00:00
そしたら次、移っていきたいと思います。
はい。
はい。
えーと、次はね、中間のもう終盤ぐらいなんですけれども。
うん。
はい。
長男ドミートリーが捕まってしまうんですね。
うーん。
あの、父親殺しの容疑として。
うん。
で、その予審、予審っていうのは裁判に先立って、
その、この事件について取り調べる期間。
で、実際裁判をするかどうか決まるというか。
実際、裁判はこだわれちゃうんだけども。
っていうのが、こう予審裁判官が、こう、いろいろ、長男ドミートリーとやり取りするんですよね。
うん。
っていう場面なんですよ。
うんうん。
うん。
でね、あのー、この、
長男ドミートリーの言うことを、本当に誰も信じないの。
その、売信とか裁判官とか。
そうそうそう。この予審調査官とか、検事の方たちとかが信じないし、
まあ何だったら、世の中の人みーんな、ドミートリーが殺したって思ってるんですよ。
ああ。
うん。
誰も疑わない。
うーん。
だからね、これ本当は、あの、ドミートリー殺してないんですよ。
まあなるほど、実際。
実際は。
はい。
殺してないのに、みんな殺してるって、もう、思っちゃうんです。
それはもう仕方ないわけ。
ドミートリーの普段の素行が、もうあまりにも悪すぎて、
俺はもう父親殺すとかって言ったりもしてるから。
日常から。
うーん。
ほらやっぱ殺した。
なるほど。
みたいなことになるんですよ。
はい。はい。
うーん。
ちょっと例えるとやむを得ないかもしれないけど、
ワンピースのね、ウソップみたいな、あの、
中田さん、ワンピース読んだことあります?
全部読んでます。
あります?
ウソップがさ、むちゃむちゃ嘘をつきまくってたやつあるじゃないですか、
海賊が来たぞーって言って。
来たぞーってね。
もうあれが嘘だから、本当に、海賊が来た時に、
海賊が来たぞーって言うのに誰も信じてくれないっていう、
悲劇があったじゃないですか。
狼少年になっちゃうみたいなね。
そう。
まあ、割となんか恥ずかしいというか、
俺はやってないって言ってんのに、
誰も信じてくれないんですよ。
あー。
これは、これはつらいですよ。
だって冤罪じゃないですか。
本当にやってないのに、裁かれちゃうんですよ。
現代でもありそうだよね、普通に。
ねー。
ニュース見てても。
ねー、そうだよね。
うん。
でね、まあもうそういうのっぴきならない状況の中でね、
もう本当に誰も信じてくれないから、
ついに、まあ言うんですよ。
ドミートリーが。
そのセリフをちょっと読みたいと思います。
はい。
03:00
読みます。
これもうだから、えっと、
ドミートリーがこの、
余震調査官とか金人に対して言うんです。
取り調べ中にね。
読みます。
僕は証拠なんぞ恐れやしないし、
自分に不利なことでも進んで話しますよ。
いいですか?進んでですよ。
あのね、皆さん。
どうやら、あなた方は僕という男を、
実際の僕とはまるっきり違う人間に受け取っておられるようですな。
ふいに彼は、暗い沈んだ口調で付け加えた。
あなた方と今話しているのは高潔な人間なんですよ。
この上なく高潔な人間なんだ。
高潔な人間なんだ。
何より大切なのはこの点を見落とさないでくださいよ。
数限りない卑劣な行為をやりながら、
常に高潔極まる存在であり続けた人間だってことです。
人間として、心の内で、心の奥底で、
つまり一口に言えば、
いや、僕にはうまく表現できないけど、
僕は高潔さを渇望し、
ほかならぬそのことによって、
これまでの生涯を苦しみ続けてきた。
僕は言わば、高潔さの受難者でした。
っていうセリフなんです。
うーん、これ場面は、なんかすごい大多数の前で喋ってる感じ?
なんすか?
