今回は、倉田百三の戯曲『出家とその弟子』
本書は、大正時代に大ベストセラーとなり、ロマンロランからも大絶賛された。
浄土真宗とキリスト教のエッセンスをいれた親鸞とその弟子たちの話です。
宗派を超えた宗教の本質に迫る、戯曲。
私はこの本を読むと、「カラマーゾフの兄弟」を彷彿します。
感想
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次ちょっとね、もう第2幕読んでいきたいんですけども、 第2幕は15年後の世界になっていて、松岡改ゆえになっていると。
25歳ですね。 新蘭は御年75歳になっていると。
ということなんですが、はい。 新蘭、ついにこれもう
あの弟子になってんだね、みたいな感じになるわけ。 第2幕からは。
第1幕はもうほとんどゆうえんの会話は出てきませんから、もう うんうんうん
そう。
でね、えーっと 第2幕はねー
えーっとねー そうだね
ちょっとじゃあゆうえんと新蘭の ある会話の場面をちょっと読んでいきますね
はい ゆうえん
お師匠様、あの 恋とはどのようなものでございましょうか
新蘭 苦しいものだよ
恋は罪の一つでございましょうか 新蘭
罪に絡まったものだ この世では罪を作らずに恋をすることはできないのだ
ゆうえん では恋をしてはいけませんね
新蘭 いけなくても誰も
一生に一度は恋をするものだ 人間の一生の旅の途中にある積書のようなものだよ
その積書を越えると新しい光景が目の前に開けるのだ この積書の越え方の遺憾で多くの人の生涯は
決まると言ってもいいくらいだ ゆうえん
そのように重大なものですか 新蘭
二つとない大切な生活材料だ 真面目にこの積書にぶつかれば人間は運命を知る
愛を知る すべての知恵の芽が一時に目覚める
魂は物の深い本質を見ることができるようになる いたずらな浮いた心でこの積書に向かえば人は盲目になり
ぐたらになる その積書の向かう涼しい国を憧れる力がなくなって
積書のこちらで精力が尽きてヘトヘトになってしまうのだ ゆうえん では
恋と信心信じる心信心は一致するものでございましょうか 新蘭
恋は信心に入る通路だよ 人間は純な一筋な願いを突き詰めて行けば
03:06
みな宗教的意識に入り込むのだ 恋をするとき人間の心は
不思議に純になるのだ 人生の悲しみがわかるのだ
地上の運命に触れるのだ そこから新人は近いのだ
ゆうえん では私は恋をしてもよろしいのですか
新蘭 お前の問い方は愛らしいなぁ
私は良いとも悪いとも言わない 恋をすればするで良い
ただ真面目に一筋にやれ って言うんですよ
ちょっと感動しちゃう 泣いてる方
泣いてます? 泣きそう ほんと
すごい
めちゃくちゃ美しいですね いやーねー
恋をこれだけ深く語ってくれる人がいただろうかって思いますね
恋がさ 真面目にこの石書にぶつかれば
人間は運命を知る 愛を知る
全ての知恵の芽が一時に目覚める 魂は物の深い本質を見ることができるようになる
って言うんですよね これすごいことですよね
ほんと
恋をするとき人間の心は不思議に純になるのだ 人生の悲しみがわかるのだ
地上の運命に触れるのだ そこから心身は近いのだ
自分の人生を振り返っても
恋によって成長してきたなぁって思うし
自分が自分の人生の中で一番大きな転換点は何だったのかって言うと僕のトップ3がやっぱり恋愛だったなぁと思いますね
ここではあまり語りたくないっていうか 自分の中では秘密にしたいぐらいのものだからあれなんですけど
でもなんかわかりますよね恋をすると悲しみがわかり 恋をすると運命に触れるって
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なんか 新蘭と
ユイエンの会話を聞いてたんだけど でもその前情報でもらってた倉田百造さんの
体験がすごくこれを語らせてるんだなっていうのとかもなんかわかんないけど二重構造で想像がついて
それを こうやって温かい会話でね
新蘭とユイエンに語らせるっていうのが すごく美しかったなと思って
すごいあったかい会話だなと思った ここから続きがさらにいいんですよ
ちょっと読んでみますね ユイエン
さっきの最後の場面から読もうか お前の問い方は愛らしいな私は良いとも悪いとも言わない
恋をすればするで良い ただ真面目に一筋にやれ
ユイエン あなたも恋をなさいましたか
新蘭 うむ私が
比叡山で一生懸命修行している頃だった 自沈和尚の様の御名題で宮中に参題して天皇の御前で和歌を読まされた
その時の題が恋というのだよ ところが
あまたクゲたちの歌読みの中で私のが一番優れているとて 天皇のお気に召されたのだよ
そしてご褒美をばいただいた 私は恐縮して下がろうとした
するとクゲの中の一人が歌謡な歌を読むからにはお前は恋をしたのに違いない 恋をしたものでなくてはわからぬ気持ちだ
どうだ恋をしたことがあるだろうと聞くのだ ユイエン
あなたは何とお答えあそばしましたか 新蘭
そのような覚えはありませんと言った するとそのクゲがそのような嘘を言ってもダメだ
