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そのトレーニングを積むとパフォーマンスが向上するっていうのがありますよね。 これくらいの距離、これくらいの時間を走ることができるっていうのが人それぞれあって、
例えば全く運動しない人だと1kmも走れば息が上がって、もうこれ以上走れないっていうことになるわけです。 でもこれを毎日繰り返していると持久力が上がって、1kmぐらいなら楽に走れるようになるし、もっと長い距離でも大丈夫になるわけです。
こんなふうに持久力が向上しているときには体に変化が起きています。肺や心臓の働きが強くなり、代謝や分泌に変化が起きます。
さらに筋肉の機能も変化していて、こういった運動に関わる体の部分の変化がパフォーマンスの向上をもたらすと考えられています。これとは別に運動は脳に良いと言われています。
実際に運動によって脳にも変化が起こることが知られているんですね。例えば神経の連絡が増えたりしますし、神経細胞が新たに生み出されたり、神経の炎症が低下するなんていう脳にとって良さそうな変化が起きることが報告されています。
だから運動による脳の変化っていうのは単に運動の結果起きること、あるいは持久力が上がったから起きる変化っていう風に理解されることが多くて、脳が持久力を生み出すっていう風にはあまり考えられていなかったりします。
しかし運動技術の向上には脳、神経が関わっていることはよく知られているんです。運動出力の最適化には運動やっていう脳の領域が働いていますし、運動の誤差の修正やタイミングの調整なんかには小脳が関わっていることがよく知られています。
でも単純な持久力の向上については筋肉であったり肺や心臓っていう抹消の変化であるっていう考えが一般的で、脳の果たす役割はあまり検証されてきませんでした。
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しかし最近、マウスを用いてこの点を調べた研究が発表されていたので、今日はこれを紹介します。
今日紹介するのはペンシルバニア大学のモーガン・キンデルラによる研究で、2026年2月のニューロンに発表されたものです。
この研究では脳の中でも思想下部の一部、VMHという領域に特に注目しています。
この領域は食欲とか性行動にも関係していて、体のエネルギーをどう使うか決めている重要な領域です。
すでに運動と関係があることが分かっている運動やとか小脳ではなくて、思想下部に注目したわけなんですが、その理由はこの論文よりも少し前に発表された別の論文にあります。
なのでまずその論文、2016年の藤河鉄平らによる論文について話していきます。
運動は代謝、つまり血糖値とか脂肪の量とかを改善するっていう点で健康にいいんですが、この仕組みについて調べていたんです。
で代謝とかエネルギーバランスは脳で調節されることが分かっていましたし、その中でも思想下部が重要であるっていうことが分かっていました。
中でも特にVMHが重要なんですけれども、ここの神経の一部はSF1っていうタンパク質を作っています。
それでSF1が重要であるだろうと考えて、SF1を作れないマウスを作って調べてみたんです。
そうしたら運動による代謝の改善があまり見られないっていう結果でした。
ですから運動すると代謝が改善するわけなんですが、その過程にはSF1を作る神経細胞が関わっているっていうことが分かったっていう、そういう内容の論文だったわけです。
ということは運動と思想下部のSF1を作る神経には関係がありますから、代謝の改善だけではなく、持久力のアップについてもこの神経が関係しているんではないかと考えて、この2026年の論文の方では思想下部について注目したっていうことになります。
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まずマウスでどのように持久力を測定したのかですが、マウスを小型のトレッドミル、ルームランナーに置きます。
ベルトが回ると落ちないようにマウスは走ります。
徐々にスピードを上げていくんですけれども、そうするとどこかで限界が来てマウスは止まってしまいます。
その止まってしまうまでに走った距離を持久力の指標とするという形で実験を行いました。
この実験を3週間繰り返し行ったんです。
そうすると通常のマウスの場合は徐々により長い距離を走ることができるようになりました。
これでトレーニングによって持久力が向上するのが観察できたっていうことになります。
ちなみにこのパフォーマンスの向上は2週間でだいたい頭打ちになっていて、3週間やっても2週間後とあまり変わらないっていう結果でした。
次に死小株のこのSF1を作る神経が活動しているのかを調べていきます。
ここではGキャンプっていう細胞の活動に応じて光の強さが変化するタンパク質をこのSF1神経で作らせています。
そのようなマウスの脳の中に光ファイバーを入れて光の強度を測定することでこの神経の活動を記録していきます。
この測定を運動しているマウスで行うことで神経の活動が運動しているときに起きるかを調べたっていうことになります。
結果ですがこの領域の神経細胞の一部はマウスが運動しているときに活動していました。
また興味深いことにまた別の一部の神経は運動が終わった後しばらくの間活動しているということが分かりました。
