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#1494 科学系ポッドキャストの日:情報格差を壊した一発逆転技術の話
2026-04-01 11:27

#1494 科学系ポッドキャストの日:情報格差を壊した一発逆転技術の話

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月に一度の「#科学系ポッドキャストの日」に参加しました。ホストは「宇宙ばなし」でおなじみの佐々木亮さん。今回のテーマは「社会」。重すぎるテーマにビビりながらも選んだのは、“印刷技術”。本が超高級品だった時代から、知識が解放され社会が激変するまでの流れを、アニメや異世界転生ネタを交えてゆるく語ります。
ヨハネス・グーテンベルクの革命から、アーサー王宮廷のヤンキー、Dr.STONE、本好きの下剋上まで。技術が社会を変えるとはどういうことか、オタク目線でゆるっと解説しています。

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はい、おはようございます。本日の放送は2026年の4月1日、水曜日です。本日は第1494回目のお話となります。 このチャンネルは福島県郡山市在住の特撮・アニメ・漫画・大好きオヤジのピョン吉が日々気になったことをダラダラと話をしているという番組です。
よろしくお願いいたします。
と、いつもと同じ前振りで始めましたが、今回は企画回です。
今回もこの番組、月に1回の科学系ポッドキャストの日に参加しております。
この科学系ポッドキャストの日というのは、サイエントークもレンさんが立ち上げた企画で、毎月1日から10日の間にみんなで共通テーマについてしゃべり倒そうという、科学好きにはたまらないポッドキャストの祭典です。
とはいえ、参加しているのはガチ科学番組ばかりかというと、そうでもありません。
なんと、うちみたいなオタクオヤジ雑談系バラエティ番組もOKだということで、毎度ひっそり、そして参戦しているわけです。
本日はですね、4月1日、エイプリルフールです。
エイプリルフールなら、何言っても冗談で済まされるんじゃないかと思って、本日話をさせてもらいます。
今回のテーマは社会。
ホストは佐々木亮さんの「宇宙ばなし」です。
ほぼ毎日10分ぐらい宇宙に関係する話をする番組で、きのうで1993話目。
すごいですね。
科学的な価値ある話で約2000回、役立たないオタク話を約1500回している某番組とすごい違いです。
そんなわけで、何か社会を変えた科学についての話をしたいと思います。
今回のテーマは社会。
社会を変えた科学、これを聞いたとき一瞬フリーズしました。
重い。NHKスペシャルかサイエンスZEROか。
私みたいな人間が軽々しく語っていいテーマじゃない。
でも、せっかくなので考えてみました。
候補はいろいろ出ました。
ハーバーボッシュ法、コンピューター、インターネット。
全部すごい。全部社会を変えた。
でも全部すでに他の人が喋っているし、自分でも喋っている。
で、今回選んだのはアニメの話です。
逃げたと思った方、正解です。でもマジです。
今回は逃げながらもちゃんとゴールにたどり着きます。
たぶん。
科学に技術まで含めていいなら、今回推したいのが印刷技術です。
印刷。地味に聞こえますよね。
でもこれ、人類史上で最も社会を変えた技術の一つと言っても過言じゃない。
それくらい印刷技術の登場前と後で、世界は根本的に変わったんです。
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印刷以前の世界を想像してみてください。
本というのは全て手で書き写すものでした。
修道院の僧が来る日も来る日も、用紙に一文字一文字書き写す。
聖書一冊を写すのに数ヶ月。場合によっては数年かかる。
当然、本は超高級品。
庶民には一生縁がない。
知識は誰が持っていたか。教会と一部の貴族だけです。
情報格差なんて可愛いものじゃない。知識そのものが特権階級の独占ものだった。
現代でいうと、インターネットにアクセスできる人間だけが情報を持てるという状況のもっとずっと極端なバージョンです。
知識がないと選挙権も裁判権も事実上意味をなさない。
権力の維持に情報の独占は不可欠だったわけです。
それが1450年頃、グーテンベルクの活版印刷によってひっくり返る。
グーテンベルクはドイツの金細工師で金属活字と印刷機を組み合わせた仕組みを作り上げた人物です。
実は木版や木製活字の印刷は東アジアに先行事例がありました。
グーテンベルクより700年以上前に行われていて、世界最古の印刷物はなんと日本にあるとも言われています。
でもグーテンベルクの発明が革命的だったのは、当時のヨーロッパという爆薬庫に火をつけたからです。
何が起きたか、聖書が安く大量に印刷できるようになる。
各自が読めるようになる。
読むには字が読めないといけないから識字率が上がる。
識字率が上がればいろんな知識が広まる。
地図が印刷されれば大航海時代が始まる。
マルティン・ルターの教会はおかしいという主張が印刷されて広まれば宗教改革が起きる。
印刷により知識と技術の蓄積が進み、産業革命を生む。
印刷という技術が社会にどんどん連鎖反応を起こしていくんです。
アメリカの作家マーク・トゥエインはグーテンベルクについて
「今日の世界は良くも悪くも彼に追うところが大きい。
全て彼から起源だ」と記しています。
良くも悪くもというのが絶妙で、印刷技術はプロパガンダにも使われたし、
フェイクニュースの原型もここから生まれた。
技術は中立で、使う人間の問題だ、という話は