大多数、まあ皆さんって言ってるけど、
まあその余信調査官とか検事たちが何名かいるっていう、
そういう人たちに話しかけてるんだと思うんです。
一体かけてんだ。
高潔って言葉が何度も出てくるのが、
印象的なパートです。
そうなんですよ。
僕は高潔な人間なんだって言って。
うん、言ってるんだね。
そうなんです。
でも結構そこが悪いわけじゃないですか。
そうなんですよ。
普段は。
そうなんですよ。
そうなんですよ。
そうなんですよ。
これ、僕は言わば、高潔さの受難者でした。
って言うんですよ。
その言葉がパッと分かんなかったっていうか、
スッと入ってこない感じ。
どういうことなんだろうみたいな感じでしたね。
そうだよね。
でもこれ、高潔さの受難者って、
すごい言葉だなと思って。
僕もこれをタイトルに詩を書いたぐらいなんですけど。
高潔の受難。
受難者。
受難者。
そうなんだ、そういう作品を作ったぐらい。
そう、なんかすごい言葉だなと思って。
うーん。
うーん。
そう、中田さんおっしゃる通り、
本当に卑劣な行為をしてる男なんですよ。
うーん。
この男はね。
普段ね。
普段、普段。
はい。
誰も高潔だなんとして見てないですよ、こんな。
はいはい、そうですよね。
で、いきなりこういう状況の中でそれを歌いに来てるっていうシーンですよね。
そう。
ある意味。
うんうんうん。
それはね、その、いや、俺は確かに卑劣な行為してるけれども、
06:03
俺だって本当は高潔な人間でいたいと思ってんだよって、
いうふうに言ってるんですよ。
うんうんうん。
で、その高潔さを渇望する、
高潔な人間でありたいって本当に思ってるけれども、
でも、自分はそれを裏切るような行為ばっかり繰り返しちゃう、
どうしようもない男なんだって、現実の俺はって、
それに苦しんでるんですね。
だから、柔軟者って言ってるんですよ、高潔の。
柔軟者ってのは、高潔さを持って生まれたがゆえに苦しみを持ってるってことを言ってるんですか?
ちょっとまた違うのかな。柔軟っていうのはね。
柔軟っていうのは難を受ける。
難を受ける。
自分はこのことに苦しみを受けている。
柔軟者ってまあやっぱり宗教的な言葉だから、
そういう、俺にはそういう尊さというものが、尊い柔軟というものが、苦しみというものが、
俺にもあるんですって、いうふうに訴えかけてるんですよね。
なるほどね。
周りの人がそれをどう捉えるか、それをどう聞くかっていうのが、
この後の展開になっていくって感じになるんですかね。
すごい興味があるな。
ねえ、これ、これ、みんな多分これ響いてないんですよ。
でも新聞館とかにこれが響いてたらね、
あの、もしかしたら本当にこの人殺しないのかもしれないなとかなるじゃないですか。
でも、響いてないんですよ。
そっか。
それがまた悲しいとこなんですよ、これ。
なんか言ってるはまたっていう感じになっちゃうんだね。
普段の速攻みたいなものから判断されて。
そうなんですよ。
はあ。
ねえ。
うーん。
ねえ。
これドストエフスキーそのものでもあるんだと思うんですよ、このドミトリーってね。
うーん。
このドミトリーもジナン、ユアン、サンナン、アリクセンも全部ドストエフスキーの中にある人物で、
で、ドストエフスキーも実際借金まみれになって賭博してみたいな男だったから、
でも、俺だって高潔な人間でいたいと思ってるっていうことだと思うし、
なんだったらどんな至らない人間でも全ての人間には、
うちには高潔な人間が来てるだろうってことを信じてる男なんですよね。
うーん。
これ読書体験とした読み手の人はそのドミトリーのそうじゃない速攻の悪い面じゃない部分の面もすでに描かれてて、
09:10
この言葉を受け取る体験になるんですか?
それとも読み手も、いやいやいや、なんか言ってるわみたいな感じの、この時点ではそういう体験になる?
いや、これね、読み手はね、あの、感じてます。
感じれる、感じてる。
そういう順序になってんだ。
そうなんですよ。
そっか。
最初からそういうとこはちゃんと描いてくれてるんですよ。
へー。
ドミトリーのそういう側面っていうのをね、なんだけど、こんなにも速攻悪いことをしてしまう男だっていう、
まあ、そういうあい苦しい本当に人間っぽさがやっぱあるんですよね。
はー。
それでね、あの、実はね、この1個前のシーンで、このドミトリーも、ものすごい怪神が起こる場面があるんですよ。
あ、この前のシーンで?
