【岡田】改めまして、今晩のゲストはですね、産経新聞経済部の桑島浩人記者です。
桑島記者、今晩よろしくお願いします。
【桑島】産経新聞大阪経済部の桑島と申します。よろしくお願いします。
【岡田】あの浩人という名前、非常に珍しいですね。
広野宮様のヒロに任せるという浩人というものなんですね。
【桑島】そうですね。これ、九州出身の祖父がつけたので、ちょっと他にはない非常に珍しい名前で。
記者としては目立って得しているかもしれないですね。覚えてもらいやすい。
【岡田】そうですね。なのでちょっとひどい記事を書くと、また悪名が届いてしまうので、気をつけないといけないと思います。
【桑島】今晩は名解説をお願いしたいと思いますが、まず今回パナソニックを扱うということで、4月の改革がですね、当時はニュースにかなりなりまして、新聞なんかも詳しく報道をしたんですが、
やはり時間が経ってしまうと、一般の方たちにはイメージが薄れてきますので、まず4月どういう改革をパナソニックがしたのかというところから聞かせてもらえますか。
【桑島】はい。まず先ほどおっしゃったように、持ち株会社制というものに移行しまして、なのでいわゆる今までのパナソニックという一つのグループだったものが、パナソニックホールディングスという会社。
その下に7つ、厳密には8つなんですけれども、1つは人事部門のパナソニックオペレーショナルエクセレンスというところがありまして、それ以外ですね、7つの事業会社に分かれたということになります。
例えば皆さん馴染みが深い家電、こちらがパナソニックという名前を継承しまして、いわゆる通称新パナソニックと言われています。
それ以外で言いますと主なところでは、EV用の電池を作っているパナソニックエナジーですとか、あとは半導体用の製造装置ですね、ちょっと分かりにくいんですけれども、そういう産業用の機械を作っているコネクトですとか、
あとは車向けのカーナビとかカーオーディオですね、こういうものを作っているオートモーティブというような、こういう各事業会社に分かれるということになりました。
7つの会社それぞれもう少し伺いたいんですが、それまでにこういう改革をしなきゃいけなかった事情というのをまず知りたいところなんですが。
そうですね、当然いくつか事情があるんですけれども、これまた先ほどもお話に挙がっていた停滞という問題ですね。
この30年の停滞というのがつまり何のことかと言いますと、分かりやすく売上高が全く伸びていないと。
今パナソニックの売上高がだいたい7兆円なんですけれども、実は初めて7兆円を突破したのが91年、1991年約30年前ですね。
この時に初めて7兆円を突破しまして、その後ちょっと伸びたり落ちたりということがあって、8兆円近くまで行ったこともあればということが続けていたんですけれども、
そういう中で結局30年間伸びずに今また7兆円のままっていう、言ってみればうよ曲折はしたものも30年伸び悩んできてしまったというところがあって、
それの業務用、家庭用、両方をどんどんどんどん力を入れていいものを作っていかないといけないという中で、ここには大規模な投資をしていくということが発表されています。
なるほどね。これはいい着眼点かなと思いますね。家に空調施設があるところっていうのはまだそんなにないでしょうから、
家庭にそういったものが普及する余地はかなりあると思いますので、今例えばテレビはない、家はないでしょうけど、これがなければまだこれから買ってくれるというところですもんね。
そういった意味では僕たちの身近な商品を作ってくれるパナソニックも現在という見方してもいいですね。
そうですね。やはりそこも非常に重要な要素だというところには変わりがないので、まだまだそういう家電というのは力を入れていくと思います。
なるほど。わかりました。こういった会社のシステムを変えると、そこに働く人たちをどうするか、あるいはそこの経営の角をどうするかということもこれから大事になってくると思うんですが、
先ほどパナソニックコネクトの樋口社長の就任の話を伺ったんですが、それぞれ7つの事業会社に分けることによって、
例えばそこのトップをどうするかとか、そこで働く人をどうするかといった面での改革というのもかなり行われたんでしょうか。
そうですね。やはり今まではパナソニックグループという一つのグループだったので、一つ大きな人事制度の変化として、今まではパナソニックグループ全体で一つの人事制度、
例えば新卒初任給というのは全部一律だったんですね。でもこれだけ多額経営をしていて、事業ごとに全然違うような能力が必要になってくると、
やはりその事業ごとに必要な人材にかかるコスト、要は払わないといけないお給料って違うんですね。
そういう中で分かりやすかったのが、やはりこのコネクト社になるんですけれども、この4月から新体制になりまして、
真っ先にその4月2日に新卒初任給を23万円に引き上げますという発表をしたんですね。
実はその前に春党がありまして、パナソニックグループ全体ではそれよりも11,000円低い21万9,000円で打決していたんですけれども、たった1日で23万円にアップしますと。
なので要はこの新年度入った新入社員はわずか1日で給料が上がったということになったんですね。
結局これが業界のトップ水準に合わせたんだと樋口社長がおっしゃっていたので、そういうことからもやはり事業会社ごとに自社の事業に適した給与水準に変えることができると。
やはりそこは一つ人事制度の変化として非常に大きな要素かなと思います。
そういった権限までは事業会社に全て与えられているということですね。
そうですね。そうした人事上の権限ですとか、あるいは投資に関しても自社のキャッシュフロー内でやる限りは基本的には大きな権限が与えられています。
なるほど。となりますと、これから例えば即戦力をたくさん採用するだとか、そういった意味でのおがかりな人事面での改革というのも、それぞれの会社でしようと思ったらできる、あるいはしなきゃいけないということを反映した会社経営になるかもしれないですね。