イノベーションで世界をよりよく変えていこう、という闘う人々を応援するチャネルです。スタートアップや大企業、音楽家やアーティストなど、様々なイノベーターのビジョン、考え方、パッションを是非是非、全身で感じてください!
https://podcasters.spotify.com/pod/show/u6b8bu9593-u5149u592au90ce番組の魅力・推薦
このポッドキャストは未認証のため、最新エピソードのみ表示されます。
ストップ・メイキング・センス・ノベーション(2000回)
デヴィッド・バーンさんが率いたトーキング・ヘッズのライブ映画『Stop Making Sense』からのメッセージに、AI時代における創造性の本質を考えさせられました。バーンさんは、この映画について、こんな話をしています。曰く、「人づきあいがあまり得意ではなく、とても不安で緊張している男がいます。しかし、音楽とダンスを通じて、少しずつ仲間を見つけ、自分を解放する方法を見つけていくのです。そして、だんだん自然体でいられるようになり、喜びを見つけるのです。」「これは自分自身へのアドバイスです」「私は物事をきちんと整理して、論理的に筋が通るようにしようとする傾向があります。でも、実際には、それは私の創作のやり方ではありません。これまで自分がつくってきたものの多くは、理屈が通るからではなく、直感や感情から生まれてきたものなのです」「文字どおりの意味では筋が通らなくても、感情としては意味が通るのです」ここから私は思いました。1、感情が論理(AI)を超える2、感情がパッションと創造性の源3、感情を育てることがますます重要に1、感情が論理(AI)を超える昨日のセンスノベーションの話をした後に、大好きなデビット・バーンさんのこの映画のことを思い出していました昨日のセンスノベーションでは、「間」に代表されるような人と人の関係性については、AIのスキルという武器は、人には敵わない、だからこそ、三現主義で磨いていくべきという話をしました今日は、もう一つ、AIでは完璧には難しいことととして、人の感情という面があると思いました。バーンさんのインタビューで、改めてこの映画は、論理やスキルを超えたところ、つまり、直感や感情から、創造性が発露されていることをメッセージとしているというお話しされているのを確認して私の心を揺さぶったのはその部分なのだろうなあと思いました。私自身も、小さい頃はとても人見知りで、自分から「仲間に入れて」ということができなかったことをよく覚えていますそれが、音楽をやることで、バンドの仲間ができて、みんなで一緒に苦労してコンテストに出したりして、曲を作ったり録音したりライブしたりすることが、自分自身の心の成長に、本当に役に立ったし、孤独な魂を癒してくれたと感じていますタイパ・コスパは、AIにお任せする時代が来るとしても、自分自身の感情をいかに育てていくのかは、AIに任せて済むものではなく、人が担う重要な要素にますますなるのではないかと思いました2、感情がパッションと創造性の源情熱のポートフォリオを考えてみると、縦軸にポジティブ・ネガティブ、そして、横軸に、オープン・クローズという軸をとっていることからも分かるように極めて感情面と密接に繋がっているなあと、改めて思いました。そこからでてくる四象限は、大好きなこと、利他したいこと、個性を出したいこと、成長・脱出したいこと、という、人の感情が大きく関わってくる内容だとわかります一昨日は、大好きなことは、絶対にAIに渡してはいけない、という話をしましたが、それは、自分の感情までも、感じられなくなるから、とも言えるかもしれません創造性の源である、パッションが感情と大きく結びついているのだとすると、創造性を人がキープするためにも、感情という資産を大切にしてストップ・メイキング・センス(つまり何でも論理的に筋を通そうとすることをやめろ)ということに、つながるなあと思いました。