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S4re ストレス、免疫細胞、うつ状態(再放送)
2026-08-20 14:03

S4re ストレス、免疫細胞、うつ状態(再放送)

前回まで、ミニシリーズ「脳と体」と称して、5エピソード連続で脳と体の相互作用に関する論文を紹介してきました。いかがでしたでしょうか。

今週は番組アーカイブから、同じように脳と体の関係についての話をお届けします。(初回放送 2024年)


ストレスによりうつ状態になりやすくなるのはよく知られていますが、その現象に免疫細胞が関わっているという研究を紹介します。

https://www.nature.com/articles/s41586-023-07015-2


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https://forms.gle/GBnDiL7shtge3mWz8


感想

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みなさんこんにちは。 これまで5週にわたり、ミニシリーズ、「脳と体」というのをお届けしました。
ここでは、脳と体の相互作用に関する論文を紹介してきたわけなんですが、いかがでしたでしょうか。
もし、感想とか問題点の指摘があれば、ご連絡ください。 番組の詳細情報の欄に、連絡用のGoogleフォームへのリンクがあるので、そちらからお願いします。
さて、今週ですが、番組アーカイブから、同じように脳と体の関係について話した回をお届けしたいと思います。
ここでは、ストレスにより鬱状態になるのは、脳の外、体の免疫細胞が関係しているという話をしています。
ぜひ、お聞きください。
鬱病というのは、気分が落ち込んで、喜びややる気が感じられない状態で、本人には非常に苦しいわけです。
抗鬱薬とか心理療法のように、効果的な治療というのもあるんですけど、効果に個人差があって、3分の1の人は治療後も感慨しないと言われています。
だから、鬱に苦しむ人というのは世界中に多くいて、しかも年々増加しているんです。
鬱の最も大きなリスク因子の一つが心理的なストレスで、ストレスによって鬱になるというのはよく知られているところだと思います。
つまり、ストレスが何らかの形で脳を鬱状態にするわけなんですけれども、これがどのようなメカニズムで起きるのかはっきりとはわかっていません。
鬱というのはとても身近な病気なのに、こんな基本的なことがまだ不明なわけです。
でも、心理的なストレスというのは脳が認識するわけで、単純に考えるとそれが直接脳の中に何らかの変化を起こしているんだと想像されるわけです。
ストレスは免疫にも影響を与えるということも知られています。
免疫系と脳には密接な関係があって、双方に連絡を取り合っているので、脳が認識する心理的なストレスが免疫に作用することもあるわけなんです。
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例えば、慢性的なストレスによって自然免疫の働きが強くなるということが報告されています。
自然免疫というのは、特定の病原体に対して抗体を作って防御するシステムではなくて、
生物が生まれながらに持っている防御機能で、白血球の一種の胆球や甲冑球が侵入してきた細菌を食べたりするのがその作用の一つなんです。
それから、うつ病の患者の一部では、免疫の作用によって低レベルの炎症がずっと起きているということも知られています。
つまり、ストレスによってうつ状態になるし、それと同時にストレスによって免疫の変化も起きるわけです。
そして、うつ状態の人では免疫が過剰になっているわけです。
しかし、うつと免疫の変化は、ただ同時に起きるものなのか、それとも何か直接の関係があるのかは、はっきりしていませんでした。
そして関係があるとして、どちらがどちらを引き起こすのかっていうのも、わかっていなかったんです。
今日は、この一端を解き明かした研究を紹介します。
ホットサイエンティストへようこそ、サトシです。
今日紹介するのは、アイ・カーン・イカ大学のフルリン・カ・トーマスらによる研究で、2024年2月にNatureに掲載されたものです。
この研究では、マウスを用いて研究しているんですけれども、心理的なストレスを引き起こすために、慢性社会的敗北ストレスという実験系を用いています。
この系では、テストされるマウスは、攻撃的なマウスに対峙させられます。
具体的には、一緒の檻の中で怖いマウスと短時間一緒にいるというストレスを与えるのを10日間繰り返します。
そうすると、多くのマウスは他のマウスとの関わりを避けるようになるなど、鬱のような症状を示すようになります。
だから、この実験系というのは、心理的なストレスによって鬱状態になるというのをマウスで再現しているということになるわけです。
