残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"
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残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

kotaro zamma 1992 Episodes

イノベーションで世界をよりよく変えていこう、という闘う人々を応援するチャネルです。スタートアップや大企業、音楽家やアーティストなど、様々なイノベーターのビジョン、考え方、パッションを是非是非、全身で感じてください!

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存在価値を取り戻すノベーション(1979回)

存在価値を取り戻すノベーション(1979回)

Sep 27, 2026 18:38

舞台『イェルマ』の脚本家、オノマリコさんの言葉に、人が生きる意味について、深く考えさせられました。曰く、「多くの場合、登場人物への共感は演出する上で大きな原動力になりますが、私は当初イェルマに共感ができませんでした。でも、それがなぜかを深掘りしていくと、どうやらイェルマの中に惨めな自分自身を見つけたからだと気付いたんです。私自身も子どもがいません。いくら仕事を持ち、自立して生きている自負があっても、家庭を築いていないと『一人前じゃない』みたいな考えがこびりついている。そうした価値観が根深くあるこの社会に生きていると、『どこまでいっても自分は無価値であると考えてしまう』人はまだまだいるのではないか……。このことを念頭に、イェルマを構築してみたらどうなるか、そして『自分は存在価値がない』と罪悪感を感じてしまう社会構造に思いを巡らせ、ここを念頭にイェルマを再構築してみようと思ったんです。」私は思いました。1、共感できない違和感を大切にする2、自分の中の「正解」を疑う3、条件付き自己価値をピボットする1、共感できない違和感を大切にするオノマリコさんが、最初、イェルマに共感できなかったということは、私も良くわかるなあと思いました。「自分には存在価値がない」と考えてしまうことには、私は常々「誰もが創造者である」と言っているので、全く反対の考え方なので、少し違和感があるなあと思ってました。だから、もうこの作品は見ない、という形で切り捨てることは簡単ですが、でもこの違和感はなんなんだろうと、あえて切り捨てずに、切り込んでいくことが、新たな気づきを得るためにも、もっと言えば、イノベーション活動においても、とっても大切なんだよなあと、改めて思わせて頂きました。それは、ある意味、自分の中にある、正解って、本当に正解なの?と、違和感を自分に向けてみること。その上で、改めてフラットに話を聞いてみて、その違和感の正体や、実は共感できる部分があるんじゃないかを探ることが大事と思いました。2、自分の中の「正解」を疑う「生産性のない人には価値がない」とは、全く思いませんでしたが、私自身、独身で子供もいないので、オノマリコさんの「家庭を築いていないと『一人前じゃない』みたいな考えがこびりついている」という言葉には、とても共感しました。誰に言われたわけではありませんが、「こう生きることが正解」で、自分はそうではないかもなあ、みたいな感覚をふと持つことがあります。社会心理学者のマイケル・ウェンゼルとリディア・ウッディアットは、社会規範とは、「人は何をすべきか、何をすべきでないかについて、社会で共有されている見方」だと述べています。そして、その社会規範は、「内面化を通じて、人の行動に強い影響を与えうる」と指摘しています。つまり、社会の「こうあるべき」が、いつの間にか、自分自身の「こうあるべき」になっていく。大切なのは、社会の価値観が存在する、ということよりも、それがいつの間にか、自分自身の価値観になってしまう、ということかと思いました。だからこそ、「なぜ私は、そう思っているんだろう」と一度、問い直してみて、自分の中にある「正解」は、本当に自分自身がパッションの源から選んだものなのか、確認することが大切な気がしました。イノベーション創発も実は同じで、世の中の常識を疑うことだけではなく、自分の中に入り込んだ常識を疑うことからも始めると、強いイノベーションへの問いが生まれる。そんなことかもしれないなあと思いました。3、条件付き自己価値をピボットする心理学者ジェニファー・クロッカーとコニー・ウルフは、「条件付き自己価値」という考え方を提示しています。「人は、自分の価値を置いている領域で成功すると自尊感情が高まり、失敗すると低下する。」つまり私たちは、知らないうちに、「こうなれたら、自分には価値がある」という条件を、自分自身につけてしまうことがあるということです。結婚できたら。子どもを持てたら。仕事で成功したら。誰かから認められたら。何かを成し遂げられたら。。。そしてクロッカーらは、その後の研究で、「失敗がもたらす学びのために、失敗を受け入れる意欲」が、より良い自己調整につながると述べています。つまり、「できたか、できなかったか」で自分の価値を決めるのではなく、それを「何を学べるか」に変えていく。これは、まさにイノベーション推進と同じで、例え思った通りに行かなくても、そこから得た失敗を学びとして、次へのピボットへと繋げていく。そうすると「条件付き自己価値」は、さまざまな挑戦のステップ、学びのステップ、次への自己価値へのステップと、どんどんピボットしていくことができる。自己価値の無限ピボットができていくのではないかと思いました。その挑戦が、自分の存在価値を取り戻すための冒険になるのかもしれない。一言で言えば、存在価値を取り戻すノベーションそんな話をしています。参考舞台『イェルマ』世田谷パブリックシアターマイケル・ウェンゼル、リディア・ウッディアット「社会規範の力と落とし穴」『アニュアル・レビュー・オブ・サイコロジー』2025年ジェニファー・クロッカー、コニー・T・ウルフ「条件付き自己価値」『サイコロジカル・レビュー』2001年