3、感情を育てることがますます重要にだとすると、AI時代には、感情を育てるということが、人にとっては、改めてとても重要なことになるという時代になるということかもしれないなあと思いましたいわゆる、情操教育としての、音楽を奏でることや、ダンスを踊ることや、アート作品を造ることやさらには、部活動のように、1人だけはなく、仲間と共に、一つの目標へ向かって、一緒に励み、喜び、時には泣きあう、そんなことがAIを使いこなすことも必要でありますが、より重要な人としての高めるべき要素になるのではないかと思いましたもちろん、論理的な思考も鍛える必要がありますが、あまりにもスキル寄りになることは、逆にAIに代替されることでもあるので人としてより大切にすべきことを意識していくことがとても重要と思いましたストップ・メイキング・センスがパッション、引いては、創造性、そしてイノベーションを高めていくことになるAIがますます賢くなる時代だからこそ、私たちは、もっと感じ、もっと感動し、もっと仲間と喜びを分かち合うことが必要なのではないでしょうか。その経験からパッションが生まれ、創造性が育ち、イノベーションにつながっていく。そして、それこそがAI時代に人間が大切にすべきコアコンピタンスなのだと思いました。そんなことを思いましたということで一言でいえばストップ・メイキング・センスノベーションそんな話をしています参考映画『ストップ・メイキング・センス』(1984年、監督:ジョナサン・デミ、出演:デヴィッド・バーン/トーキング・ヘッズ)米国紙『ロサンゼルス・タイムズ』、2023年9月20日掲載、トーキング・ヘッズへのインタビュー記事https://www.latimes.com/entertainment-arts/music/story/2023-09-20/talking-heads-stop-making-sense-rereleaseリサ・ロビンソンによるデヴィッド・バーンへのインタビュー(1984年、映画タイトルの意味について)https://hibarr.beehiiv.com/p/david-byrne-84米国公共ラジオNPR『フレッシュ・エア』、2023年11月1日、デヴィッド・バーンへのインタビューhttps://www.wbur.org/npr/1209679558/david-byrne-talking-heads-stop-making-sense
好きを捨てないノベーション(1999回)
AIを使うか使わないかの基準について、楠木建さんから、目から鱗が落ちるお話を頂きました曰く"人間と知的奴隷としてのAIの役割分担をどう考えるか。僕の基準はいたってシンプルです。「自分が嫌でやりたくないと思うことはAIにやらせる。自分が好きで自然とやりたいと思うことはAIに任せない」組織でまとまって動くときは別にして、個人の知的生産であれば、これがいちばんアウトプットの質を上げるというのが僕の今のところの結論です。ポイントは、何が嫌で何が好きかは極めて主観的なものだということです。「こういう仕事はAIに、こういう仕事は人間に」と客観的に一般化できるものではない。あくまで「つまらないからやりたくない」「面白いからやりたい」というその人の自然な感情が基準であるべきだと考えています。”ここから私は思いました1、タイパ、コスパ以外の選定2、好きを知る必要がある3、意味を考える意義1、タイパ、コスパ以外の選定このお話は、楠木建さんの講演などでも、何度か聞いたことがあったのですが、私にとっては一番インパクトのあるお話だと思います基本的には、AIは、タイパ・コスパに代表される、効率的にできるところは、すべてAIに任せることによって人間は、もっと、付加価値の高いことをやっていけるようになろう、というのが、一般的な風潮かと思いますそこに、ある意味、本当にそれでいいのか?という、本質的な論点を投げかけているお話だなあと思いました私で考えてみると、例えば、このyoutubeで自分で話すのが、とても楽しいのに、残間AIでもういいじゃんまたは、アカペラの録音で、本人よりよっぽどハモるんだから、残間AIに歌わせちゃえばいいじゃん、的なことがまずは該当する気がしますいや確かに、そこはAIから比べると不完全だけれども、それ取られちゃったら、生きがいなくなりかねないよということは、世の中にめちゃくちゃある気がしますそれは、失われる可能性のある職種とかいう以前に、人間の根源的な、生きがいを取られちゃいかんだろうということに、めちゃくちゃ腑に落ちる話だと思いました2、好きを知る必要があるそこで、より大切になってくるのは、自分の何をとられちゃったら、自分は腑抜けになるのか、ということを、わかっているか、ということだと思いますこれは、私がいつもお話ししている、自分のパッションの源を、定期的に棚卸して、今現在の自分自身のパッションを理解しておくことが、とても重要ということかと思いますそれをやっておかないと、知らず知らずのうちに、AIで便利じゃんこれ、とかいうことから、どんどん侵食されていき、自分自身の人生さえも、仕事のようにやらなきゃいけないジョブをこなすだけの、自分自身が好きなことがなんだっけ?