そう。
ドミトリーって、まあ、婚約者であるカテリーナって方がいらっしゃった。
前、あの、体験に問いたいっていうのでお話ししたね。
あー、はいはい。
カテリ、あの、ね、カテリーナとはでも、結婚するつもりはもうなくて、
あのー、えーと、グルーシェンカっていう、その女に惚れてるんですよ。
で、親父もグルーシェンカに惚れてるんですよ。
その取り合いになってるっていう話なんですけれども。
うんうんうん。
で、そのグルーシェンカと、あのー、との場面で、
で、グルーシェンカも、ドミトリーも、あ、ちょ、もう、あの、
共に、ものすごい怪神みたいなのが起こるシーンがあるんですよ。
へー。
それはもう、なんていうの、あの、ゾシマ長老のお兄さんみたいな、
まあ、あそこまでいかないんだけれども、
でも、あのー、すごいやっぱり、なんだろうな、
うちのある賢者が目覚めてくるっていう、ことが起きるんですよ。
やっぱり怪神っていうのは、この、何度も出てくるんですね。
そう、何度も出てくるんですよ。
ねえ、これまで聞いた中でもね、何度も何度もあったけど。
うんうんうん。
そうなんですよ。そこも今回取り上げたかったんだけど、
なんかね、やっぱりね、その怪神が起こるっていうのがやっぱ謎なんですよ。
で、ちょっと扱い切れなくて僕も。
だからまあ、今回飛ばしてるんですけれども。
でもそういうのがあったから、今のこのドミトリーは、
自分の中に高潔なものが生きてるってことも分かってるんですよ。
あー、そういうことか。
そう、だから言えてるんですよ、もうはっきり自分で。
単にね、強がりじゃないっていうか、より深いところから言ってんだね、じゃあそのスケリフは。
僕はもう生まれ変わったんですよ、みたいなことなんですよ、これ。
うん。
でもみんな、昔の悪い自分をばっかり見て、今の自分を見てくれてない。
まあそれは自分が悪いんだから、しょうがないんだけども。
でも、でも見てくれよってこと言ってるんですよ。
俺だって本当に殺してねーんだからっつって。
12:00
うーん。
っていう。
あー。
読み手としてもじゃあもどかしいね。
その届いてないの分かっちゃってるんだね、読み手としてもね、それを。
そうなんですよ。
会心してんのも分かってるのに、分かってるけど。
そうなんですよ。
それが伝わんないっていう。
そうなんです。
シーンなんですね。
そう。
うんうんうん。
もう、あのー、ドミトリーのねー、どれほどこれもう苦しい状況にいるか、想像に余りありますね、ほんとね。
うーん。
おー。楽しみになってきました、今日は。
ここから始まるんですね。
ここから始まるんですね。
この後なんですね。
そう。
これね、あのさっき言ったグルーシェンカって女の人も、ドミトリーと一緒にこう、会心したって言うじゃないですか。
はい。
この予信中の時にね、すごいんですよ。
ドミトリーは悪くないんですって。
ちゃんとケンジ先生に言ってくれるんですよ。
で、悪いのは私なんですって。
主犯は私なんですって言うんですよ。
あれ?ほうほうほう。
それは?
これがグルーシェンカでさえも、やっぱりドミトリーが殺してしまったんじゃないかって思ってるんですよ。
なるほどね。
うん。
で、まあいや、どうだろうな、殺しないとも信じてるっていう、まあそういう。
両方ちょっと複雑なって。
そう。
でもケンジたちはみんな、ドミトリーが殺したって思ってるから、いやあの人が仮に殺したとしても悪くないんです。
主犯は私なんですって。
私が男をタブラ化したからこういうことになってしまったんですっていうこととかを言える人なんですよ、もう。
うーん。
だから捕まえるなら私を捕まえてくださいみたいな。
あー。
っていうことさえも言えちゃうぐらいの人になってるんですよ、もう。
グルーシェンカも。
うん。
すごいね。
すごいね。
かぶる、かぶるってかぶるっていうか、本当に思ってるんでしょうね。
自分のせいでこれが起きてしまったってことは言ってくる。
うん。
そっかそっか。
うん。
そう。
うーん。
逮捕されちゃう可能性ないですもんね、普通にそれ。
そうなんですよ。
うんうんうん。
しかも2人はこの会心で本当になんだろうな、愛に目覚めるんですよ。
お互い愛し合うということが起きる場面があったのに捕まってしまうっていう。
うん。
まあだから助けたいんですね、まあグルーシェンカもね。
とみたくね。
うん。
愛してるから。
うん。
そうだよなー。
うん。
うーん。
グルーシェンカもたぶらかしてたけれども、実は自分はこの人のことを愛してたんだってことに気がついていくんです。
そっか、お父さんとドミトリーとその彼女っていうところの関係だったんだけどっていうことか。
うんうん。
それでね、ちょっと次読んでみていいですか?
