ボイシーの再生速度変更の影響
さけ、今回はですね、送ってくれた方が共有してくれた資料がありまして、それをもとに音声配信の再生速度についてちょっと深掘りしていきたいなと。
はい。
きっかけは、音声プラットフォームのボイシーで、1.5倍速以上の再生が有料になったっていう反響ですよね。
そうですね。結構大きな反響がありましたよね。やっぱり、1.5倍とか人によっては2倍速とかに慣れてたユーザーさんからすると、単なる機能変更以上のインパクトがあったみたいですね。
この速度論争って、なんかボイシーだけの話じゃない気がしていて、今の私たちがどうやって情報に触れてるかとか、コンテンツってそもそもどうあるべきかみたいな、なんかもっと大きな問いを投げかけてるんじゃないかなって思うんです。
まさに。効率をすごく重視する現代のスタイルと、コンテンツを本来のペースでじっくり味わう体験みたいなものとの間で、ちょっと揺れてる感じはしますよね。
そうですよね。それで資料を読んでみると、やっぱりボイシーの変更に、これって実質値上げじゃない?みたいな声が多かったのは、当然というか、1.5倍速以上が当たり前になってたからなんですね。
ただ、私が個人的に、えーって思ったのが、配信してる側、作る側にも、うちは1.5倍速で聞かれるのを前傾に作ってますよっていう人がいるっていうところ。これはとっと、おずごきでした。
そこが非常に興味深い点ですよね。作り手がもう再生速度を意識してるっていうのは、それだけ倍速で聞くのが浸透してる証なんでしょうね。
ある意味、コンテンツの最適化が、その速さっていう軸でも進んじゃってるみたいな。
まさに倍速文化って感じですよね。
えー、しくむですね。例えば、Amazonのオーディブルとか見てみると、ポッドキャストみたいなジャンルだと、だいたい1.25倍から1.75倍ぐらいを推奨してたりするんですよ。
へー、そうなんですね。
ということは、1.5倍ってむしろある種標準的な速度って捉えられてる、そういう見方もできるわけです。
だから、ボイシーの今回のライン、無料は1.2倍までっていうのが、そこの感覚とちょっとギャップを生んだのかもしれないですね。
なるほど。他のサービスの基準とかと比べると、また見え方が変わってきますね。
ちなみに、この資料を送ってくれた方、ご自身はずっと1倍速派だそうです。
あ、そうなんですか。
ええ。だから周りの倍速文化に、なんか浦島太郎みたいだって感じてるらしいんです。
で、その方がご自身の番組制作について語ってるのもまた面白くて。
ほうほう。
最初はラディオトークの12分という制限に合わせてたのが、話すテンポを意識的にちょっと上げていったら、自然と9分ぐらいになったっていうんですね。
あー、内容を削らずにテンポアップで尺を縮めた後、それは一つの技術ですよね。無駄を削ぎ落として密度を上げるみたいな。
そうなんです。
速さと体験の質の関係
で、さらに興味深いのが、その後AI音声に変えたら、人間だと9分かかってた内容がAIだと7分で済むようになったっていう話。
えっと、人間の9分がAIの7分?
そう。人間の9分イコールAIの7分。その理由としてAIの方が、まあ滑舌がはっきりしてるし、言い直しとか間の淀みとかが少ないからじゃないかと分析されてました。
人間の9分イコールAIの7分。
いや、これは結構インパクトありますね。ただここでちょっと思ったんですけど、もともとAIみたいに淀みなくある程度早いコンテンツを、さらにリスナーが1.5倍とかにしちゃったら、なんか情報量が多すぎて、逆に頭に入らないとか疲れるとかそういうことはないんですかね?
確かにそれはありえますよね。効率を求めて早めた結果、今度は理解が追いつかなくなるっていう。情報密度が高すぎると聞く方もちょっとしんどいかもしれない。
そうなんですよ。そうなってくると、今度は作り手としては結構悩ましいですよね。いろんな速度で聞かれるのが当たり前だとしたら、じゃあどの速度を基準に作ればいいんだっていう。
資料の書いてくれた方は、作り手としては聞き取りやすい標準速度で作るので、あとはもう聞く側で調整してくださいねっていうスタンスを示唆してる感じでしたけど。
なるほど。つまりリスナー側には速度を選ぶ自由がある。それは作り手としてはどこまでそれに最適化していくべきなのかっていう、そういう問いかけですね。
ある意味、リスナー一人一人の聞き方がすごく多様化してきて、それが尊重される時代になったっていうふうにも言えるのかもしれないですね。
そうですね。そういう捉え方もできますね。最後にこの資料からちょっと一歩踏み込んで、皆さんと一緒に考えたいなっていう問いがあるんですけど。
はい。何でしょう。
音声に限らずですけど、あらゆるコンテンツを速さ優先で消費するっていう傾向がもしどんどん強まっていくとしたら、作り手が込めたニュアンスとか、間の見ようみたいなものとか、あるいはじっくり考える時間とか、そういうものが失われちゃうんじゃないかなって。
その効率性っていうのと体験の豊かさ、質みたいなものってどういう関係にあるのかなっていうのがちょっと気になりますね。
深い問いかけですね、それは。速さばかりを求めると、もしかしたら何か大事なものを見落としちゃうかもしれないと。そのバランス感覚がこれからますます重要になってきそうですね。
まさにそこが今後の大きな課題と言えるかもしれませんね。
次回の配信もお楽しみに。さようなら。
さようなら。