面白いを一緒に探すノベーション(1978回)

面白いを一緒に探すノベーション(1978回)

Sep 26, 2026 16:55

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」理念で、発展途上国の素材や文化、人材に光を当てたものづくりを行うマザーハウス代表の山口絵理子さんが、語っていた言葉に、行動変容を起こすプロジェクトの始め方について、大きな示唆をいただきました。曰く、「やっぱベースとしてはなんか日本で売れるものを作ろうとしちゃダメだと思うんですよ。やっぱり彼らがこの国のベストって何っていうことが大事で。日本で売れるっていう一つ置いといて、その国の技術とかその国の素材を使うとどんなものが出来上がるかねっていう発想でやってるので私は彼らの中の面白い何かっていうのを一緒に探したいっていう感じですね。」ここから私は思いました。1、彼らのパッションに火をつける2、最初の仲間になる3、異分子が世界を変える1、彼らのパッションに火をつける地方創生プロジェクトでも、コンサルティングでも、営業でも、精一杯考えた提案をして、「素晴らしいですね」と喜んでいただいたようでその後、なぜか相手の行動変容が起きない。ということは、たくさん経験してきました。その要因は、もしかしたら、その提案が悪いのではなく、相手のパッションに火をつけられていないからなのかもしれない。そんなことを思わせていただきました。山口さんは、日本で売れるものを先に考えるのではなく、その国の技術や素材、そして彼らの中にある「面白い」を一緒に探す。と言われています。それは、人からどんなに良い提案やアイディアをいただいても、自分たちの心の中に、本当にそれをやりたい、やりたくて今からでもすぐに動き出したい、そんな思い、すなわちパッションを喚起しない限り、難しいということなのだと思いました。それが、まさに、「彼らの中にある面白いを一緒に探す」という意味なのかもなあと思います彼ら自身にも、自分たちが、そんなに面白いと思えるものは、もともと持っていないことも多い気がします。それを共に、探すこと。言葉では簡単ですが、それは一朝一夕にはできない。とてつもなく時間がかかり、一緒に生活をして、一緒に悩みを分かち合って、少しずつ信頼が生まれていく中でしか、生まれないことなのかもしれない。その覚悟があるかどうか、問われている気がしました2、最初の仲間になる以前、この私の番組で「最初の仲間ノベーション」という話をしたことを思い出しました。イノベータというのは、一人で何かを始めても、最初はただの変わった人に見えるだけなのだけれども、そこに最初の仲間が現れて、「それ面白いね、私も一緒にやっていい?」という最初の仲間が現れた瞬間から、変わり者がイノベータになっていくという話でした。山口さんは、もしかしたら、途上国の皆さんの「最初の仲間」になられたのかもしれないなあと思いました。自分たちでさえ、気づいていない「面白いこと」を、最初の仲間としての、山口さんが、それってもしかして「すごく面白いことなんじゃない?」と気づいてくれるそこから、自分たちが気づいていなかった「面白いこと」が、実は、自分たちも、「面白いこと」と思っていたことに気づいていくそこから、自分のパッションに火がつき始める。そんなことが起きているのかもしれないなあと、思いましたでもそれは、「それって、面白いですよ」と言って、立ち去っていくだけでは、仲間とは言えない「面白いので、一緒にやらせてください」と、行動を共にしていくことで、初めて、最初の仲間になれる。そういうことなのかと思いました。3、異分子が世界を変える安宅和人さんの『「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる』のお話を思い出しました。安宅さんは、インタビューの中で、外で学び、経験した人が地域に戻ることで、「外の文化を持つ“界面活性型”の異人として大きな力になります。」と語っています。ずっとその場所にいる人には当たり前すぎて見えないものが、異なる文化や経験を持つ人には見える。しかも、もともとそこに生まれた人なら、地元にパッションを持って、外の文化で学んだことを掛け合わせていくことができる最初の仲間になり得るこのお話は、地方からの人口流出が問題なのではなく、むしろ流出させて、そこから外部のノウハウを携えて戻ってくる人を増やす仕組みづくりの大切さを教えていただいたと私は思っています山口さんは、もちろん、途上国の出身者ではありませんが、最初の仲間になるための覚悟とパッションを持ち合わせておられる方なのだなあと思いましたそういうパッション溢れる異分子の方が、最初の仲間として、途上国や地方や、何かの突破口を探しきれていない場所に、覚悟を持って入っていき入っていった先の方々と一緒になって、パッションの源を探しながら火をつける活動をすることができればきっと世界がもっと善い方向に変わっていく。そんな希望溢れるお話だなあと思いました。しかし、それは、生活を共にして、自らの人生を賭けて、その土地の人たちと、真の仲間になる、そんな覚悟の人だからこそができることなのだと、思いました。一言で言えば面白いを一緒に探すノベーションそんな話をしています。参考:カンブリア宮殿 2026年9月17日放送進化を止めないものづくりの全貌 マザーハウス 代表 山口 絵理子(やまぐち えりこ) https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/smp/backnumber/2026/0917/安宅和人『「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる』英治出版日経BOOKプラス「安宅和人 『風の谷』の作り方 求心力を高め、コスト構造を見直せ」