ということになりかねないような、そんな恐ろしさを感じました皆さんは、これだけは、AIがどんなに便利になったとしても、絶対に面倒くさくても、やりたいこと、ってすぐに言えますかね?言えない場合は、情熱のポートフォリオを今一度紐解いて、大好きなこと、利他したいこと、個性出したいこと、成長・脱出したいこと、などを整理してみてもいいかもしれないなあと思いました3、意味を考える意義ここまでの話はあくまでも個人の知的生産に関するお話となるかと思うのですが、この話は、実はもっと組織的な話にも展開するのではないかとも思いましたつまり、この組織において、AIに任せてしまうことを決める際に、本当にタイパ・コスパで見てしまっていいのか?という問いが湧いてきましたつまり、個人では、好きを捨てない、ということがとても大切だということですが、組織においては、ある意味、その能力をAIで外部化することが本当にいいことなのか?という議論が必要な気がしてきました企業の中で、効率化を考えるあまり、ノウハウの外出しをしすぎてしまって、ドーナツ化現象というのが、一時期、よく言われていたことを思い出しましたAIネイティブで全てを自動化してしまうということは、もうその部分のノウハウを持つ必要がなくなることにつながりかねないリスクもあると思いました当初は、AIがなかった時代の人たちによって、その検証ができますが、時代が進むと、誰も、自動化の結果を評価できる人がいなくなってしまうということも、ありうるのではないかと思いました例えば、ノルウェーでは、2026年6月に、小学校1年生から7年生までは、原則として生成AIを使わせないという政府方針が発表されました。その理由の一つは、AIを使うことで、子どもたちが自分で読み、書き、考えるという、学習に必要な過程を飛ばしてしまう危険性があるからだそうです。AIを使えるようになることも大切ですが、AIに任せる前に、自分自身が身につけておかなければならない能力もあるということなのだと思います。教育という面でも、もちろん、AIを使いこなせるようになる必要はあると思いますが、自らがその検証をできるようなノウハウまで、身につけることができなくなるリスクもあるのかもしれないなあと思いましたそういう意味で、今回の、好きを捨ててはいけない、というお話は、個人のお話から組織においては、組織の好きという意味での、組織におけるそのノウハウの意味合いを、外部化していいのかどうかという判断が、とても重要と思いましたということで、一言で言えば好きを捨てないノベーションそんな話をしています参考:本:知的生産のセンス 2026年8月25日 1版著者 楠木建、山口周 株式会社日経BP 日本経済新聞出版
センスノベーション(1998回)
楠木建さんが紹介してくれた、ビートたけしさんの言葉に、センスとスキルの違いについて、とても考えさせられました曰く"「バカ」と「間抜け」は似て非なるものだというのがビートたけしさんの論点です。「バカ」にはつける薬がない。どんな状況であろうとバカはバカ。ところが「間抜け」は違う。一定の認知能力はあるかもしれないが、「間」が悪い。間を外してしまうのが間抜け。つまり、バカは状況や文脈から独立した「オールウェイズ・バカ」であるのに対し、間抜けは文脈依存的であるというのが彼の主張です。この二つの区別がなぜ重要かというと、「バカ」とはスキルの欠如、「間抜け」とはセンスの欠如だと理解できるからです。""どうすれば間を外さずに済むのか、ビートたけしさんは「客の前に出ていかないヤツは絶対にダメだ」と言います。いくら一人で練習していてもダメ。あらゆる芸事は人前でやらなければ身につかない。たった三人でもいい。客の前に出て芸をやることが大切だというのです。"