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希望は意味にあるノベーション(1977回)
2026-09-25 13:17

希望は意味にあるノベーション(1977回)

チェコスロヴァキア民主化運動の象徴的存在で、劇作家から後に大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルの言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。


ハヴェルは、共産党政権下で作品の上演を禁じられ、人権や自由を求める活動によって投獄されました。


そして釈放後の1985年から86年、まだ民主化が実現する前、もちろん自分が大統領になることなど分からない時代に、「希望」についてこう語っています。


曰く、


「希望とは、何かが成功する可能性があるから取り組むことではなく、それが善いことだから取り組むことのできる力なのです。


希望は、楽観主義と同じものではありません。


何かがうまくいくという確信ではなく、それがどのような結果になろうとも、そこには意味があるという確信なのです。」


私は、この言葉を、希望の再定義なのではないかと思いました。


希望とは、うまくいくという見通しではなく、結果がどうであれ、そこに意味があると信じて動ける力なのだ、と。


ここから私は思いました。

1、希望は結果ではなく意味にある

2、意味が人を動かす

3、大義が希望の波紋を拡げる


1、希望は結果ではなく意味にある

ビジネスでは、もちろん結果が求められますが、特にイノベーションプロジェクトにおいては、結果が果たして思い通りになるのか、そうはならないのか、わからない状態で始めることになることが多いと思います。


では何をよすがに進み始めることができるのか?

ハヴェルは、その答えを教えてくれているような気がしました。


ハヴェルは、民主化が実現することや、後に自分が大統領になることが分かっていたから行動していたわけではありません。


投獄まで経験し、それでもなお、結果がどうなるかではなく、自分がやっていることには「意味がある」ということを希望として進んでいくことができたのかもしれない、そんなふうに思いました。


つまり、希望は「きっとうまくいく」という将来の結果の中にあるのではなく、「これはやる意味がある」という今にある。


そんなふうに、ハヴェルは希望そのものを捉え直したのではないかと思います。


経営学者ピーター・ドラッカーは、

「企業の目的について、唯一の有効な定義がある。それは、顧客を創造することである。」

と述べています。


企業は利益そのものだけを目的にするのではなく、顧客や社会に価値を生み出すことで存在する。


もちろん、事業を継続するためには利益が必要です。が、その前に、

「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」

という意味が大切ということかと思います。


イノベーションプロジェクトにおいても、将来いくら儲かるということはもちろん議論しますが、それはいくら議論しても今の誰にもわからない。


だからこそ、まず、自分たちが実現したい価値が今あるのかどうか?顧客を創造できるのか?から始める。


そこに、イノベーションを始める意味があり、希望が生まれるのではないかと思いました。


2、意味が人を動かす

そして、何よりも、その「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」というプロジェクト推進の意味は、その意味に共感してくれる人を動かすことができると思います。


ハヴェルは、民主化が実現するかどうか分からない時代から、自分がやっていることには、意味があると信じることで行動し続けた。


その姿を見て、その意味に共感する人たちが集まり、やがて希望が生まれ、大きな動きになっていった。


イノベーションプロジェクトでも同じなのかもしれないなと思いました。


「このプロジェクトは何のために存在するのか」

「自分たちは社会にどんな価値を生み出したいのか」


自分自身が、その意味を信じて行動する。

その行動を見て、誰かの心が動く。

そして、その人も行動を始めることで、その意味が、人から人へ伝わっていき、希望として輝き出すのだと思います。


3、大義が希望の波紋を拡げる


私は、ハヴェルのいう「意味」を、私が考えているイノベーターリップルモデルの「大義」と重ねて考えました。


自分がやろうとしてることは、自分だけではなく、社会にとってどんな意味があるのか。


その大義に、心動いた自分自身をぶち込んで、まず行動してみる

そして行動することでよりパッションが加速する。


そのパッションに誰かが共感し、仲間になり、その仲間がまた行動する。


一人から始まった大義と希望の小さな波紋が、次の波紋を生み、やがて大きな動きにつながっていく。


もちろん、ビジネスでは結果が必要ですが、将来の結果はどんなに考えてもわからないので、それを考えていたら動けなくなることがある。


だからこそ、その挑戦を最初に動かすものの、根っこにあるものが「意味」であり、私はそれを「大義」と呼びたいと思います。


結果が見えなくても、意味があれば大義が生まれ、希望につながる


そして、その希望の波紋が、イノベーションをより大きな動きへ変えていく


そんなことを、ハヴェルの言葉から思わせていただきました。


希望は、将来の結果や楽観主義ではなく、今ここに、意味があると実感していること


それが挑戦の原動力になる


一言で言えば


希望は意味にあるノベーション


そんな話をしています。


参考

ヴァーツラフ・ハヴェル『Disturbing the Peace』181–182頁

ピーター・F・ドラッカー『マネジメント』

ヴァーツラフ・ハヴェル・センター

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