ぜひ。
ちょっとだけ飛ぶんですけどね、またこれドミトリーが近地に語るんですよ。
15:01
新聞中に。
で、読みます。
これ、あの女性はっていうのはグルーシェンカのことなんですよ。
はい。
いきます。
それをわかっていただけなければ、彼女の叫びをお聞きになったでしょう。
あなたと一緒なら、たとえ死刑でも受けるわ。
ところが、無一問で戸敷同然のこの僕が、彼女に何を与えたでしょうか。
どうしてあれほどの愛を僕に捧げてくれるんでしょうか。
僕みたいにブサイクな恥さらしな面をした恥さらしな動物が、一緒に懲役にまで行ってくれるというほどの愛に値するのでしょうか。
彼女はさっき、僕のために、あなた方の足元に跪いてくれたんです。
気ぐらいの高い何の罪もない彼女が、どうして彼女を敬わずにいられますか。
今みたいに大声で叫んで、飛んでいかずにいられますか。
ああ、みなさん許してください。
そして彼は椅子に崩れ込み、両手で顔を負って、おいおいと泣き出した。
だが、それはもう幸福な涙だった。
っていう場面なんです。
ここではだから、自分がやってないんだみたいな話がまたちょっと変わって、
彼女を全くその、かばうじゃないけど、
みんなに許してやってくれってことを語っていくんですね。
そうなんですよ。
すごい、エネルギーじゃないけど、その彼女に対しての熱量を感じますね、なんか。
これ本当だから、グルーフシェンカーもすごいんですよね、本当に。
あなたと一緒なら、たとえ死刑でも受けるわって言って、
跪いて、ね、くれたんですけれども、
でももうこれ、ドミトリーからすると、
無一問で孤磁気同然のこの僕が、彼女に何を与えたでしょうかって、何も与えてないのに、
どうして彼女が僕みたいな人をこんなに愛してくれるんだろうかって、言ってるんですね。
18:07
これもう今、ほぼもう誰も自分のことを信じてくれてないから、みんな俺を殺したと思ってて、
もう、やってもない罪で、刑務所に入らないといけないっていう、もうなんか、
絶望の中にいる中で、
グルーフシェンカーが自分のことをこれだけ愛してくれてるっていうのが、本当に彼女は光ですって言ったのは、
もう多分そういうことなんだと思うんですよね。
そうですよね。
もう文字通りそうだったんでしょうね、その状況の中で。
その人が一人いるっていう。
これからさっき言ったその高潔な人っていうものがね、
誰もがうちに高潔な人間ってものを秘めて生きているってことを、
ドミトリーはもう分かっているし、
だから皆さんに打ち明けますって、皆さんも高潔な人間ですからって言ってるから、
みんなそういうふうに思えているし、
グルーフシェンカーもそうなんですよ。
高潔な人が生きているってことをもう分かってるんですね。
ドミトリーの中にとても高潔な人が生きてるってことを分かってるから、
ドミトリーのことのそういう側面をちゃんと見て愛してくださってるんですね。
それはそういう会心によって起こったってことなんですか。
その前の二人はそういうことじゃなかったってこと。
グルーフシェンカーはね、遊んでましたからね、ドミトリー。
ああ、そうなんだ。
これなんか愛ってなんだろうな、優れているから愛したりとか尊敬したりとかってことが、
一般的にはよく起きたりするように思うんですけれども、
愛ってそういうものに捧げられるものじゃないっていうのがあるんだと思うんですよ。
僕みたいなブサイクな恥さらしな面をした恥さらしな動物に愛をくれるんですって。
だから愛ってもうそういうことは関係ないんですね。
うん。
なんかね、そんな安っぽい愛ではない。
本当に、
人間の存在を、道徳を持って無条件に愛していくような、
21:03
本当にアガペの愛みたいなものを描かれてるなって。
しかもそれがもともと素晴らしい人として描かれてたわけじゃなくて、
どうしようもないとこもあるっていうことも描かれた上で、