ここから私は思いました1、センスは人間らしさ2、センスは磨ける3、センスのイノベーション1、センスは人間らしさ私は、自己紹介の時に、先祖代々の言い方として、「残酷の残に、間抜けの間の残間です」とよくいうのですが、「バカ」と「間抜け」にこんな違いがあるのかということが、まずは目から鱗がおちる思いでしたなんとなく、バカは直接的で、間抜けの方が少し可愛げがあるかな、くらいしか思っていなかったのですが、スキルとセンスの違いと言われると、とても腹落ちする気がしましたそう考えると、センスというのは、人間らしさ、とも言えるのかもしれないと思いました例えば、これからAIで漫才をやらせる時代が来たとしても、お互いの呼吸や、会場のお客様のあたたまり具合を見ながら、ツッコミのタイミングを変えたりというのは、学習しきれないのではないかと過去のギャグやツッコミの種類というスキルは、人間以上に発達させていくことができても、その場にいるお客様に、合わせて大爆笑をとれるのは、人間しかいないのかもしれない間というのは、人間というように、人と人の間にあるものなので、アドラーが人の悩みは人間関係に帰結すると言われているように、例えば漫才のようにこの関係性をその場で構築していくことは、AIが進化しても、人間が磨く価値になるのかもしれないと思いました2、センスは磨ける今回のお話からの、もう一つの学びは、センスは磨くことができるというお話で、とても勇気をいただくことができましたそしてそれは、畑村洋太郎さんの言われている、三現主義のように、現場、現人、現物に触れる等いうことなのだなあと思いましたAIは、今の所、体がないので、現場、現人、現物触れることができないということを考えると、これも極めて、人間がAIにはできないこととして、意識して育てていかなければならないことかもしれないと思いましたイノベーションの世界でも、それらしいアイデイアや、提案資料は、AIから容易に出してくることができるようになっていますがせいぜい、最初の叩き台としてはあるかもしれませんが、お客様との関係性の中で、本当に行動変容を起こせるものというところには、辿り着けないのも、センスと三現主義が必要だから、というように改めて思いました3、センスのイノベーションそう考えると、これからは、より、人と人の間にある、間を、いかにうまく構築していくか、または、間抜けに陥らないように、間をいかにブラッシュアップしていけるかということが、人にとっての大きなイノベーションの種になるのでは、と思いましたスキル面では、AIが圧倒的なスピードで、しかもあらゆる種類のスキルを凌駕していく中で、人がそれを使いこなしながら、新しい価値を、人と人の間に作っていくかは、このセンスにかかっているそんなセンスを高めるための、または適切に発動させるための、イノベーションが人に求められていくのではないかと思いますそれはもしかしたら、人と人の間だけに限らず、組織と組織、国と国、さらには、人と自然というような間の関係性を、どう間抜けにしないかという、センスまで問われる気がしますスキルはAIに任せて、人間は、あらゆるセンスを徹底的に磨いていく一言で言うとセンスノベーションがとても大切になっていくのではないかと感じさせていただきましたそんな話をしています参考:本:知的生産のセンス 2026年8月25日 1版著者 楠木建、山口周 株式会社日経BP 日本経済新聞出版参考:本:ビートたけし『間抜けの構造』新潮新書、2012年
自分の屋号を持つノベーション(1997回)
楠木建さんと山口周さんの対談で、AIとどう付き合うべきかについて、とても考えさせられました山口周さん曰く"だから、これからは「顧客に直接向き合って責任を引き受けること」、端的に言えば「自分の屋号を持つ」ことが大事だと思います。なぜなら「仕事をしている人」は、作業をAIに任せることでより優位なポジションに移行できるのに対して、「作業をしている人」は、作業をAIに奪われることで劣位なポジションに移行してしまうからです。"ここから私は思いました1、価値を決めるのはお客様2、自分自身の納得感とパッション3、お客様と対峙する立場になる1、価値を決めるのはお客様最近、いろんなプレゼン資料が、なんだかおんなじように見えるなあ、と思い始めています。自分もAIに頼んでプレゼン資料を作ってもらったのと、驚くほどにテイストのプレゼン資料があって、おそらく、AIに頼んで作っているのだろうなあと思ったりして。プレゼンの見てくれの話だけではなく、なんとなくそれらしい感じではあるのですが、いっていることが、今一つ、凡庸な話だったりもしている気がしますこれは、山口さんが言われているところの、いわゆる作業内容を、そのままお客様に出しちゃっているような気がします効率的に資料を作るのはいいのですが、それが最終的にお客様に刺さるかどうかを、お客様の顔を想像して、喜んでもらえるのかどうか、そこに真摯に真剣に向き合った時に、出てくるアウトプットは自ずと変わってくると思います2、自分自身の納得感とパッションそこには、まず、自分自身の中での納得感があるような気がします。