映画エキストラの体験
さて、今回の深掘りですけど、あるリスナーの方から頂いた、映画エキストラの参加体験。 これが非常に興味深い記録でして、
首批義務があるんで、作品名は伏せられているんですが、 その分、なんていうか、撮影現場のリアルな空気感、それに迫れそうな感じですよね。
まさに、作品情報がないからこそ逆に見えてくるものがあるというか。 と言いますと? そのエキストラっていう役割自体の本質とか、その1日がどういうものなのかみたいな。
普段はなかなか光が当たらない世界ですよね。 それを追体験していく感じで見ていきましょうか。 お願いします。
えーと、まず驚いたのが、出発時間。 早朝4時過ぎに出て、集合が朝の5時半。 うわ、早いですね。 しかも、場所がですね、バブル期に計画されて、結局オープンしなかったっていう、
あのヘレナ国際ホテルの跡地。 えー、あの伝説の。 そうなんです。このロケーションからしても、なんか記録からも特別な雰囲気が伝わってきて、
ワクワクしますよね、これは。 映画好きにはたまらないシチュエーションでしょうね。 で、現地に着いてからはどんな感じだったんですか?
到着してすぐ受付で、通行人15号みたいな役割を示す紙と番号札を渡されたそうです。 あー、なるほど。役割分担があるわけですね。 で、これを絶対になくさないようにと、結構強く言われたみたいで。
ふむふむ。その瞬間からもう日常とは違う、役としての時間が始まったってことですね。 そういうことだと思います。で、その役のための控室が、元従業員食堂みたいなところで、
床にはブルーシートが敷かれてて、一人当たり、まあ4分の1畳ぐらいですかね。 スペースが割り当てられて。 結構狭い感じですね。
そこで衣装に着替えて、さらに汗をかいている風のメイクまで施されたと。 へー、メイクまで。視覚的なリアリティー、細かいところまでこだわるんですね。 そこ面白いですよね。
あと、ルールとして、スマホとか貴重品は基本預けると。 あー、それはよく聞きますね。 時計も置いてきたから、時間の間隔がなくなったって書いてるんですよ。
これどうでしたかね、現場への没入感みたいな。 うーん、まあそういう面もあるかもしれませんね。日常から切り離されるというか。 ただ記録にはこっそり持ち込んでる人もいた、ともありましたね。
あーそうそう、ありましたね。 こういうのなんか生々しいというか、人間臭くていいですよね。
その待ち時間がかなり長かったようですけど、その間に周りのエキストラの方々と交流が生まれたというのも一つポイントですね。 そうなんです。
特にエキストラを趣味というかライフワークにしているようなベテラン勢の話がすごく興味深かったみたいで、
全国各地の撮影に参加している人とか、キングダムとかゴールデンカムイにも出た、みたいな人もいたそうです。 へー、それはすごい。
で、今回は〇〇さん来てないね、みたいな会話も聞こえてきたって。 あーなるほど、もうエキストラ界隈のコミュニティというか、そういう繋がりがあるんですね。
ええ、単発のバイトっていうよりはもっと深い世界があるんだなぁと。 そこからエキストラとサブキャストの違いの話にも触れられてましたね。
はい、ありました。サブキャストはより重要な役で、謝礼も高くてエンドロールに名前が乗る可能性もあると。 今回のケースだと近隣の住民の方がサブキャストで、
遠方からの参加者、つまりこの記録を提供してくれた方がエキストラ、というクバケだったみたいですね。 この1000匹もいろいろあるんでしょうけど、興味深いですよね。
で、いよいよ撮影と思ったら、なんと急遽、役柄が変更になったそうで。 え、そんなこともあるんですか?
衣装を変えて、小道具を追加されて、その場で奥さん役みたいなのが決まって。 奥さん役?
で、隣にいた人とどういう会話をするか、その雰囲気作りまで打ち合わせしたと。 セリフはないんですけどね。 なるほど、セリフはなくともそれはもう明確な演技指導ですよね。
そうなんです。だからエキストラって単なる背景として突っ立っているだけじゃないんですよね。 シーンのリアリティを作るための、ある意味重要な要素であって、ちゃんと能動的な演技が求められる。
メインキャストが登場するシーンでもモブ役として参加して、そこでもやっぱり演技が求められたって書いてましたね。
中には元俳優さんなのかなって思うくらい上手い人もいたという記述もあって、この役割の奥深さを感じますね。
撮影の現場とコミュニティ
あと撮影自体がすごく丁寧というか、一つのシーンを納得いくまで何度も撮り直して、20テイク以上重ねることもあったとか。
20テイク以上。
これは以前体験した別の撮影、おそらく特撮系だと思うんですが、それとは全然違ったと。
作品のクオリティへのこだわり、その現れでしょうね。
主演俳優さんたちとは控室もトイレも完全に分けられてて、直接的な接触は一切なかったそうですけど、でも現場に現れた瞬間のいわゆるスターのオーラみたいなものはやっぱり感じられたって。
それはその場にいたからこその体験ですよね。
貴重な、ただ本当に大変だったと思うのが時間ですよね。
朝の5時半に集合して全ての工程が終わったのが、なんと夜の9時過ぎ。
夜9時、ということは15時間以上?
そうなりますね。15時間以上の拘束、これはちょっと想像以上ですよね。
ええ、本当に過酷だと思います。
それでもこの記録の最後には、映画を一緒に作ったぞっていうすごく強い達成感が書かれていて。
そうなんです。
そしてまた参加したい、次はもっといろいろな現場を見てみたいっていう意欲につながっている。
この大変さを上回る魅力がやっぱりそこにはあるんでしょうね。
ええ、長時間で制約も多くて、予期せぬ要求もある。
でもそれを乗り越えた先にある一体感とか達成感。
今回のこの詳細な記録を通して、エキストラという世界の我々が想像する以上に豊かで、そして厳しい一面を垣間見ることができた気がします。
本当にそうですね。非常に貴重な記録でした。
最後にこれを聞いているあなたにもちょっと考えてみて欲しいんですが。
はい。
私たちが普段何気なく目にしている映画やドラマ、あるいは他のいろいろな完成されたプロダクトやサービスの裏側には、今回のような普段は表には見えない人々のまあ情熱だったりとか、あるいは独自のコミュニティがあったり専門的な技術があったり、そういうものがきっと存在しているんですよね。
確かに。
あなたの身近な世界の裏側には、じゃあ一体どんな物語が隠されているんでしょうか。
少しそんなことを想像してみるのも面白いかもしれませんね。