希望は意味にあるノベーション(1977回)

希望は意味にあるノベーション(1977回)

Sep 25, 2026 13:17

チェコスロヴァキア民主化運動の象徴的存在で、劇作家から後に大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルの言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。ハヴェルは、共産党政権下で作品の上演を禁じられ、人権や自由を求める活動によって投獄されました。そして釈放後の1985年から86年、まだ民主化が実現する前、もちろん自分が大統領になることなど分からない時代に、「希望」についてこう語っています。曰く、「希望とは、何かが成功する可能性があるから取り組むことではなく、それが善いことだから取り組むことのできる力なのです。希望は、楽観主義と同じものではありません。何かがうまくいくという確信ではなく、それがどのような結果になろうとも、そこには意味があるという確信なのです。」私は、この言葉を、希望の再定義なのではないかと思いました。希望とは、うまくいくという見通しではなく、結果がどうであれ、そこに意味があると信じて動ける力なのだ、と。ここから私は思いました。1、希望は結果ではなく意味にある2、意味が人を動かす3、大義が希望の波紋を拡げる1、希望は結果ではなく意味にあるビジネスでは、もちろん結果が求められますが、特にイノベーションプロジェクトにおいては、結果が果たして思い通りになるのか、そうはならないのか、わからない状態で始めることになることが多いと思います。では何をよすがに進み始めることができるのか?ハヴェルは、その答えを教えてくれているような気がしました。ハヴェルは、民主化が実現することや、後に自分が大統領になることが分かっていたから行動していたわけではありません。投獄まで経験し、それでもなお、結果がどうなるかではなく、自分がやっていることには「意味がある」ということを希望として進んでいくことができたのかもしれない、そんなふうに思いました。つまり、希望は「きっとうまくいく」という将来の結果の中にあるのではなく、「これはやる意味がある」という今にある。そんなふうに、ハヴェルは希望そのものを捉え直したのではないかと思います。経営学者ピーター・ドラッカーは、「企業の目的について、唯一の有効な定義がある。それは、顧客を創造することである。」と述べています。企業は利益そのものだけを目的にするのではなく、顧客や社会に価値を生み出すことで存在する。もちろん、事業を継続するためには利益が必要です。が、その前に、「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」という意味が大切ということかと思います。イノベーションプロジェクトにおいても、将来いくら儲かるということはもちろん議論しますが、それはいくら議論しても今の誰にもわからない。だからこそ、まず、自分たちが実現したい価値が今あるのかどうか?顧客を創造できるのか?から始める。そこに、イノベーションを始める意味があり、希望が生まれるのではないかと思いました。2、意味が人を動かすそして、何よりも、その「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」というプロジェクト推進の意味は、その意味に共感してくれる人を動かすことができると思います。ハヴェルは、民主化が実現するかどうか分からない時代から、自分がやっていることには、意味があると信じることで行動し続けた。その姿を見て、その意味に共感する人たちが集まり、やがて希望が生まれ、大きな動きになっていった。イノベーションプロジェクトでも同じなのかもしれないなと思いました。「このプロジェクトは何のために存在するのか」「自分たちは社会にどんな価値を生み出したいのか」自分自身が、その意味を信じて行動する。その行動を見て、誰かの心が動く。そして、その人も行動を始めることで、その意味が、人から人へ伝わっていき、希望として輝き出すのだと思います。3、大義が希望の波紋を拡げる私は、ハヴェルのいう「意味」を、私が考えているイノベーターリップルモデルの「大義」と重ねて考えました。自分がやろうとしてることは、自分だけではなく、社会にとってどんな意味があるのか。その大義に、心動いた自分自身をぶち込んで、まず行動してみるそして行動することでよりパッションが加速する。そのパッションに誰かが共感し、仲間になり、その仲間がまた行動する。一人から始まった大義と希望の小さな波紋が、次の波紋を生み、やがて大きな動きにつながっていく。もちろん、ビジネスでは結果が必要ですが、将来の結果はどんなに考えてもわからないので、それを考えていたら動けなくなることがある。だからこそ、その挑戦を最初に動かすものの、根っこにあるものが「意味」であり、私はそれを「大義」と呼びたいと思います。結果が見えなくても、意味があれば大義が生まれ、希望につながるそして、その希望の波紋が、イノベーションをより大きな動きへ変えていくそんなことを、ハヴェルの言葉から思わせていただきました。希望は、将来の結果や楽観主義ではなく、今ここに、意味があると実感していることそれが挑戦の原動力になる一言で言えば希望は意味にあるノベーションそんな話をしています。参考ヴァーツラフ・ハヴェル『Disturbing the Peace』181–182頁ピーター・F・ドラッカー『マネジメント』ヴァーツラフ・ハヴェル・センター

創造性が危機を乗り越えるノベーション(1976回)

創造性が危機を乗り越えるノベーション(1976回)