それは、かけた時間ではなく、お客様からお話の内容はもちろんのこと、受けた印象や感覚、本当の痛みのありかなど自分自身が、それを突き止めた、と言う納得感がないままでは、いくら綺麗に整理された資料でも、全く刺さらないと言うことになると思いますもっと有り体にいってしまえば、自分として、めちゃくちゃ面白い提案になっていると、思っているかどうか、そこにかかっているような気がしますそれはある意味、自らのパッションの源のどこかの琴線に触れている内容になっている、と言うことかと思いますそれまでは、AIがどんなに素敵なストーリーと資料を作ってきたからといっても、絶対に諦めずに、うんうん唸り続けるそのパッションが、お客様の心を動かすことにもつながるような気がしました3、お客様と対峙する立場になる”「顧客に直接向き合って責任を引き受けること」、端的に言えば「自分の屋号を持つ」ことが大事だ”のフレーズには痺れました会社員の時は、自分が経営者になった気持ちで、提案をしなきゃだめだ、とよく先輩によく言われましたが、そんな気持ちにはなかなかなれねえなあと思っていましたなったつもりと、なる、と言うことでは、やはり大きな違いがある気がします。つまり、誰もが、お客様に直接向き合って責任を引き受ける、と言う経験をしない限り、結局は「仕事」人ではなく、「作業」人になってしまう、危険性もあるのではないかと思いますそう言う意味では、誰もが、直接お客様と対峙して、自分が提供する価値を提供し、その責任と対峙する立場になることをやることがとても大事だと思いました大企業では、それはどうしても難しいので、副業でも、起業でも、もしかしたら趣味でもいいと思います。自分自身が創り出したなんらかの価値を、お客様に直接、責任を持って対峙する、そういうことを、人生の中では実施することが大事な気がしましたそれがひいては、全世界一世帯あたり一法人化と言う、私の目指す世界観にも繋がっていくことにもなるなあと思います誰もが直接お客様と対峙して、責任とプレッシャーの中で、作業ではなく、仕事をすることこそ、私は、人生の生き甲斐にもつながるのではないかとも思いましたということで、人生で一度は経験したことがいいこととして自分の屋号を持つノベーションそんな話をしています参考:本:知的生産のセンス 2026年8月25日 1版著者 楠木建、山口周 株式会社日経BP 日本経済新聞出版
あえて教えないノベーション(1996回)
宇宙探査機「はやぶさ2」を支える特殊なねじを製造した町工場、キットセイコーの社長 田邉弘栄(こうえい)さんの言葉に、現場の重要性と人を育てることの本質について、深く考えさせられました。曰く、「職人として一人前になるには、会社で多くの経験を積んでもらう必要があり、普通は10年、20年と掛かります。そこで、できる限り無駄なく、ベテランの技量を若手に承継するために考え出したのが、「マイスター制度」でした。定年を迎えた職人が退職すれば、その人の数十年分の蓄積が失われます。また、嘱託に待遇を落とせば本人のやる気はもちろん、教わる若手に尊敬の念が生まれません。それがどうしても嫌だった私は、主に当社で定年した職人を、すべて本人の希望通りの時間で働く〝マイスター〟(名人)として迎えたのです。定年後も安心して働ける会社にし、現役の職人に長くいてもらう目的もありました。」「あえてマイスターが出社しない日を設け、若手の自立を促した結果、活発に教えを請い、また教えてあげるという長期的な承継の形ができました」「これを踏まえ、当社は他社のような機械化はあえてせず、工程の約3分の2を職人の手が通るようにしています。このため微妙な加工が要る、他社の嫌がる仕事を受注でき、職人技、人が活きてくるのです。」ここから私は思いました。1.現場の人の価値2.失われゆく価値の高騰3.あえて教えない1.現場の人の価値宇宙探査機「はやぶさ2」というと、最先端の科学技術の結晶というイメージがありますが、その宇宙探査機を支えているものの一つが、町工場の職人たちの技術だということに、私は改めて感動しました。それを育ててきたのが、工程の3分の2をあえて職人の手が通るようにしているという選択をしてきた結果なのかということにも、衝撃を受けました。