出家のみで恋をするとはけしからんというのだ 他のクゲたちがクスクス笑っているのが聞こえた
ユイエン 真面目に言ったのではないのですか
新蘭 からかって
笑い草にしたのだよ 私は威厳を傷つけられて御所を退出した
09:01
どんなに恥ずかしい気がしたろう それから比叡山に帰る道すがら
私は真面目に考えてみずにはいられなかった 私は本当に恋を知らないのであろうか
私はそうとは言えなかった ではなぜ恋をしましたと言えなかったのか
なぜ嘘をついたのか 出家は恋をしてはいけないことになっているからだ
私は嫌な気がした 私は自分らの生活の虚偽を今更のように憎悪した
そして山上の修行が一つの型になっているのがたまらなく偽善のように感じられた
その時から私は山を降りる気を起こし出した もっと嘘をつかずに暮らす方法はないのか
恋をしても救われる道はないのかと考えずにはいられなかった って言うんですよ
これが新蘭が 新蘭って本当に比叡山に入って修行していて
この当時ってなんと北霊って言われるぐらい 奈良と北は比叡山っていうぐらい
仏教会のトップのところで トップエリートのところにママもいて修行してた人
なんだけれども 新蘭で実際そこに思うことがあって 降りて
法人と出会って これだって思って 浄土経に目覚めていくってことになっていくわけなんですね
その仮定が書かれてあると こんな生々しく書かれている
この出家の弟子は本当に魅力ですよ
なんか宗教的な理想像を演じない それを演じ続けることが偽善なんじゃないか
自分に正直に自分を信じる 自分を感じる方をちゃんと信じるみたいな
その信じる気持ちみたいな
受け取った感じありますね
他の宗教者の人はこういう恋とかそういうのは 愛欲だからって言って否定しちゃうじゃない
でも新蘭の中にはやっぱ否定できないんだよね
12:01
自分の中にも欲望があるし愛欲があるし 寂しさもあるし
いいよね
これが新蘭の魅力ですよね
本当に多くの人に新蘭に対されているから
七たる作家が新蘭の本を書いているからね
わかりますよね
続きを読みますね
ちょっとだけこれ飛ばしますけどもね
新蘭が
私のようなものはそれでは助かる見込みはつかないのだ
私は今でも忘れぬが
六角堂によま入りして山へ帰る道で
一人の女に出会ってね
寒空に月が凍りつくように光っている夜だったよ
私を山へ連れて登ってくれというのだ
私は比叡山は女人禁制で
女は連れて登るわけにはいかないと断ったのだ
すると私の衣の袖にすがって泣くのだ
私も修行して助けられたいから
是非山へ連れて行って出家にしてくれと
一生懸命哀願するのだ
いくら言っても聞き入れないのだ
果ては女は助からなくてもよいのですかと恨むのだ
私は実に困った
山の上では女は罪深くして
三世の諸仏も見捨てたまうということになっているのだ
仕方がないから私はその通りを言って諦めさせようとした
すると女はみりみり真っ青な顔をして
やがて胸を叩いて仏を呪う言葉を続発した
それから一目散に走って逃げてしまった
まあかわいそうなことをなさいましたね
心乱
でも山の上は連れて行けなかったのだ
嵐で森は激しくなっている
私は女の呪いが胸の底に応えて夢中で山の上まで帰った
その夜はまんじりともしなかった
少しも眠れなかった
それからというものは私は女も救われなくては嘘だという気が心から去らなかった
私は毎夜毎夜六角堂に通って観音様に祈った
夢中で泣いて祈った
私は死んでもよいと思った
私はその頃から物の見方がだいぶ変わりってきだした
15:06
山上の生活を嫌う心は極度に達した
私は六角堂から帰りによく山上の橋の欄間に持たれて従来の人々を眺めた
難しそうな顔をした武士や
胸残余に余念のなさそうな商人や
娘を連れた老人などが通った
あるいは口笛を吹きながら
車へ通うらしい若者も通った
私はどんなに親しくその人たちを眺めたろう
皆許されねばならないような気がした
世の姿をあるがままに保っておく方が良いという気がした
このままでこのままでと
私は心の中で叫んだ
皆助かっているのではなかろうかと
山へ帰ってももはやそこは私の住処かではない気がした
ゆいえん
その時
法人商人にお会いになされたのですね
心乱?
まったく観音様のお引き合わせだよ
私は法人様の前で
泣けて泣けて仕方がなかったよ
っていう会話なんですよ
いいですね
こういう感じで
心乱が仏教の方に入っていったと
仏教の中にもバラモン教から続く
女性別姿みたいな風潮がね
まだ
宗派によってはあるんですね
この時の比叡山にもあったみたいですね
そう考えると心乱っていうのは
女人王女の道を開いたっていうことになりますからね
すごいことですよ
悪人の王女も開き
だから
浄土門っていうのはすごい
宗派ですね
本当に
生まれるべくして生まれてきてるんですよ
世の姿をあるがままに保っておく方が良い
その言葉がすごい残りました
18:02
一皮深い言葉なんだって感じがしてきますね
そんな形で心乱の話でした
ありがとう
はい
18:14
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