そういう人たちがこういう極限の状態になるときに、
こう発露してくるものっていうのがまたなんかいいっすね。
そうなんですね。
幸福な涙だっていうのも良かったですね、なんか最後のね。
そうですね。
だって大ピンチじゃないですか。
そうなんです。
これ大ピンチには限りないんだけども、
この状況においてもこんな俺を愛してくれてるっていうのがもうね、
本当に幸福なんですよね。
その涙が幸福な涙なんだっていうのがね、印象深いです。
いやー気になるな本当にこの後ね。
いやーそれでこの後ね、
余震が終わるタイミングでね、
ドミトリーこんなこと言うんすよ。
ちょっと読みますね。
僕はこの告発と、
世間全体に対する恥辱との苦しみを
甘んじて受け苦しみたいと思う
苦悩によって汚れを落とします
だってことによると汚れを落とせるかもしれないでしょう
皆さん
って言うんです。
受け入れるってことですか。
受け入れるというのはその判決というか、誤解されてるわけですよね。
まだこれ判決ではないんですよ、その余震なんで。
愛は死んだから。
取り調べの最後なんですよ。
で、あなたはもうほぼやってるから裁判かけさせてもらいますね。
で、その時に言うんですよ。
僕はこの苦悩と恥辱と苦しみを甘んじて受けますよ。
いや、それは僕が殺しない罪を有罪だということを受け入れますってことじゃないんですよ。
24:04
なるほど。
そこはさすがにやってないから受け入れるわけにはいかない。
本当は裁判にさえかけられること自体、もう受けがたいんですよ。
そんなの。
って思いました、そうですよね。
うん、でも分かりましたよ、じゃあ受けますよ、裁判はっていうことなんですよ。
それは、やっぱり自分がね、そこがあまりにも悪かったってことを、やっぱり、
まあ、そういう後悔というか罪意識があるんですよ。
ドミトリーにはね。
その面で様々な人にひどい言葉を浴びせて、
まあ暴力を振るって、大気に届いたりとかにもね、そうだし、いろんな方にそうやって振る舞ってきてしまった。
だから、そのことに対しては、確かにそう思われても仕方がないし、
そのことを僕は多分苦しまないといけない。
自分がより高潔な人間になるためには苦しまないといけないから苦しみますよって。
そしたらね、自分のこれまで起こしてきた穢れ、汚れを落とせますもんねって。
だから受けますよって。
すごいでしょ、ドミトリー。
すごいですね。
すごいね。
よっぽどだから、汚れ、自分の中にある汚れみたいなものに対してもすごい見えてる。
そうですね。高潔っていう部分も見えてるし。
これがさっきのやっぱあれですね。
ズシマチョウロのお兄さんの話を思い出しますね。
自分が罪深いってことがあるか、それをもう深く深く認識し実感してるからこそ、
とてつもない戒心が、高潔な人間が立ち上がってくるっていうのが、これ今ドミトリーにも起きてる。
なるほどね。ちょっと掃除じゃないけど、同じ。
もちろんね、ドミトリー。
ズシマチョウロのお兄さんは寿命僅かだったから、急に高潔な人間が前面に来るような感じでしたけど、
ドミトリーはいきなりはそうじゃなりませんよ。
やっぱりそう思いたくてもそうできないっていう自分が吠え続けて、
底の荒さみたいなこととか感情的な直情的なものはずっと残り続けますけれども、この後も。
でもやっぱ変わってるんですよ。
一言最後に少しちゃんとそういう高潔な人間から出る言葉みたいなことを出せるようになってきてるんですよ。
この変わり具合がね、なんかたまんないっすね。
たまんないか。
いや、ちょっとほんとね、ほんと4年見たくなってますよ。もうすでにね。
何回かずっと。
これは、もっと細かいところいろいろ触れた上でのこれだから余計思うんでしょうね。
27:00
すごいね。
でもドストエフスキーさんは本当に繰り返し繰り返しこれを書こうとしている。
何かを本当ここに込めようとしているんだなっていうのはなんか。