AIの出現により、事務処理のホワイトカラーはどんどん代替されていく代わりに、より現場の人でしかできないことが重要になってくると言われていますキットセイコーのような、あえて現場の人がいるからこそ、出せる付加価値というのは、より希少性を持って迎えられる時代が来たのかもしれないと思いました。畑村洋太郎さんが言われた、現地、現人、現物の三現主義は、より重要性を持ち、そこに価値を見出して他にはない新しい価値を創出できる企業が競争優位性を持っていける時代に突入しているような気がしました。2.失われゆく価値の高騰だとすると、職人の技能継承問題は、もしかすると、古くて新しい課題として、さらに光を当てられる分野なのかもしれないとも思いましたそもそも人生100年時代で、年齢で処遇を変えていくのは、いかにも年功序列型の名残のような気がしていますがより現場での唯一無二の価値を創れるような人材こそ、長く生き生きと働いてもらえる環境づくりはますます重要になってくると思います。その中での、「マイスター制度」などは非常に良い事例なのではないかと思いました。最近では、アメリカで「ブルーカラービリオネア」という言葉まで登場しているそうです。2026年9月には、坂口孝則さんが『ブルーカラービリオネア エリートより稼ぐ「奴ら」の正体』という本を出版されています。AIの進展によって、データセンターの建設や設備の維持に必要な熟練技能者の需要が高まり、現場の人材が高い報酬を得るようになっているというのです。もしかすると、これまでは定年されていたような人たちが、市場価値がとても上がり、むしろ取り合いになるような、そんな時代が来ているような気がしました。3.あえて教えないそして、そんな職人を大切にして企業だからこそ、その職人の技能継承の方法についても、一日の長としてのノウハウがあるのかもしれないと思いました。マイスターに来てもらったとしても、ずっと教え続けていると、実は現場の人は育たないということに、目から鱗がおちる思いでした来て教えてくれる人、来ないで自分でやらなければならない日を強制的に仕組みとして入れるということは、自律性を高めるという意味では、本当に効果があるのだなあと気づかせていただきました私も企業向けの研修をやらせていただくことがあるのですが、満足度調査というのがあって、それに高い点数を取ろうとすると、手取り足取り教えることがベストになりがちと思うのですが本当に自分のものにしてもらうためには、あえて、何にも教えてくれないじゃん、というところから始めて、自分で悩んで悩んで答えを出した時に、初めて自分のモノになるということを思いますその時の満足度調査は、実は低くなって、次の依頼が来なくなったりするのですが、本当に必要なのは、手取り足取りではなく、あえて教えないところから、ギリギリで手を差し伸べるそこに技能継承においても、何かを教えるについても、秘伝のタレがあるのではないか、と思わせていただきました今回のお話は、日本における熟練技能者の存在が、きっとこれからの日本を救う存在になるのではないか、という気づきとその技術を伝承するのは、自律性を重んじた教え過ぎないというやり方が必要となるということ学ばせていただきましたと言うことで一言で言うとあえて教えないノベーションそんな話をしています参考致知出版社 WEB chichi「この『宇宙ねじ』に支えられ、はやぶさ2は今日も進む」2021年4月12日公開 https://www.chichi.co.jp/web/20210412_kitseiko_tanabe_kouei/坂口孝則『ブルーカラービリオネア エリートより稼ぐ「奴ら」の正体』幻冬舎、2026年9月28日発売 https://www.gentosha.jp/article/29725/
こちらもおすすめ
桃山商事
コミュニケーション、男性性、恋愛、人間関係、ジェンダー、ケア、孤独、性欲、会社、友情、老い……メンバーがその時々で気になったテーマを1つ設定して、モヤモヤを言語化していくNEOな座談Podcastです。2011〜2016年「二軍ラジオ」(ApplePodcast)、2017〜2024年「恋愛よももやまばなし」(ニコ生→Podcast)を配信していました。清田隆之(文筆業)、森田(会社員)、ワッコ(会社員)、さとう(会社員)の4人でお届けします。
LISTEN NEWS
