2025/11/10
サマリー
津波は地震や火山活動によって海の底が動くことにより発生し、通常の波とは全く異なる恐ろしい現象だとされています。
00:01
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
津波の特徴
昨日は、三陸沖を震源とする地震が相次いで発生して、津波も観測されました。
その大きさは10センチ、20センチなどと発表されていたのですが、その数字でピンと来ないかもしれないのですが、津波は本当に恐ろしいものです。
津波と普通の波、同じ波という字がついていますが、両者は全く別の現象です。
私たちが普段海辺で見る波は、あれは風が作る波です。
海の表面を風が撫でるように吹いていて、その力が海面を上下に揺らしているものです。
波の高さは数メートルです。見た目は大きくても、動いているのは海の表面だけです。
エネルギーの届く範囲はごく浅いと言えると思います。
サーフィンができるのもこの波で、波が来ても少し離れればまた静かになります。
一方で津波はどうかと言いますと、これは全く性質が違います。
地震とか火山の噴火とか、あとは地形の急な変化などで、海の底そのものが動くことで起きます。
つまり津波は海面の揺れではなくて、海そのものがごっそり動く現象とイメージできると思います。
深いところから何百キロ、何千キロという広がりを持って、海全体が押し寄せてくるというイメージです。
例えて言うならば、コップに水を入れて机の上に置いてください。
そしてそのコップの水、ストローでふーっと拭くと、表面だけがまず揺れますよね。これが普通の波です。
津波のイメージはどんな感じかというと、このコップを置いた下の机をガタガタと動かすとどうでしょうか。
水全体が大きく揺れると思うんですね。これが津波なんです。
なので津波は波が高いとか低いとかというよりも、海そのものが上がってくるように見えるものなんです。
ですから同じ30センチでもチャップンっていう30センチじゃなくて、津波は30センチの壁のままやってきて、飲み込んで寝こそぎ持っていくっていう、それほどのエネルギーがあるものです。
津波の怖いところは、見た目の静けさです。
波が高くなってから逃げようというのではもう間に合いません。
むしろ最初にまずは海が引くんですけれども、これが津波のサインでもあります。
海がいつもよりも遠くまで引けたら不思議だなって見てるんじゃなくて、まず逃げようということです。
津波は風が作る波なんじゃなくて、言ってみれば地球が作る波です。
普段の波が海の表面の揺らぎならば、津波はもう地球の呼吸のような大きな動きです。
そしてその力っていうのは、人の力では止められないほど巨大なものなんです。
なので私たちは海が動くということを想像できるようにしておかなくちゃいけないなって思います。
私たちは波と聞くと美しいものを思い浮かべちゃうんですけれども、津波は同じ海が見せるもう一つの顔です。
しっかりと違いを抑えておくことが、いざという時に命を守る第一歩になると思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
リッスンではこの配信のテキスト版を公開しています。合わせてご覧ください。
それではまた明日。
04:06
コメント
スクロール