Sep 25, 2026 15:07

経済学者アルバート・O・ハーシュマンさんの言葉と事例に、めちゃめちゃ心を動かされました。ハーシュマンさんが取り上げた代表例の一つが、東パキスタン、現在のバングラデシュにあったカルナフリ紙パルプ工場です。周辺に豊富にある竹を原料にする計画でしたが、その竹の供給が危機に陥るという想定外が起きました。そこで人々は、各地から竹を集める新しい供給網をつくり、より早く成長する竹を研究し、さらに竹以外の原料まで探しました。曰く、「創造性は、いつも私たち自身を驚かせる。」「私たちは、自分たちの創造性をあらかじめ当てにすることはできない。実際にそれが現れるまでは、それを信じることもできない。」ここから私は思いました。1、創造性は新規だけではない2、創造性が想定外を乗り越える3、修羅場が創造性を育む1、創造性は新規だけではない創造性というと、進化論でいう「変異」のように、新しいものを生み出すための力、企業でいえばイノベーションに必要な能力だと思われがちです。でも、実はそれだけではないということに、改めて気づかせていただきました。とても大きな役割として思ったのは、突然襲いくる危機を乗り越える力になりうるということです。天変地異や、技術革新、別業界からの横展開、さらには破壊的ベンチャー企業の登場など、未曾有の企業の危機というのは、突然訪れることがあります。それらは、決して想定している範囲内から来るだけではなく、まったくの想定外から来るケースがあって、それが最も恐ろしい脅威になるのかもしれないなと思います。ハーシュマンが取り上げたカルナフリ紙パルプ工場も、思ってもいない事態が突然襲ってきた、ということかと思います。そんなときに必要となるのは、実は、きっちりかっちりやり切る能力よりも、いかに危機を乗り越えるかというパッションと創意工夫、つまり創造性なのではないかと思いました。2、創造性が想定外を乗り越えるカルナフリ紙パルプ工場で、周辺に豊富にある竹の供給が危機に陥るという想定外が起きたときに、発揮された能力がまさに創造性だと思います。各地から竹を集める新しい供給網をつくり、より早く成長する竹を研究し、さらに竹以外の原料まで探したといいます。ある意味、使える手段を総動員して、とにかくこの想定外を乗り越えようとする。その力は、ハーシュマンさんが言われている、「創造性は、いつも私たち自身を驚かせる。」という言葉の通り、自分たちでさえも、そんなことができるとは誰も思っていなかったことを成し遂げることがある、というエビデンスの一つになると思います。だからといって、「私たちは、自分たちの創造性をあらかじめ当てにすることはできない。実際にそれが現れるまでは、それを信じることもできない。」と言われているように、そのときが来ないと、創造性で乗り切ることができるのかどうかも分からない。これは、まさにイノベーションプロジェクトと同じだと思います。真っ暗な闇の中を、一筋の光があると信じて進む。ある意味、それがイノベーションだと思います。