LISTENは、AI文字起こしとコミュニティで、ポッドキャストを「聴く・配信する・つながる」ためのプラットフォームです。 公式番組「LISTEN NEWS」では、開発の裏話や近況も交えつつ、最新情報をお届けします。 LISTENはこちら→ https://listen.style/
近藤淳也のアンノウンラジオ
株式会社はてな創業者であり現在もITの第一線で働く近藤淳也が、京都の宿UNKNOWN KYOTOにやって来る「好きなことを仕事にしている人」を深堀りすることで、世の中の多様な仕事やキャリア、生き方・働き方を「リアルな実例」として紐解いていきます。 . 【ホスト:近藤淳也】 株式会社OND代表取締役社長、株式会社はてな取締役、UNKNOWN KYOTO支配人、NPO法人滋賀一周トレイル代表理事、トレイルランナー。 2001年に「はてなブログ」「はてなブックマーク」などを運営する株式会社はてなを創業、2011年にマザーズにて上場。その後2017年に株式会社ONDを設立し、現在もITの第一線で働く。 株式会社OND: https://ond-inc.com/ . 【UNKNOWN KYOTO】 築100年を超える元遊郭建築を改装し、仕事もできて暮らせる宿に。コワーキングやオフィスを併設することで、宿泊として来られる方と京都を拠点に働く方が交わる場所になっています。 1泊の観光目的の利用だけではなく、中長期滞在される方にも好評いただいています。 web: https://unknown.kyoto/ . こちらから本文を読んだりコメントが書けます! https://listen.style/p/unknownradio
IBUKI STATION
ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター 中川和美 OND所属。IBUKI担当。トレイルランナー
ゲイで茶を沸かす
この番組は、お茶の間の皆さまへMCシュンと週替わりで登場する3人のゲイ“茶ガマ”が、身の上話や妄想話をわ茶わ茶と繰り広げる、おしゃべり人情バラエティです。 毎週月曜配信。週の初めのお耳に一服したい時などにどうぞ🍵 第7回JAPAN PODCAST AWARDS企画賞受賞。 🎧 はじめての方におすすめのエピソード 💌【お便り回】 ep120 カミングアウトしてこない同僚との付き合い方と後輩指導で心がけていること ▶ 茶ガマたちのリアルで優しいアンサーをどうぞ 🐈🐈🐈🐕【全員集合回】 ep31 カミングアウト体験談と新作BL朗読 ▶ 勢ぞろいでカミングアウトのあれこれと、爆笑必須?BL朗読 📮おたより募集中! 💌フォーム:https://forms.gle/jMsPwJcgNNDf19SZ9 📧メール:gaydechawowakasu@gmail.com 🌐SNSや通販サイト:https://lit.link/gaydechawowakasu 📰メディア:https://wabisabi-cha.com 🎥YouTube:https://www.youtube.com/@gaydechawowakasu 🎙姉妹番組もぜひチェック! https://lit.link/gaytomoradio https://lit.link/mackypodcast
私より先に丁寧に暮らすな
東京の歌人・上坂あゆ美と、京都の僧侶・鵜飼ヨシキによる雑談配信。人生の呪いからファミレスの好きなメニューの話まで幅広くお届け。 【初めての方におすすめ回】 #30 お菓子が人間だったら誰と付き合いたいか真剣に考える https://open.spotify.com/episode/751EzuNXjpgP2i53P7OtX7?si=XxN2eddURsas_JWE6KFu-A #163 恋愛ってマーージでクソだと思っている人の話 https://open.spotify.com/episode/1WgeglhRT5GQfqzkBO2bNF?si=1l0b2OBlTJq 📩おたより宛先 https://forms.gle/E6oFMLDcrJhUH2g57 番組公式SNS https://x.com/yori_suna (インスタもある) 🚗🚥番組公式コミュニティ https://rooom.listen.style/p/ 📨その他、番組へのお問い合わせはコチラまで yorisuna24@gmail.com