田口清高監督の魅力
今日は、さて今回はですね、ウルトラマンオメガの第18話と19話、送っていただいた資料を読ませていただいたんですけど、いやーこれはファンが濃厚っていうのも、なんかすごくわかりますね。
特に、あのファン待望の田口清高監督が撮って回ということで。
田口監督といえば、まあZとかブレイザーでもその手腕が本当に光ってましたからね。
ですよね。
送っていただいた資料も、この2話に隠された仕掛けをかなり鋭く読み解いていて、ちょっと我々も話すのが楽しみです。早速その秘密を探っていきましょうか。
お願いします。えっとまずは18話のバロッサの家からですね。
はい。
これいきなりウルトラマンZのバロッサ星人が出てきてちょっと驚きました。
そうなんですよ。
オメガの世界では初の本格的な宇宙人エピソードだったんですよね。
ここで面白いのが、あの送っていただいた方の資料も指摘してたんですけど、世界観の接続ですね。
あーなるほど。
バロッサ星人を出すことで、怪獣を知らないはずのオメガの世界が、なんかこう一気に他のシリーズと地図付きに感じられるっていう。
確かに。
少し危ういバランスですけど、資料の分析通り本筋から少し離れたファンサービス的な特別枠と捉えるのが正解でしょうね。
しかもバロッサ星人の少女役が、ウルトラマンXの桃川遥さん。
資料に10年前と変わらないって書いてありましたけど、本当にその通りで。
こういうキャスティングも長年のファンにはたまらない仕掛けですよね。
まさに。で、このファンサービス的な回を経て19話で一気に深みが増すんですよね。
そう、19話。星の光を追いかけて、これですよ。
脚本が、押井森監督のギリの息子さんでも足立裕孝さんで。
はいはいはい。
で、押井監督を敬愛する田口監督がメガホンを取るっていう、もうこの時点で有名的じゃないですか。
このエピソードの構造が、もう本当に見事なんです。
まず、物語自体が特撮が大好きな少年の話であること。
はい。
そして、その少年の名前がエイチ。
ああ。
これはもう特撮の神様、エニやエイジの本名、エイチへのオマージュですよね。
なるほど。つまり、特撮を愛する少年についての話を、現実でそのエンタニエイジのふるさとで子供たちに特撮を教えている田口監督自身が取るっていう。
そうなんです。
これはもう作り手から特撮への、なんていうかラブレターみたいなものじゃないですか。
ええ。
それはファンが熱狂するわけだ。
この多層的なメタ構造こそがこのエピソードの核なんだと送っていただいた資料もすごく熱き語っていました。
特撮へのオマージュ
映像面でもすごかったですよね。冒頭の怪獣バグリゴンのシーンの迫力とか。
はい。
わかります。低めのアングルから巨大感を煽る感じとか、ハデラビル破壊とか。
いかにもって。
いかにも田口監督って感じで、資料に明らかに予算を多めに積んだ気配がするってありましたけど、思わずうなずいちゃいました。
うんうん。
あと、12年前に子役で監督の作品に出たカベアモンさんが再登場するっていうその縁の話もグッときますよね。
ええ。ただ一方で送ってくれた方も冷静に指摘していましたが、物語のキーである涙型の赤い星、この説明説明に少し時間を使いすぎたかなと。
ああ、はいはい。
それで話の焦点が少し散らばった印象があったのも、まあ確かですね。
そこは確かに。でも資料が、今後の本筋に絡む伏線なら大歓迎って締めくくってたのが、もうまさにファンの心理だなって。
そうですね。
この赤い星がこれからどう生きてくるのか期待させられちゃいます。
つまり、この2話っていうのは単なる物語としてだけじゃなくて、作り手たちの背景とか過去作へのリスペクト、そして俳優たちの時を超えた縁まで織り込まれた、非常に重層的なファンへの贈り物だったということですね。
まさに。そこで送ってくれた方の分析を読んでて、一つ考えさせられることがあったんですけど。
と言いますと?
長く続くシリーズ作品で、こういう分かる人には分かる、深い仕掛けで既存のファンを喜ばせることと、新しく入ってくる視聴者を引きつけることのバランスってどう取るべきなんでしょうかね?
それは非常に重要な問いですね。内輪受けになりすぎず、かといって薄味にもならない。
そうそう。
その絶妙なバランス点を探るのが、作り手の腕の見せ所なのかもしれないですね。
送ってくれた方もこの点についてどう思うか、ぜひ一度考えてみてもらえると嬉しいです。
次回の配信もお楽しみに。
さようなら。