そうだね。
ねえ。
だいぶ昔に読んじゃったか忘れちゃってるのもあるけど、罪と罰みたいな作品も何か似たようなことを描こうとしてたのかなみたいな感じながら聞いてましたけど。
そうですね。
ねえ。
なんか、人間への眼差しみたいなものを芽生えさせてくれますね。
これやっぱ現実に生きてたら、そんな素行の悪い人見たら、お前がやったに決まってんだろうって多分普通になってると思うからな。
なってるでしょう。
今世界に逃げ出してるニュースとか思っても似たようなこともしかしたらね、いろんなところで起きてる気がしますけどね。
すごく競争的な情報から、全員で石を投げるみたいなことって普通に現代でも変わらず起きてるなって感じますけど。
ねえ。
だから時代を超えて人間にすごいずっとあるものっていうか、普遍的に起こることなんだなって思いました。
ねえ。
うん。
いやー。
我々が一緒に働いているエールで言えば、皇帝的意図っていう話をするじゃないですか。
はい。
究極の皇帝的意図ですよね、これ。
あー、そうっすよね。
ほんとに。
その人の言動の背景にはその人なりの皇帝的な意図、動機、理由があるんだみたいなことで皇帝的意図っていう言葉があり、使ってますけど。
うん。
まさにそうですよね、そのそこがめちゃくちゃ悪い。
うん。
いいとこがないって思われてるぐらいの人が。
そう。
ねえ、その人の行為っていうところ、めっちゃむずくないですか。
めっちゃむずいと思う。だってこれ多分皇帝的意図を持とうと思っても、何回も裏切られてるんだと思う。
そうっすよね。
うん。だからもうこいつはもうダメだっつって。
なんか金貸しても返す返すつっても返さないことも何回も続くしみたいなね、もう。
うーん。
もうどうしようもねえやつだってなって。
うん。
ねえ。
その状態でさらに持とうっていうのは、まあ、言うは優しきだけど。
そうですね。
超難しい状況。
うん。
だよねえ。
うん。
だからある種その裁判に関わってたその人たちに伝わらないって状況は、なんか普通になんかこう起きてしまった。なんだしょうがなく起きてしまってることとも見えるっていう感じなんですかね。
30:06
そうでしょうね。
うーん。
これなんかその肯定的とっていうものの中にやっぱりなんかね、その人間感みたいなものが育まれてないと難しいと思うんですよね。
うん。
これはもう人間の中にはやっぱりこれ誰もが高貴な人間が生きてるってことを本当にね、そういう人間感を持ってないとそこまでやっぱり見通すことはできないんじゃないかなって。
で、これをやっぱりドミドリーを信じ続けた人は彼はやってないって信じ続けた人はただ一人、サンナーアレクセイなんですよ。
あ、そうなんですね。
うん。
ここでアレクセイ出てくるんだ。
そう、アレはやっぱりそういう人間感を宿してるから、ちゃんと昔から怪神する前から兄の中にはそういう高潔さを求めてやまない高貴な人間ってものが生きてるってことをちゃんとわかってるんですよね。
うーん。
それはアレですか、親父を殺すことまではしないだろうっていう、いろんな悪さもしてるけど、これは事実としてわかってるけど、そこまでする人間ではない、そうじゃない、それはしない高貴さを持ってるっていう話なんですか。
そういうことをしないし、くじでは殺すって言ってるけどそういうことをしない、最後は踏み留まることができる男だと思ってるし、何よりこのドミドリーが俺は殺してないんだっていう、その言ってる目が本当のことを語ってる目だってことを感じてるんだと思うんですよ。
なるほど。
うん。
嘘をついてないだろうと。
そういうことですね。
そうなんですよ。
うん。
うん。
うん。
これ、それでちょっとこれシーン、次行ってみていいですか。
もちろんです。
あのー、いやこれそのままの流れでこれちょっと今日はこのままドミドリーを扱いたいんですけどね。
はい。