音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー

音声事業に本気なアメリカの新聞社、ニューヨークタイムズから配信された、ある意味物議を醸した番組を紹介します

本編の書き起こしはこちらのリンクより

https://note.com/rinaarailevia/n/nd5a7cb019bc9

本編で紹介したポッドキャスト

https://open.spotify.com/show/7oBSLCZFCgpdCaBjIG8mLV?si=6OgVEm5GTmWpEOdawWYzWQ

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音声業界の海外市場が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、自称ポッドキャストアンバサダーことあらいりなが、
海外で人気のポッドキャスト番組のレビューやおすすめ、
そして業界の注目ニュースまで、さまざまな視点でお送りしています。
さて、前回のエピソードでは、音声事業に本気なアメリカの新聞社、
ニューヨーク・タイムズの事例を取り上げていきました。
競合他社とどう戦略が違うのか、いろいろ深掘りをしてきたんですが、
今回はその続きです。
そんな他社と一戦を隠すニューヨーク・タイムズから、
昨年配信された、ある意味物議を醸した番組を紹介します。
本編の書き起こしをご覧になりたい方は、概要欄にリンクを貼っておりますので、
そちらからご覧ください。
さて、今回は前回のエピソードに続いて、
ニューヨーク・タイムズがポッドキャスト製作会社、
シリアルプロダクションを買収した後にリリースされた、
初の共同製作番組、Nice White Parentsをご紹介したいと思います。
こちらは前5話で完結しているシリーズもので、
1つのエピソードはそれぞれ1時間弱です。
このNice White Parentsという番組、
タイトルを日本語に訳すと、
素敵な白人の親たちという意味になるわけなんですが、
このタイトル、皮肉でつけられているんですね。
さて、どのような内容の番組かというと、
ニューヨークのブロックリン地区に実在する公立学校と、
その教育システムを取り上げた内容です。
ニューヨークというのは、
人種による教育格差というのが、
アメリカでも一番ひどい地区なんだそうです。
裕福な地区に住んでいる子どもたちは、
そこに位置しているいい学校に通えるのに対し、
貧困地区に住んでいる子どもたちは、
その貧困地区にある問題の多い学校に通わざるを得ない、
ということなんです。
このポッドキャストでは、
このニューヨークに実在する公立学校と、
その教育システムに人種や権力がどんな影響を及ぼしたか、
どうしているのか、
そこに迫ったノンフィクションの番組となっています。
教育を受ける権利は、
貧富の差にかかわらず平等にあるべき、
という大前提がありつつも、
実は権力を持っている、
ここでは白人の親たちが、
その影響力を使ってよかれと思って実施した、
学校への取り組みなども、
実は他の人種の家族が次第に、
それにかき回されていく様子が浮き彫りにされています。
また、学校側も、
学校経営という点では、
貧富を持っている家族からの、
金銭的な支援などが必要という事情もあって、
本来サポートが必要な貧困地区の学校には、
なかなか資金が行きにくく、
結局、裕福な学校にだけが充実していく、
というような悪循環も見えてくる内容です。
この番組、実は本編リリース前から、
非常に話題になっていたんですね。
というのも、
このNice White Parentsというタイトル、
3分ほどの予告編が配信された時から、
賛否両論な意見で、
あふり返っていたそうです。
実は、白人をターゲットにするなんてどういうことか、
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というようなこともあったんだと思います。
そこで、この番組の注目ポイントとしては、
このアメリカの根深い人種問題に、
真正面から挑んだ内容ということですね。
これ、買収したシリアルプロダクションだからこそ、
なせる技だと思います。
前回のエピソードでも紹介をしたんですが、
シリアルプロダクションというのは、
調査報道系のポッドキャストの、
プロ中のプロでもあります。
昨年はですね、
BLM運動などをはじめとして、
人種差別に対する活動というのが、
アメリカ国内でも多くあったわけなんですが、
それと同時に、
例えば、アフリカ系アメリカ人のパーソナリティが
配信するポッドキャストというのも、
非常にスポットライトを浴びることが多かった、
という印象を持っています。
特に、このBLM運動を取り上げたり、
過去の人種問題を取り上げて、
アフリカ系アメリカ人の視点や立場で伝えたい、
というのは、
次々と出てきたんですね。
そこで、シリアルプロダクションという、
この調査報道系のプロも、
長年に渡ってもないとなっている、
この人種による教育格差という、
角度から問題提起をする番組を、
しかも、ニューヨークタイムズから配信したと、
あって、非常に注目をされた番組となりました。
それこそですね、
昨年、タイムズ氏が発表した、
注目すべき2020年のポッドキャスト、
第1位にもランキングをされています。
そしてですね、
このポッドキャストは、
これに関連して、
3月中旬には、
ニューヨークのクオモシュ知事も被告となって、
ニューヨークの教育システムを、
活動家たちが訴えた、
訴訟もニュースとなりました。
改めてですね、
この番組に注目が、
また集まるのではないかなと思っています。
さて、今回は、
ニューヨークタイムズが、
シリアルプロダクションという、
ポッドキャスト制作会社の買収後、
最初にリリースされた、
共同制作番組、
を紹介しました。
前回のエピソードでも、
音声事業に本気を見せている、
ニューヨークタイムズの話をさせていただいたんですが、
そこがさらに、
このような本格的な、
非常に社会問題にインパクトを与える内容を、
作ってきたことに、
ここにも新たな報道の仕方というのを、
音声メディアを通じて、
していっているように思います。
このニューヨークタイムズと、
シリアルプロダクションの本気の一本、
ぜひ聞いてみてください。
最後までお付き合いいただき、
それでは次回のエピソードで。
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