00:00
おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。司会やナレーションを通じて日々感じたことなどを語る声の日記です。日本の秋田県から毎朝更新しています。
少し前の話になりますが、テレビで気象予報士が全国的に雨模様になっていますと話していました。
これを聞いて、全国的に雨模様ってなんだ?って思って、今日はこの言葉について掘り下げてみます。
この日は、北日本を中心に全国的に雨が降っていたんです。その時の様子を指して、全国的に雨模様になっていますと話していました。
この気象予報士が言っている雨模様になっていますは、雨が降っているとか、降ったり止んだりしているということを言っているんですが、本来的な意味は違うんですね。
雨模様の天気って曇り空のことなんです。本来的な意味から言うと、全国的に雨模様になっていますっていうのは、全国的に雨が降りそうな曇り空です。
と伝えているということになります。
ですから、全国的にそうだっていうのは、わざわざ言うこと?みたいな感じになって、ちょっと違和感を感じるんですよね。
雨模様っていうのは、雨になりそうな空の様子のことなんです。
つまり、雨が降りそう、今は降っていない、曇り空のことなんです。これが本来の使い方なんですね。
雨模様のこの模様っていうのは、今にもそうなりそうな様子を表す和語、模様が変化したものなんです。
もともとこの言葉は、雨模様とか雨模様と言われていました。
模様っていうのは、開催の際と書きます。模様、今にもそうなりそうな様子。
雨を模様す。この模様が模様に変えられたことで、漢字も模様という開催の際から、モザイク模様みたいな模様という漢字の表記に変えられてきました。
ということで、そのモザイク模様みたいな模様っていう漢字が浮かびますと、今にもそうなりそうな様子というよりは、
今その様子、今現在の様子という意味に捉えられたっていうことでもあるようです。
それでちょっと変化してきたというか、そうやって誤解をする人たちがいるようになったっていうことでもあるようです。
10年前の広辞苑では、本来の意味しか載せていなかったんですけど、今は雨が降っているとか、降ったり止んだりするっていう場合でも使う人が増えてきたことから、
03:06
新しい辞書では、新しい用法を認めるものが出始めてきているようです。
NHKでも雨模様、荒れ模様という表現について、すでに小雨が降っていたり、天候がやや荒れていたりする場合にも放送で使っていいということにすでにしているそうです。
ただ、こんなにも違う意味でいろんな方が捉えてしまうっていうことであると、放送で許しているっていうのはどういうことなんだろうって、ちょっと思ってしまうんですけど、
だって会話が成り立たないじゃないですか。もはや共通語ではないっていうふうに思うんですよね。
例えばこういう会話って成り立たないですよ。外天気は?っていうふうに聞いた時に、ずっと雨模様だよって言われて、慌てるかどうかっていうことですよね。
本来の意味で受け取ったら、「あ、傘いらないんじゃない?降り出すのは夜からだもんね。」っていうことになるだろうし、
新しい意味で受け取ったら、「うわぁ傘忘れた。濡れちゃうな。雨模様だって。」っていうことになりますよね。
これ雨模様だけじゃなくて、さっきちょっとお話ししました荒れ模様だったりとか、あと雪模様という言葉もあって、これも同じように今変化してきています。
かみ合わない会話。誤解を招きやすいので、私は特に放送では避けちゃう言葉です。
この配信はApple Podcasts他各種プラットフォームでお届けしています。ではまた明日もお会いしましょう。
鶴岡慶子でした。