産経新聞紙面に掲載された「話の肖像画」。歌手の加藤登紀子さんが、自らの反省を回顧する、最終話。(代読は加藤さんの次女、 Yae さん)
‥‥「昭和43年の東大卒業式ボイコット闘争で、ジーパン姿で座り込みに加わったときに、加藤登紀子であることから逃れられなくなったと思う。もう一つの転機は(獄中)結婚かな。これはもう、どうしようもない(苦笑)。私のボディーガードを自任する永六輔さんは、芸人というのは元来、お客さんあってのものだから、旗幟鮮明にしないほうがトク、その範囲で自分を発揮すればいいのであって、あまり生身で動いたりするのは心配だなんて、よく忠告してくれました。
 ただね、私はあくまでも歌手なんですよ。運動家じゃありません。愛すること、語りつぐこと、旅すること、抱きしめること…詞を語る、ストーリーを歌うことは全てがメッセージですよね」

「戦後史開封」は、戦後日本の政治史、外交史、エンタメ・服飾芸能史などの様々な出来事を再取材、現代の観点で再構成するドキュメンタリー番組。埋もれていた逸話、報道されていない事実にも光を当てて戦後日本を振り返ります。

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サマリー

加藤登紀子さんは歌手で、彼女の歌には強いメッセージがあると言われています。命が終わっても、彼女の歌は消えません。

目次

00:00
話の肖像画
歌手、加藤登紀子⑤ 命が終わっても歌は消えない、
登紀子の歌には強いメッセージがある
登紀子の歌には強いメッセージがある、と言われてきた。
1968年の東大卒業式ボイコット闘争で、
ジーパン姿で座り込みに加わった時に、
加藤登紀子であることから逃れられなくなった。
もう一つの転機は、極中結婚かな。
これはもうどうしようもない。
私のボディーガードを辞任するA・ロクスケさんは、
芸人というのは元来お客さんあってのものだから、
既視鮮明にしない方が得。
その範囲で自分を発揮すればいいのであって、
あまり生身で動いたりするのは心配だなんて、
よく忠告してくれました。
ただね、私はあくまでも歌手なんですよ。
運動家じゃありません。
愛すること、語り継ぐこと、旅すること、抱きしめること、詩を語る、
ストーリーを歌うことは、すべてがメッセージですよね。
自由に表現できることを大事にする。
自由に表現できることを大事にする。
自由に表現できることを大事にする。
自由に表現できることを大事にしたいんです。
歌や歌詞なら、一人でできるし、
誰かに気を使って喋らなくてもいいでしょ。
はじめから答えが決まっているような、
つまり、辻褄合わせのような政治的なプロパガンダは、
本当のメッセージじゃない。
だいたい、政治の力だけで世の中を変えるなんて、
おこがましいと思いませんか?
むしろ、
二つに分断されている人たちをつなげたいと思います。
どんな人たちとも、一緒に音楽を楽しみたいし、
プロの歌手として、
あらゆる人たちの心の中に届くような表現の形を持っていなくちゃならない。
そう考えています。
歌手生活も半世紀を超えた
歌手生活も半世紀を超えた。
観客がお酒を飲みながらのほろ酔いコンサートは、
40年以上続く。
1日1曲を1年半にわたって披露する。
500曲マラソンは、幅広いジャンルのレパートリーを改めて示した。
半世紀か。
時代も変わったし、音楽も変わったと思いますね。
ネット時代の昨今は、
誰もが自分の思いを言葉にし、
歌として伝えることができるようになりました。
その中で、プロとは何か。
歌でお金をもらうということが改めて問われていると思う。
昔に比べて、歌を作ることは楽になったけど、
たくさんは作らないようにしています。
思いがぐっとこみ上げてきたときにしか作らないから、
そんな思いを言葉にするのは命がけです。
本当に、
本当に思ったことだけを歌で伝えたい。
それだけですね。
50周年のときに出した4枚組のCDは、
終わりなき歌とタイトルにつけた。
命は美しく生まれて消えてゆくもの。
人の歴史の中で、
音楽は本当の思いを風のように伝えてきた。
遺産として紡いできたと思う。
だから、命は終わっても、歌は消えない。
自然が歌になるとより美しい。
命は華やぎながら流れる。
その瞬間、命の力を歌がもらうんです。
話の肖像画。
05:02

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