AIの時代の今も全く同じですよね。
フェイクニュースが570年以上の歴史を持つと思うと
人類って本当に学ばないなぁと思いますが、
私も人類の一員なので黙っています。
そのマーク・トゥエインといえばトム・ソーヤーの冒険、
ハックル・ベリー・フィンの冒険、
どちらもアニメ化されていて「世界名作劇場」の世代にはおなじみですね。
でもマーク・トゥエインの作品に
「アーサー宮廷のヤンキー」というものがあります。
現代のアメリカ人が中世イギリス、アーサー王の時代に
タイムスリップする話なんです。
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タイムスリップもの、異世界転生ものの元祖です。
1889年にも、あったんですよ。
人類ずっと別の世界に行きたいと思っている。
現実逃避の歴史は長いです。自分も長いです。
このヤンキー、異世界で何をするかというと
現代技術を片っ端から持ってくる
電気、電話、新聞、つまり印刷、
拳銃、蓄音機、今でいうチート能力で異世界無双、
1889年版、俺TUEEE です。
でも自分はここでちょっと待てよーと言いたくなるわけです。
技術ってそんなに簡単にホイッと出てくるものじゃない。
ここで登場するのがDr.STONEです。
石化した人間が復活して千空君が
石器時代から文明を一から再建する漫画、
アニメ大好きなんですよあれ。
千空君は「そそるぜ!これは!」と言ったら
次々に技術を再現していく。
火薬、電気、抗生物質、スマホ、爽快感があります。
見ていて純粋にすごいってなる。
でも千空君、桁外れの天才ですよね。
現実には千空君はいない。
印刷技術を例にとると作るには何が必要か。
まず紙。均一な厚さ、十分な強度、表面の滑らかさ。
紙の品質が安定しないと印刷に使えない。
次にインク。紙に転写後すぐ乾くこと。
油性インクだけでも相当の試行錯誤がいる。
活字は金属を溶かして型に流こむ。
その金属の配合、型の精度、冷却方法、全部に技術がいる。
印刷機本体も均一な圧力をかける機構がなければ文字がかすれる。
グーテンベリクはこれを全部10年以上かけて一人でやり遂げた。
それが本当にすごい。
ちなみにグーテンベリク、晩年は悲惨です。
資金を提供したパトロンに裁判を起こされて印刷機も工房も取り上げられます。
歴史に名前は永遠に残ったけど、発明の果実は全部持っていかれた。
スタートアップ創業者がインベスターに追い出される話、15世紀にもあったんです。
そこで、「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられない」。
主人公は現代日本の本が大好きな大学生。
図書館への就職が決まった日に事故で死んで、
印刷技術も本もほぼ存在しない異世界にマインという少女に転生します。
事故といったけど本に押しつぶされて死んだんですけどね。
彼女の動機は純粋すぎる。本が読みたい、ただそれだけ。
本は貴族など上流階級が持つだけ。
本がなければ本を作ればいいという結論に達するわけですが、
これがどれだけ大変かは前に書いた通りです。
マインはまず粘土版を試す。その次に木簡。
次に植物繊維から紙の代替物を作ろうとする。
でも異世界の素材は元の世界と違う。道具もない。
知識はあっても経験がない。失敗してまた試して少しずつ前に進む。
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Dr.STONEの千空君と対比すると面白いんですよ。
千空君は原理を知っている天才が再現する話。
マインは知識はあるけど凡人が試行錯誤する話。
どっちもリアリティの取り方が違ってそれぞれ好きなんですが、
技術の重さをより感じさせてくれるのはマインの方だと思っています。
凡人が試行錯誤する話の方に感情移入しやすいのは私が凡人だからです。
それからこの「本好きの下剋上」。
昔のアニメ世界名作劇場の雰囲気があって、それが好きなんですよ。
「ペリーヌ物語」とか「黒い兄弟(ロミオの青い空)」みたいな産業革命のヨーロッパを舞台にした作品に通じる雰囲気があるんです。
子供が過酷な労働が当たり前の世界。身分制度の理不尽さ。
それでも知恵と工夫で道を開いていく主人公がいいんですよね。
令和のアニメでありながらあの世界名作劇場の魂を受け継いでいる気がするのでそこがたまらないんですよ。
そしてマインが本や技術を広めていくにつれて物語はただの技術開発ものじゃなくなっていくんです。
情報が広まることで貴族社会が揺らぎ始める。知識の独占が崩れていくわけです。
これグーテンテルクの印刷技術が宗教改革を引き起こし市民革命にとつながっていったプロセスと構造が全く同じなんです。
歴史、科学好きの方にこそ見てほしい作品です。
原作は昨年SFファンが選ぶ星雲賞を受賞しました。
SFファンが選ぶというのがいいです。
ファンタジーに見えて核心にあるのは、技術と社会の変化というバリバリSF的なテーマだという証明です。
アニメは2019年スタート、2024年までに第3期が放送されました。
そして第4期が4月4日からスタートします。
楽しみではあるんですが、アニメ制作が亜細亜堂からWITスタジオというスタジオに変わるし、監督も変わるようなので、どのように雰囲気が変わるか気になるところです。
というわけで、社会を変えた科学というので印刷というのがありますよ、というお話でした。
はい、それではまた、もしよろしければピョン吉のオタクな話にお付き合いくださいね。
本日もお聞きくださいまして誠にありがとうございました。
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