さらにトレーニングを繰り返した後にも同じ測定をしています。
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トレーニングをした後は運動後に活動する神経の数が増えていたんです。
そして神経の活動の強さも増加していました。
ですから支障下部のSF1神経は運動と関連して活動しているということが分かったわけですね。
特に運動の後に活動する神経についてはトレーニングによってその活動する神経の数と活動の強さが増えるということが分かったわけです。
次にこれらの神経がどういうふうに変化しているのかを見ていってます。
電気的な活動とか細胞の形を調べているんですけれどもトレーニングの後にはこの神経への別の神経からの入力が増えているということがまず分かりました。
さらにこの神経は活動しやすくなっているということも示していました。
というわけでトレーニングによってSF1神経が変化しているということは分かったんです。
でもここまでの実験では持久力の向上にこれが関係あるのかは分かりません。
これを調べるためにはこの神経の働きを強くしたり弱くした時にトレーニングによる持久力の効果が変化するかを調べないといけないわけです。
そこで光遺伝学と呼ばれる手法を使ってこの神経をコントロールした時に持久力がどうなるかを調べています。
まずやったのが神経の活動を弱める実験です。
光に反応して神経の活動を抑制するタンパク質があるんですね。
それをこの神経にまず作らせています。
そしてまた光ファイバーを脳に入れてこの領域に光を当てることでこの神経を抑制した時にどうなるかを調べるという実験をやっています。
光をどのタイミングで当てたのかなんですが、この研究者らは運動中に活動する神経よりも運動した後に活動するSF安神経が特に重要なんではないかと思っていました。
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こちらの方がトレーニングを繰り返した後により活動するように変化していたので、トレーニングによって持久力が上がるのに関係しているのはこちらの方ではないかと思ったわけです。
それで運動が終わった後の15分間に光を当ててSF安神経の活動を抑制しました。
これを3週間繰り返していったんです。
通常のマウスの場合はトレーニングを繰り返すとルームランナーで走っていられる距離が大きく上昇して2週間くらいで頭打ちになるっていう話でした。
神経の活動を抑制したマウスではどうだったかというと、この上昇が大幅に減っていて半分くらいになっていました。
ですから持久力の向上が少なかったわけなんです。
この神経が働かないと持久力があまり増えないっていうことは、この神経が持久力の向上に重要であるっていうことが考えられます。
さらに逆に神経の活動を増加させる実験もしています。
光を受けると神経を活動させるタンパク質があるので、これをSF1神経に作らせて同じ実験をしています。
この場合ではマウスが走ることができる距離が増えていたんです。
通常のマウスでは2週間で頭打ちだったわけなんですが、神経の活動を増やしたマウスでは3週間でもまだ距離が伸びていたんです。
つまりSF1神経を活動させると持久力がさらに増えていたっていうことになります。
以上の結果から、支障株のSF1神経の活動を増やしたり減らしたりすると持久力が増えたり減ったりすることが示されたわけです。
だからこの神経の活動が持久力の向上に重要であると考えることができます。
従来は筋肉とか心臓っていう脳の外、抹消で起きることがトレーニングによる持久力の向上に重要であると考えられていたわけですが、今回の研究では持久力の向上は脳によっても引き起こされることを示しています。
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ただし抹消での変化も必要であるとは思われるので、あくまで脳もっていうことになります。
おそらく支障株の神経の活動の変化が起きて、それが筋肉などに何らかの変化をもたらして持久力が向上するっていう仕組みだと考えられるわけです。
でもこの論文ではSF1神経の下流で何が起きているのかはほとんど調べていません。
なので現時点では様々な可能性が残っていて、例えば疲労の感じ方に影響している可能性なども考えられるのではないかと個人的には思います。
ただしSF1神経が運動後の血糖値の上昇を起こす作用があるっていうことは示していて、これが運動後の回復だったり筋肉の変化につながるのかもっていう考察はされていました。
さて今回の話はマウスの結果なわけなんですが、それでも特定の神経の活動を強くするだけで持久力がアップするっていうのは興味を引く話です。
アスリートのパフォーマンス向上とか病気や過励での筋肉の回復なんかに役に立つのかっていうのが関心のあるところなわけですが、これらについては今後の研究次第っていうことになります。
ただ持久力に神経が関わるっていうことを示しただけでも興味深い研究でした。体力とか運動とか代謝的な健康とかっていうのは抹消の臓器の問題だと考えがちです。
しかしそのすべてに脳が密接に関わっていることを改めて示した研究でした。
じゃあ今日はこの辺で終わりにしたいと思います。最後までお付き合いありがとうございました。