これは、想定外を乗り切ることと、ほとんど同じことなのかもしれないと思いました。つまり、創造性を育む取り組みは、新規ビジネス部隊だけでなく、通常業務をやっている人たちにも、培っておく必要があることなのだなあと、改めて思いました。3、修羅場が創造性を育む新規ビジネスを立ち上げる中で、創造性を育むことができるし、スキルやマインドセットを磨くこともできると思います。そういう意味では、イノベーションプロジェクトに携わることで、既存の業務の想定外にも対応できる創造性を培うことはできると思います。もう一つあると思うのは、修羅場を経験することも、そうなのかもしれないと思いました。ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビールさんらの研究では、創造性が必要な仕事に取り組む人たちの9,000件以上の日誌を分析しました。その結果、強い時間的プレッシャーは通常は創造性を下げるのですが、例外として、「なぜ今これを解決しなければならないのか」が明確で、意味のある緊急性に集中できているときには、強いプレッシャーの中でも創造性が発揮されることがある。彼女たちは、この状態を「on a mission=使命の中にいる」と表現しています。象徴的なのが、Apollo 13です。宇宙船で重大なトラブルが起きたとき、NASAのチームは、限られた時間と限られた材料だけで、空気濾過システムの応急策を生み出しました。まさに、生死がかかったピンチの中で、創造性が生存のための力になった事例だと思います。つまり、想定外が起きまくっているときに、どれだけ創造性を発揮して、その難局をクリアしていくことができるか。それは、創造性を育む上では、イノベーションプロジェクトを推進していくのと同様の効果があるのかもしれないなあと思いました。まとめると、ハーバード大学の広中先生が、創造性は誰もが持っている、と言われていましたが、それを鍛えていく、育んでいく活動というのは、イノベーションや新規ビジネスをする人たちだけがやればいいということではなく、既存の柱ビジネスをやっている人たちにも、想定外の事態を乗り越えるためには、培っておかなければならないことである。そして、それを培うためには、イノベーションスキル・マインドセットを学ぶということも必要であり、意味のある緊急性と集中がある修羅場では、創造性が引き出される。そんな体験をさせる。そんなふうに思いました。ということで一言で言えば、創造性が危機を乗り越えるノベーションそんな話をしています。参考アルバート・O・ハーシュマン『開発プロジェクトの観察』ブルッキングス研究所出版、1967年テレサ・M・アマビール/コンスタンス・N・ハドリー/スティーブン・J・クレイマー「プレッシャー下の創造性」『ハーバード・ビジネス・レビュー』、2002年M・J・キング「アポロ13号の創造性――制約の中から生まれるイノベーション」『創造的行動ジャーナル』、1997年

相手がスッキリするまでやるノベーション(1975回)

相手がスッキリするまでやるノベーション(1975回)