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この研究では、まず心理的なストレスを与えたときの免疫細胞の変化を調べています。
血液から免疫細胞を取ってきて、どんな種類の細胞が増えたり減ったりしているかを、免疫細胞を細かいタイプに分けて調べました。
その結果、特定のタイプの単球と呼ばれる免疫細胞の数が増えているということがわかりました。
さらに、このタイプの単球が脳の血管に集まるということも明らかにしています。
なので、何か脳と関係がありそうだったので、このタイプの単球をもっと詳しく理解するために、この細胞の中でどのような遺伝子が働いているかを調べていきます。
その結果、これらの細胞では他で見られない特徴があって、特にMMP8というタンパク質を作る遺伝子が働いているということが明らかになります。
つまり、ストレスを受けたマウスでは、血液中にいる単球でMMP8がたくさん作られているということなんですけれども、さらにこのヒッシャラはMMP8が血液中に出ていって、血液から脳の中まで入っていくというところまで明らかにしています。
その生物学に詳しい人は、「うん?」と思ったかもしれません。
血液と脳の間には血液脳関門という構造があるので、通常はMMP8のようなタンパク質は血管から脳の中へは入っていけないんです。
しかし、この研究では、ストレスによって血液脳関門に異常が生じて糖化性が上がって、MMP8が脳の中まで入っていくようになるという驚くようなことまで示しているんです。
さて、このMMP8というタンパク質ですが、マトリクスメタロプロテアーゼという細胞と細胞の隙間の空間にある分子を分解したりして、再構成を促す働きのあるタンパク質です。
人を含めた多細胞生物では、たくさんの細胞が集まってできているんですけれども、細胞と細胞の間にもタンパク質や糖分子など大きな分子がたくさんあって、それを細胞外マトリクスと呼ぶんですね。
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この細胞外マトリクスというのは、細胞の構造を支えたり、細胞間のコミュニケーションや細胞の移動など様々なプロセスに役立っているんです。
今回の研究では、ストレスによってこの構造、細胞外マトリクスの再構成が行われて、その結果、神経の働きに変化が生じてマウスが打つ状態になるということも実験的に明らかにしています。
ここまでの研究をまとめると、まず心理的ストレスによって特定のタイプの単球、免疫細胞が増えます。
そしてこの細胞からMMP8が血液中に出てきて、それが脳に入って働きます。
これが神経細胞に影響を与えて、その結果打つ状態のような行動を示す、こんなストーリーが描かれたわけです。
もしこれが本当であるのなら、血液中のMMP8の量を人工的に減らすことができれば、ストレスを受けたマウスが打つ状態になるのを止めることができるはずです。
この論文では、MMP8が作れないマウスに心理的ストレスを与えるという実験を行っていて、このようなマウスでは打つ状態にならないという結果を示しています。
これはつまり、MMP8を抑えれば打つ状態を予防できるということで、MMP8が打つ治療の標的にできるかもしれないということです。
MMP8はこれまでの薬とは違う新しい標的だから、既存の治療で効果のなかった人にも効く薬ができるかもしれないし、
血液中という脳内よりはアクセスしやすいターゲットなので、期待が持てます。
でも、ここまでの研究はすべてマウスで行われていて、人でも同じことが起きているかというのが問題になるわけです。
そこで、このグループは何点か人のサンプルでも検証を行っています。
まず、マウスでは心理的ストレスで単球という免疫細胞が増えるということだったわけですが、
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人の血液を調べて、打つの人ではそうでない人に比べて単球が増えているということを示しています。
さらに、血液に溶けているMMP8の量も調べていて、これも打つ病の人では増加していました。
もちろん、実際にMMP8をターゲットにすることで打つ病が改善するかはまだわからないわけですけれども、
少なくとも人でもマウスで見られた免疫の変化が起きているというところまでは確認されていて、今後の研究が期待されます。
その心理的ストレスというのは脳が感じているわけで、それが直接脳を打つ状態にするのかと単純には想像するわけです。
でも今回の研究は、少なくとも部分的にはストレスが脳の外免疫に変化をもたらして、
そこで作られた分子が脳の中に入り込んで打つ状態を作るということを示していて、やや意外なメカニズムが明らかになったわけです。
じゃあ今日はこの辺で終わりにしたいと思います。最後までお付き合いありがとうございました。
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