映画『宇宙人東京に現る』の特撮技術
こんにちは。
こんにちは。
さて、今回はですね、送ってくれた方が長年見たいと思っていたという1本の映画、これに関する資料をちょっと深掘りしていきましょう。
お願いします。
テーマは、1956年公開の宇宙人東京に現る、ですね。日本初のカラー本格特撮映画。
ええ。
正直この記事を読むまで、僕もなんかレトロな怪獣映画かな、くらいのイメージしかなくて。
ところがどっこいですよね。今回の資料を読み解くミッションは、この映画がなぜ単なるカルト作品じゃないのか、その隠れた価値と驚きを解き明かすことになりそうです。
まず、驚かされるのが宇宙人パイラ人のデザイン。
はいはいはい。
一つ目の人出型っていう何とも言えない不気味さなんですけど、これを芸術家の岡本太郎がデザインしたっていうから、もう二度びっくりですよね。
そうなんですよ。で、ポスターも女性が叫んでるようなデザインで。
そうそう。あれ見たら、ああこれは恐ろしい侵略者の映画なんだなーって誰もが思いますよ。
まさにそこが最初の、そして最大の裏切りなんですよね。
裏切り?
ええ。あの不気味な見た目に反して、パイラ人は地球の核戦争による自滅を心配して警告するためにやってきた、すごく有効的な存在なんです。
へー、なるほど。見た目は怖いのに実はいいやつっていうギャップが面白いですね。
当時のSF映画って、宇宙人イコール侵略者みたいなイメージが定着してた頃じゃないですか?
その通りです。だからこそ、この設定は当時としてはかなり先進的だったと言えますね。
恐怖の対象じゃなくて、対話すべき相手として宇宙人を描いている。この視点こそがこの映画の核となるメッセージなんです。
その見た目と中身のギャップっていうのは、映画全体の雰囲気にも通じてる気がしますね。
おお、と言いますと。
タイトルは宇宙人東京に現るなのに、物語の始まりはなぜか日光の中前磁撃。
ああ、確かに。
ねえ、主人公たちもヒーローじゃなくて地味な科学者のおじさん3人組っていうのも、なんか渋いなぁと。
どこかずれてる感じが、かえって独特の魅力を生んでるような。
その独特の空気感は、1950年代という時代そのものが生んだのかもしれないですね。
時代ですか?
当時は世界的にクラトブ円盤ブームの真っ只中でしたから、地球の静止する死とか宇宙戦争とか海外の名作に刺激されて、
日本でもこの映画の公開直前に日本クラトブ円盤研究会が発足してるんです。
なるほど、社会全体のUFOへの熱狂がこの作品の背景にあるわけですね。
まさに時代の熱気を反映した作品だったわけです。
そして技術的な功績も本当にすごい。
日本初のカラー本格特撮映画だったっていう点もそうですけど、僕が一番え?マジですか?って思ったのは、円盤の飛行音です。
ああ、あの音ですね。
あのガメラが回転して飛ぶ時のキーンっていうあの特徴的な音が、まさかこの映画の円盤の音と全く同じだったなんて。
そうなんです。これ単なる偶然とか使い回しっていうよりは、この映画の音響効果がいかに画期的で後の作品に影響を与えたかっていう証拠なんですよね。
制作した大映画いかにこのカラー作品に力を注いでいたかがよくわかりますよね。
物語の構造も宇宙人との接触っていうテーマと天体が地球に衝突するっていうパニック要素を組み合わせてますけど、
社会背景と文化的影響
これって東方の有名な妖精ゴラスよりも6年も早いんですよね。
そこも突起すびき点です。妖精ゴラスに先駆けてこの2つの巨大なテーマを融合させている。
すごいな。
資料にあったスタンリー・キューブリック監督がこの映画に影響を受けたっていう噂も、あながちただの噂じゃないのかもと思わせるぐらいの先進性ですよね。
世界史的に見ても重要な1本だった可能性すらあると。
ええ。
なるほど。
この記事を読むまで正直なところ、昔のちょっと変わった特撮映画くらいにしか思ってませんでした。
でも、岡本太郎のデザインに始まって、ガメラの音の元祖だったり、後の名作に影響を与えたかもしれないストーリーだったり、
日本のポップカルチャーの源流がこんな意外な場所にあったとは、完全に認識が変わりました。
まさに歴史的改作と呼ぶにふさわしい1本ですね。
見た目のインパクト、時代が生んだ熱気、そして未来へつながる技術的な挑戦、そのすべてが奇跡的に融合している。
最後に、送ってくれた方に1つ思考を深める問いを。
パイラ人は約70年前、人類の自滅を警告に来ました。
もし彼らが現代に再び現れるとしたら、我々に一体どんなメッセージを伝えるでしょうかね。
次回の配信も楽しみに。
さようなら。