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2024-09-14 03:38

【0834】2024/09/14 ほんとうのさいわいとは何だろう #ことば

2024/09/14

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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。
本当の幸いとは何だろう?
これは宮沢賢治の銀河鉄道の夜の一節です。
銀河鉄道の夜には多くの印象的な文章があるんですけれど、
その中でも特に有名で心に残る一節がこれですね。
本当の幸いとは何だろう?
SNSを見ていたら、この言葉がふと流れてきたので、今日は取り上げてみます。
本当の幸いとは何だろう?
これは物語の全体を貫くテーマでもありますし、
主人公が銀河鉄道に乗って旅をする中で、自分自身のことであるとか、
死生感、生と死ということですね、死生感だったりとか、
あとは幸せの意味について深く考える、そのきっかけとなる部分です。
何が幸せかわからないです。
本当につらいことでも、それが正しい道を進む中での出来事なら、
峠の上りも下りも、みんな本当の幸福に近づく一足ずつですから。
改めて深いなって思います。
もしも今苦しいなって思うことがあったとしても、
この苦しんでいる状況も、幸せに向かっていれば不幸なことではないですし、
すごく悲しそうな出来事があったとしても、
今を今だけで評価できないっていうことなんですね。
例えば、人に裏切られたと感じることがあったとして、
それはとってもその瞬間、その今は辛くて悲しいことなんですけれども、
もしもそういう裏切るような人であるっていうことを知れたっていう、
今知れたっていうことは、早くその人との縁が切れたことがいいこと、
という評価になるかもしれませんよね。
もしかしたら今すっごく辛そうだけど、その出来事のおかげで、
5年後、10年後、今よりももっと幸せになっているかもしれない。
その出来事があれがあってよかったって、遠い将来思っているかもしれないんですね。
ああ、今日は嬉しい日だった。ああ、今日はなんだか辛い日だった。
という感情は感情としてあるんですが、
それが良いことなのか悪いことなのかというのは、今を評価するんじゃなくて、
あくまでも途中であるっていうことを言っているのが、
とてもとても深いなって思います。
本当の幸いとは何だろう。
これは今を今だけで評価できないっていうことを言っているんですね。
宮沢賢治のお話は、どれも私たちを不思議な世界に誘ってくれるものですけれども、
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深い言葉にも本当に魅せられるなと思って、
銀河鉄道の夜で言うと、本当に美しい描写が多い作品でもありますので、
また全体を読み返してみたいなと思いましたし、
SNSを見ながら、幸せって今だけで評価できるものじゃないなと、
全部つながっているんだなとも思いました。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
ではまた明日もお会いしましょう。
鶴賀恵子でした。
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