見送るっていう形に家族が納得するっていうことがとても大事だろうなって思ったんですね。
いざそれを5分半繰り上げた結果、もう担当者も近くで泣いているのが聞こえてきたり、泣けばいいって話じゃないんですけど、
でもちゃんとその人を思い出す時間、思いを馳せる時間、その時間になったら、その後ご祝好する意味が全く変わるだろうなって、
ご祝好する時のイメージする映像というのが全然違うんだろうなと思うので、そこは本当に大切にお話しようと思いました。
業者から来たパッケージというのはやっぱりそれが一つのパッケージなので、音を消すなんて作品の邪魔をするようなことはできないと思ってたんですよ。
その映像って音も含めて作品なので、普段その業者の映像を使うっていう時には、私は一切その作品の間はナレーションを挟まないんですよ。
で、ほとんどもうこちらをご覧くださいって言って終わってるんですけど、音を消して別の形で届けるっていう形を無周波の時に行ったことで、やってみようっていうことができたこと、
私の固い頭では思いつけなかったことだったんですけど、本当に今回経験できてよかったなと思います。
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とにかく私の目の前にいるご家族が、しっかりとその寂しい思い、悲しい思いっていうのが少しでも浄化される時間になったり、
あるいは個人に思いを馳せる、その時間がゆっくり取れるっていう、私の言葉がそんな風にお役に立てたらいいなと思いました。
今日もこれから10時スタートなんですが、7月最後の葬儀式会を担当してきます。
毎日暑いです。台風による雨も多く降っている地域もあるかもしれませんが、どうぞ安全にお過ごしください。
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鶴岡恵子でした。
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