Sep 24, 2026 14:47

任天堂の元社長、岩田聡さんの社員とのコミュニケーション方法に、めちゃめちゃ心を動かされました。曰く、「やっぱりみんな納得して働きたいんですよね。ただ、会社がいろんなことを決めたときに、ふつうの社員の人たちはほとんどのケースで、なぜそう決まったのかがわからないんです。単純に、情報がないですから。」「それで、自分はどうしてこういうことを言ったのかとか、なにがあってこういうことを決めたのかということを、もちろんなにもかもしゃべれるとは限りませんが、その背景をできるだけ説明していくんです。」「それは、けっきょくは『こういう材料がそろっていたら、君ならどう考える?』ということを訊いているのと同じことなんです。それで、相手が『ぼくでもそうしますね』ということになったら、安心じゃないですか。同じ価値観が共有できていることがわかると、お互いすごくしあわせになるんですよ。」「わたしが面談でどのくらい時間をかけているかというのは、つまり『相手がすっきりしたらやめている』ということなんです。その意味では、『できるまでやる』。それも決めたんです。」ここから私は思いました。1、背景を伝える2、判断を委ねる3、時間ではなくスッキリを終了条件にする1、背景を伝える社内コミュニケーションには、1on1ミーティングの必要性や、傾聴がとにかく大切というお話を聞きます。もちろん、とても大切だと思いますが、その中で、自らの意図と背景を伝えるという話は、めちゃくちゃ刺さりました。特に、上司と部下のような、明らかに力関係が違う場合、とにかく何でもいいから聞くから、と言われてもねぇという気持ちは痛いほどわかります。その時に、まずは上司から、オープンマインドで、自分が言ってる背景や意図を、忌憚なく伝えることから始めるのは、めちゃくちゃいいなあと思いました。大体、言葉尻だけが一人歩きすることはよくあることなので、それを1on1で伝えることこそ、大切な意義になると思います。2、判断を委ねるその上で、自分ならどう判断する?ということを聞くという、ある意味、自分としての判断をきちんと聞くということが、さらに大切な気がしました。いかに背景や意図を聞いても、なのでよろしく、と言われてしまったら、結局、言われた通りになるしかないのね?という気持ちになってしまうよなあと思います。情報格差がない中で、初めて対等にコミュニケーションができる状態になってから、傾聴を始めるということなのかなと思いました。これは、「手続き的公正(Procedural Justice)」という研究にも通じるところがあるように思います。ロバート・マッカウンは、手続き的公正に関する長年の研究について、「人は、結果が不利な場合でさえ、その結果に至るプロセスを非常に重視する」という趣旨を述べています。さらに、その中でも特に重要なのが、Voice、つまり自分の考えを伝える機会があることだとされています。(Annual Reviews⁠)つまり、結論だけではなく、どう決めたのかというプロセスと、自分自身がそこに意見を言えることが大切だということなのかなと思いました。その上で、もし、自分と同じ判断をするのか?それとも、全く違う判断をするのか、違う判断をするのなら、それがなぜなのか?ということが、本音で話し合えるということなのかなあと思います。情報格差を極力少なくした上で、対等にコミュニケーションをすることができるか、それがある意味、権力を持っている方の、とても大切なコミュニケーションのやり方かもしれない、と思いました。3、時間ではなくスッキリを終了条件にする岩田さんの凄さは、1on1を、時間では終わらせずに、お互いがスッキリしたかどうかを、終了条件にするということです。会社のマネジメントの中でも、もっとも重要な時間という資源を、その人のためにどれだけ割けるのか?ということは、相手にも、上司が本気で自分に向き合ってくれてるというメッセージになると思います。そして本当に徹底的にお互いの理解を深めることができる。これは、今でいう、タイパ、コスパとは、全くの発想だなあと思います。ゴールは何なのか?ということで考えると、1on1を毎月やってます、がゴールではなく、一人一人に行動変容が起きたかどうか、をみるべきということかと思いました。イノベーションでも、コンサルティングでも、ゴールは、行動変容を起こすことができるか、ということだとすれば、社内のコミュニケーションにおいても、ゴールはそこにあるということかと思いました。身内や社員にはついつい、わかってくれてると思いがちな、コミュニケーションかもしれないなと。近いからこそ、仲間だからこそ、時間ではなく、スッキリにこだわる、それが大切なのかもしれないなあと思いました。ということで、一言で言えば相手がスッキリするまでやるノベーションそんな話をしています。参考『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』2019年8月7日 電子版発行 version 1.0.0ほぼ日刊イトイ新聞・編監修 糸井重里Robert J. MacCoun“Voice, Control, and Belonging: The Double-Edged Sword of Procedural Fairness”Annual Review of Law and Social Science, 2005

歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)

歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)

歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人と圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオです。 歴史というレンズを通して「人間とは何か」「私たち現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」を痛快に読み解いていく!? 笑いあり、涙ありの新感覚・歴史キュレーションプログラム! ☆Apple & Spotify Podcast 部門別ランキング1位獲得! ☆ジャパンポッドキャストアワード2019 大賞&Spotify賞 ダブル受賞! ※正式名称は「古典ラジオ」ではなく「コテンラジオ」です ーーー COTEN RADIO is an entertainment radio talk program for history , published by the crazy history geeks group "COTEN" in Japan. ☆Apple & Spotify Podcast in Japan category ranking No.1 ! ☆Japan Podcast Awards 2019 Grand prize and Spotify prize !

桃山商事

桃山商事

コミュニケーション、男性性、恋愛、人間関係、ジェンダー、ケア、孤独、性欲、会社、友情、老い……メンバーがその時々で気になったテーマを1つ設定して、モヤモヤを言語化していくNEOな座談Podcastです。2011〜2016年「二軍ラジオ」(ApplePodcast)、2017〜2024年「恋愛よももやまばなし」(ニコ生→Podcast)を配信していました。清田隆之(文筆業)、森田(会社員)、ワッコ(会社員)、さとう(会社員)の4人でお届けします。

jkondoの朝の散歩

jkondoの朝の散歩

ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」や、GPSトラッキングサービス「IBUKI」、物件メディア「物件ファン」、京都の宿とコワーキング施設「UNKNOWN KYOTO」を運営する近藤淳也(jkondo)が、朝の散歩をしたりしながら、日々の出来事や考えたことを語ります。

近藤淳也のアンノウンラジオ

近藤淳也のアンノウンラジオ

株式会社はてな創業者であり現在もITの第一線で働く近藤淳也が、京都の宿UNKNOWN KYOTOにやって来る「好きなことを仕事にしている人」を深堀りすることで、世の中の多様な仕事やキャリア、生き方・働き方を「リアルな実例」として紐解いていきます。 . 【ホスト:近藤淳也】 株式会社OND代表取締役社長、株式会社はてな取締役、UNKNOWN KYOTO支配人、NPO法人滋賀一周トレイル代表理事、トレイルランナー。 2001年に「はてなブログ」「はてなブックマーク」などを運営する株式会社はてなを創業、2011年にマザーズにて上場。その後2017年に株式会社ONDを設立し、現在もITの第一線で働く。 株式会社OND: https://ond-inc.com/ . 【UNKNOWN KYOTO】 築100年を超える元遊郭建築を改装し、仕事もできて暮らせる宿に。コワーキングやオフィスを併設することで、宿泊として来られる方と京都を拠点に働く方が交わる場所になっています。 1泊の観光目的の利用だけではなく、中長期滞在される方にも好評いただいています。 web: https://unknown.kyoto/ . こちらから本文を読んだりコメントが書けます! https://listen.style/p/unknownradio

私より先に丁寧に暮らすな

私より先に丁寧に暮らすな

東京の歌人・上坂あゆ美と、京都の僧侶・鵜飼ヨシキによる雑談配信。人生の呪いからファミレスの好きなメニューの話まで幅広くお届け。 【初めての方におすすめ回】 #30 お菓子が人間だったら誰と付き合いたいか真剣に考える https://open.spotify.com/episode/751EzuNXjpgP2i53P7OtX7?si=XxN2eddURsas_JWE6KFu-A #163 恋愛ってマーージでクソだと思っている人の話 https://open.spotify.com/episode/1WgeglhRT5GQfqzkBO2bNF?si=1l0b2OBlTJq 📩おたより宛先 https://forms.gle/E6oFMLDcrJhUH2g57 番組公式SNS https://x.com/yori_suna (インスタもある) 🚗🚥番組公式コミュニティ  https://rooom.listen.style/p/ 📨その他、番組へのお問い合わせはコチラまで yorisuna24@gmail.com

IBUKI STATION

IBUKI STATION

ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター 中川和美 OND所属。IBUKI担当。トレイルランナー